昨年に比べれば防御率は0.5点も改善をしてリーグ最下位を脱出しましたが、前半戦と後半戦との差がありすぎてなかなかに評価がしづらいです。
5月の4.98を筆頭に4点台を超えた前半戦に対して、9月以降の追い込みの2点台もあって後半戦は3点台前半でした。
打線の援護はむしろ前半戦の方がありましたから投打が噛み合わなかった象徴でもあり、この前後半がひっくり返っていればもっと違った結果になったかもしれません。
個人に好不調の波があるのは当然にしてもチームとしてのそれはベンチの問題でもありますので、もちろんいい方にですが、来季は安定をした投手陣であることを願いたいです。
先発は唐川と藤岡が期待を裏切ったことが、出足の躓きに繋がりました。
自主トレのときだったと思いますが、「伊東監督から二人で30勝」と言われたとの報道が今となっては虚しく響きます。
唐川は今季初登板に3回1/3を8失点であっさりと登録抹消となり、GWに一軍に復帰をして暫くは打線の援護に助けられて白星を重ねたものの調子は上がらず、そして徐々に黒星を増やして先発としては考えられない6点台の防御率で8月半ばを最後に長い浦和暮らしとなりました。
藤岡もやはり今季初登板に5回4失点で中継ぎ降格となり、GWに先発復帰をするも3回8失点と大炎上で以上終了です。
賛否両論はありましたが涌井が軸として15勝、最多勝に輝いただけに、この89年組の不振が先発陣の足を引っ張った形になりました。
石川が球団史上2人目の入団から二年連続の二桁勝利をしたものの貯金を作れず、唐川にも増して打線の援護を受けて7月まで9勝2敗だった李大恩も以降は7連敗、古谷も故障がちで長いイニングを投げられずに僅かに3勝と、取らぬ鴎の皮算用も極まれりといった感じです。
そんな中で昨季終盤からの調子を維持した大嶺祐が規定投球回にはもう少しと届きませんでしたが自己最多の8勝で防御率3.17、陳冠宇が9月以降に3勝で防御率0.96と急激な伸びを見せたことが大きな材料で、この両人が来季もローテーションをきっちりと守ってくれることこそが来季への期待に繋がります。
そして今の状況からすれば唐川、藤岡は勘定に入れづらいので、涌井、石川、大嶺祐、陳冠宇と4席しか埋まらないところに名乗りを挙げる若手がいてもらわなければなりません。
プロ初登板を見事なピッチングで飾った二木はフェニックスリーグでも主戦として投げていますので、その筆頭候補でしょう。
またドラフトで20代半ばの投手を4人も獲りましたから、その中から一人でも二人でも出てきてもらわなければ困ります。
唐川と藤岡が先発としてやっていけるようになれば儲けもの、ぐらいのつもりで、フレッシュな先発陣となる2016年であってくれればと思います。
中継ぎ陣は全体としては頑張ってくれたと思います。
やはり序盤に益田、松永が不調だったのが痛かったですが、大谷が軸として機能をしたことで大崩れにはなりませんでした。
その大谷が故障でリタイアをした終盤には益田、松永が調子を戻し、また内が復帰をするなどタイミングはよかったです。
もちろん揃い踏みをしてくれるのが一番ですが、ベンチが中継ぎ陣に過負荷を加えなかったことで上手く回ったのではないかと思います。
地味に香月良も下支えをしてくれましたし、また阿部が中継ぎに転向をして140キロオーバーのストレートを投げるようになったことは嬉しい誤算でしょう。
左腕が松永だけなのがしんどいですが、ここにやはりルーキーの中から一人でも加わってくれれば充実度が増します。
先発が弱めなだけに中継ぎ陣の充実こそがチームの浮沈の鍵を握りますので、しっかりと査定で評価をして気分よく来季に臨ませてあげてもらいたいです。
抑えは今季も西野が奮闘をしました。
最終盤に打球を当てて骨折、リタイアは悔しかったでしょうが、二年連続の30セーブ達成は見事の一語に尽きます。
伝家の宝刀を操りきれなかったのは昨季と似たようなものでしたが、ピッチングが全体的に上手くなった印象があります。
がむしゃらに投げていたところから考えるようになった、無駄なボールが減ってきたのではないかと、全ての数字が昨季とほぼ同じですが、安定感は相当に上がりました。
三者凡退の試合はむしろ減っているのですが、増えているように感じられたのが率直な感想です。
そうなれば来季も抑えは西野が鉄板なのでしょうが、選手生命へのリスクを考えれば三年を区切りに先発に戻してあげたいです。
それもこれも内がシーズンを通して来季に投げられるかどうかにかかっていますが、抑えとして最後のご奉公、ぐらいのつもりで頑張ってもらいましょう。
