ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ミリオンダラー・ベイビー』

2005-03-31 23:45:00 | 新作映画
------あれっ、今日は別の映画について喋るはずでは?
『ミリオンダラー・ベイビー』のようなビッグタイトルは
いつものように"週末にゆっくり"のパターンかと思ってた。
「うん。初めはそのつもりだったんだけど、
これは一言、早く言わなくてはと思って」

-----なに、その一言って?
「この映画は観るまで情報を一切遮断すべし!」
-----おやおや、文字色まで変えて気合いが入ってる。
これって、老トレーナーと女性ボクサーの話で、
アカデミー賞を取ったんだよね。
「はい。そこまで。それで充分。
ぼくもそう思ってたんだけど、
クリント・イーストウッドによると
『これはボクシングの映画ではないと言うところに興味を持った。
自分の娘との疎遠な関係に苦しみ、必死でボクサーとして
名を挙げようとする若い女性の中に自分の娘の姿を見出す
一人の人間のラブストーリーだ』となり、
ヒラリー・スワンクの言葉を借りれば
『映画はある瞬間から変化していく。思わぬ方向にね』となる」

-----確か約2時間前に完成披露試写が終わったんだよね。
場内の反応はどうだったの?
「みんなとは言わないけど、周囲はすすり泣き。
ぼくも涙ぼろぼろ。ところが終わって誰一人として拍手しない。
ここにこの映画の特徴がある」

-----そうか、かなりヘビーなんだな。
あれっ?“情報遮断”って言いながらけっこう喋ってない。
「う~ん、ここが限界かな。
あと言えるのは、どのカット、どのセリフにもまったく無駄がなく、
『次に何が起こるんだろう』と
観る者の心をを鷲づかみにしながら映画が進んでいくと言うことかな。
後半30分は、そのリズムやセリフの喋り方が、
観ている方の呼吸と一致している....そんな感じだったね。
でも、ほんと情報は一切遮断してから観た方がいいよ」

      (byえいwithフォーン)

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『レジェンド 三蔵法師の秘宝』

2005-03-30 22:59:49 | 新作映画
-----ミシェル・ヨーって、
『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』でボンドガールやった人だよね。
最近、あんまり名前聞かなかった気がする。
「『グリーン・デスティニー』以来かな。
今回は、そのとき香港映画人として初めて
アカデミー撮影賞を受賞したピーター・パウを
監督に迎えたアドベンチャー・ロマン。
ミシェル・ヨー自らは製作も兼ねている」

-----タイトルからして香港映画っぽいよね。
ワイヤーワークたっぷりって感じ。
「彼女はジャッキー・チェンが吹替えなしで
スタントを演じさせた唯一の女優としても有名。
ただ、この映画では前半のカンフー・アクションが
ジャッキーというよりもブルース・リーを彷佛とさせたね。
いろんな武器の使い手が次々と現れては、彼女とカンフー・バトルを繰り広げる」

-----でも、どうして彼女は強いの?
「よくぞ聞いてくれた(笑)。
ミシェル・ヨー演じるインは
華麗なアクロバット芸で人気を誇るパフォーマンス・チームの一員。
3年前にこのチームから姿を消したインの元恋人エリックが
三蔵法師にまつわる秘宝の手がかり“敦煌の心臓”を手に舞い戻ってくる。
かくして、この秘宝をめぐって、壮大な冒険が始まるというわけさ」

-----いや、だからなぜ強いのって?
「まあ、あせらない、あせらない。
この秘宝は、並みの人間ではたどり着くことのできない場所に隠されていて、
それをいつの日か聖なるチベットの寺に戻す使命を授かったのが曲芸師の一族。
インはそれを継承し、秘技の修行を積んできた一族の末裔なのさ」

-----ほほう。ということは
クライマックスでは、かなり見せてくれそうだ。
「あたり(笑)。物語の設定上、
インディ・ジョーンズばりの展開になるとは思ったけど、
ブービートラップが、なかなか考えてある。
洞窟内にそそり立つ岩柱の上。
四方から矢が彼らをめがけて飛んでくる。
そして下からは一面、灼熱の炎が吹き上げる。
この絶体絶命の危機の中、インは秘宝を狙う敵の一味と
アクロバット芸で鍛えたジャンプ力で戦わなければならないんだ」

-----にゃるほどね。
これって中国での撮影だよね。風景も楽しめそう。
「青島に始まり、舞台は敦煌、さらにはチベットへと進んでいく。
ヤダン地形国立地質公園という敦煌の砂漠も十分に見ごたえはあったし、
世界一標高の高い塩湖、チベットのナムツォ湖も美しい。
でも最大の見どころはチベット、ポタラ宮。
2000人のラマ僧が跪いてインたちを迎えるシーンはまさに圧巻。
ミシェル・ヨーいわく『映画人生でこれほど感動的な瞬間はなかった』。
確かに、そのスペクタクルの素晴らしさときたら、
これを撮りたいために映画を作ったのではないかと思ってしまうほどだったよ」

      (byえいwithフォーン)

