That's awesome

海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

The Great Game Audio Commentary その8

2019-02-28 21:16:37 | Sherlock S1E3 Commentary


かなり間があいてしまいましたがコメンタリー続きです。


Previous → The Great Game Audio Commentary その7
リストはこちらから → The Great Game Audio Commentary



MG:撮影初日だ。
BC:懐かしいね。マーティン、この猫の話を頼むよ。
MF:弟役のジョン・セッションズ
MG:ステファノも。
MF:そして毛のない猫だ。
BC:ごめん、今のは内緒話だ。
MF:とにかく猫の話を。
ジョン・セッションズが着ていたシャツは生地が薄かった。
何度もひっかかれて血だらけになってたよ。
彼も勇敢だ。

MG:僕は助監督にたずねた。この血みどろの撮影が終わった時だ。
なぜ猫の撮影を初日に?って。答えに窮していたよ。
今思えば最初にやるのは間違いだった。
BC:初日はただでさえ大変なんだ。現場の雰囲気もぎこちない。
「僕がホームズです」と挨拶したりね。
猫のような予測不可能なものが来るとより混乱する。

MF:でもセッションズは予測可能だ。
BC:アメとムチを使い分ければ言うことを聞く。
MG:彼とは撮影まで親しくなかったので大のホームズファンと知らなかった。
MF:クイズ番組にも。
MG:優勝したね。彼には感謝している。こんな小さな役でよく出てくれたよ。
もっと目立つ悪役を頼むこともできたのに。
MF:彼と君とスティーヴンは3大シャーロキアンだ。
BC:次シーズンではセッションズを使って・・・
いや、なんでもない。
MG:猫の話に戻ろう。
(爆笑)
MG:猫は2匹いた。訓練済みと聞いていたが・・・・
MF:セッションズをひっかく訓練だな。
MG:その点は優秀だった。

MG:このシーンは最高だ。
「途方に暮れてる」というセリフには自分が犯人だと匂わせるムードも。
セッションズは視聴者にコニーの弟を疑わせるために君を見つめあえて暗い声で言った。
MF:距離が近くて怖かったよ。

BC:このシーンも楽しかったよ。
彼は狂暴な猫のせいで血だらけになったうえに僕にフラッシュを浴びせられる。
何度の執拗にね。
MG:この事件は事実に基づいているんだ。
BC:話して。
MG:かつてフランスである男が死に原因は破傷風とされた。足に傷があった。
だが実は義理の弟が飼いネコの爪に菌を塗ってたんだ。
MF:本当?まさにホームズの世界だ。

MF:時代は?
MG:1920年代だ。使えると思った。
BC:少し前の話に戻るけど、君と議論するためなら遡る価値はると思うし・・・・言い訳がましいな。
スニーカーを使っての推理のくだりだ。
MG:あれは原作でドイルが書いた様々な推理法を参考にしたんだ。
僕は子どものころからスクールバスの中で推理をしていた。
「ここの人たちはバスに乗る前何をしていたのか?」とね。
もちろん正解は「学校にいた」なんだけど・・・自分もホームズになれる気がしてた。頑張れば謎は解けると。
BC:そこが魅力だ。彼の推理は努力と勤勉に支えられてる。
MG:靴ひもを替えた回数が分かるのは常人離れしてるけどね。それができるのは彼だけだ。
ごく細かな部分の摩耗までを観察し推理する。あくまで物証に基づいてね。

BC:泥にも詳しい。色や質感から異なる場所の泥を見分ける。
MG:最近シリーズの最後に書かれた物語を読み直した。「隠居絵具師」だ。
記憶に残りにくいが殺人事件を書いた傑作だ。
印象的な点は2つ。まず臭いで臭いを隠蔽するところ。
殺人犯は死体の腐敗臭を隠すために部屋を塗り替える。臭いのきつい塗料でね。
2点目は犯人の義足だ。ホームズは彼の靴の片方がすり減っていないと気づく。
足が機能していないからだ。最後の物語とはいえ冴え渡っている。

