ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『戦火の馬』

2012-04-02 22:44:48 | 映画
(原題:War Horse)



----- 映画の日に、
フォーンが観に行ったのはこれ『戦火の馬』
スピルバーグ監督作ってことで安心ということかニャ。
実際、映画館は始まってけっこう経つのに、
人が多かったしね。
しかも、かなりの年配の人ばかり。
お話の方も、すぐ想像ついちゃうしね。

少年の父親が変な意地で買っちゃったサラブレッド。
少年は、その馬を飼いならし
農耕馬としても活躍。
ところがせっかく耕した畑も、
その年の悪天候で農作物の収穫ができなくなっちゃう。
折しも、第一次世界大戦が勃発。
馬は軍人に売られて、戦争に徴用されてしまう。
で、そこからがこの馬の苦難の日々が始まる…。
馬は、その買った軍人の戦死により、
少女にかくまわれたり、
敵国ドイツの兵器を運ぶことに使われたり…。

観ていて気づいたんだけど、
映画中盤あたりから、
馬の目線を軸に描いているんだよね。
だから、フォーンの感情の動きもその馬に添っていく。
仲間の馬の代わりに自分が荷役を買って出たりするとこは、
ちょっとできすぎじゃないかと思ったけど、
でも、息苦しかったね。
で、実は、そのことが、えいには気に食わないらしい。
『おそらくCGも多用されているとは思うけど、
馬があんなに苦しそうにしているのは観ていてつらい。
クライマックスの鉄条網を引きずり、
体に巻き付けているシーンは、
もう、痛ましくって痛ましくって…』だって。
でも、よかったところはニャいの?っていいたら、
『やはり撮影かな。
噂の夕陽を背景にシルエットの
「風と共に去りぬ」シーンに限らず、
映像がテクニカラー時代のアメリカ映画を思わせる。
ただ、最初からジョン・ウィリアムズの音楽が
映像に寄り添いすぎていて、
これでいいのかなあ?という気にはなったね』とのこと。
でも、フォーンは、馬の受難を通して、
戦争のむごさを見せつけた映画になっていたと思ったニャあ。

(byフォーンwithえい)

フォーンの一言「でも、あのラストは好きニャ」ぱっちり

※よくできてはいるけ度


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2011年、フォーンと無人島に行くならこの10本(ネタバレ編)

2011-12-31 22:38:10 | 映画
----8年目を迎えた「フォーンとの映画おしゃべり」。
あれ、今年は“ネタバレ”だって…。
どういうこと?
「ツイッターを覗くと、
みんな、ベスト10をやっているじゃない。
それで改めて考えちゃったんだ。
自分の好きな、あるいはおススメの映画って、
どういう基準だろうって…」

----その答って出たの?
「実は、これはずっと変わらないことなんだけど、
観ている間、日常を忘れさせてくれること。
これがまず大前提。
で、その上で、さらにぼくが求めるのが、
その“持っていかれ感”が最後まで続くこと。
ということは、どういうことか…。
いわゆる
記憶に残るラストシーンを備えた映画。
これがぼくのベストムービーだね。
しかしそれを語ると、必然的にネタバレになっちゃう…
と、まあ
こういうことなんだ」

----でも、映画ってそれだけじゃニャいよネ?
「うん。
で、その次に来るのが、
あっ、これこそ映画、と思わせる瞬間があること。
ということで、今回はその二段構えで…。」

----じゃあ、まずその…記憶に残るラストシーンからだね。

「それでは…。

●1日目●『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』
■ラスト、イーサン・ハント(トム・クルーズ)の泳ぐ目線。そしてその先にあるのは…。
このスパイアクションから、あの甘酸っぱいエンディングは、とても想像つかない。
●2日目●『トゥルー・グリット』
■復讐を終え、平原を馬で駆け抜けていくコグバーグ(ジェフ・ブリッジス)とマティ。
そこで彼女が目にしたものとは? やがて空には無数の美しい星が…。
●3日目●『まほろ駅前多田便利軒』
■別れを覚悟で、自分の過去を語る多田(瑛太)。
その気持ちを組んで、いったんは彼の元を去った行天(松田龍平)だったが…。
友情は孤独をも埋める…? 夢のようなラストのワンカット。
●4日目●『マイ・バック・ページ』
■確かに沢田(妻夫木聡)は、きちんと泣けた。
倉田眞子(忽那汐里)が望むように…。
だが、ラストのあの涙の意味は? 100人いれば100人の答がありそう。
●5日目●『八日目の蝉』
■長い心の旅の末、恵理菜(井上真央)が到達したある境地。
とめどもなく湧き出てくる涙は、決して悲しみからではない。
観る者にも高揚感を与えずにはおかない、最高のアップ。
●6日目●『恋の罪』
■闇の引力とは、かくも強いものなのか? 
ゴミ収集車を追う彼女(水野美紀)の前に現れたのは…?
この映画は次作『ヒミズ』 と並べてみることで、さらに強度が増す。
●7日目●『ゴーストライター』
■風に舞う文字。そのラストは、高橋和巳の小説『憂鬱なる党派』を思い起こさせる。
人生の無為感、ここに極まれり。
●8日目●『ブラック・スワン』
■ブライアン・デ・パルマもかくやの、めくるめくトリッキーな映像。
ラスト、ヒロイン、ニナ(ナタリー・ポートマン)の口から出る言葉は…。
思わずブラボー!と、スタンディング・オベイションを送りたくなった。
●9日目●『猿の惑星・創世記<ジェネシス>』
■チンパンジーのシーザーが見下ろすものは…?
オリジナルの『猿の惑星』と対をなす見事なショット。
ウィル(ジェームズ・フランコ)との別れも泣けるが、
この映画史を繋ぐショットが、さらなる感動を誘う。
●10日目●『リアル・スティール』
■『ロッキー』嫌いの自分。
なのに、この映画には完全に心奪われた。
とりわけファイナル・ラウンドは。
父親(ヒュー・ジャックマン)を見る息子の目線がスクリーンを至福感で満たす。
映画は、やはり“目線”が重要だ。


※さて、もし10日で帰れなかったら…(あっ、これこそ映画、と思った瞬間

●11日目●『孫文の義士団』
■次々と襲いかかる刺客との技を駆使しての戦い。
アクションは、かくありたいもの。
●12日目●『ザ・タウン』
■絶体絶命の中から、脱出はありえるのか?
圧巻!キャメラににじり寄るジェレミー・レナーの最期!
●13日目●『ハリー・ポッターと死の秘宝 Part2』
■CGに対する偏見を捨てさるに十分!
ホグワーツでの最終決戦!!
●14日目●『SUPER8 スーパーエイト』
■映画『ザ・ケース』のヒロイン=探偵の妻を演じるエル・ファニング。
突然、別の人になりきって悲しげな訴える目線にドキッ。
まるでヒッチコック映画におけるグレース・ケリーのようだ。
●15日目●『コクリコ坂から』
■これは、日活青春映画だ。生徒集会で一斉に歌い出すシーンだけでも十分に意味がある。