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猫ニュー

『マスク2』

2005-03-29 23:58:26 | 新作映画
------二日続けてパート2だ。
あれっ、ジム・キャリーは出てないんだ?
「うん。前作はCGと彼の顔面パフォーマンスが絶妙に溶け合って、
それが映画の魅力となってたんだけど、
今回はさすがにキャスティングが弱いな」

-----キャメロン・ディアスもいないし.....。
「そう。ロマンチック・ムービーの要素も消えてしまった」
-----じゃあ、ウリはニャんなの?
「よくある“赤ちゃんができて”というパターン」
-----えっ、もしかして赤ちゃんが「マスク」にニャるわけ?
あんまりビジュアル的に見たくないなあ。
「そうなんだよね。
なんと受胎の瞬間までCGで見せちゃう。
これってあんまり趣味よくないよね。
赤ちゃんもまるで悪魔が乗り移ったかのよう。
『エクソシスト』のパロディまでもやっちゃうしね」

-----一言で言うと、どんな映画なの?
「アニメを3次元で見せてる映画と言えば分かりやすいかも。
この映画の中でも使用されてるハンナ=バーバラのアニメ。
その特徴はと言えば、誇張された描写。
体がぺっちゃんこになったり、風船のようにふくらんだり、
手がびょ~んと伸びたり.....。
これって、まさに『マスク』の世界そのものだよね。
この『マスク2』は、そのことを意識した作りになっている。
主人公の職業もアニメーターだし...。」

-----こういう映画にそれを求めるのも変だけど、
テーマとかはあるの?
「赤ちゃんを前面に出すくらいだから、やはり家族がテーマ。
主人公は自分がまだ仕事で一人前になってないだけに、
子供を作って親になることを内心恐れている。
ところがマスクをかぶったことで大変身。
この赤ちゃんもそのときできたというわけだ。
そこにマスクの本来の持ち主である北欧の出来の悪い神様がからんでくる。
この神様はマスクを取り戻すついでに、赤ちゃんもさらってしまう。
ネタバレになるから、あまり詳しくは言えないけど、
神様と主人公が対決するクライマックスでは、
“仮面を剥いだ素顔”というのが感動のキーワード。
あと、サブエピソードとして
赤ちゃんに対抗意識を燃やす犬.....ってのもあるけどね」

-----ぼくには、そんなのニャいニャ。
      (byえいwithフォーン)

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『デンジャラス ビューティー2』

2005-03-28 23:46:19 | 新作映画
------こんな映画にも続編ができちゃうんだ。にゃんか不思議。
「いちばんの驚きは、あれからもう5年も経ったってこと。
5年って、ぼくらにとってはそんなに昔じゃないけど、
たとえばいま高校2年生の子にとっては
前作は小学校6年生の時に公開された映画というわけだ。
つまり初めてこのシリーズに接する人もいるってことだよね。
というわけで、前作のごくごく簡単なおさらい。
グレイシー・ハートは
鼻をブヒブヒさせるのがクセという、
まったく色気のないFBI捜査官。
ところが事件解決のためにセレブに大変身。
『ミス・アメリカンコンテスト爆破操作事件』を
潜入捜査にて解決する......」

-----って、それだけかい(笑)。
「うん。前ふりとしてはこんなもんで充分。
この事件で一躍有名になったハートは、
全国的に顔を知られてしまい、
銀行での張り込み中に、ファンに駆け寄られてしまい、
せっかくの潜入捜査がダメになってしまう.....
というところから今回の物語は始まる。
有名になりすぎた彼女には、もはや潜入捜査はムリ。
そこで、上司はハートに
“スター捜査官”としてFBIのPR活動に従事することになる」

-----にゃんともはや。
「ところが、かつての仲間<ミス・アメリカ>が誘拐されてしまう。
そこでハートは上司に逆らい、捜査に乗りだすのさ」

-----ふうん。ずばりオモシロかった?
「いやあ、楽しかったね。
エンターテイメントとして、脚本がよく練られている。
今回は彼女に敵意をむき出しにする女捜査官サム・フラーが登場。
喧嘩を経て友情が芽生えるという二人の関係性の変容が、
そうなるとは分かっていながらも実に自然で
思わず映画の中に入り込んでしまう。
これはサムを演じるレジーナ・キングの好演もあるけどね」

-----ということはバディー・ムービーだ。
「そういうこと。一般的にアメリカの刑事は二人一組だからね。
『リーサル・ウェポン』しかり『バッドボーイズ』しかり。
『バディー・ムービーがどうしていつも
男の友情を描いたものでなければならないの?』とは
主演のサンドラ・ブロックの言葉だけど、
その鬱憤を晴らすかのように、レジーナと二人で壮絶なバトルをみせてくれる。
物語の方も、あれよあれよという間にとんでもなく発展拡大。
後半、ラスベガスではドラッグクイーン・クラブを舞台に、
サンドラ&レジーナでティナ・ターナー・ショーまで見せてくれるんだ。
このエピソードなんか、特に本筋に必要なく、
どちらかというと無理矢理詰め込んでるんだけど、
そのご都合主義を感じさせないくらい語り口が見事。
とにかく観客を楽しませることに徹してる。
また、そのときのハートの衣裳が笑えないくらいヘン。
まるでセサミストリートのビッグバード。
でもこれがクライマックスで、
彼女の<危機>を生み出すことに大きな役割を果たす。
う~ん、やっぱりこれは脚本が上手いんだね」

