ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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やっぱり良かった! 韓国映画「飛べ、ペンギン」

2010-02-19 23:50:06 | 韓国映画(&その他の映画)
     

 私ヌルボが昨年9月29日このブログで「日本公開希望!」と書いた「飛べ、ペンギン」。ついに昨日観ました よ!

 アタリだったですねー。ふっふっふ。ヌルボの目に狂いはなかったです。(・・・とのっけから自画自讃。)
 4話で構成されたオムニバス風のホームドラマです。
 それも山あり谷あり何でもありの非現実的なドラマではなく、現実の韓国の家庭や職場を垣間見るような、穏やかなドラマです。
 ラブロマンスやアクション、ホラーやサスペンス等々に食傷気味の方には、むしろそれが新鮮に感じられるかもしれません。

 韓国の国家人権委員会政策の人権啓発映画、ということですが、そんな<臭み>はあまり感じさせません。むしろ、ヘタなコメディよりも観客の笑いは多いといえるでしょう。
フンイキは、「飛べ、ペンギン」の韓国語サイトでそれなりにわかると思います。

 内容はというと、
・第1話は教育ママに英語だの先行学習(上の学年の勉強をする)だの、9歳のスンユンは塾通いにせきたてられて押しつぶされそう・・・。
・第2話は、新入職員チュフンは菜食主義者で肉は食べない上、酒も飲めないということで、酒の場でチームの結束をはかる韓国の職場社会では奇異の目で見られる・・・。
・第3話は、勉強のために子ども2人と妻をアメリカに遣っている典型的<キロギ・アッパ>のクォン課長の悲哀。久々に家族たちが帰国したが・・・。
・第4話は、ずっと権威をふりかざしてきたクォン老人、長年連れ添った奥さんはついに堪忍袋の緒が切れて、クォン老人は深刻な事態に追い込まれる・・・。

 ・・・ということで、第1・3話は教育熱心な韓国社会の中で、以前から広く問題になっている社会問題、第4話は日本でもふつうにありそうな老夫婦の問題。
 それらの問題が自然な形で提示され、また観客の笑いを誘いつつ、自分自身のことも(たぶん)省みさせる、そして観終わったあと、いい気持ちになる、そんな映画です。
 先にオムニバス<風>と記したのは、教育ママもチュフンもクォン課長も職場(市役所)の同僚で、第4話の老夫婦はクォン課長の両親という設定で、全部切れ目なくつながっているからです。す。

 監督はイム・スンレ監督。彼女の大ヒット作「私たちの生涯最高の瞬間」に出演したムン・ソリさんが今回の<低予算映画>に教育ママ役でノーギャラ出演したのは、監督への恩返しと推測されています。・・・ということが「朝日新聞」のサイトに出ていました。

 特別試写会ということで、第2話で菜食主義の青年チュフンを演じたチェ・ギュファンさん(下写真)が来場、今大阪で日本語を勉強しているとのことで、日本語で内容のある挨拶をして大きな拍手を受けました。今回の役柄のように、温和で優しそうな青年です。

     

 「会場の皆さまからご質問を・・・」といわれて、手をあげようかな?どーしよーかな?、と迷っているうちに時間切れになってしまったのは我ながらナサケナイ。終わってからカタコトながら直接話しはしましたが、少しだけネ。

 また私ヌルボが心の中で「オォッ!」と声を上げたのが、主催者側からということで映画を説明し、ギュファンさんを紹介したシネマコリアの西村さん。ず~っと前から愛読してきた<ソチョンのホームページ>の管理人です。(今はシネマコリアのサイトに統合されていますが・・・) 生ソチョンさんは初めてで、やっぱり声をかけようかな、と思ったものの思っただけに終わりました。どこまでもヒカエメなヌルボであります。

 なお、「飛べ、ペンギン」も含めた韓国映画4本は、<真! 韓国映画祭>の中で、2月27日(土)~3月19日(金)ポレポレ東中野で上映されます。大阪では春にやるそうで・・・。詳細はリンク先参照。

 関係ないですが、あるシーンを観て、小説「ユジンとユジン」のように、ソウルの人が自由を求めて向かう先は東海岸=江陵(カンヌン)方面が定番なのかな、との仮説が思い浮かびました。この件については今後資料を集めて考えてみたいと思います。

 おまけにもうひとつ、もっと関係ないですが、今晩観た「ゴールデンスランバー」はオススメです! 小林信彦さんが「週刊文春」で推奨してましたが、彼の評価は信頼できます、とヌルボは思ってます。

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