オリオン村(跡地)

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2011年通信簿 シーズン総括 投手

2011-10-24 22:43:55 | 千葉ロッテ

今季の最大の特徴は低反発球の導入による投高打低で、その恩恵をロッテ投手陣もしっかりと受けています。
防御率は昨年の4.10から3.40と0.70もアップしており、しかしリーグ全体の3.94から2.95の0.99に比べれば劣っています。
ただでさえ打線の援護がない中でリーグ最下位に沈む防御率では、勝てと言う方が無理だったのかもしれません。
またこれもリーグ全体の傾向ではあるものの与四球が462から317と30%以上も改善をしていることは注目点ではありますが、その一方でリーグ最少の41与死球と832奪三振という数字を見れば被打率の高さと相まって、攻めるのではなく置きにいったピッチングに終始をした感があります。
ぶつけられる方が逆にリーグトップの74死球だったことを考えれば、チームとして舐められていたとしか思えません。

規定投球回数に達したのは唐川と成瀬の2人だけで、先発陣が安定をしなかったことが全体的な低落傾向を招いたと言えます。
唐川はプロ初の2桁勝利となる12勝とリーグ6位の防御率2.41と頑張ったものの、秋口以降に勝ち星を伸ばせなかったことは来季への課題となります。
一方の成瀬は10勝12敗と借金を背負ってのロッテなエースにまっしぐらの雰囲気が漂っており、春先の期待が完全に裏切られてしまいました。
昨年に続く被弾王よりも被打率が悪くなったことが気がかりで、ここぞという場面での勝負弱さの一つの原因にもなっています。
相変わらず下位打線に痛いヒットを打たれての失点が目立ち、来季の結果次第では完全に唐川に置いていかれることにもなりかねません。
そして昨年12勝のマーフィーが下半身の故障で出遅れたことが痛く、また昨年終盤からの悪い流れを引きずったままで来季の契約すら危ぶまれる状況は誤算でした。
ドナドナ渡辺俊は中盤以降に立ち直ったことで規定投球回数にこそ達しなかったものの昨年とさほど変わらない成績ではありましたが、しかし早い回でのノックアウトが目立ちました。
初戦の好投で期待をされたペンが早々に肘の手術でリタイアをしたことも予定外で、小野の故障と合わせてこれで世代交代の流れが一気に進むこととなります。

その筆頭が中継ぎでの好投が認められて先発を任された大谷で、この活躍は意外でした。
アマチュア時代の面影もないつまらないピッチングしかできなかった昨年で見切っていたのが正直なところで、そのストレートがややスピードを取り戻したことが転機だったのでしょう。
打線の援護があればかなりの白星を積み重ねて新人王争いに加わることもできたはずで、これは悔やんでも悔やみきれません。
その大谷よりも多くの白星を手にした上野は衝撃的なデビューの割には伸び悩んだ感があり、逆にこちらはストレートのスピードを失ったことで魅力が半減しています。
どうにもアマチュア時代のストレートを手放す代償に中途半端なコントロールを手に入れた投手が目立つのがロッテの特徴で、あまりいい傾向とは思えません。
ルーキーの小林ですらそんな状態ですから、スカウト陣が剛球タイプに舵を切ってもコーチ陣が無にしてしまう現状を何とかすることが来季への大きな課題だと考えます。

中継ぎ陣は今日も伊藤、ロサ、明日も伊藤、ロサという無茶な起用法は相変わらずで、役割をしっかりと決めなかったことが安定感を欠く一因となっています。
登板数に比してホールドが異様に少ないのが象徴的であり、この無計画さは何とかしなければなりません。
データを無視した左対左へのこだわりは今季も健在でしたし、このあたりを主導していたのが西村監督だったのか西本コーチだったのかの答えは出たと言えます。
また昨年に活躍をした古谷と内のペースダウンはある程度は予想をしていましたが、故障でシーズンの大半を棒に振ったのは計算外でした。
しかしそれでも中途半端な吉見の使い方など自業自得の面もあり、全くお呼びがかからなかった秋親も含めて好き嫌いの激しさを疑いたくもなります。

抑えは老藪田の失礼ながら意外な活躍で小林宏の移籍を感じさせないどころか、むしろ正解だったとすら思えてきます。
さすがに自慢のストレートにやや衰えが見え始めましたし、連投が厳しいのは38歳という年齢を考えれば仕方のないところではあるのですが、それでも力で真っ向からねじ伏せる姿は若手投手に見習って欲しいぐらいの勇姿であることは間違いありません。
この藪田が元気なうちに次の守護神を育てたいところなのですが、筆頭候補であった内は復帰すら危ぶまれる状況であり、伊藤はベンチのオモチャにされつつあります。
ここは大人しく内の奇跡の復活を待つべきか、あるいは踏み込んでロサや伊藤を何とかするプロジェクトを立ち上げるべきか、いずれにせよロサの契約更改が最優先事項です。