      (byえいwithフォーン)

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猫ニュー

『ブルー・レクイエム』

2005-03-26 22:19:29 | 新作映画
------この映画、フレンチ・フィルム・ノワールって
書いてあるけど、これって少しおかしくない?
フィルム・ノワールって言葉、それ自体フランス語だよね。
「そうなんだよね。でもプレスに森直人さんという
映画ライターの人が解説してくれていて、なるほどねって思った。
それによると、もともと“フィルム・ノワール”というのは、
1940~50年代に登場したペシミスティックな
ハリウッドの犯罪スリラーを指すらしい。
ところがその命名が
フランスの映画週刊誌「レクラン・フランセ」だったことから、
このややこしさは始まってる.....と、こういうことのようなんだ」

-----ふうん、具体的にはどんな映画?
「いや、それが書いてない。
フレンチ・フィルム・ノワールの方は、たくさん例が挙げてあって、
こっちは有名な作品ばかりだから、ぼくでさえも知ってるけど....。
こんど調べてみるよ。
その頃のアメリカの犯罪映画ってハードボイルドのイメージの方が強いし」

-----ところでこの映画は?
「冒頭、現金輸送車が爆発と共に炎上するところから始まる。
で、次のシークエンスでは、一人の男が警備員がこの会社に入ってくる。
果たして、この男の目的は?....との謎を提示したまま映画は進んでいく」

-----それは最後まで分からないの?
「いや、途中で明らかにされる。
でも、その物語よりもこの映画の特徴は、
フレンチ・フィルム・ノワールというジャンルの復興にあるだろうね。
青色を基調とした映像の中にストイックな彼の日常が描かれていて、
確かに一つのスタイルを貫いてはいたね。
クライマックスの銃撃戦も、
照明弾を使ったアイデアでけっこう見せてくれたよ。
そうそう、ジオシティーズの『クラシック映画用語辞典』の
フィルムノワールの説明の中に、
“光と闇を対立させるロー・キー照明を効果的に使って
ミステリアスで退廃した雰囲気を作り出すライティング”
とあったけど、ここでは逆にハイ・キー効果をうまく利用してたね」

      (byえいwithフォーン)

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『ヴェラ・ドレイク』

2005-03-24 22:54:22 | 新作映画
-----この映画、みんな「重い、重い」って言うよね。
「タイトルロールのヴェラ・ドレイクは、
人助けと信じて堕胎を行っている女性。
これでは映画が明るくなるはずはない。
でも、監督のマイク・リーはその問題の是非を問うよりより
“家族”の絆、信頼にスポットを当てている気がしたな」

-----マイク・リーって、即興的演出で知られる監督だよね。
「うん。この映画はその効果が実によく出ている。
そのことを分りやすく説明するために、
まずはいつものように物語をかいつまんで話そう。
1950年ロンドン。労働者階級の人たちが住む界隈で
ヴェラ・ドレイクは、体の悪い隣人たちを訪ねて身の回りの世話をしている。
彼女のほがらかな笑顔は、
夫スタンや息子シド、娘エセルを幸福感に浸らせる。
ところが、そんなヴェラにはある<秘密>があった。
そう、彼女は望まない妊娠をしてしまった女性たちに
堕胎の手助けをしていたのだった…」

-----それって、人間の世界では罪なことにゃの?
「免許がないんだもの、もちろんだよ」
-----じゃあ、お医者さんにかかればいいじゃない?
「いや。当時のイギリスの法律では
妊娠が母胎の命を危険にさらすという医師の判断がない限り、
中絶は認められていなかったんだ。
しかも、その費用はばか高く、庶民にはとても支払えなかったんだ」

-----ということは、これによって
ヴェラ・ドレイクが得る報酬は少ないってこと?
「いやいや。少ないどころか彼女は全く報酬を貰っていない。
なのに、手術の仲介をしていたヴェラの幼なじみの女性が
勝手に斡旋料を貰ってたりするんだけどね。
.....と、このエピソードに代表されるように、
この映画は、ほかにもいろいろなエピソードを見せてくれる。
高額な費用を正規に支払う裕福な家の娘の話もそのひとつ。
それぞれの生活環境の違いが見事に描きわけられ、
“階級”と言う言葉を思い起こさずにはいられなかったね」

-----で、このお話はその後どうなっていくの?
「クライマックスとなるのは
ヴェラの娘と、彼女にプロポーズしたレジーのお祝いの席。
その日は、夫の弟フランク夫婦も自分たちに子供ができたことを発表。
一家は二重の喜びに包まれる。
しかし、そこへヴェラ・ドレイクを逮捕するべく警察が…」

-----うわあキツイにゃあ。
「マイク・リーは事前にキャストに脚本を渡さず、
本人が演じる役柄だけを知らせるという演出法を取る作家。
ここでは、ヴェラ・ドレイクを演じるイメルダ・スタウントンは、
警察がやって来ることを知らず、
また、家族を演じるほかの俳優たちは、
彼女が堕胎の“手助け”をしていたことを知らなかったわけだ。
リハーサルで各自が受けたショックは想像にあまりあるよね。
でもこれにより、俳優としての感情が役の上の人物の感情と重なり
これ以上望めないリアルな演技が引き出されてゆく」

