三昧日記

小心者川筋男の後悔日誌

カレンダー付き柱時計

2022-02-06 07:12:15 | 日記
またまた振り子時計の修理物語です。
昨日知人から修理を頼まれました。故障の症状は「鐘打ち(時報)が不安
定」だということ。自信はありませんでしたが挑戦することにして預かり
ました。

壁にかけてまず症状の確認です。

長針を指で回すと,なるほど時刻とは無関係の回数鐘を打ちます。つまり,
たとえば8時であっても8回打つとは限らないのです。何より,毎時30分
のときは1回しか鳴らないものが複数回鳴るのです。

この時計,精工製です。カレンダーのあるのが特徴です。また,ねじ巻き
の「巻かれ状態」を赤・白・青の3色で表現するのもなかなかのアイデア
です。これですと,巻き過ぎてゼンマイを切ることもないし,巻き忘れて
時計が止まってしまうことも防げます:
 赤 間もなくゼンマイがほどけてしまう。すぐ巻け。
 白 赤と青の中間状態。通常の稼働状態。
 青 巻き上げいっぱい。これ以上巻くと危険。
3色は上の写真で,両ねじ巻き穴の内側の小さい丸穴から表示されます。
上の例では「白」です。

さて,症状を確認したので内部を調べます。長針・短針と文字盤を外しま
した。

予想に反して内部は奇麗です。埃に関してはまったく問題ないようです。
この状態で機械を動かすとやはり鐘打ちの乱れが再現します。当然です。
内部の動きを子細に眺めていると,どうもばねの力が弱いのではないかと
疑われる箇所が見つかりました。

鐘を打つ回数は,上の写真の星印で示す鋸歯状円弧板の鋸歯を矢印で示
したレバーが1つ,2つと数えます。上の写真は数え終わった状態です。
つまり矢印のレバーの先端が鋸歯状円弧の端に落ち込んでいます。
問題はこのとき。振動で矢印のレバーが浮き上がってしまい,再び数え始
めるといった具合です。
どうも丸印のばねの力が弱いようです。細くて認めづらいのですが,お判
りいただけるでしょう。
このばね,何と呼んだらいいのでしょう?「ねじりコイルばね」でしょう
か?
切れてはいない。なぜ弱くなったのか?
その原因はわかりませんが,対症療法として1回巻き足しました。すると,
正常に戻ったのです。何はともあれ,よかったよかった。
また一つ知見を得ました。
以上

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