BC:マーク、そろそろ映像に沿った話を。
MG:僕もそう思った。このシーンは逃せない。
(おばあちゃんと電話)
MG:リタ・デイヴィス。名演だった。ステキな人だ。
僕がベッドの足側に腰掛け君のセリフとカウントダウンを担当。
彼女はイヤホンから聞こえるセリフをそのまま繰り返していた。

MF:いい演技だね。
MG:このシーンは・・・前にも話したことがあるね。
物語の流れでは障害も必要だ。
ホームズだって苦い思いはする。


続きます。

おばあさんが爆発してしまった時のシャーロックが切なかったです。
ゲーム感覚で推理をしているけれど、彼は決して命を軽視してたのではなく
彼なりに必死で救おうとしていたのかな、と。

シャーロックの感情はわかりづらいところもあるけれど
BCシャーロックはちゃんと表情に出ているのがポイントですね。(と、勝手に思っています)


221Bでレストレードやハドソンさんと一緒にワイワイしているのも好き。
ふたりともシャーロックの保護者感がすごいあります。


パトリック・メルローズ 「Never Mind」その12

2019-02-25 20:36:26 | Patrick Melrose E3
Patrick Melrose Episode 3 "Some Hope"

Based on Patrick Melrose by Edward St Aubyn
Written by David Nicholls
Directed by Edward Berger

ラストです。


リストはこちらから。

パトリック・メルローズ 「Bad News」
パトリック・メルローズ 「Never Mind」
パトリック・メルローズ 「Some Hope」

Previous → パトリック・メルローズ 「Some Hope」その11


キャスト/文中表記です。

Patrick Melrose:PM(パトリック・メルローズ)
David Melrose:DM(デイヴィッド・メルローズ パトリックの父)
Eleanor Melrose:EM(エレノア・メルローズ パトリックの母)
Nicholas Pratt:NP(ニコラス・プラット デイヴィッドの親友)
Sonny Gravesend:SG(ソニー・グレーブセンド)
Bridget Watson-Scott/Lady Gravesend:BG(ブリジット グレーブセンド夫人)
Belinda Gravesend:Be(ベリンダ ブリジットの娘)
Virginia Watson-Scott:VS(バージニア・ワトソン・スコット ブリジットの母)
Johnny Hall:JH(ジョニー・ホール パトリックの友人)
Julia:J(ジュリア)
Mary:Ma(メアリー ブリジットのいとこ)
Jacques D'Alantour:JD(ジャック・アラントゥール)フランス大使
Jacqueline D'Alantour:JA(ジャクリーヌ フランス大使夫人)
Cindy Smith:CS(シンディ・スミス ソニーの浮気相手)
George Watford:GW(ジョージ・ワットフォード デイヴィッドの友人)
David Windfall:DW(デイヴィッド・ウィンドフォール) 
Debbie Hickman:DH(パトリックのガールフレンド)
Amanda Pratt:AP(アマンダ・プラット ニコラスの娘)


ブリジットがクローゼットの服をバッグに詰めています。
椅子には眠るベリンダを膝にのせているヴァージニアがいます。


VS:私はあなたが帰りたがっているのかどうか考えていたと思う?
BG:知らないわよ、ママ。その話はここを出てからにして。
VS:あなたが幸せになれるなら。
お父さんはいつもニコラス・プラットを責めていたわ。
あなたはとてもいい子だった、彼に会うまでは。
それからはすべてを批判するようになったわね。長いつきあいの人たちを。善良な人たちをね。

ブリジットの目から涙が溢れます。


VS:お父さんはあなたをずっと愛していた。でも私はお父さんが傷つかなかったふりはできないわ。

遠くで花火の音がします。

VS:言い過ぎた?
BG:いいえ、全然。
VS:明日ちゃんと話しましょう。さあ、急がないと。道のりは長いのよ。


再びパトリックとジョニー


JH:決して勧誘してるわけじゃないぞ。
PM:うん。
JH:前へ進む方法はただひとつ、もっと自分自身と距離を置いて他の何かに夢中になることじゃないかな。
PM:つまり趣味を持てってこと?

