さて、1952年 オリジナル Fender TELECASTER の情報収集も終わったので、今回ゲットした 「Fender MⅠJ TRADITIONAL II 50S TELECASTER」がどのくらいオリジナルに忠実に迫っているかを検証していきたいと思います。
まず、
◆ヘッドストック(以下の画像は向かって右側が MⅠJ ⇔の右側も同様)
オリジナルはストリングリテーナーにマイナスネジが使われていますし、形状もネジの直径よりあまりはみ出てなくて小ぶりですね。
デカールは塗装の上から水張りされていたのだそうです(MⅠJ も 2020年 のリニューアル前は同じ製法)。
ちょっと、MⅠJ のデカールでかくないですか?色は合わせてあるそうです。
ナット素材はどちらも牛骨
1951 年の夏から 1965 年後半まで、テレキャスターのヘッドストックには銀色のスパゲッティ ロゴがナットと G 弦チューニングポストの隣のストリングリテーナーの間に配置されていた。そして、その下に逆カンマの間に細い黒い文字でモデル名が記載されていた。
◆ヘッド裏 ノーライン(↔文字の入ったシングルライン)のクルーソンチューナー ⇔ MⅠJ はライン無し
オリジナルのシリアル番号 は、ブリッジプレートに刻印されている。
◆ネック
オリジナルは、12フレットのポジションインレイの間隔が若干狭く、
トラスロッド調整用十字のねじ山がトラスロッドナット部にある(これは、MⅠJも、特に変更なし)
ネック幅
ナットの幅はオリジナル: 1 5/8 in (4.127mm) MⅠJ: 1.615" (in)(41.02 mm)
この点、2022年のリニューアルで、MⅠJが従来の1.650インチ(42mm)から 1.615インチ(41.02mm)としたことにより、よりオリジナルに近くなった。
スケール長 オリジナル:25 1/2 in(64.77 cm) MⅠJ:25 1/2 in(64.77 cm)
ネックの厚さ @01/5/12フレット: 22,3/23,5/25,7mm ⇔ MⅠJ:21.8 /22.2/23.2mm
同じ"U" Shapeながら、MⅠJ:が若干厚さが薄めになっている。
全長 オリジナル :38 3/4 インチ (98.42 cm)、下部の幅は 12 5/8 インチ (32.06 cm)、厚さは 1 3/4 インチ (4.445cm) 。
これは、MⅠJも、ほとんど同じで、厚さが 4.51cm ほどあった(塗装の暑さの違いか?)ぐらいの相違。
◆ネックジョイント
無印の四角いプレートに、プラスネジの4点留め。1952年当時、すでにマイナスネジからプラスネジに変更されている。
◆ブリッジとコントロールパネル
オリジナルのブリッジパネルの4本の取付ネジは、すでにプラスに変更されているが、リアピックアップのマウントネジはマイナスのまま。
MⅠJは、サドル関係を除いてすべてプラスネジ。
サドルは、Brass Barrel Saddlesで調整ネジはマイナス。オクターブ調整ビスは、形は違う(丸平マイナス⇔鍋マイナス)がマイナスビス。
コントロールは、 1Volume,1tome,3wayスイッチ。オリジナルは、コントロールパネルの取付ネジはプラスに対して、スイッチの固定ネジはマイナスになっている。
1Volume,1tome 同じ3way スイッチでも現在とは役割が違っているのは前回のブログで既に紹介済み。
ノブの役割は、”マスターボリューム”と”マスタートーン”と現在と変わりはないが、
ポジション1:リアPU&フロントPUのパラレルミックス (トーン操作可能)
ポジション2:フロントPU (トーン操作可能)
ポジション3:フロントPUのプリセットハイカット (トーン調整不可)
となっている。
Fender Blackguard Telecaster Comparision - "The World of Vintage Guitars"
ピックアップのポールピースがオリジナルはすべて同じ高さ(ストレートポールピース )だが、MⅠJ のものは、DとG の高さが高い(スタッガードポールピース ~指板のラジアスに合わせてある)になっている(Fender は、1960年代からスタッガードポールピースを採用)。
マグネット は、オリジナルは、アルニコ2~3⇔ MⅠJはアルニコ5
オリジナルのリアピックアップは中心に穴(ワインディングマシーンのスピンドルにはまる穴)⇔MⅠJは穴無し
◆ボディ裏 Strings-Through-Body
弦がブリッジを通過し、次にボディの穴を通過し、「Ferrule」(ボールエンドをしっかりと保持するボディに挿入された金属カップ)を使用して所定の位置に固定されている形状のギター。
String Ferrule(ストリングブッシュともいう)が打ち込まれて、どちらもボディと平面(つらいち)になっているのが特徴。
1968年ごろから面一でなく出っ張りがあるようになったそうです。
1970 FENDER TELECASTER
◆ピックガード
いわゆる 「Blackguard」と呼ばれているもので、ラッカー仕上げの ベークライト製、1プライの5点留めマイナスネジが特徴です。
MIJは、プラ製 1プライの5点留めプラスネジ。
オリジナルは、アッシュトレイと言われるブリッジカバーが付属していました。でも、これつけるとミュート奏法ができないですよね。
ジャック カップの形状はよく似ていますが、オリジナルの方が口ところが厚くて頑丈そうです。当時、切削加工のものが現在はプレス加工がされている所為ではないかと思います。
以上、オリジナルとMⅠJとを比較しましたが、結局ほとんど忠実にオリジナルを再現しているといえます。
最後に異なるところをまとめておきます。
1.ボディが アッシュ⇔バスウッド
2.トップコートが ニトロセルロースラッカー⇔ポリエステル(ネックはポリウレタン)
3.ストリングリテーナーの形状とマイナスネジ⇔プラスネジの使用
4.クルーソンチューナーが文字なしのラインあり(ノーライン)⇔ライン無し
5.12フレットのポジションインレイの間隔 狭い⇔広い
6.リアピックアップのマウントネジがマイナス⇔プラス
7.ピックアップのポールピースがセンターに穴の開いたストレートポールピース ⇔穴無しのスタガードポールピース
8.コントロールパネルのスイッチの固定ネジがマイナス⇔プラス
9.ピックガードが、ラッカー仕上げの ベークライト製、1プライの5点留めマイナスネジ⇔プラ製 1プライの5点留めプラスネジ。
10.アッシュトレイ・ブリッジカバーが付属
古希のおじさんです
私は10代の頃コピーバンドをしていました
エレキな中古品でした
こんな高価な品ではありませんでした
でも興味はあります
コメントありがとうございます。佐賀卓球ルーム さんのブログを拝見すると、行動範囲もご近所(といっても千葉県は広いですよね)のような.....。
今後ともよろしくお付き合いください。