------ううむ。即興にはそういう意味があったのか。
フォーンが思ってた一発勝負の即興とは意味が違ってた。
「だって、それじゃカメラ位置も決められないだろ。
俳優はプロ。役になりきった自分が受けた衝撃を、
また役に反映させてていくわけだ。
このシーンのイメルダ・スタウントンの表情の変化は
従来の演技の範疇を超えている」

-----ふうむ、と言うほかないにゃ。
「以後、映画は『間違われた男』を思い起こさせるサスペンス・タッチも加わり、
エンターテイメントとしても見せてくれる。
まさに、これぞ名画。
ヴェネチア国際映画祭金獅子賞、最優秀女優賞のW受賞も納得だ」

      (byえいwithフォーン)

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猫ニュー

『ウィスキー』

2005-03-23 23:13:26 | 新作映画
「いやあ渋い渋い」
-----なに言ってんの?渋いのはお茶。
これはウィスキーでしょ。苦いなら分かるけど...。
「そう言ってもこれは映画の『ウィスキー』。
東京国際映画祭でグランプリに輝いたウルグアイの作品なんだ」

-----へえ~、珍しいにゃあ。
どんな映画なの?
「ウルグアイで靴下工場を経営しているハコボの元に、
ブラジルから疎遠になっていた弟エルマンがやってくる。
ハコボは弟の滞在中、従業員の中年女性マルタに
夫婦のふりをしてくれと頼む。
仕事熱心な彼女はそれを受け入れるが....というお話さ」

-----それとウィスキーと、なんの関連が?
「うん。これは寅さんのバターなんだ」
-----にゃんだ、それ?
「寅さんは記念写真を撮るとき、『バター』と言うだろ。
一般には『チーズ』。ウルグアイではそれが『ウィスキー』となる。
つまり、これは作り笑いの意味。
みんな笑ってるけど、それぞれ心の中は....ってことかな」

-----ふうん。けっこうシニカルにゃんだ。
「そういうこと。ハコボとマルタは経営者と従業員。
ある一定の壁がある。
ところがそれを知らないエルマンは
根が快活なこともあり、マルタに気楽に接してゆく。
自分に対して、ある意味気を遣いすぎるハコボより、
エルマンといるときの方が、
自然マルタの顔も明るくなる。
でもそうなると、今度はハコボがおもしろくない。
嘘とは言え、自分の妻のはずだからね....。
この関係性の変容が小旅行の中で繊細に描かれていく」

-----そうか、工場と聞いて閉塞感を感じたけど、
途中から開放的に変わって行くんだ....。
「うん、そういうこと。
冒頭、朝の出勤前後の時間が3日間にわたって繰り返される。
シャッターを開けて、電気のスイッチを入れて、
壊れたブラインドを直そうとする.....。
それがまったく同じ固定カメラで描かれ、
ちょっとしつこすぎるんじゃない...と思ったら、
最後でやってくれた。
ネタバレになるからこれ以上は言えないけど、
なるほどこれがやりたかったんだ....という
エンディングで締めくくられるよ。
う~ん、やはり渋い」

      (byえいwithフォーン)

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『花と蛇2 パリ/静子』

2005-03-22 22:00:09 | 新作映画
--------いよいよ、今夜は衝撃の問題作『花と蛇2』。
前作が予想を超えるヒットを記録しただけに、
その「パート2」って難しそうな気がするにゃあ。
「前作を簡単におさらいしてみよう。
あれは、静子夫人の美貌に魅せられた昭和の巨魁が
彼女の夫を罠にはめ、妻を売るように仕向けさせるというもの。
この映画の特徴は“見世物性”。
フェイドアウトで繋ぎながら、SMプレイが次々と映し出されていく。
でも、その快楽よりも“痛み”が前面に押し出され、
エロチシズムに欠けた作品となっていた」

--------でも、確かタブーを破るかのような
杉本彩の体当たりの“演技”が話題となってたよね。
「そう、それだけに本作も簡単に生まれはしなかったようだ。
監督の石井隆が杉本に送ったいくつもの企画に、
彼女はなかなか首を振らなかったらしい。
なるほど観て納得。
本作は前作とは似て非なる作品に仕上がっている」

--------えっ、でも基本はSMなんでしょ?
「そんなことあっさりフォーンに言われると、戸惑ってしまうなあ(笑)。
ポイントは“三角関係”。
美術評論家の遠山隆義には美貌の妻・静子がいた。
ふたり、夫婦仲はいいものの、遠山はもう老境。
夜の生活は送れずにいる。
そんな彼に、日本絵画界の長老が
静子をモデルとしたCGアートによる春画を見せる。
それに触発された遠山は、
妻の隠された<性>を知ろうと、ある一計を案じるというお話さ」

--------あれっ、杉本彩との絡みが話題になっている遠藤憲一は?
「よく知ってるね(笑)。
遠山は静子をパリに送り込む。
そこで彼女を待ち受けているのが、遠藤憲一扮する若き画家・池上亮輔。
静子は彼に将来の可能性はあるか否かを見極めにきたわけだ。
ところが、ふたりは互いに惹かれてしまう。
このふたりのセックス・シーンがとにかく生っぽい。
汗の匂いまでしてきそうなくらいだ」