笑うジョニー。

JH:何でもいいんだよ。
PM:恋をするとか、子どもを持つとか。
JH:うん、いいね、どう?
PM:恋愛は何度もやってみたよ。
JH:愛じゃなかったのかも。
君は誰かが自分の傷ついた心を癒してくれると胸を躍らせて、でもそれが叶わないと気づいて失望したんだ。

JH:でも次があるさ。
PM:うん。でも苦痛や恨み、皮肉も紳士気取りも、
そして自己嫌悪も消え去ると何も残らないかもしれないという危険もある。
JH:うん、だから代わりになるものを考えるんだよ。

花火が大きな音を上げて夜空に浮かびます。
マーガレット王女が帰るところに2階からスーツケースを持ったブリジットと
ベリンダ、ヴァージニアが下りてきます。


M:ソニーはどこ?
BG:まったく気にも留めておりませんでしたので、陛下。

ブリジットはそう言うと王女の横を通り過ぎます。

庭ではソニーとニコラス、ジョージがベンチに座っています。



SG:私は大バカ者だ。
NP:そんなことはない。
SG:そうせざるを得なかったんだ!ブリジットが息子を産めなかったのはそれほど重いんだ。
彼女のいない人生はどうなるのかな。でもシンディは独特の考え方を持っている。
彼女は壁を突き破れという。競売人のように家具を眺めてるよ。

ジョージがふと後ろを見るとブリジットたちが車に乗り込もうとしていました。


GW:今のブリジットじゃないか?

後ろを見るソニー。


SG:ブリジット!

ソニーが慌てて追いかけます。
ブリジットはエンジンをかけ車をスタートさせます。

どこに行くんだ、ブリジット!車を止めろ!ブリジット!

ブリジットはソニーの姿が見えなくなると安堵したような笑顔になります。
立ち尽くすソニー。


パトリックとジョニーはエントランスを歩いています。

PM:父はとても不幸だったと思う。でも誰かを赦すのに変わろうとする必要があるのか?
JH:でも彼が変わったら赦される必要もなかったんじゃないかな。

そこに先ほどのウェイターが通るのでパトリックは呼び止めます。

PM:失礼。さっきは怒鳴って悪かったね。
ちょっと厄介な話の最中だったんだ。
ウェイター:仕事ですから。こちらこそすみませんでした。

JH:どうすれば赦せるのかな。

ジョニーがパトリックに話しかけたのを聞いていたウェイター。

ウェイター:赦せますよ。そんなに大したことではありません。

ジョニーは驚いて否定します。

JH:いや、君の事じゃないから!


ウェイターが立ち去ると二人で吹き出すように笑います。

PM:まあ、ウェイターが赦してくれても眠ることはまだできないな。
あのホテルの部屋の事を考えてしまうんだ。


JH:話してくれてありがとう。
PM:カリフォルニア人むたいな事はいわなくていいから。
JH:イギリス人らしくする必要もないだろう。

パトリックが笑います。

JH:パーティも終わりだな。
PM:それだけじゃない、ひとつの時代が終わったんだ。
JH:そう願いたいね。


お互いに頷きあいジョニーが帰ります。
ふと目の前に止めてある車にいる人物に目が留まるパトリック。
ゆっくりと近づいていきます。
バンドのメンバー、チリー・ウィリーです。


CW:何か?
PM:ニューヨークにチリー・ウィリーという知り合いがいたんだけど。人違いかな。
CW:そいつはどこに住んでいた?
PM:10番街だ。
CW:何をしていた?
PM:売人でストリートで生活をしていた。
いや、そんなはずはないな。

パトリックが立ち去ろうとしたときチリーが言います。

CW:コートだ。

振り向くパトリック。

CW:いつもコートを着ていた英国人だ、違うか?
PM:パトリック・メルローズだよ。信じられない!見違えたよ。
CW:俺はミュージシャンだったんだ。知ってたか?
PM:君の奥さんからヘロイン用の注射器を20ドルで買ったよね。
CW:ああ、彼女は過剰摂取で死んだんだ。
PM:そうか、気の毒に。でも君が生きているのは奇跡だよ。
CW:お互いに。