とにかく来季こそは意識をした世代交代を進めること、これに尽きます。
大嶺は故障もあったようですが僅か1度の失敗で出番を取り上げていい投手ではなく、最初こそ好投をしたものの吉井を彷彿とさせた起用の光原とは対照的に過ぎました。
まだまだ未熟ながらも中郷や山本徹、木村や阿部、そして山室や植松らを育てるつもりで一軍で使っていかなければ、来季も酷いことになるでしょう。
故障者が多かったことが低迷の原因の一つではあるものの、その故障者が来季に戻ってくる保障はありません。
ただでさえ無駄に多い投手を使わないことで腐らせるだけであればそれこそ経費削減の対象にすべきで、この矛盾解消こそが来季に向けた最大の課題だと考えます。

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25 コメント

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コーチはどうなる? (246)
2011-10-24 22:56:57
バッテリーコーチに佐々木氏をとのニュースがありました。また、投手コーチの一二軍入れ替えもあるとのこと。これはどうでしょうか?
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正直なところ… (沖縄野球)
2011-10-24 23:40:28
成本コーチが、コーチとして何をしてるか?が
不透明過ぎて不安が拭えません。
(こっちの情報不足も否めませんが…それでも。)

成否は兎も角、『どうしたい』っていうのが
明確だった西本コーチの方がいいのではないかと。

でも西本コーチも、その誰かさんの好き嫌いで…もごもご


やっぱ黒木氏入閣希望で(笑)

いや、それよりオリオン様が仰ってた様に
トップ就任希望でお願いします(笑)
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勝ちパターン (NT)
2011-10-24 23:45:26
後ろがしっかりしないとおかしくなりますよね。
今年は、薮田-ロサ-伊藤で良かったように思うのですが。
勝っても負けても、回跨ぎもでは持ちませんよ。

記事で触れられていませんが、個人的には川越の取り扱いが謎でした。
敗戦処理が中心とはいえ安定していたのに、8月末に抹消。
目先の勝利より世代交代かと思えば、その後の采配はそうでもない。

中途半端な投手が多すぎる状況ですが、来年は強制的に世代交代ですね。
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Unknown (宮崎オリオンズ)
2011-10-24 23:54:47
個人的には、今年の投手陣に文句はありません。あの拙攻、拙守では、どうしようもないでしょう。気の毒でした。ヒット30本近くで3点ぐらいの3連戦もありました。
おっしゃるとおりで、ロッテに入ると、投手はこじんまりしてしまうのはどうしてでしょうか。大嶺も1年目が一番球威がありましたよね。木村もスケールが小さくなっていてびっくりです。球威が衰えたとはいえ、薮田が一番若いし、見てて気持ちがいいです。40過ぎても一線でがんばってもらいたいですね。でも来年は7回を投げるぐらいで、そろそろ抑えは内、伊藤あたりが出てきて欲しいです。でも2軍で橋本がクローザーというのは、どうしても納得がいきません。1軍で使うつもりなのでしょうか?でなければ、次の中継ぎ、抑えをビジョンを持って育てて欲しいです。
先発の柱は少なくとも4本は必要ですので、ペン、大谷、上野に期待ですね。大谷、上野は来年が勝負ですので、今年の経験を生かして、こじんまりすることなく、がんばってもらいたい。
期待の阿部は、フェニックスではまあまあです。香月はノーアウトからの四球とかで簡単に点を取られて、球威もコントロールもいま一つです。いずれにせよ、死に物狂いでやってもらいたいです。てか、いつも言いますが、2軍は元気がなさすぎです! 私はノムさんではなく、金やんの復帰を希望します。金やんの気合は今のロッテに必要でしょう。また歴史的にも星野楽天には絶対に負けないでしょう。
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Unknown (しげお)
2011-10-25 00:07:26
伊藤、ロサの酷使は、ここにも西村監督の臆病さがでていたと思います。負け試合をつくれないから「+-3点」くらいなら、とにかく伊藤、ロサの繰り返し。まぁ内の離脱もあったので仕方のないところもあったでしょうが、来年この2人は極力ホールドのつく場面限定で大切につかってほしいです。そのためには山本徹を始めとした若手の台頭が不可欠ですが、今年の山本徹にはがっかりでした。今年打たれた事で小さくまとまらないよう、ストレートにもう一度磨きをかけて貰いたいです。先発に関しては成瀬、唐川以外に10勝を期待できる投手がいませんね… 二軍にもこれといった期待できる投手がいませんし… 上野、小林、大谷、阿部には自分の特徴はコレだ と言える投手になって欲しいです。投手コーチのせいなのか分かりませんが小さくまとまった特徴のない投手は見ていて面白くないです…
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Unknown (JF)
2011-10-25 00:39:14
チーム防御率最下位なんですね。
まぁ1点でもやったら負けという空気が漂っていたらそれだけでピッチングの幅も狭まりますよね。
少なくとも今年の第一の敗因は投手ではないでしょう。
薮田が抑えで予想以上の活躍を見せてくれてもこのチーム成績なのですから、中継ぎ・抑えが前半戦の西武みたいな感じだったら冗談抜きで横浜と同レベルの勝率だったかもしれません。