-------こっちの方が、今までの石井隆に近そうだ?
「そうだね。かつて彼の映画の特徴とされた
<夜>と<雨>も効果的に使われてる。
また、これは映画の種明かしにも繋がるから
はっきりとは言えないけど、
杉本彩と遠藤憲一の絡みのシーンでは
カメラアングルによって録音を変えるなど、
今回は、とにかくその<音>が印象に強く残ったね。
石井隆映画に欠かせない安川午朗の音楽も
70年代フレンチ・ポルノを思い起こさせる旋律を中心に
ほとんど休むことなく流れ続ける。
これもエンターテイメントを意識したサービスの一つかな(笑)」

      (byえいwithフォーン)

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『桃色』

2005-03-21 18:49:41 | 新作映画
-------あれっ、これ松坂慶子じゃない?香港映画と聞いてたけど.....。
「そうなんだ。彼女にとってこれは初のアジア映画出演となるらしい」
------タイトルからしてエロチックそうだけど?
「うん。なかなかだね。
松坂慶子もチャイナドレスから太ももをたっぷり覗かせて、
妖艶な熟女の魅力を振りまいていたよ」

------お話はたいしたことなさそうだけど。
「う~ん、どうかな。
時空を超えた、しかもゴーストものの要素も入って、
いかにも香港映画的な作りになってたね」

---------物語は.....?
「香港で不動産仲介の仕事をしているメイライ(テレサ・チャン)は、
日本人女性の梅木夫人から、自分が長年所有したままの
高級アパートを誰かに貸してほしいと頼まれる。

(※早くもネタバレ注意)
メイライはその部屋を一目見るや、部屋の魔力に捕らわれてしまう。
メイライは自分に焦がれる警官(カール・ン)を意識しつつ毎日部屋に通い始める。
そんなある日、若いカメラマン(Sho)が引き寄せられるようにアパートへ。
ところが、このカメラマンは梅木夫人のかつての恋人」

------はい?????
「つまり、カメラマンはゴーストってこと。
しかもそこに梅木夫人の若い日の姿をした女性(ハリス)まで現れるんだから驚き。
で、ここでさらに衝撃(?)の事実が明らかとなる。
梅木夫人は、かつては男だった!!!!!」

------う、う、うそでしょ?
「ま、こういうお話をブルーとオレンジの照明の中で、
繰り広げていくんだから、ノレるか否かはその人次第だね」

------ウ~ン、難しそう。
「でもボンデージやレズビアンなんかもあるから、
好きな人には楽しめるかもだね」

      (byえいwithフォーン)

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『愛の神、エロス』

2005-03-20 19:26:34 | 新作映画
------今日の映画もまたはやりのオムニバスだ。
「うん。これはミケランジェロ・アントニオー二が
呼びかけたらしい」

------だれ、それ?ミケランジェロって彫刻家じゃ?
「(笑)いやいや。60年代にフェリー二やビスコンティと並んで
世界の映画界を席巻したイタリアの巨匠だよ。
ほかのふたりがもうとっくに亡くなってるのに対し、彼はまだ健在。
かつて“愛の不毛”という言葉を広めた人でもあるんだ。
この最新作は彼が92歳の時に撮った作品と言うことになるね」

------ふうん。テーマはエロス...でいいんだよね。
「プロデューサーたちのコンセプトは、アントニオー二と
彼に影響を受けたと公言している若手監督を組ませること。
エロスを題材に好きな手法で映画を撮る、
それ意外は何をやっても自由というものだったらしい。
アントニオー二はすぐさまこのプロジェクトに応じ、
多くの候補者の中からウォン・カーウァイと
スティーブン・ソダーバーグを選んだというわけさ」

------それぞれ、個性は出ていた?
「ファンを一番狂喜させるのは
ウォン・カーウァイの『若き仕立屋の恋』だろうね。
60年代の香港を舞台に、
高級娼婦と新米仕立屋の間に生じる
エロスのさざ波を“手”を媒介に描く(原題『THE HAND』)。
その濃密な空間は『花様年華』を思い起こさせる。
スティーブン・ソダーバーグの『ペンローズの悩み』は
自分が見るエロティックな夢の中の女がだれかを思い出せない男が、
精神科医にその悩みを相談する会話劇。
ブラインド越しのハイキーなモノクロ映像によって
ハードボイルドタッチでスタートする。
途中、ユーモアも挟まれたけど、オチは簡単に読めてつまらなかったな。
アントニオー二の『危険な道筋』は、
結婚生活に行き詰まりを感じている夫婦の前に
自然と共に暮らす若い女性が現れ、男と関係を結ぶ話。
目新しくも何ともないけど、
そのフリーセックスの感覚が懐かしさを呼び起こす」

-------全体を通してはどうだったの?
「最初のウォン・カーウァイがあまりにも強烈。
その余韻が長く残るため、あとのふたりが割を食った感じ。
ただ思ったのは、
これほどの監督たちになると、みんな自分の“匂い”を持っているということ。
アントニオー二の映画はシンプル。
一見、他の監督にもできるようでいて絶対にそれはありえない。
やはりあの空気感は彼にしか出せないものなんだと思うよ」