笑うパトリック。

CW:すべてが奇跡だよ。
俺たちが石鹸の欠片みたいに風呂で溶けてしまわないのも奇跡だな。


ぽかんとしているパトリックの肩を叩き立ち去るチリー。
見送っているとメアリーが出てきました。


Ma:会えてよかったわ。
PM:うん。

帰ろうとするメアリーを呼び止めるパトリック。

PM:朝食で会えるかな?
Ma:もちろんよ。コッツウォルズカーベリー?
PM:うん、9時ごろに。
Ma:がっかりしないようにね。

笑いながら消えていくメアリー。


暗闇に包まれる湖でたばこを吸うパトリック。


木の枝を湖に投げると子どもパトリックの姿と重なります。


しばらく湖を見つめています。



以上です。

救いと希望のあるラストでかなりホッとしました。
ジョニー、本当にいい奴。
パトリックは辛い人生だったけど信頼できる人がそばにいてくれて良かったよね。

ブリジットのラストもスッキリしました。
この日ふたりが人生のリスタートの一歩を踏み出したわけですね。

果たしてパトリックはこのまま幸せになれるんでしょうか。

E4に続きます。


パトリック・メルローズ 「Some Hope」その11

2019-02-22 09:09:14 | Patrick Melrose E3
Patrick Melrose Episode 3 "Some Hope"

Based on Patrick Melrose by Edward St Aubyn
Written by David Nicholls
Directed by Edward Berger


リストはこちらから。

パトリック・メルローズ 「Bad News」
パトリック・メルローズ 「Never Mind」
パトリック・メルローズ 「Some Hope」

Previous → パトリック・メルローズ 「Some Hope」その10


キャスト/文中表記です。

Patrick Melrose:PM(パトリック・メルローズ)
David Melrose:DM(デイヴィッド・メルローズ パトリックの父)
Eleanor Melrose:EM(エレノア・メルローズ パトリックの母)
Nicholas Pratt:NP(ニコラス・プラット デイヴィッドの親友)
Sonny Gravesend:SG(ソニー・グレーブセンド)
Bridget Watson-Scott/Lady Gravesend:BG(ブリジット グレーブセンド夫人)
Belinda Gravesend:Be(ベリンダ ブリジットの娘)
Virginia Watson-Scott:VS(バージニア・ワトソン・スコット ブリジットの母)
Johnny Hall:JH(ジョニー・ホール パトリックの友人)
Julia:J(ジュリア)
Mary:Ma(メアリー ブリジットのいとこ)
Jacques D'Alantour:JD(ジャック・アラントゥール)フランス大使
Jacqueline D'Alantour:JA(ジャクリーヌ フランス大使夫人)
Cindy Smith:CS(シンディ・スミス ソニーの浮気相手)
George Watford:GW(ジョージ・ワットフォード デイヴィッドの友人)
David Windfall:DW(デイヴィッド・ウィンドフォール) 
Debbie Hickman:DH(パトリックのガールフレンド)
Amanda Pratt:AP(アマンダ・プラット ニコラスの娘)



二人は手をつなぎ2階に続く階段に向かうと
階段の前で警備している男に阻まれます。

男:申し訳ございませんが上はプライベートで・・
J:私たちはここに滞在してるのよ。

男はふたりを通します。

J:Thank you!
PM:最悪のアイデアとしか思えないよ。


2階に上がるとブリジットとソニーの争う声が聞こえてきました。


BG:屈辱だと言ってるのよ!
SG:この話はまた朝にでもしよう。
BG:はぐらかさないで!
SG:私たちが姿を消すとゲストたちが変に思うだろう。
BG:あなたの客なんかどうでもいいわ。言いなさいよ、最初は・・・