※他にも忘れられないラストシーンを。

●16日目●『婚前特急』
●17日目●『復讐捜査線』
●18日目●『サラの鍵』
●19日目●『風にそよぐ草』
●20日目●『探偵はBARにいる』

■おまけ
『アンチクライスト』


----こうやって振り返ると、
今年は、いろんな映画があったね。

「うん。例年以上に豊作だった。
ぼくにとってはだけどね。
来年もこの流れが続くといいなあ」



フォーンの一言「果報は寝て待てニャのニャ」
もう寝る


※2011年の五つ星だ度


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『リアル・スティール』

2011-12-30 14:32:24 | 映画

※ネタバレもありますが、もう公開から3週間経っているので…


(原題:Real Steel)


----これって、今年のラスト・ピクチャー・ショーって
決めていた映画だよね。
だから、ギリギリになって…。
フォーンも一緒に行ったけど、泣けたよね。
「巧い映画だよね。
よどみなく物語が流れていく。
ロングに引いた画の中、トラックが左から右に走っている姿を捉えた
あのオープニングだけでも、
傑作の予感が漂う。
物語は、もうあらかじめ知っていたし…。
かつてはボクシングで鳴らしながらも私生活はグータラ。
恋人との間にできた息子(ダコタ・ゴヨ)とも別れ、
いまはロボット・ボクシングの稼ぎで暮らすチャーリー(ヒュー・ジャックマン)。
恋人が急逝し、真剣争いが起こるも
彼はまったく興味なし。
金のためだけに、ある期間の間、
やむなくその息子を引き取ることになる。
この時点で、もう流れは予想できちゃう。
泣かせのポイント、その第一は、
せっかく結ばれ始めた父と子の絆。
しかし、そこに“別れ”がくるということ」

----そうそう。
で、フォーンが驚いたのは、
昔の、同じくボクシングがキーワードになっていた
『チャンプ』とは違って
この息子というのがしっかりしていて現代っぽいということ」

「そうなんだよね。
なにせ、日本語は知っているし、
ロボットにダンスは教えるし…。
ついにはリング上で、
ロボット格闘技“リアル・スティール”のチャンピオンに戦いを申し込むんじゃう。
その裏に、チャンピオン・サイドによる、
ある汚い画策を持ってくるところなんて、
この映画、
観る側の心のつかみ方がほんとうにうまい」

----あと、いいセリフも多かったよね。
ほら、キャッチコピーにも使われている
『僕のために戦って』とか…。
「あ〜。あれも泣けたね。
大人のセリフとしては
『キスだけのために2,000キロ…』とか。
で、キャメラもいい。
チャーリーが女性を見る時、
薬指の指輪の有無を確認するところを
さりげなく入れたりとかね。
でも、やはりこの映画の白眉はクライマックス。
ある人がツイッターで
『ロッキー』と『ザ・ファイター』を引き合いに出しながら
そのラストを示唆していたこともあって、
結果がどうなるかは読めちゃったけど、
それを超える展開があった。
もう、始まってずいぶん経つから言ってもいいと思うけど、
キーとなるのは、シャドーボクシング。
リング状ではATOMが戦っているけど、
そこでは、元ボクサーのチャーリーも戦っている。
そしてそれを仕掛けたのは我が子。
これは自分の息子によって復権を成し遂げた父親のお話。
もう、その設定だけで泣けちゃうよね」


                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ショーン・レヴィ監督『ナイト ミュージアム2』も、父と息子のお話だったのニャ」身を乗り出す

『A.I.』『センチメンタル・ジャーニー』も少し入っていた度



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原田芳雄追悼(『大鹿村騒動記』公開中に…)

2011-07-19 22:39:10 | 映画
「今夜はしっとりといくからね…」
-----そうか、原田芳雄が亡くなっちゃったんだよね。
「うん。実は『大鹿村騒動記』を観に行った時、
ある人から『これは、原田芳雄の最後の作品』と聞かされて、
えっ?と問い返したことが…。
その人の話によると、癌が再発したのだとか…。
映画を観た後にぼくはそれを知ったわけだけど、
この映画、原田芳雄久々の主演ということもあり、
彼は役を喜々として演じている感が。
で、印象に残ったのが、
エンドクレジットに写される彼のスナップ的写真。
それがあまりにもよくって、
これは阪本順治監督の彼への愛だなと…。
映画には、それこそ大御所がずらり顔を揃えていて、
もしかしたら、クランクイン前から
その遠くはないであろう死を察した友人たちが
大挙、友情出演したのかなとも…」

-----ふうん。
ところで、えいの原田芳雄との出会いは?
「これはね。脇も脇、
ほんの1,2シーンしか出演していない、
『八月の濡れた砂』の神父役。
ちょっとコミカルな彼の演技がとても印象的で、
順序を逆にして、後で観た『野良猫ロック・暴走集団’71』で、
その強烈な個性に完全に虜となってしまった。
この映画は、『野良猫ロック』シリーズの掉尾を飾る作品。
主人公たちは新宿にたむろするヒッピー。
原田芳雄はドテラ姿。
これも後で知ったんだけど、
この映画は、正月映画として公開。
それにドテラはないだろうと、当時の日活の上層部は怒り心頭だったらしい」

-----その頃から、反権力、反体制のイメージが
出来上がっていたってわけだね。
「そうだね。
フォーンは彼が阪本竜馬を演じているのを知っているかな。
黒木和雄監督『竜馬暗殺』には、
彼のほかに松田優作、石橋蓮司、桃井かおり、中川梨絵らが出演。
この映画は、ストーリーよりもその“言葉”がオモシロい。
まるで当時の学生のような政治的な会話が交わされるんだ」

-----へぇ〜っ。でも、えいのおススメは
『祭りの準備』だったよね。
「そう。個人的にはこれが一番。
市国の閉塞的な海辺の町に
がんじがらめになっている主人公・楯男。
彼がラスト、ついにこの街から逃げだし、
東京へ向う時に見せた原田芳雄の演技は、
数ある彼の名シーンの中でもベスト!
両手を挙げて『バンザイ、バンザイ、バンザイ』と、
走り去る列車をどこまでも追いかけていく。
底にかぶさる松村禎三のテーマ曲。
あの高揚感こそ映画だね」

-----他には?
若松孝二『われに撃つ用意あり』だね。
原田芳雄演じる主人公・郷田は元全共闘。
その元同志・李津子を桃井かおりが演じる。
ふたりは、ラスト、
ヤクザと警察を向うに激しい銃撃戦を繰り広げるんだ。
あの時代の熱い心は失っていない、
そんな気概が感じられる映画だったね。
最近では『亡国のイージス』で総理大臣まで演じ、
その意外なキャスティングに、心底驚いたものだけど、
彼にはやはりこういう役が似合う。
もちろん『歩いても歩いても』のおじいさんもいいけどね。
しかしなあ…」

