さて秋季例大祭戦利品レビューと紅楼夢戦利品レビューがありますが実はまだ夏コミ戦利品レビューがまだ残ってるなんて口が裂けても言えない。
・ムガムビル4(薬味さらい)
強烈な作風と堅牢な構成が魅力のサークルさん、早くも総集編は4冊目!
それでは今回も収録作品ごとに感想をば。
・かえるのくに
総集編2収録の「かみやすみ」で、祟り神としての側面を見せてくれた諏訪子ですが、本作では彼女本人というよりもその周囲の信仰にカメラを向けた作品。
なんというか、祟り神である諏訪子も、望むと望まざるとにかかわらず神でいなくてはいけない存在として描写されてると感じました。
強大な力を持ちながらも決して万能ではなく、むしろその力……というか「祟り神としての習性」を持て余していると言うべきか。
ラストの「来年も やってみるか」のセリフは、果たして彼女自身のものなのか、それとも「神としての習性」が言わせたものなのか。
・シテイ
こういう幾通りにも意味を込めたタイトル大好き。
なんかもう青娥って画面に写っただけでイヤな予感しかしないよね……。
つうかもう本作の青娥さんはド外道感マシマシで正直サイコーです。
しかしながらその外法も、たしかに太子を想ってのものであることもまた真実であり……。
でもラストの芳香の台詞を見ると、その想いもどこまでが……と疑心暗鬼の無限ループに陥ってしまいそうです。こわーい。
あと「ニ○ラムで全員消えちゃう」には腹抱えて笑いました。
・竜殺
「そう言えば美鈴って何の妖怪なんだ?」というのは東方二次創作における古典的テーマのひとつなわけですが、それをこうした明確には見せない形で盛り込んでいるのが、その、なんだ、エロい。
「美鈴は龍脈の力次第で力が爆発的に増加する」なんて解釈もありますが、そのあたりもうまく話に組み込んでいて、毎回言ってますがその構成力の高さに驚かされます。
そしてラストのおぜう様のカリスマを見よ! 惚れるわこんなん。
あとがきの青娥さんの邪仙ジョークははっきり言って完全に笑えません。早々に追い出さないと紅魔館がわくわく怪物ランドになってしまう!!
・シロガネエッヂ
やったー! チャンバラだー! しかも同キャラ対戦だ!
というわけで本巻に収録されている作品の中でもダントツに好きな作品です。男の子の浪漫全盛り。
個人的に妖夢というキャラクターには「迷い」という要素が非常に重要だと思っているんですが、その要素がその他の要素をうまく繋がり合い、絡み合っていると思います。
あとがきに妖々夢・永夜抄・神霊廟の3作についての妄想をひとまとめにしたという記述がありますが、まさにその通りの作品に仕上がっていると思います。
そして妖夢と半霊それぞれに助言を与えたのが椛と咲夜さんっていうのがまたいい。
・朱ノ呪
朱の呪い……朱点童子……俺屍……俺屍2……うっ頭が!!!
それはともかく感想ですが、霊夢を象徴する色でもある「赤」がメインテーマ。
あーもうこの常人なら6度死ぬほどのレイマリ具合よ。
一口にレイマリと言ってもそこにある感情はさまざまですが、やはり嫉妬ですよねえ。
魔理沙は愛が重い子だと思いますが、その重さは紅白巫女を地に下ろすことができるのか。
・かえる神国の逆襲
描き下ろしの一編。
これまでの総集編と同じく、収録されている作品をうまくまとめて作り上げたお話です。
この描き下ろしの作り方は本当に好き。
スターウォーズと見せかけて大長編ドラえもんな感じ。あるいはミクロキッズ。
とりあえずご神体のデザインは完全にアウトだと思いますいろんな側面で。
あとそこのネオ風祝はガムテで巻いて倉庫に閉じ込めたほうがいいと思いますもう完全に完膚なきまでに手遅れですけど。
というか描き下ろしでの青娥さん、輝いてるぜ……! 直視できぬほどに!
そしてカバー裏が空前絶後のヒドい絵面に!! 何やってんのこの人!!
なんか総集編4は、全部青娥さんが持ってっちゃった感じです。ほんとに美味しいキャラだよなこの人……。
今日はここまで。