その様子をじっと窺っているふたり。

J:知ってるわよね。
PM:不倫の事?
J:不倫じゃなくなるわね。
シンディは重要な男の子を妊娠してるの。
ソニーは後継者が欲しいからシンディを次のグレーブセンド夫人にするつもりよ。
PM:かわいそうなブリジット。
J:価値のないヘンリー8世のようにね。
ここは笑うところよ。
PM:君も笑ってないじゃないか。
J:私は偽善的じゃないの。彼女は自業自得よ。
PM:なんで?
J:わかってるでしょう。
身分不相応なのよ。
彼女が疲れてきているのも不思議じゃないわ。
PM:僕は君に予約を入れてるんだけど。

そうね、早くいきましょう。

ジュリアとパトリックは奥の部屋に行きます。


BG:ここで彼女とヤッたのね?
違うよ、いやそうだけど寝室には入れてないよ。

ブリジットが部屋から出てきます。



ジュリアとパトリックは激しく愛し合います。
パトリックがジュリアを壁に押し付けた反動で手に持っていたグラスが床に落ちて割れます。

J:私、最近誰と浮気していると思う?
PM:それ今話すこと?
J:あなたの友だちのジョニーよ。

その言葉を聞いて動きを止めるパトリック。


PM:すっかりやる気を失ったよ。
J:私を奪い返したくなるんじゃないかと思ったの。
ジョニーは完璧だけどそれが問題なのよ。
あなたが今日ここに来ると知って嬉しかった。
パトリック・メルローズ。
自分でも驚きだけどあなたが恋しかったのよ。
PM:僕もだ。でも僕はジョニーと友だちでいたいんだ。
J:うそでしょう?
PM:僕はもう皮肉も緊張もほしくない。
J:あなたは皮肉も緊張も大好きじゃない。
PM:君は誰もが自分と同じだと思ってるんだな。
J:Fuck off, Patrick.


身支度をするパトリック。

PM:確かにそろそろ下に降りたほうがよさそうだ。口論になる前にね。君からどうぞ。
J:うんざりよ。

ジュリアが出ていきます。


ジャケットを羽織り深呼吸していると割れたグラスが目に入ります。
子どものころ、初めて父に虐待された日を思い出すパトリック。


PM:グラスを割っちゃったんだ。お父さんには言わないで。
AM:お母さんは?お母さんと話したい?
EM:パトリック、どうしたの?
マリアンヌ:お父さんに何を言おうとしたの?


階段から落ちる瞬間現在に戻ります。

グラスをゴミ箱に捨て部屋を出るパトリック。
音楽鳴り響くフロアにジョニーがいました。

JH:探したんだぞ。
PM:君こそどこにいたんだ。まあいいさ。どこか話ができるところ探そう。



静かなところで話を始めます。


PM:声を大にして何かを言ったことはないしこれからもないって君に言ったよね。
言葉足らずなのは許してほしい。恥ずかしいからではなく君に負担をかけたくないだけなんだ。
JH:つづけて。
PM:僕の両親のアルコール依存症や暴力の話はしたよね。でも僕が避けてきたのは・・・


パトリックが話していると後ろからウェイターがシャンパンを持って来ました。

JH:ちょっと待って。

パトリックはすぐに断ります。

PM:結構だ。
ウェイター:もうすぐ花火が上がりますのでそのお知らせです。
PM:Thank you.


ウェイターの姿が見えなくなり再び話し始めます。

PM:8歳の時から数年にかけて、僕は父から最近の言い方をすれば「虐待」を受けてきた。
JH:「虐待」って?

涙をこらえようと言葉に詰まるパトリック。

PM:それは・・・・
誰にもそんなことをしてはダメなんだ。
最初は・・・・


その時、再びウェイターがやってきます。

ウェイター:花火ですが・・・
PM:君はたった1分でも僕たちをそっとしておくことができないのか?会話にならないじゃないか。

怒鳴るパトリック。

ウェイター:大変失礼いたしました。

PM:僕たちは子どもじゃないんだ。花火があがって喜ぶように見えるか?