-----ニャに?
「昔、『新宿アウトローぶっ飛ばせ』
文芸地下で観たとき、
ある友人がこう言ったんだ。
『横浜の港のシーン。
従来からのスターであった
渡哲也からのバトンタッチを
見たみたいだ』って…(実際は原田芳雄が一つ上)。
まさか、その原田芳雄が先に逝くとは…。
ほんとうに、ひとつの時代が終わった気がする。
松田優作は、彼の一挙手一投足を研究し、模倣したとか。
そして、その松田優作は原田芳雄より先に逝き、
原田芳雄の家の神棚には、
藤田敏八監督と松田優作の遺影が飾ってあったという。
なんと言っていいのか、ほんとやりきれないね」


                   (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ご冥福をお祈りします」悲しい


※たくさん喋ったけど、まだまだ喋りたりない度


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フォーンから、えいとフォーンの近況について…。

2011-03-17 18:54:27 | 映画
-----フォーンから、久しぶりのご挨拶。
左のカレンダーを観ても分かるように、
えいは、全然、映画のお話をしてくれない。
電子書籍「シネマグランプリ」の原稿をアップして、
ホッとしたのもつかの間、
青色申告やら、コトリ花店のパイロットショップの話やら、
はたまた、ワークショップ、
さらには、他の雑誌やウェブでの原稿執筆など、
いろいろと忙しかったことに加えて、
あの、大きな揺れに始まる一連のできごと。
津波、原発事故、そして計画停電。
えいの長い人生でも、
こんなことは初めてと言っていた。
おそらく、これから先、
日本という国は大きく変わってゆくんだろうと…。
で、とてもブログにまで手が回らなかったんだって。
でも、故郷の福岡や、
あるいは海外、ノルウェーからまで
ご連絡、コメントをいただきながら、
なにも話さないままでいるのでは
かえって、みんなにご心配をかけてしまうだけ。
そこで、まずは「生存報告」。
この後、TBをいただいた方たちのところにお伺いして、
ブロガーさんたちの無事を確認するって言ってた。
いまは、試写会中止や公開延期など、
映画界を取り巻く状況は厳しいけど、
観ていながら話していない映画、
まだまだあるんだとか。
フォーンも、様子を見て聞くつもりだから、
もう少し待っててね。

          (byフォーン)

「早く落ちつけばいいのにニャあ」2009.4.7フォーン


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『最後の忠臣蔵』

2011-01-04 13:24:30 | 映画
----昨日は、三が日の最後ということで、
三社詣りの後、フォーンも一緒に映画館へ。
でも、まさか正月からこんな映画を観るとは…。
討ち入り切腹なんて、あまりにも年始にふさわしくないよね。
フォーンはあきれちゃった。
「う〜ん。
ぼくも監督がテレビ出身の杉田成道だし、
まったく予定に入れていなかったんだけど、
年末から、あちこちで
『最後に凄い映画が現れた』という
絶賛の声が聞こえるものだから…」

----そうそう“号泣”という言葉もあったよね。
「うん。それだけに身構えていたんだけど、
いやあ、これは確かに泣かせる映画だったね。
しかも、物語で泣かせるのではなく、
“動く画”として泣かせる。
そういう意味では、まさに“映画”だね。
物語は、赤穂浪士、四十六士が切腹して主君に殉じた中、
ひそかに生き残ったふたりの男の物語。
ひとりは、討ち入りを後世に伝えるため逃がされた寺坂吉右衛門(佐藤浩市)。
その彼が、討ち入り前日に逃亡した瀬尾孫左衛門(役所広司)の姿を目にしたところから
物語は動き始める。
ふたりは、かつて命を捧げることを誓い合った同志。
なのに、なぜ?
しかしその理由は、観客に対してすぐ解き明かされる。
というわけで、この映画はいわゆるミステリーではなく、
汚名とともに、その後を生きていかねばならなかった孫左衛門の
それでも与えられた使命を全うしようとする
ひとりの男の生きざまを描いた作品となっている」

----そうそう。彼は大石内蔵助から
その隠し子を世間の目から逃れながら立派に育て上げるという
密命を与えられていたんだよね。
「うん。『これも時代だね』…で、
片づけてしまえないこともないけれど、
まったくそうとも言い切れない。
上意下達はこの現代でも、
会社に関わらず、絶対的なものとして組織内に残っている。
大石は言う『わしに命をくれ』。
孫左衛門は、今回の討ち入りによって武士として死に場所を得ていた。
ところがそれを取りあげられた上、
死の恐怖から討ち入り前に逃亡した…という汚名を着せられるわけだ。
これでもう想像がつくように、
映画のクライマックスは
その汚名が返上されていくシーンとなる。
かつて彼に罵声を浴びせていた者たちの詫び、そして賞賛。
この変化を内蔵助の娘・可音(桜庭ななみ)の嫁入りの行列の増幅で見せ、
それと共に、観客の感情の昂りも膨らんでいく。
原作を読んでいないから断言はできないけど、
これは映画ならではの効果だと思うね。
映画を知り尽くした脚本家・田中陽造ならではの仕事だ」

----観る前は“愛の物語”と思っていたんだよね。
「うん。
嫁入り前の別れのシーン。
可音を強く抱きしめる孫左衛門。
その時間を少しでも引き延ばしたいかのように、
カメラはゆっくりとゆっくりとふたりに近づいていく。
ここは長沼六男のカメラワークが息をのむ。
カメラで言えば、孫佐衛門と吉右衛門が唯一、刀を交えるシーンも秀逸。
人の背丈ほどもありそうな草むらの中。
横へ横へと位置取りしていくときの、溢れんばかりの緊迫美。
そうそう。ここは録音もよかったね。
もちろん、役所広司、佐藤浩市。
日本を代表するふたりの目を中心とした演技も。
可音に連れられた吉右衛門と孫佐衛門が
和解するシーンなんて、目の演技だけで泣けたからね」

----ふうむ。ニャるほど。
さすが、話題になるだけのことはあるってことだニャ。

           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「フォーンも泣けたけど、最後は困るのニャ」
悲しい
※泣けるだけでなく、幸福感に満たされる映画だ度


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「フォーンと無人島に行くならこの10、いや20本」(2010年、劇場公開映画を振り返って…)

2010-12-31 22:20:09 | 映画
----7年目を迎えた「フォーンとの映画おしゃべり」。
ニャんだか、今年は数が減っているような…。
『無人島に行くなら〜』やれるの?
「う〜ん。
よく、『忙しくってパソコンを開く暇がない』という人の話を聞いて、
それってこれまで想像つかなかったんだけど、
なるほどね……って感じ。
2010年は。映画以外のことに忙殺されたって感じ。
それでも、どうにか10本は選べると思うよ」

----でも、見逃しもあるんじゃないの?
「まあ、例年よりはね。
でも、1年を振り返るのは、やはり意味があることだし、
2010年のうちに(あと、1時間35分)やってしまっちゃおう。
そうだ。今年は忙しかったから
休みを長くとって20本!!
これでどう?」