      (byえいwithフォーン)

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『50回目のファースト・キス』

2005-03-19 13:46:36 | 新作映画
-------ドリュー・バリモアで“キス”って前にもなかった?
「自身の製作会社フラワー・フィルムズを設立して作った
『25年目のキス』のことだね。
この大ヒットで彼女は再浮上。以後の活躍はフォーンも知っての通りだ」

-------それにしても『50回目のファースト・キス』って意味分かんないな。
「そうだね。まずはその説明から。
ドリュー・バリモア扮する主人公ルーシーは
交通事故に遭って以来、毎日のことをすべて忘れてしまう
短期型記憶喪失障害を抱えて暮らしている。
そうとは知らずに彼女にアプローチしてしまったのが
水族館で獣医として働くヘンリー。
ヘンリーは毎日、初対面から初め、愛を告白し続ける。
最初はヘンリーのことをうさんくさく思っていたルーシーの家族も
彼の誠意が届き、次第に受け入れ始めるようになる。
かくしてふたりは毎日恋に落ち、毎日ファースト・キスをする.....
タイトルの意味はここから来ているんだ」

------ふうん。でもそれって無責任な言い方だけど、ある種ロマンチックだね。
だって、毎日、キスのシチュエーションが違うんでしょ?
「そう。この映画の楽しさは、他の映画では限られた数しか望めない
美しいキスシーンが、繰り返し何度も観られるところ。
こんなスウイートな映画はそうあるものじゃない。
しかも舞台がハワイだからロケーションには事欠かない。
まさに企画力の勝利だね」

------でも、いつかは彼女も年を取るわけだし。
ヘンリーとしても、いつまでもルーシーの側にいるわけいかないのでは?
「そうなんだ。
ふたりの関係はゆっくりゆっくり進んでいき、ついに結ばれる日がくる。
ところがそのまま朝を迎えてしまったものだから、さあ大変」

------そうか、目が覚めたら隣に知らない男が寝ているわけだ。
「で、ある日、ついに彼女は決心する。
『このままでは自分が彼の重荷になるばかりだ...』。
かくしてふたりは“別れ”という道を選ぶんだ」

------くぅ~っ、泣かせるにゃあ。
ヘンリー役はアダム・サンドラーだっけ。
「うん。ドリュー・バリモアとは『ウェディング・シンガー』でも
共演し、息のあったところを見せてたけど
ここでも彼のコメディアンとしての素質が非常によく生かされていたね。
映画の冒頭しばらくは、彼がナンパ師で
女の子とはまじめに付き合わないことが手際よく紹介。
一方では、獣医としてセイウチやペンギンとふれあう姿が
ほほえましく描かれる。
女好きだけど、根は優しい。彼のイメージにピッタリだ」

------で、結末はどうにゃるの。
「(笑)それは言えないでしょ。
でもね、だれもが望み、だれもが納得する最高の<幕切れ>が待ちかまえている。
原題は『50 First Dates』だけど、
ファースト・デートムービーとしてこのうえなくピッタリだね」

      (byえいwithフォーン)

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『おわらない物語・アビバの場合』

2005-03-17 23:16:27 | 新作映画
------大柄な黒人女性がキャリーバッグを手に森の奥へ入っていく…。
このメインビジュアルってインパクトあるね。
周りにはリスやヤギがいるし...。これってファンタジー?
「なかなか鋭いところを突いてきたね。
これは俊英トッド・ソロンズ監督の新作。
ファンタジーというよりもむしろ“童話”を意識しているね」

------どういうお話なの?
「幼い少女アビバにはレイプされた従姉のドーンがいた。
ドーンは自分の分身がこの世に生まれてくることに耐えられず、
自ら命を絶ってしまう。
そのことを知ったアビバは、自分はドーンのようにならずに、
子供を産んで母親になることを固く心に誓う。
数年後、12歳になったアビバは、両親の友人の息子ジュダの子を妊娠。
アビバの父と母は娘を説得して中絶手術を受けさせようとする。
その大きな理由と言うのが、まだ若すぎて危険。
産まれてくる子供に障害があるかも…というわけだ。
一方、生まれてこなかった赤ん坊が女の子だったことを知ったアビバは家を出る。
このメインビジュアルは、その家出のシーンをイメージして描かれているんだ」

-----なぜ、森の中?それにこの子12歳に見えないよ。
「これは重要なポイントだけど、
アビバを演じているのは、なんと7人の女性と1人の男性」

-----えっ、どういうこと?
「エピソードごとに、アビバは違う姿形になるんだ。
それでも彼女の本質は変わらないということを
監督は言おうとしてるんだけどね」

-----それにしても男性って、変じゃない?
「途中、アビバが船で川下りをするシーンがある。
そう、まるでハックルベリー・フィンのように。
ここのアビバを演じているのが男性と言うわけさ。
やがてアビバは力つき、川べりで倒れているところを
ピーター・ポールという男の子に発見される。
彼は自分が住むサンシャイン・ホームへアビバを連れていく。
そこのママ・サンシャインは敬虔なキリスト教信者で
何人もの障害児を養子にしているんだ」