怒鳴り続けるパトリックに黙って立ち去るウェイター。


PM:虐待とは何かって?性的虐待だよ。
JH:なんてことだ。だから君は父親を憎んでいたのか。
PM:これでわかったろう?
最初は罰だったんだ。でもその悪行にカフカ的な魅惑があるなんて知らなかったよ・・・

JH:なんてひどい奴なんだ。
世界がふたつに引き裂かれた思いだったろうな。
PM:うん、そんな感じだった。なぜわかった?
JH:そんなの当たり前だよ。
PM:それをされてる時、変に聞こえそうだけど、壁にトカゲがいた。
鮮やかな緑色のヤモリだよ。
「どうにか僕自身を内側に押し込めてしまえばやり過ごせる」そう思ってた。
逃げ出すことは叶わないとわかってたから。


パトリックは泣きながら手で顔を覆います。
そして顔を上げ話を続けます。


PM:でも僕はもう憎むことに疲れたんだ。それだけじゃないんだけど。
この事だけでなく、社会に出て何かを学び、貢献し、
ただ生き抜くだけでなく生きるのであれば真実を話すべきなんだ。

その時、花火のあがる音がします。
パトリックは少し笑います。

PM:花火は見えないな。もし見たいなら・・・・
JH:いいって。



続きます。
次で最後です。

シャーロックS4についてbyアマンダさん

2019-02-19 09:32:39 | Sherlock Topics 2019
シャーロックファンサイト、SHERLOCKfansiteJapan@Sherlockfan_JPNさんがご紹介していた
Digital Spyの掲載されているアマンダさんのインタビューを訳しました。

The Timesのインタビューの抜粋のようですが(私はThe Timesが読めないのでリンクだけ貼ります。)
ちょっと面白かったので・・・・

元記事
Digital Spy
Sherlock star says the last series "started to pander to the fans"

The Times
Amanda Abbington: ‘The split shook me. I had no self-esteem’



アマンダはシャーロックのS4について「ファンに迎合し始めた」と思っていると述べた。

2014年と2017年にS3、S4でメアリー・ワトソンを演じたアマンダは
The TimesにSherlock trollsについて話した。

「彼らが最後のシリーズに満足していたとはとても思えない。」「とても複雑になったと思う。」と話す。



「モファットは大好きだけど、彼らはファンに迎合し始めたと思う、たくさん存在するファンダムが影響している。
「もっとストーリーに専念するべき、彼らは面白いものが書けるんだから。」
アマンダは後にSNSでコメントをした。

"It was a joy and pleasure to be a part of, and I'm incredibly proud of it."
「モファットは素晴らしい作家」とツイートした。
「シャーロックで演じるのが大好きだったし大正解だったと思ってる。
誤解する人もいるだろうから言っておく。出演できて満足だし嬉しかった。誇りに思ってる。」



先の事はどうなるかわからないけれど、モファットはいつかはS5が作れることを期待している。

「今のところ計画はないけど、みんなこのドラマには思い入れがあるし、もうやらないなんてちょっと考えられないね。」と今年初めに話している。
(これはたぶん今年じゃなくて去年のRadio Times Covers Partyでの言葉だと思うんです。去年の2月にUPしたインタビューにありました。)
Radio Times Covers Party
モファットさんのコメントはその時にMistyさんに訳してもらったものです。
Mistyさん、いつもありがとうございます。Thanks Very Very much!

Sherlock trollsは何でしょうね。
trollは「荒らし」や「釣り」の意味があるそうですが
SNS上でシャーロックファンにバッシングされてきたとThe Timesの冒頭に書いてあったので
その事なのかもですね。

彼女も結構ファンを煽るツイートをしていた印象がありますが
メアリーのキャラクターがアレだったのはアマンダさんの責任ではないと思います。
5年前からバッシングされてきたとありましたのでS3からって事ですよね。
やっぱり暗殺者設定がダメだったとしか・・・・

マーティンと別れた原因はシャーロックだった?と思えるような記事の冒頭なんですが
全文読めないもどかしさ(泣)


彼女の発言の意図はThe Timesを読まないとわからない気もしますが、
それにしてもファンに迎合なの?って。
私は逆だと思ってたけど・・・S4は総じて腐女子撲滅プロジェクトだったし(by Mistyさん)