----う〜ん。分かったような分からないような…。

「それでは。えへん。

●1日目●『フローズン・リバー』
●2日目●『(500)日のサマー』
●3日目●『新しい人生のはじめ方』
●4日目●『17歳の肖像』
●5日目●『シャッター アイランド』
●6日目●『オーケストラ!』
●7日目●『川の底からこんにちは』
●8日目●『息もできない』
●9日目●『ヒックとドラゴン』
●10日目●『彼女が消えた浜辺』
●11日目●『カラフル』
●12日目●『キック・アス』
●13日目●『モンガに散る』
●14日目●『マチェーテ』
●15日目●『信さん 炭鉱町のセレナーデ』
●16日目●『セラフィーヌの庭』
●17日目●『さんかく』
●18日目●『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』
●19日目●『悪人』
●20日目●『必死剣 鳥刺し』


----ニャンダか、例年以上にバラバラだニャあ。
それに話題の『告白』もなければ、
『十三人の刺客』もない。
それに
『インセプション』はどこへ行ったのよ。

「まあ、そういうのは
わざわざ、ぼくが力説しなくても
みんなが入れるだろうし…。
で、一作ごとの見どころについてはリンク先を見てもらうとして、



選択の基準は
(1)どこか変。
(2)でも、巧い嘘がつけている。
(3)結果、ここではないどこかに連れて行ってくれること。

逆に、こういう映画は苦手。
(1)物語にまったく破たんがない。
(2)誰から見ても、文句のない人間が主人公。
(3)映画を語るより、メッセージを語りたがる。


まあ、そういう意味じゃ、
“ありえない話”が好きかな。
『コララインとボタンの魔女 3D』とか
『ハリー・ポッターと死の秘宝PART!』などもね」


---ニャんだ。結局、ダークファンタジーが好きってことじゃニャい。(笑)

あっ、『ナイト&デイ』も」

---ほんと、わけ、分かんニャい。(汗)

フォーンの一言「10本に絞らないニャんて、ずるいニャあ」
もう寝る


※2010年の五つ星だ度


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『どんぐりと山猫』(第3回 月夜の幻燈会)

2010-10-10 23:08:24 | 映画
----あれっ。これって映画とは思えないけど…。
「そう。厳密にはね。
これは昔懐かしの幻燈会。
小平の雑木林で不定期に行われているものなんだ。
ざっと見たところ300人くらい集まっていたみたい。
新月で月こそ見えなかったけど、
林の向こうに夜空と星が覗いて
とてもいい雰囲気だったよ」

----ちょっと待ってよ。
幻燈会って、そんなに大きなスクリーンに映せるものニャの?
フォーンが知っている限りでは、
個人のお家や、あるいは公民館なんかで
やるものでは?
「そこがこの企画の一つのポイント。
実は電力は自転車発電によるもの。
午前11時から午後5時まで
有志者が自転車を漕いで蓄電。
で、デジタル上映することで
この電力を少なくしているんだね」

----ふうん。そう言うのもありニャのかニャあ?
で、中身は?
宮澤賢治『どんぐりと山猫』
いまさら言うのもなんだけど、
やはり宮澤賢治と言う人は特異な作家だったんだね。
完全に時代を超越している。
よくぞこんな世界観を、あの時代に作りだしたものだ。
イラストは小林敏也で、
画本宮澤賢治シリーズをすでに15冊も出しているらしい。
で、朗読が鍵本景子
笛やパーカッションも入って臨場感抜群。
これで入場無料はスゴイよ」

----そうニャんだ。フォーンも観たいニャあ。
「でも、ここが都道になるという話が持ち上がっているらしい。
そうなると、この企画も経ち消えに」

----それは残念な話。
どうにか、残ってほしいよね。

                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「フォーンも観たい。この林は残してほしいのニャ」ご不満

※イラストが羊男を思い出させた度

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『君に届け』

2010-09-26 21:50:06 | 映画
※ちょっと辛口。
ファンの方はスルーされたほうがいいかも。


----これ、もう始まっているよね。
メインビジュアル見ると、すがすがしそうだけど?
「すがすがしいと言えば言えるかな。
物語としては、クラス中から敬遠されている女の子を軸に、
彼女に出会いの瞬間、一目ぼれしてしまった男の子の想いを
日々の学校生活の中に描いたものなんだけどね」

----ニャんだか、ありきたりだニャあ。
で、その“敬遠されている女の子”を演じているのが
多部未華子ってわけ?
「そう。
昔からの彼女のファンとしては、
これは見逃せない…はずだったんだけど…」

----そうじゃなかったってわけ?
「そうなんだ。
少し言いづらいんだけど、
あの国民的連続TV小説とやらに出たからか、
彼女に備わっていた“目力”が失せてきている。
この映画も、周りから“貞子”呼ばわりされている役だし、
やりようによってはオモシロくなるんだろうけど、
なんか、妙に明るい。
古い言葉で言えば、“不思議ちゃん”のキャラも
そのためさらっとした感じ。
これだったら、誰も敬遠しないよなって…」

----もうすでに公開されているからって、
ちょっとキツすぎニャい?
でも、あえて取り上げたからには
どこか見どころあるんだよね。
「うん。
まず、この映画、
最近の東宝の青春映画にしては
悲劇のオンパレードになってない。
ちょっと前までは、ケータイ小説を基にした映画が多く、
難病からレイプまで、もうこれでもかってくらい詰めこまれていた。
この映画の場合、三浦春馬演じる男の子をめぐって、
悪役の女の子が、噂を中心に罠をかけるという程度。
昔懐かしい少女マンガの世界だね、これは。
というわけで、少しほっとしたわけ。
もちろん、だからと言って映画の出来不出来の評価とは別だよ。
ARATA演じる先生のありえなさ、
やりすぎ感も含めてね」


           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「冨田靖子も出ているのニャ」
気持ちいいニャ
※あら、原作は「別冊マーガレット」。やっぱりだ度


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『ソルト』

2010-08-01 22:07:04 | 映画
(原題:Salt)


「これは、少なくとも観ている間はオモシロい。
まあ、そういう映画だったね」

----えっ、“観ている間は…”。
後で考えるとそうでもないってこと?
「いや、そこまではいかないけど…。
いまこうしてフォーンに喋るために
改めて予告を観て映画を思い出していたら
けっこう、ツッコミどころも多かったなってこと。
ただ観ている間は、映画の“勢い”というか、
その演出のパワーの前に、
そういうことを考える余地もなく
引っ張られていっちゃうんだ」

----分かるような、分からないような…。
確か、これって二重スパイの嫌疑をかけられたCIA職員が、
真犯人を捜し出そうとするお話でしょ?
「そうだね。
その設定でぼくの脳裏に最初に浮かんだのは
ヒッチコックタイプの 巻き込まれ型サスペンス
ところが…」

----えっ、そうじゃニャいの?
「まあ、待ってよ。
で、次に思い出したのが
記憶を失った女スパイ『ロング・キス・グッドバイ』
そして、映画を観ているうちに今度は チャールズ・ブロンソン主演『テレフォン』

----その『テレフォン』って?
「ソ連がアメリカに潜入させたスパイ。
彼らは、ふだんは催眠状態で自分がスパイであることを意識せず、
アメリカ市民として暮らしている。
しかし、その催眠状態を解除するキーワードを電話で吹きこまれ、
破壊工作を始めるって話。
この『ソルト』も、少し似たような感じ。
元ロシアの高官がCIAエージェントのソルト(アンジェリーナ・ジョリー)を覚醒させる…。
まあ、そういう構図かと…。
ただ、この映画は、それはほんとうなのか、
それとも仕組まれた罠なのか…というミステリーの要素があって、
観ている方の気持ちに揺さぶりをかけていくんだ」

