真夜中のドロップアウトカウボーイズ@別館
ピンク映画は観ただけ全部感想を書く、ひたすらに虚空を撃ち続ける無為。
 



 「マダムレズ 擦りあふ快感」(2004/製作:シネマアーク/提供:Xces Film/監督:下元哲/脚本:関根和美/助監督:高田宝重/照明助手:中村拓/出演:出雲ちひろ・華沢レモン・佐々木基子・酒井あずさ・牧村耕次)。公開は昨年の暮れ、即ち今年の正月映画である。
 正月映画でありながら、舞台は夏休みの映画である。聡美(出雲)は、高校教師の夫・亮介(牧村)の教へ子・千夏(華沢)を、千夏の両親が結婚二十周年の海外旅行に出掛けてゐる間、預かることになる。亮介は、自分が顧問の演劇部の部長だといふことで、勝手に千夏を事前に聡美に知らせもせずに預かることにしておいて、千夏が家にやつて来た次の日から、自分は研修旅行で家を空けてしまふ。子供の居ない聡美は、家で千夏と二人きりになる。千夏に誘惑されるままに、レズビアンの悦楽に溺れて行く聡美であつた。
 要は監督が下元哲だといふことで、ところどころで無理が唸りを上げつつも、女優の裸を美しく、そしていやらしく撮る。他に映画にとつて何が必要だといふのだ。さういふ潔い態度の映画である。特に事細かにストーリーを解説する必要も無い。元より何某かのテーマなんぞ初めからあらう筈も無い。ここで誤解して頂きたくないのは、決してこれは、腐してゐる訳ではない。出雲ちひろを始め、女優の裸は美しく、いやらしく撮られてゐる。設定された目的は十二分に果たされてある、十分な成功作である。かういふ映画をエロいだけではないか、と難じる人間や、AVと何処が違ふのだ、などとトンチンカンな文句を言ふ人間は、もう一度ピンクを手当たり次第百本見直して、ピンクとは何なのかじつくり考へ直してみた方がいい。
 佐々木基子は、生け花の師匠もしてゐる聡美が、生徒宅を訪れるのに電車に乗つた際、聡美を痴漢する痴女の真琴。酒井あずさは、真琴に痴漢された聡美が逃げ込んだ公衆トイレの掃除婦の晶。無理が唸りを上げるのはここからである。痴漢されて生じた火照りを鎮め切れない聡美は、個室でオナニーをする。聡美がフと気が付くと、隣の個室では晶がモップの柄で自らの尻を叩きながら同じくオナニーをしてゐる。まだまだ、この映画の無茶はこんなものではない。そこに、その公衆トイレに真琴もやつて来る。更に、何故か実は真琴と晶はカップルで(笑・・・最早笑ふしかない、真琴がタチで晶がネコ)、色んな意味で濃厚なレズ絡みを見せる。翻ると、別に下元のエロ映画であるのでさういふ無茶も別に構ひはしないのだが、判らないのは、何で又さういふエロ脚本を関根和美が書いてゐるのか、といふことである。
 股間にはリモコンのローターを埋め、歳に違(たが)ふセーラー服を無理矢理着せられて、聡美は千夏に街に羞恥プレイに連れ出される。その際に出くはしてしまふ御近所の役で、クレジットには無いが亜希いずみが出てゐる。亜希いずみといへば、「淫行タクシー ひわいな女たち」(2000)では姿を消した土門の妻、麗子を演じてゐる。実をいふと亜希いずみ、関根和美の妻である。糖尿病だか何だかを抱へてゐて、体の悪い関根和美とは、夫婦仲の良いことで知られてゐる。体を慮つた愛妻弁当を、関根和美は何時も現場に持参してゐる、さういふエピソードを、故林由美香さんのトーク・ショウにて耳にしたことがある。


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