「君たち、こんなのが好きなんでしょ?」感満載なハグシーンとか、
あれが迎合と言うなら私はきっとファンダムとはベクトルが違うと思うの。
モファットさんたちがファンの希望を取り違えたかもしれませんが。

当時も散々言われてきたけど、自分たちのやりたいことをやって
最後にファンサービスしたように感じましたけどね。
スパイとかサイコパスとか・・・・・

でも本筋から逸れるべきではなかったというアマンダさんの意見には心から同意です。
主役ふたりも納得していないと言うのは当時からずっと言われてきましたが
アマンダさんも同じだったのかしらね。


Sherlockは関わった人たちの運命を大きく変えてしまったのね。
私の生活も変わりましたけど。どっぷりと英国俳優沼。



パトリック・メルローズ 「Some Hope」その10

2019-02-18 18:47:43 | Patrick Melrose E3
Patrick Melrose Episode 3 "Some Hope"

Based on Patrick Melrose by Edward St Aubyn
Written by David Nicholls
Directed by Edward Berger



リストはこちらから。

パトリック・メルローズ 「Bad News」
パトリック・メルローズ 「Never Mind」
パトリック・メルローズ 「Some Hope」

Previous → パトリック・メルローズ 「Some Hope」その9


キャスト/文中表記です。

Patrick Melrose:PM(パトリック・メルローズ)
David Melrose:DM(デイヴィッド・メルローズ パトリックの父)
Eleanor Melrose:EM(エレノア・メルローズ パトリックの母)
Nicholas Pratt:NP(ニコラス・プラット デイヴィッドの親友)
Sonny Gravesend:SG(ソニー・グレーブセンド)
Bridget Watson-Scott/Lady Gravesend:BG(ブリジット グレーブセンド夫人)
Belinda Gravesend:Be(ベリンダ ブリジットの娘)
Virginia Watson-Scott:VS(バージニア・ワトソン・スコット ブリジットの母)
Johnny Hall:JH(ジョニー・ホール パトリックの友人)
Julia:J(ジュリア)
Mary:Ma(メアリー ブリジットのいとこ)
Jacques D'Alantour:JD(ジャック・アラントゥール)フランス大使
Jacqueline D'Alantour:JA(ジャクリーヌ フランス大使夫人)
Cindy Smith:CS(シンディ・スミス ソニーの浮気相手)
George Watford:GW(ジョージ・ワットフォード デイヴィッドの友人)
David Windfall:DW(デイヴィッド・ウィンドフォール) 
Debbie Hickman:DH(パトリックのガールフレンド)
Amanda Pratt:AP(アマンダ・プラット ニコラスの娘)




ブリジットとパトリックの会話です。


BG:一番覚えてるのは、あなたの毒父は別にしてよ、あのステキな邸宅よ。
PM:ここには敵わないよ。
ああ、そうよね、成り行きっておかしなものだわ。
本当にステキなの、くだらない連中で埋まってほしくないわ。
あなたは別よ。ママもね。
PM:君は僕の両親のとりまきと違ってすごくクールに見えたよ。
優しかったし。
BG:優しい?ほかの誰かと勘違いしてないでしょうね。
あなたは天使じゃなくていいからちょっと彼女の相手をしてくれない?

ブリジットはヴァージニアを呼びパトリックに紹介します。

BG:友人のパトリック・メルローズよ。
VS:ああ、覚えてるわよ。
PM:すごいパーティですね。

ブリジットはパトリックに母親を任せるとその場を離れます。



デイヴィッドがブリジットに話しかけます。

DW:ブリジット!楽しいパーティだね!
はっきりさせておきたいんだけど、妻が来れなくてシンディに会ったから・・・

ブリジットは適当に相槌を打ちながら歩き続けます。
すると前の前にソニーとシンディがいました。


SG:ショウが始まるよ。触ってもいいかい?
CS:ソニー、ダメよ、少なくとまだ数週間はね。

その場に立ち尽くすブリジット。
そして引き返すとトニーに会います。

TF:どうした?
BG:シンディとソニーが一緒にいたわ。
彼女とは交流がないから招待しないと言ったのに、来てるのよ。
ただの被害妄想かしら。
TF:絶対にそうだよ。
BG:本当に被害妄想?
TF:場所を変えよう。