----そうだよね。
もし、ほんとうにハメられたのなら
逃げるのは逆効果。
でも、トレーラーだと逃げまくっているし…。
「いや、それどころか、
彼女は大反撃に出て、
ソルトの行くところは血の海。
この映画の巧いところは、
そこに、ソルトの愛する夫の存在を絡ませているところ。
彼女が逃げ出したのは、自分の身が危ないからなのか、
それとも夫を守るためなのか、
観ていてなかなか判断が付かないんだ。
少なくとも、ロシア大統領暗殺シーンまでは…」

----えっ、それって答を言ってしまってニャい?
「いやいや。
まだまだ二転三転するからね。
さて、この映画、その脚本のオモシロさとともに、
アクションも見ごたえ抜群。
ふだんは、すぐに飽きてしまうカ―アクションも、
サスペンスを加味してあるから、ハラハラドキドキ。
まるで、全盛期の007を観ているみたい。
その醍醐味たるや、
続きが観たくなるほどだけど、
最後には彼女の真意も正体とともに分かっちゃうし、
もし続編が作られたとしても、
次回からはミステリーの要素がなくなっちゃうわけで、
やはり、これは無理だろうなあ」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「監督のフィリップ・ノイス、アンジーとは『ボーン・コレクター』以来なのニャ」身を乗り出す


※この監督、大統領がらみのスパイ映画『今そこにある危機』もなかなかだった度



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『ラムの大通り』7年目に突入!

2010-07-19 16:58:04 | 映画


----あれれ、今日の写真は映画じゃニャいよ。
7年目に突入というから、
どんな映画が出てくるか楽しみにしていたのに。
「ごめんごめん。
最近、もうひとつのお仕事=お花やさんコトリ・ロゴの方が忙しくて、
なかなか、ブログにまで手が回らなくて…。
そのお詫びってわけでもないけど、
最近、撮影したお花の中からお気に入りの画像をいくつか…。
上の画像は「四季の森公園」のアガパンサス。
そしてこれがハーブ園で写したデンタータラベンダー

----へぇ〜っ。水色や紫色のお花が多いなんてちょっと意外。
「うん。自分の好きな色っていうのは、
もっと違うものかと思っていたけど、
こうして見ると、ふだんは触れることのない紫色も、
色そのものはきれいなんだなということを再確認。
さて、お花だけで話が終わったら、
このサイトらしくはなくなっちゃう。
実は、映画とのタイアップもこの一年、
ちょこちょこっと進めているんだ。
もっとも新しいところでは8月7日から公開の『セラフィーヌの庭』がそれ」

----確か、その映画って、
前にお話、聞いた気が…。
「うん。昨日、特別チラシが送られてきて、
小さなスペースだけど、
『コトリ花店』の紹介欄もあったので
ここで紹介」

----プレゼントの中身はなんニャの?
「岩波ホールに、初日の初回ご来場のお客様先着100名様に
映画をイメージしたリーフセットをプレゼント。
これはさまざまなカラフルなプリザーブドフラワーと
実モノがセットになっているんだ。
映画もぼくのおススメ作品だから観てくれると嬉しいな」

----ヒットすると、えいにもいいことあるの?
「いや、まさか。
そういうのはないよ(笑)。
ということで、ちょっと遅れ気味ですが、
これからも『ラムの大通り』
よろしくお願いします」

----よろしくなのニャ。


                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「映画もよくできているらしいのニャ」身を乗り出す

※こういうのは好きだ度


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ああ、ついに…双葉十三郎先生逝く。

2010-01-16 16:08:04 | 映画
「ぼくらにとっては神様。
映画評論家・双葉十三郎先生がおなくなりになりました。
数年前までは、試写室で先生のベレー帽姿を拝見。
同じ時間、同じ空間で神様と同じスクリーンを見つめていることに
ひそやかな歓びを感じていたものでした。
おそらく、多くの映画を愛する方たちが
ぼくと同じ気持ちを共有していたのではないでしょうか?
それほどに双葉先生がぼくらに与えた影響は大きいものでした。

思うに、この『ラムの大通り』の基本ともなっている
“映画は映画であって、それを楽しむことが大事”は、
おそらく先生の書かれた文章(評論)を読んでいるうちに
自然と身についたもののような気がします。

西部劇として、戦争映画として、ラブロマンスとして、アクションとして、
ホラーとして、コメディとして、
それがよくできていれば、それがいちばん。
もし、その映画が自分の好み、自分が抱えている問題と合わないからといって、
映画をけなしてはいけない。、
それは、ただ自分との相性の問題にすぎない。

双葉先生の有名な『ぼくの採点表』
そこにも星(★)の低い映画は、少なかった気がします。
みんなが『007』を、スパイ映画の娯楽作品だからという理由で
ほとんど相手にもしていない頃、
ひとり『007/危機一発』(後『007/ロシアより愛をこめて』に改題)を絶賛。
また、この『ラムの大通り』の監督ロベール・アンリコの代表作『冒険者たち』
すこぶる高い評価を与えてられていたことも、いまは懐かしい思い出です。

先生の訃報についてはオカピーさんのところで知りました。
『プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]』
とても素晴らしい追悼文です。
ぜひ、お読みになってください。

最後になりましたが、
心より双葉先生のご冥福をお祈りいたします」


                   (byえい)

フォーンの一言「また、一人の巨星堕つなのニャ」悲しい


※享年九十九歳。素晴らしい映画人生だった度

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『2009年特別企画:無人島に15日。フォーンと行くならこの15本』

2009-12-29 20:16:12 | 映画
----2009年も、あと3日。
恒例の『無人島に行くなら〜』
確か、昨年はお休みだったけど、
あらら、今回も少し違う感じだニャあ。
えっ、今回は『速報 シネマグランプリ』だって?
それってニャによ?
「うん。
これは、元『シティロード』の副編集長 “れがある”さんが主宰されているメルマガ。
その月に観たベストを、映画評論家や映画ライターの人たちが紹介しているんだ」

----それって少し前まであった『MovieWalker試写室ランキング』に似ているよね。
「おおっ。いいところに気づいたね。
あれは同じく“れがある”さんが始められた
『試写室だより 封切りはこれからだ!』を角川が引き継いだものなんだ。
その『MovieWalker試写室ランキング』も残念ながら終了。
でも、形を変えてでも続けていきたいという“れがある”さんの意志が
この『速報 シネマグランプリ』へと受け継がれたわけだ。
実はここに毎月、ぼくも執筆しているんだけど、
今回、“れがある”さんのご厚意で、
自分の分を、この『ラムの大通り』で再録、
ご紹介の運びとなったわけ」

----そうか。毎月のベストだったら、
この年間ベストに近くはなるよね。
「うん。
でも恒例の無人島企画、これも嬉しいことに評判いいし、
ふたつを織り交ぜながら、やってみようかと…。
かなり無茶な企画ではあるけどね」