-----なんか、話がどんどん膨らんでいくな。
結局、なにをやりたいんだろう?
「ここで映画は一つのハイライトを迎える。
彼ら障害児はゴスペル・グループ、
“サンシャイン・シンガーズ”を結成しているんだ。
彼らは、それこそ明るい顔で歌い踊る。
その中には両手がない子やダウン症の子もいる。
ふだん見なれないこの光景は、観る者の心を動揺させるに充分」

-----う~ん、強烈そうだ。
「一般に、歌や踊りと言ったショウビジネスは
美形でスタイルがいいダンサーによって演じられるというのが
暗黙の了解になっている。
なぜって、それは観る人を心地よくさせるからだよね。
だからこそ、ショウのオーディションは難関だし、
その後のレッスンも実に厳しい。
ところが、ここでは一目観ただけですぐわかる障害児たちのステージ。
演じているのは実際に障害を持つ子どもたち。
これって鍛え上げられた一流ダンサーのパフォーマンスからはほど遠い。
でも、その明るい笑顔は
ブロードウェイ・ショウと比肩できるほどに胸揺さぶる。
ある意味、残酷なはずなんだけどね。
でも、それこそがこの映画を森の奥、“童話”の設定にした理由(わけ)。
そう、“童話”って、もともと残酷なもんだからね」

-----アビバの中絶の理由にも
障害児が産まれる危険性と言うのがあったね。
「そこがまた重要ポイントなんだ。
この施設を経営している人たちは、ある殺人を計画・実行している。
その対象となるのは中絶を施している医師。
サンシャインの人たちの考えでは、どんな命にも生まれてくる意味がある。
だからこそ中絶を絶対悪ととらえているんだ。
すべての命を救おうとする彼らが、一方では殺人に手を染める。
『善意で行う殺人は限りがないから怖い』------
これは今日の朝刊である弁護士が某宗教集団を差して言った言葉だけど、
これと、どこか通じるところがあるかもだね」

      (byえいwithフォーン)

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猫ニュー

『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』

2005-03-16 23:07:06 | 新作映画
-----これまたズバリのタイトルだね。
ニクソンってウォーターゲート事件で失脚した大統領だよね。
彼、命を狙われていたの?
「うん。ニクソンはベトナム戦争を泥沼化させた張本人とも言われていたし、
当時アメリカ国民の間では
けっこうフラストレーションがたまっていたと思う。
この映画はそんな時代背景の中、
妻子と別居しているひとりの男サムが
事務器具のセールスマンの仕事に就くことで再生を図ろうとしながらも、
自らの信条への誠実さが仇となって、挫折していく姿が描かれる」

-----そうか、もっとポリティカルな映画かと思った。
「いやいや、たとえて言えば『JFK』よりはむしろ『タクシードライバー』だ。
サムはニクソン暗殺のため飛行機を乗っ取り、
ホワイトハウスに突っ込もうとするわけだけど、
その理由と言うのが、職場のボスから
『ニクソンは世界一の商売人』ということを吹き込まれたから。
ニクソンという男は、体のいい営業文句(約束)で国民に自分を売りつけ、
それを履行しなかったにもかかわらず、
また同じ営業文句を掲げて出馬し、再選した…と、こういうわけだ」

-----それと自分の生きざまがリンクするってスゴい。
「そうなんだね。先ほど“自らの信条に誠実”と言ったけど、
サムはすごく真面目で、たとえば嘘をついてまでモノを売ろうとしない。
商売に駆け引きなんかは必要なく
正直に、仕入れ値と自分のもうけを客に語ればいいと言う考え方。
でもそれじゃ商売人としては失格だ。
そんな彼から見れば、ニクソンなんて極悪人。
自分がうまくいかないことの“象徴”となってくる。
でも、それ以前にサムの失敗は社会の仕組みや常識に無知だったから。
このあたりが観ていて辛いところだね」

-----主演はショーン・ペン。
「サムがハイジャックの予行演習をしているところなんか
さっき話した『タクシードライバー』のトラヴィスを
思い出したけど、やはりあの映画の方が好きだな」

-----それってなぜ?
「うん。あの映画はここまでドキュメンタリー・タッチじゃない。
同じく救いようのないドラマでありながら
イリュージョンとも言えなくない蠱惑の映像が
観る者の目を最後までスクリーンに釘付けにした。
このダイナミズムは、やはりスコセッシならではだ。
もちろん、この映画にも主人公サムの目に映るテレビ画像が
すべてニクソンの演説といった、
彼のオブセッションを具現化したような象徴的映像も出てくるけど、
どうしても『タクシードライバー』のような映画的興奮に欠けるな」

      (byえいwithフォーン)

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猫ニュー

『最後の恋のはじめ方』

2005-03-15 23:27:04 | 新作映画
------『最後の恋のはじめ方』ってソニー・ピクチャーズの映画だよね。
メジャーにしては、また珍しい邦題の付け方だ。
「うん。原題は『HITCH』=ヒッチ、人名だ。
(繋ぐ、引き寄せるの意味もあり)。
主演がウィル・スミス。
これで『ヒッチ』じゃラブコメとは想像つきにくい。
とてもじゃないがヒットは難しいと睨んだんだろうな」

