A Day in The Life

主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

塚口サンサン劇場「π」「BLAME!」見てきました!

2024-05-11 23:01:58 | 映画感想
 今日も塚口。
 明日も塚口。
 いつも塚口。
 というわけで今日も塚口に行ってきました。そして2本連続です。
 まず1本目はこれ!
 
 
 例によって例のごとく塚口で知った作品で、全編モノクロで制作された映像が印象的。そういやこないだの「フォロウィング」も白黒だったな。
 主人公である天才数学者マックスはコンピューターに囲まれた自室で、「世界の全ては数式で解明できる」という考えのもと、幼少期から続く頭痛に悩まされながら研究を続けていました。
 そんな彼へさまざまな人物が接触しようと近づいてきて……。
 わたくし人形使いはよく誤解されるんですが数学大嫌いっ子です。なので本作もがっつり数学の話だったら理解できないなーと思ってたんですが、本作は別段数学方向の話ではありませんでした。
 というか……本作って実は、ある意味「ボーはおそれている」と同ベクトルの作品なのでは?
 主人公マックスは一貫して数字に取り憑かれており、彼の望むと望まざるとに関わらず世界の中に潜む数字を認識してしまいます。これが自分の歪んだ認知の世界から抜け出せないボーと重なるんですよね。
 そしてある時、円周率に潜む216桁の数字に気づいたことをきっかけに、カバラ信者や株式投資のエージェントに付け狙われて生活が一変してしまうというのも、母の怪死をきっかけに人生がおかしくなってしまうボーと重なるものを感じました。
 唯一異なるのは結末でしょうか。ボーは最初から最後まで母の呪いと歪んだ認知の世界から抜け出せませんでしたが、マックスは最終的に「外挿的な方法」でもって数字の悪夢から抜け出すことに成功します。代償として彼のそれまでの世界は彼の才能ごと破壊されてしまいますが……。
 また本作には陰謀論も色濃く感じました。ゲマトリアやらカバラやら数秘術といったそっち方面のワードが頻発するしマックスにフレンドリーに近づいてきた男はあやしい宗教団体の一員だったし。でも面白いんだよなゲマトリア。
 
 そしてわずか5分後、大好評のIwanami Expoの作品のひとつにして1日限りのこの作品!
 
 
 もちろんというか当然というか、本日のBLAME!は満席。作品自体の人気はもちろんのこと、やはりここ塚口サンサン劇場でしか味わえない重力子放射線射出装置の音響を味わいたくて遠方からも足を運ぶという人も多いことでしょう。
 本作はなんでもネトフリの契約の関係で年に1回しか上映できないらしいんですが、その1回のためにここに来る価値は十二分にあると断言できるでしょう。
 もう最初の建設者が出てくるところの音響でシートはビリビリ空気はブルブル、音の形がわかるレベル。
 このブログを読んでてまだ塚口の重力子放射線射出装置を体験してない方には、来年(やるに決まってる)のBLAME!上映の際にはぜひともゆったりした服を着ていくことをおすすめします。服の裾が音響でビリビリ震えるのを楽しめますので。
 そしてみんな大好き重力子放射線射出装置の音響、まさに「音を浴びる」という未曾有の体験が出来ます。技術の進歩著しい昨今、劇場並みの映像を自宅で楽しむことは難しくなくなってますが、やはりこの音響だけは映画館でしか、そして塚口サンサン劇場でしか味わえない体験です。
 反面、細かく小さな音もしっかり聞こえるのが塚口のすごいところ。重力子放射線射出装置で貫通された超構造体が赤熱化してキンキン言ってるのとかシボさんの足音とか、聞いてるだけで耳が幸せ。これは断言するんですが塚口の音響のせいで音フェチに目覚めた人ぜったいいますよね。
 あとやはりこの作品を映像化したってのが何回見てもすごい。知る人ぞ知るwebアニメ版を知ってる者からすると本作は奇跡的なアニメ化だと思います。
 本作は主人公である霧亥を来訪者とすることで、電基漁師の村を舞台にしたいわゆる「股旅物」にしてるのがうまいんですよね。あと霧亥を演じる櫻井さんの台本がどれだけ薄っぺらいかが毎回気になる。
 年に1回というスミロドンの完全化石よりも貴重な機会、今年も楽しませて頂きました。
 ところでシドニア総集編&劇場版の再上映はまだですかねチラッチラッ。
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