----ふうむ。うまくいくのかニャあ

「さあ。どうだろう?
いきなり、変な出だしから始まっちゃうし…。


●1日目●『スラムドッグ$ミリオネア』

まずは大言壮語。「今年はこの一本があれば、とりあえず生きていける」―――。
かねてより、映画は夢を見せてくれるものであってほしいと願っている自分にとって、
これは最高のプレゼント。
あまりにも苛酷な主人公の人生に、
いったいどんなエンディングを迎えるのかとハラハラしたが、
脚本が『フル・モンティ』(1997)のサイモン・ボーフォイだけあって、
ここしかない最高の落としどころを見せてくれる。
そしてもう一つ。「それはネタバレじゃないか」とそしられようとも、
どうしてもダニー・ボイルに聞きたいことが…。
「監督、あれは『ジョアンナ』(1968)へのオマージュですよね?」


●2日目●『レイチェルの結婚』

姉の結婚祝いの席であるにも関わらず、
過去の過ちを詫びることで頭がいっぱいのキム。
他の人のスピーチには一切耳を傾けることなく、
少しでも早くマイクを手にしたくてうずうず落ち着かないその姿に、
観ているこちらもハラハラ。
『妹の恋人』(1993)を始めとする従来の心を病んだヒロインとは違い、
ジェニー・ルメットが描くこのキムは一種のモンスター。
「この子は、自分の病気が世界の中心だと思っているのよ!」とは姉レイチェル。
ここまで言われてしまうヒロインって? 
アン・ハサウェイ、よくぞこんな役を引き受けたものだ。


●3日目●『グラン・トリノ』

まるでジョン・ウェインのように差別で凝り固まった偏屈オヤジが、
西部劇のヒーローよろしく不正に立ち向かっていく。
そしてその先に待ち受けるのは……。
そう、これはマカロニウエスタン以降のイーストウッド、その映画人生の総決算。
だからって、間違ってもこれが彼の『ラスト・シューティスト』にはなりませんように。


●4日目●『鴨川ホルモー』

古(いにしえ)の京都は吉田神社で『レナウン娘』を裸踊り。
それだけでもこの映画は一見の価値あり。
しかしそれにしても栗山千明がまたまたスゴい。
マッシュルームカットに黒縁メガネ、顔がほとんど拝めない“凡ちゃん”ルック。
あれで『ゲロンチョリ』をやれるのは、
根っからの役者バカの彼女くらいのもの……。
あれっ、ここって作品を選ぶところだった(汗)。


●5日目●『チョコレート・ファイター』

製氷工場の中、怪鳥音をあげ悪者一味と徒手空拳で戦う---。
なるほど、これはブルース・リー『ドラゴン危機一発』へのオマージュか。
そういえば、あの映画はタイにロケを敢行していたっけ。
おやおや、こんどは生傷必至のハイジャンプ、ハイキック。
そうか、これがトニー・ジャーの師匠パンナー・リットグライ直伝リアル・アクション、リアル・ペインってヤツだ。
あれあれ、お次は『キル・ビル』青葉屋か?
でも、ユマ・サーマンなんて目じゃない。なにせこちらは二刀流。
え〜い、仕上げは悪者まとめて屋上から。
ジャッキー・チェン垂直落下で決まりだ。
ふむ。これだったら大丈夫。もう、この映画はハリウッド(CG)リメイクの恐れなし。
そんなことしたらアクションの神様たちが怒りますって…。


●6日目
『チェイサー』(ナ・ホンジン監督版)

この映画を観ることは悪路で自転車を漕ぐことに似ている。
右のハンドルは元刑事ジュンホが犯人の尻尾をつかむこと。
左のハンドルはジュンホがヒロインを救出すること。
ナ・ホンジン監督がしつらえた勾配やぬかるみの中、
右が前に出たり、左が前に出たり…。
観ているぼくらは、少しでも早くその先を知ろうと、
悪路にハンドルを取られながらも心のペダルを踏み続ける。
いつしかその心臓は、自分の求める答がどこにあるかも分からぬまま、
ただ走り続けずにはいられないジュンホのそれと同調。早鐘を打ち始める。
それにしても韓国映画はどうしてこんなにもクライム・サスペンスがうまいのだろう。
『殺人の追憶』『オールド・ボーイ』、そしてこの『チェイサー』。
次々と現れる異能に嫉妬心さえ抱いてしまうほどだ。


●7日目●妻の貌

広島在住・82歳の川本昭人。
彼こそはアレクサンドル・アストリュックが提唱した
「カメラ=万年筆」を体現した数少ない映像作家とは言えまいか。
1958年の長男誕生を機に8ミリカメラの撮影を始めて半世紀。
彼はカメラを日常の一環として家族の肖像を撮り貯める。
その気の遠くなるほど莫大なショットの中から選りすぐって編集されたのが、
本作品『妻の貌』だ。
1997年、42歳の長男から歯の治療を受ける「妻の貌」に、
長男の中学合格発表を喜ぶ30年前の「妻の貌」をカットインする。
そんな<奇跡>を現出させうるのも、
川本監督が半世紀カメラを回し続けたゆえだ。
広島での被爆者である妻を撮りつつも、
そのテーマの重さに引きずられることなく、
いかにもアマチュアっぽい自らのナレーションや、
ユーモラスなしぐさのアメショーを前面に配置することで、
映画は独自の空気を醸しだす。
川本監督の妻は言う。
「あなたは私を素材にして…仕事の肥やしにしているだけ…」。
もしかしたら、きわめて自然に思えた彼女の立ち居振る舞いの中に多少は演技もあったのだろうか。
そして、猫の中でもとりわけひょうきんなアメショーを飼ったのも、
生活よりも映画製作上の理由からだったとしたら…。
観終わって、そんな不埒なことまでが心に浮かび、軽いめまいを覚えた。


●8日目●『私は猫ストーカー』

35年以上にもなるキャリアの中、
『砂の影』で初めて8ミリ撮影を体験した、たむらまさき。
その飽くことなきチャレンジ精神は、
俊英・鈴木卓爾と組むことで地上10センチの高さという新たなキャメラ・アイを獲得する――。
と、こう書けば「なんだ猫の目線か?」と言われておしまいになりそうなところだが、いやいやこれはその逆。
「猫を“観る”目線」。本作『私は猫ストーカー』の中、
ヒロインのハルは“猫に取り入るテクニック”の一つとして
“自分の目線は猫の目よりできるだけ低くすること”を実践。
同じく鈴木卓爾も原作に書かれたそのポジションを遵守する。
結果、たむらまさきは(外)猫の警戒を解き、
その息づかいさえ聞こえくるしなやかな映像を手中にできた。
そう、これは言わば羽仁進『教室の子供たち』の外猫バージョン。
小津安二郎、そして加藤泰。
もとよりローアングルは日本映画のお家芸であるが、
これが長編デビューとなる鈴木卓爾にもそのDNAが流れていると言ったら、
少々褒めすぎであろうか?