今年のポイントとして、田村選手がほぼ主戦捕手として務めあげた。(クライマックスFSで悔し涙を流したと言うが、彼にとって中身の濃い一年であったろう。吉田君は生真面目な性格が災いしたのか、田村のようないい意味での余裕が無い。(あの…田村選手が不真面目と言ってはいませんから、誤解の無いよう。)相方に余裕がないと、そこはそれ、投手にも影響はあるでしょう。)
田村選手がほぼほぼ、やり通した&昨年の2軍での生活等から、広くマリーンズの投手の球を受けましたよね。投手の特徴をマリーンズ随一、把握している捕手と言えるのではないでしょうか。さすがゴッドファーザー。
涌井選手などには教えを請い、同年代(まだ田村の方が圧倒的に若くはあるのですが)の投手陣も、ある程度田村を尊重して投げ込んだように思いました。この関係性は今後も成熟していくのだろうと思います。
あ!投手編総括のはずが、野手編のキャッチャー部門にフライングでコメントしちゃいましたか。てへ。
勝ちパターンは大谷、西野(最後は内)がずっと安定していましたし、涌井も途中少しバテ気味だったものの総じて安定していました。石川もやや物足りない面はあるものの防御率3点台で12勝は立派(特に疲れの溜まっている9月にフル回転で月間MVPは誇ってよいと思います)。
前半戦から後半戦にかけての違いとなると、チェンの戦力化、大嶺が長いイニングを投げるようになった、益田・松永の復調、イデウンや藤岡の配置転換などでしょうか。
藤岡はロングリリーフの役割がうまくはまっている感がありますが、先発が足りないチーム事情を考えても、やはり私は先発で何とか戦力になってほしいと思っています。
個人的に、香月が年間通して1軍のブルペンで戦力になったのは驚きで、かつ地味に全体の底上げに一役買ったと思います。
思い返せば斉藤コーチも就任当初に香月を買っていましたし、落合コーチになってもそれは引き継がれたようです。このへんは、本人の努力ももちろんですが、限りある戦力をうまくやり繰りしたという意味で首脳陣も評価されて然るべきと思います。
全体的に、もう少し先発が長いイニングを投げる流れに持っていきたいですね。中6日であれば。
ベンチが気を遣った起用をしたとはいえ、今年は大谷への負荷が重かったですし、来年以降も同じでは厳しいと思います。
リリーフ陣は、起用法も配慮があって良く頑張れたと思います。春先ダメだった益田松永も浦和で調整して、復帰後は活躍をしてくれました。大谷西野は、故障だけが心配なので休養も取って欲しいですね。まさかと言うと失礼ですが、香月の活躍も効果的でしたので来季デウン契約ならリリーフ適性あるので厚いリリーフ陣が出来上がりますね。
二木に続き岩下成田原辺りが成長し活躍する姿を楽しみにしてます。
まずはそんな先発陣作り。
オリオンさんの仰る通り、唐川君&藤岡君の当時のBIG3が二人とも不甲斐ないのが痛いです。
来季から突然良くなる可能性は期待しづらいので、唐川君には身体面を、藤岡君には精神面をそれぞれ徹底的に鍛錬してもらい、まずは浦和無双から始めてもらいましょう。
それまでは厳しく二軍幽閉でも良いかと。
益田君や西野君が先発転向出来ればひとまず頭数は揃いますが、中継ぎ陣の層の薄さがそれを許しませんかね。
シーズン終盤の中継ぎ陣フル稼働は、薄氷の上……という心境でしたし。
あとは外国人でしょうか。
クルーズがサヨナラとなれば、浮いた資金で助っ人先発を獲得してもらいたいです。
ペンの怪我しないバージョンのような選手がいれば、日ハムのメンドーサくらい頑張ってくれるのでは? と思っています。
完全に捕らぬ鴎の……ではありますが、
涌井君、五右衛門、大嶺君、新外国人で四本。
残り二枠を、チェンやドラフト組を含めた若いメンバーで争って欲しいと思います。
大嶺はCSでピリッとしてくれれば安心できたんですけど、まだまだ。
古谷と唐川と関谷で25勝します。
新外国人と3本柱で45勝。
大嶺とリリーフ陣で10勝。
だいたい、そんなものだと思います。
来季、石川・チェン・大嶺・藤岡の四枚。石川、大嶺は体力が不安。過負荷の涌井は、来季の計算に入れません。しかし、古谷も起用の難しい投手。若手の伸長もない。
ドラフトで、相変わらず冴えない投手を何人もとりますね。超一流の素材を一枚で良いのに。ハムのような姿勢を貫徹で。また、服部・中後を量産しないように。
問題は先発陣。藤岡には兆しが見えそうですが唐川は崖っぷち、145km目指して鍛練を。
先発タイプの新外国人も必要でしょう。イ・デウン、チェンも競争してもらわないとダメです。
このところハズレ枠となっているドラ2の川満田中の巻き返しがあるのかにも注目、今年のドラ2関谷がいきなりのブレークも大歓迎。
投手を6人も指名したのですから、高レベルでの激しい競争をき期待します。
そして益田の先発転向はないのか・・・
こなあたりも大事なポイントでしょう。