ミュージカルな日々

ミュージカル好きの私が、観劇・映画・ドラマ・音楽・本の感想を書きつづるブログ、になる予定。

小池真理子「恋」 感想

2013-06-18 | 
これまでも気になってはいた本でしたが、今度ドラマ化されるとのことで今のうちに読んでみることにしました。
今日は感想をしたためてみます!ちなみに若干ネタバレ、若干カラクチです。

あさま山荘事件解決の日に軽井沢で起きた殺人事件、その犯人であった矢野ふみ子が事件に至るまでの物語を語る、というお話。
ふみ子が親しくしていた片瀬夫妻との倒錯した関係が絡み合って、事件に至っているので、この三人の描写を軸に物語が進行するのですが、これが何だか感情移入できなかったです。
もちろん、異常な関係なので、理解不能なのはそれはそれで当然なのかもしれませんが、それにしても引き込まれないというか、白けてしまうというか、、、
もともと、谷崎潤一郎や川端康成の耽美系の話も結構好きなので、そういう話にも抵抗はないのですが、何だか入り込めなかったです。
そう思ってたら、殺人事件の被害者である大久保が最後にふみ子に対して、三人の関係について辛辣な言葉を投げ掛けるのです。
これがいちいちごもっともな話で、それまでいまいち三人の関係に感情移入できなかった私にはすごくしっくり来るのです。
そうすると作家の意図としては、三人の関係をある意味純化した愛や恋として描きたかったのか、それとも大久保のいうようにそんなのは馬鹿げたまやかしに過ぎないと言いたかったのか、どちらなんだろうと思ってしまいました。
いずれにしても成功していない気がするし、読んだあとも腑に落ちない気持ちが残される小説でした。

ちなみに、軽井沢好きには、楽しい小説ではないでしょうか?私は軽井沢には一回くらいしか行ったことがありませんが、軽井沢の雰囲気が味わえてそこはすごくよかったです(^_^)

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