●9日目●『3時10分、決断のとき』

誇れるものが何もなかった男の真意が、恐れるものなど何もない男の心を動かす。
「分かった」。その瞬間、映画は密室での緊迫した心理劇から解き放たれ、
銃弾が飛び交う中での脱出劇へと様相を一変する。
この転調の醍醐味こそ映画の魅力だ。
このときとばかりに流れ出すマルコ・ベルトラミの主旋律。
それは、死と隣り合わせの激しいアクションの中、
ほんの数分前までは敵であったふたりを、あたかも長年の恋人であるかのように甘美に映し出す。
聞けば、これはエルマー・デイヴィス監督の『決断の3時10分』のリメイク。
そしてそれはジェームズ・マンゴールド監督が
10代の頃から強く抱き続けていた想いだったとか。
彼を酔わせた一本の西部劇は、長年の熟成ののち、
貴腐ワインのごとき逸品として今またこのぼくを酔わせる。


●10日目●『女の子ものがたり』

『祭りの準備』の楯男(江藤純)は
利広(原田芳雄)の「バンザイ!バンザイ!」の歓声に送られ、
閉塞感漂う海辺の町を旅立っていった。
だが、菜都美(大後寿々花)の離郷を後押ししたのは…。
そう、これは昭和のある時期を山と海に囲まれた田舎町で過ごした女の子たちの物語。
『問題のない私たち』で女子高生たちとそのイジメの構造を、
『子猫の涙』では昭和そのものを描くことに成功した森岡利行監督の筆致が、
格好の題材を得て冴えわたる。
清潔な白服お嬢さま軍団の誘いをはねのけ、
傷だらけ泥だらけのカラフルな青春を選びとる菜都美。
だが彼女もその仲間たちも、
いつかはみんながバラバラになることを知っている。
思えば、あの『がんばっていきまっしょい』の女の子たちにもその自覚はあった。
それにしても、いったい“女々しい”などという言葉は、
どこのだれが作りだしたのだろうか? 
女の子たちの『帰らざる日々』は切なくも強い。


●11日目●『パイレーツ・ロック』

フィリップ・シーモア・ホフマンVS.リス・エヴァンス。
米英“2大怪優”が空高く繰り広げる“マスト上の決闘”。
いずれがジャン・マリア・ヴォロンテで、いずれがリー・ヴァン・クリーフか? 
ガンマン対決ならぬパイレーツ対決を盛り上げる
エンニオ・モリコーネ(『夕陽のガンマン』)が時代の記憶を呼び覚ます。
映画の舞台は1966年。リチャード・レスターが2本のビートルズ映画に続いて
『ナック』でカンヌのパルム・ドールを受賞した直後。
一方、本作のリチャード、リチャード・カーティスはブリティッシュ・ロックを中心に50曲以上ものヒット曲を散りばめつつも、
ビートルズは一曲も使用していない。
権利の問題という大人の事情があったのか? 
いやいやこちらも一種の米英対決。
英連邦王国ニュージーランド生まれ、オックスフォードで学生生活を送ったカーティスのささやかな意地。
アメリカからイギリスに渡り60年代のスウィンギング・ロンドンを活写したレスターへの、これはアンサー・ムービーと見たい。


●12日目●『アバンチュールはパリで』

ここまで同性に嫌われるヒロインというのは、これまであまり観た記憶がない。
ふたりの女から「彼女はどケチ」と陰口を叩かれ、
ついには正面切って激怒させてしまうユジュン(パク・ウネ)。
だが、金なんてどうせ自分が出すものと思っている男ソンナム(キム・ヨンホ)にとっては、
そんなことはどうでもいいのだ。
それよりとにかく早くベッドへ。
目的を遂げるためにはなりふりかまわぬ哀れで悲しい男…。
がさつで図々しく、みっともないことこの上ない。
なのに、いや、だからこそこの映画はオモシロい。理性では抗えない女の魔力――。
これほど映画館の暗闇にふさわしいものはない。
ソンナム目線に徹した日記体の語り口も心地よく、
がっしりとした体躯ながらどこか頼りないキム・ヨンホに、
ヌーヴェル・ヴァーグの細身で華奢な男たちの姿を重ねてしまった。


●13日目●『エスター』

「この娘、どこかが変だ。」――巧い。直球勝負のキャッチコピー。
そう、この映画のキーワードはまさしく「変」。
この娘、どうしてこんなにピアノが上手いんだ? 
それにしてもこの娘、いくらなんでも医学の知識がありすぎはしないか? 
しかし、この娘のゾッとする色気はなんだ? 
エスターなる娘がスクリーンに初めて姿を見せたときから、
どんどん膨らんでいく胸の中の「変」なしこり。
それがほぐれたときの気持ちよさときたら…。
惜しむらくは、延々と続くハリウッド定番デス・バトル。
くどい。くどすぎる。ああ、これさえなければ。


●14日目●『イングロリアス・バスターズ』

『アラモ』と『荒野の一ドル銀貨』。
それぞれのサントラを一本の映画に投げ込むなんてマネは、
おそらくこのタランティーノにしかできない芸当だろう。
無茶と言えば無茶な話なのだが、
米伊問わず60年代の西部劇に血沸き肉踊らせた身としては、
それがまた琴線に触れるのだからしょうがない。
いや、西部劇ばかりではない。
同時期に同じくスクリーンを賑わせた(特殊部隊)戦争アクションをも取り混ぜながら、
最後はフィルムから俳優、映画館まで「映画」のありとあらゆる構成要素を使って、
ナチ幹部の殲滅という壮大なイリュージョンを繰り広げる。
うん。ほら話は大きければ大きいほどいい。


●15日目●『きみに微笑む雨』

アメリカ留学中に知り合った中国人女性メイ(カオ・ユアンユアン)と
10年ぶりの再会を果たした韓国人男性ドンハ(チョン・ウソン)。
英語で交わされる言葉のキャッチボール。
相手の微妙な表情の変化に、思いの丈を読みとろうと、ただでさえ大きいふたりの眼はさらに大きく見開かれる。
心をたぐり寄せようと焦るふたりの距離はなかなか縮まらず、高まる感情に、そぼ降る雨はいまにも蒸気を立てそうだ。
これだけでもう十分。美男美女による“愛の始まりと行方”をたっぷり堪能、のはずだった。だが……。
メイがドンハに見せる、ぎこちない笑み。そのワケを、ホ・ジノは一瞬の自転車のカットバックで見せきる。
なるほど、だから四川か…。その瞬間、10月のグランプリはこの映画に微笑んだ。」



----あらら。『鴨川ホルモー』だって(笑)。
ちょっと、これでいいの?