勝ち負けに関わらず決まった顔ぶれの継投策は、昨年のポストシーズンの起用が当たったことで味をしめてしまったのでしょう。
1回取り付かれた幻想からは簡単には離れられないでしょうが、反省するとセレモニーで言ったのですから来季は反省を采配に活かしてもらわないと。
最下位で厳冬は免れませんが、伊藤とロサは年俸アップにしてやらねば報われません。
伊藤は昨年ですら微増だったのですから…。

意図的であろうと偶然であろうと若い投手が多少なりとも出てきたのは収穫です。
大谷がここまでやるとは思っていませんでしたし、摂津相手に上野が完封勝ちしたのは感激で、今年も引き続きファームで修行だと思い込んでいた山本徹をマリンで見られたのも良かったです。木村もようやく1軍で出番をもらえました。
逆に言えばこの消化試合の中1軍で投げる機会の無かった中間層は相当ヤバいわけで、服部とか松本とか香月とかどうなるんでしょう。
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ベンチは正しい (塚本)
2011-10-25 00:44:05
伊藤、ロサの起用に無駄が多いとの指摘について、意見がございます。ロースコアのビハインド時、救援エースを投入することに異論はありません。そしてご存知のように、ベンチ入り人数枠があります。敗戦処理を含めてリリーフを無尽蔵に入れておくわけにはいきません。伊藤のような立ち位置は出てきますよ。
回またぎは球数が少なければ問題ないです。私が見た限り、起用について常道を逸脱した試合は今季なかったように思います。
この手の反省は人の悪いところばかり見ようとすると盲目的に悪く受け取ってしまいがちですが、実は言われるほどのことでもなかったりします。監督憎けりゃ袈裟まで憎いという先入観もありましょうが、いいところを讃える健康的な物の見方をすることも大事だと思います。
私たちはベンチワークのプロではないのですが、まあ、野球ファンはみんな評論したがりですものね。プロ野球経験がなく、何か物申してる方が監督をおやりになったら優勝できますか。私はできないと思います。
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一勝を追う起用 (オブ)
2011-10-25 00:45:41
余裕のない采配が目立ちました。特に交流戦のころからですが、負けていても勝ちパターンの投手をつぎ込み、成瀬、唐川投手も中5日という前半戦にも関わらず、終盤のような戦いをしたことが、投手陣の体力、自信を奪ったと思います。
中継ぎにかんしては敗けている時の投手をつくることが必要です。勝ちパターンの投手の負担軽減にもなるし、若手の登竜門にもなります。
先発投手も、硬直したローテーションではなく、信賞必罰でシーズン通して競わせることが活性化の鍵になります。確かに大嶺投手は無様な投球でしたが、渡辺投手も前半は特に無様な投球が続きました。二人の扱いの違いに釈然としないものを感じました。
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Unknown ()
2011-10-25 00:49:18
死球の報復というのは、現実にはあるのだろうと思っています。ロッテの与死球の少なさは、ただ単に、投手の技術の低さ(打者の下半身にぶつけるだけの制球力がない)を物語っているような気がしてなりません。
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若手の素材を殺さず! (東京鴎)
2011-10-25 01:59:30
成唐の二人は自分達で修正してくれるでしょう。
成瀬は打たれたり四球出した時に明らかに不快そうに顔を歪める癖も直そうね。

さて、大嶺や、今季出番の増えた若手投手陣達。
また、その他の2軍でずっとくすぶっていた投手達。
いずれもプロ入り前はいきのいい快速球、それに裏打ちされた鋭い変化球。
このような評判の選手達ばかり。

それを、ロッテの育成というものは・・・
制球重視で球威を殺して、それで抑えられりゃいいですけどね、
そうはいきませんでしたからね。
秋春のキャンプで徹底的にやり直しですよ。
今後ドラフトで獲っていく投手達にも、前評判通りの速球を投げ込ませてやりたい!

個人的に、大嶺に一番魅力・可能性を感じたのが1年目(07)の一軍公式戦初登板の日の
投球だったというのが寂しい限りです。
打たれたけど、いいストレート投げてましたよ・・・

小さくまとまる、制球重視球威は軽視。
これじゃだめなのがよ~~くわかったのですから、ここからです。
今こそ、首脳陣・選手の両者に「しっかりやってくれないと」ですよ。
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