会場では「Wet Wet Wet - Love Is All Around」の演奏とともに
メンバーの紹介が始まります。
↓Youtube
Wet Wet Wet - Love Is All Around

「ジョー・ワグナー サクソフォーン。」


パトリックのところにソニーがやってきます。

SG:パトリック・メルローズ。飲まないのか?
PM:Happy birthday, Sonny

「ドン・ウィルズ トロンボーン。」

SG:私はこの部分が好きじゃないんだ。彼らの名前なんて知りたくもだいだろう?
さっきブリジットと話しているのを見かけたよ。

「チリー・ウィリー・ワトソン コルネット」

SG:彼女はひどく荒れているように見えたけど。


そこにジョニーもやってきました。

JH:ソニー、ちょっとパトリックを借りるよ。

ジョニーとパトリックがソニーから離れます。


「チリー・ウィリー・ワトソン!」

バンドのボーカルが叫ぶ名前に反応するパトリック。


JH:大丈夫か?
PM:ああ、ごめん。何かちょっと・・・
JH:行こう。


歩きながら話すふたり。

JH:ホストから救わなくちゃ、と思って。
PM:あの男からはサウナのドアを開けた時のような愚鈍な空気が流れているよな。

ふたりのそばでソニーとシンディが会話をしています。

CS:理にかなってるでしょう。
SG:だめなんだ、今は彼女には話せないよ。
CS:話してよ。

その様子を見ていた二人。


PM:周りを見ろよ。小さいころから見覚えがある人ばかりだけど
みんな頑固で鈍いんだよ。
JH:彼らはマルクス主義者の最後の姿だ。
PM:そうなの?
JH:階級など信じそうにない人たちは総じてそんな解釈だ。
PM:どこか別の場所に行こう。

家の中に入ろうとする二人の前にジュリアが現れました。

J:ふたりで内緒話かしら?

パトリックにキスをして挨拶をしているとジュリアの夫アンガスがやってきます。


J:ジョニー、パトリック、私の夫を紹介するわ。
アンガスよ。
A:大したパーティだな。かなり費用がかかっているだろうね。
J:夫は費用のことしか頭にないの。何か飲んだら?全部タダなんだから。
ジョニーに連れて行ってもらって。
PM:実はジョニーと僕は・・・・
A:さあ、行こう。

ジョニーはアンガスとその場から離れます。


J:彼、経歴は立派なんだけどね

笑うパトリック。

J:探検しましょうよ。会えてうれしいわ。
私を避けてるのかと思ってた。悪影響があるから。
PM:君を避けてたんじゃなくて閉じこもっていたんだ。
J;でも今日はここに来たのね。
このつまらないパーティも盛り上がりそうだわ。
PM:君は生きてる身体を見つけるためにそこら中の身体を蹴ってきたのか。

目の前にはトニーとアマンダがいます。


J:トニーはコカインを持ってるわ。
それはルール違反だと思うのよ、そうでしょう?
PM:うん、確かに。
J:なぜ男たちはあんなに退屈なのかしら。
昔はバターをセックスにどう使うか話していたのに。
今ではバターをどうやって食事から抜くかを話してるなんて。
ほら、デビーよ。きれいね。

トニーがデビーと一緒に歩いています。

PM:うん。
僕はジョニーを探しに行ったほうが良さそうだ。
J;2階に行けるけど。
PM:2階に?なんで?
J:セックスするためよ。余計なしがらみはなしでね。
PM:暇つぶしにはなるな。
J:それはどうも。
PM:うそだよ、ぜひお願いしたいところだ。
J:それじゃ、行きましょう。


ジュリアは空いたグラスを片手にパトリックの手を引きます。

続きます。

あと2回くらいで終わります。
グダグダですがラストは少しスッキリすると思います。