「確かに(笑)。
ということであわてて補足。
ここに入りきれなかった作品のお気に入りは、
『チェンジリング』
『フロスト×ニクソン』
『愛を読むひと』
『子供の情景』
『ザ・バンク 堕ちた巨像』
『九月に降る風』
『コネクテッド』
『あの日、欲望の大地で』
『スペル』

日本映画では
『20世紀少年<第2章>最後の希望』
『フィッシュストーリー』
『不灯港』
『色即ぜねれいしょん』

あたりかなあ。あとでこっそり付け加えるかも」


---分かった分かった、もういいよ(笑)

フォーンの一言「しかし、この15本って、ほんとにフォーンにもオモシロいのかニャあ」
身を乗り出す

※2009年の五つ星だ度
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『アバター』

2009-12-26 10:53:55 | 映画
(原題:AVATAR)


----世界中が首を長くして待っていた映画だニャ。
『タイタニック』以来、12年ぶりとなる
ジェームズ・キャメロン監督作だよね。
究極の3Dということで注目度は高かったよね。
「うん。3Dは目が疲れるし、
スクリーンも暗く見えるということで
あまり好きではなかったぼくも、これだけは楽しみに。
でも、思っていたのとは違ったなあ」

----そう、内覧試写での評判も良かったみたいだけど…?
「うん。2Dで3回ほどあったみたい。
友人の一人は大感激。
それによると、これはもうイベントで、
その昔、『スター・ウォーズ』
テアトル東京に観に行ったことに匹敵するのだとか…。
これは、とても分かりやすい譬えで、
ぼくの期待も高まる一方。
たとえば、これは現代アートだけど直島の地中美術館
ジェームズ・タレル『オープン・フィールド』を観たときのように、
その空間の中に放り出されたような感覚が味わえるのかと…。
ところが座った場所が悪かったのかなあ。
よくできている立体映画という感じ。
あっ、飛び出す映画じゃないよ」

----でも、ジェームズ・タレルのような抽象的なものと違って、
いろんな世界が体験できるんでしょ?
「そうだね。始まっているから
ストーリーは、喋らなくていいよね。
『ポカホンタス』『ダンス・ウィズ・ウルブズ』のように、
異文化の中に入っていった男のお話。
まあ、今の時代を象徴していて、
環境の要素が大きくクローズアップされてくる。
と、ちょっと斜に構えているぼくだけど、
それでもホームツリーが倒れるシーンでは涙が込み上げてきたもの。
あと、サナターやバンシーなど、惑星パンドラの動物たちが
エイリアンに向かって戦うところかな」

----エイリアン?
「うん。惑星パンドラから見たら、
地球人たちこそがエイリアン(異星人)。
つまり、これはアメリカのイラク侵攻が背景にあるとも言えるだろうね。
ただ、その結末を見ると、
『そう、うまくいくかな。また攻めてくるんじゃないの?』と、
心配してしまうけども…」

----う〜ん。それって楽観的すぎるということなのかニャ。
でも、そこに希望を見ようとしているのかもよ。
「どうやら三部作になるようだから、
結果的には、その布石とも言えるわけだけど…。
それはさておき、
個人的に好きなのは、ケサランパサランみたいな浮遊物が飛び交う
幻想的な夜のパンドラの森。
その昔、小説で『真夏の世の夢』を読んで想像したような感じ。
あと、自分にとって意外だったのは、
クライマックスのマイルズ大佐(スティーブン・ラング)と、
主人公ジェイク(サム・ワーシントン)が戦うシーンかなあ。
マイルズ大佐『エイリアン2』パワーローダーを思わせるスーツをまとうわけだけど、
とにかく、しつこい。
しかしそれでいて飽きない。
ジェイクにしても翼竜レオノプテリクスから
飛行体に飛び乗り、墜落しながらも追い詰めていく。
いやあ、改めてキャメロンはアクション監督だということを再認識したね。
フィルモグラフィを振り返っても『タイタニック』は異色だ。
そうそう、闘う女が魅力的なのも彼の作品の特徴の一つ。
今回、ぼくのおススメはシガーニー・ウィーバーゾーイ・サルダナよりも
ミシェル・ロドリゲスだね」

----へぇ〜っ。彼女は次回も出るのかニャ。
「mmmmm……」

         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「続編の3Dはもっとスゴくなってるのかニャ」ぼくも観たい

※なにごとも期待しすぎは禁物だ度


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『カールじいさんの空飛ぶ家』

2009-12-20 22:13:04 | 映画
「いやあ、やはり映画は観てみないと分からないね」
----えっ。どういうこと?
この映画、気に入らなかったの?
「いや、そうじゃなくて、思っていたのと、少し、いやかなりかな、
自分の受けた印象が違ったってこと」

----そうニャの?
これって、おばあさんを先に亡くしてしまった
カールじいさんが、
おばあさんとの約束の地に、
風船を付けた家で旅立つって話でしょ。
確か、冒頭の追憶シーンだけで満足みたいなことを
宮崎駿が語っていなかったっけ。
「うん。おそらく彼をオピニオン・リーダーにしようと決めたときに、
宣伝におけるその感動路線が決まったんだろうね。
予告編のナレーションもそれにのっとっていて、
観ているだけでじ〜ん。
ところが、実際は…」

----違ったワケだニャ。
「もちろん、その想い出がベースになってはいるんだけども、
ここには、その追憶を上回る
ハラハラドキドキの冒険譚がある。
喋る犬や古代のカラフルな鳥なんかが出てくる。
しかも悪役がいかにも悪役って感じで、
危機また危機の連続。
カールじいさんや観る方が追憶に浸っている余裕はあまりない。
あららっ、いま気づいたけど、
このかつてのカールじいさんたちの憧れだったヒーローを
悪役に変えてしまうということは、
おばあさんの立場からすると、どうなんだろう。
ふたりのいい思い出が、塗り替えられてしまうことにもなりそうな…」

----それはそうだよね。
でも、映画としては楽しめたわけでしょ。
「うん。さっきも話したように、
現在進行形の物語が、
アクション・アドベンチャー(冒険活劇)として
まったく申し分なかったからね。
ただ、ぼくが今日、主に話したいのは、
この内容よりも技術的な面の方について。
実は、前回、劇場で『Disney's クリスマス・キャロル』を観たとき、
『3Dの方が遥かにいい』という声が多く聞かれた。
今回はピクサー初の3D。
これは、ちょっと観ておくべきと思ったわけ」

----あっ。だから、フォーンを連れて行ってくれなかったわけだニャ。
メガネをかけることになるし…。
「そういうこと。
しかし、ビックリしたね。
3Dは『戦慄迷宮3D』で、もうこりごりと思ったけど、
この映画では、メガネをかけている不自由さをほとんど感じさせない。
明るいシーンが多いというのも、その理由のひとつかもしれないけど、
まず、目が疲れない。
そして何よりも驚いたのは、
この映画は、これまでの3Dのように、
たとえば何かがこちらに迫るというようなピンポイント的効果のために
3Dを採用しているのではないということ。
映像全体が、あたりまえのように3D。
立体とか何とか言う前に、
もう、現実に見ているそのままが目の前にあるって感じ。
アニメだから、“見ているそのまま”という言い方も少しおかしいんだけどね(汗)。
どう言ったらいいんだろう。
2Dをくっきりくっきり描いていったら、
いつしか3Dのように見えていたって感じかなあ。
う〜ん。巧い表現が見つからない」

----フォーンもよくわからニャい(笑)。

         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「いよいよ『アバター』が気になるニャ」ぱっちり


※アメリカのオフィシャルの予告はかなり違う度


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画像はアメリカ・オフィシャル(壁紙ダウンロードサイト)より。
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