------でも確か全米では大ヒット。
「そうなんだ。ボックスオフィス2週連続No.1。
話は単純。デート・コンサルタントを職業とする男ヒッチが
恋のきっかけを作れない男たちに恋愛術を指南していく。
ところがそんなある日、自分も恋に落ちてしまう。
その相手と言うのがゴシップ記事担当の記者サラ。
彼女というのが男性にはまったく興味がなく、
恋愛願望もほとんどないワーカーホリック。
これって50年代のハリウッド映画によく見られた
“気の強い女性とダンディな男性”の恋物語。
その現代形だね」

------で、結局オモシロかったの?
「主人公ヒッチの恋と並行して、
彼が手がけた不器用な会計士アルバートの恋が描かれていく。
某財団の超セレブリティという高嶺の花にアプローチする
彼の奮闘ぶりの方が
どこかで見たようなヒッチの恋より数倍楽しめる。
試写状などには、ヒッチのことを
“自分の本当に好きになった女性にはなかなか愛を伝えられない…”
なんて感じのことが書いてあるけど、
ウィル・スミスが演じてるんだから、
この恋がうまく行かないわけはない。
途中で<誤解>という障壁も生まれるけど、
それもこの手のハリウッド映画では“お約束”のこと。
特にハラハラするということはない。
最後にふたりが結ばれることは、火を見るより明らかだもの。
となると、あとはどのような形でこの<誤解>が解け、
「アイ・ラブ・ユー」となるか…?がポイント。
しかしこの映画は「アイ・ラブ・ユー」にくるまでが
少し長すぎて、盛り上がりに欠けたと思う」

------でもヒットしたからにはやはり理由があるんでしょ。
「うん、そうなんだ。けっこう楽しめたよ(笑)。
そのひとつに、これが映画初出演と言う
アルバート役のケヴィン・ジェームズの存在があげられる。
ぶくぶく太っている上に、
食べ物のソースをこぼしたり、ズボンを汚したりと、
やることなすことすべてがドンくさい。
そんな彼にウィル・スミスがキスの仕方を指南。
実際にやってしまうここも笑えるけど、
本番でアルバートが意中の女性相手にやりのけるところは
この映画最大の見どころかも知れない。
もともとはコメディアン出身という彼のパートは
ファレリー兄弟のお下劣コメディをちょっと品よくおしゃれにした感じ。
1本の映画に二つのラブコメが同居といえば、
この映画のテイストが分かりやすいかも。
そうそう、ニューヨーク・ロケも見モノだよ。
って、これは蛇足だね」

      (byえいwithフォーン)

※カップル度

※ヒッチによると「キスは90%相手に近づいて、そこで待つ。彼女が残り10%の距離を縮めるまで....」なのだそうです。
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猫ニュー

トラックバック・ベスト10

2005-03-14 23:30:14 | 映画
-----トラックバック・ベスト10?にゃんだそれ?
「うん。たとえばこの『ラムの大通り』一つとっても、
毎日、多くの人が来てトラックバックしてくれてる。
その映画に関心がある人が書きこみしてくれるコメントとは異なって、
トラックバックというのは、
その映画について、みんなが自分のページに書いているということだよね。
で、これってブログを持っている人の中での
映画の人気のバロメーターを測る尺度になるのでは?
と、前から思っていたんだ。
そこで、今年公開された映画に絞って
ちょっとその上位を調べてみようかと....。
もちろん『ラムの大通り』上だけでだけどね」

------にゃるほど、おもしろいかも...。
「まず、惜しくも第11位となったのが『エターナル・サンシャイン』10TB
第10位『ビヨンドtheシー~夢見るように歌えば~』11TB
第8位『オペラ座の怪人』14TB
第8位『東京タワー tokyo tower』14TB
第6位『ロング・エンゲージメント』15TB
第6位『サイドウェイ』15TB
第5位『北の零年』21TB
第4位『ビフォア・サンセット』22TB
第2位『アレキサンダー』23TB
第2位『きみに読む物語』23TB
で、栄えある第1位.....ぱんぱかぱーん
なんと
『オーシャンズ12』28TB」

------へぇ~っ。意外だにゃあ。『オーシャンズ12』は
みんなの評判悪かった気がしたけど。
あれっ、『パッチギ!』がない。

「うん。やはりいいか悪いかは観てみるまでは分からないからね。
それと『パッチギ!』。これは2回書いたので省略。8+8で16TBだけどね。
この映画や『レイクサイドマーダーケース』(9TB)のように、
ここは単館系の邦画を好きな人が訪れてくれてるのも特徴だね」

-------ふうん意外とおもしろいや。この企画またやるの?
「そうだね。月一くらいで考えてみようかな
『エターナル・サンシャイン』『きみに読む物語』
『ロング・エンゲージメント』『サイドウェイ』は、続映ないしはこれからの公開。
どこまで伸びるか興味深いしね」

------それはそうと、映画のおしゃべりは?
「急な打ち合わせとかが多くてあんまり観られなかったんだ。
明日あたりからまた再開するよ」


      (byえいwithフォーン)

※05年3月14日23:30PMのTB度
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