オリオン村(跡地)

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2012年通信簿 シーズン総括 投手

2012-10-13 21:38:43 | 千葉ロッテ

低反発球の導入による投高打低の傾向は二年目に入っても変わらず、リーグの防御率は昨年の2.95から今季の3.03と同レベルで推移をしました。
そんな中でロッテは昨年のリーグ最下位である3.40からリーグ4位の3.13まで数字を上げましたので、よく頑張ったのではないかと思います。
与死球が増えたことでリーグトップには変わりはありませんがぶつけられた数も減りましたし、ようやくあるべき姿に立ち戻りつつあると言ってよいでしょう。
全体的に外角中心のリードはそのままでしたが、果敢に内を突くピッチングも見られるようになりましたので、来季以降もストライクゾーンを幅広く使ったスタイルでお願いします。

先発陣で規定投球回数に達したのは昨年と同じく2人で、成瀬とグライシンガーでした。
開幕ローテーションに名を連ねていた唐川とペンが故障で離脱をし、藤岡が不調で中抜けを、そして渡辺俊も調子を落として消えてしまったのはベンチとしては誤算だったでしょう。
しかしそれでも昨年に結果を残した上野や大谷を使い切れなかったのですから、臨機応変さに欠いていたとの指摘は免れません。
吉見などもそうでしたが、結果的に好調な中継ぎ陣に負荷をかけてしまった五回から六回での交代が目立ったのが不満でしたし、しかもボロボロに打たれてのものでもありません。
早めに手を打ったと言えば聞こえはいいですが、この一部の投手だけにしか信を置けないベンチの小心さが中盤戦以降のローテーションを苦しくするとともに、やたらと早くに鞭が入って中5日でぐるぐると回さざるを得ない状況に陥った原因ではないかと思います。
もっとも140キロ台のストレートを武器にしていたはずの藤岡や上野らがこぢんまりとしたロッテな投手となってしまったことも痛手ですので本人の問題も大きく、そして三連戦という流れを考えても金太郎飴のような投手が次から次へと出てくることが相手に利してしまった側面は否めません。
そういった状況でも12勝と故障から復活をしてチームトップの勝ち星を手にしたグライシンガーが先発陣では問答無用のMVPで、ここまでの活躍は想定外でしたのでひれ伏すしか無く、何がどうあっても来季もロッテのユニフォームを着てくれるよう球団にはお願いをしたいです。
また夏場以降の失速であまりに印象が悪いものの大きな故障もなく投げ続けている成瀬には頭が下がりますが、結局はロッテのエースになりきれなかったことは不満でもあります。
10年目の区切りでもある来季に似たようなピッチングに終始をするようであれば、小野と同じように一時期だけに輝いた投手として記憶をされることにもなりかねません。
太っていることが単純に悪いとは言いませんが成績が伴わなければ批判のポイントにもなりますし、やや肘が下がり気味であることの原因になっていれば改善が求められますので、里崎を見て安心をするのではなく唐川を見て危機感を持ってもらいたいです。
その唐川も恒例の離脱は言い訳ができるわけもなく、いい加減にシーズンを通しての活躍が望まれます。
しっかりと自分を持っているだけに逆にこの体たらくの責は一身に背負わなければならないものですので、チームの一大勢力である89年組の顔としての来季の飛躍に期待をします。
そしてその来季にはメリハリのある先発陣とすべく剛球タイプを組み入れたいところですが、チームを見回してもこれといった適任者が見つからず、ドラフトでも即戦力ともなるとなかなか難しいところがありますので、ここは三年計画ぐらいで考えていくしかないでしょう。
理想はスリークォーターで力押しができる益田の先発転向ですが、学生時代も先発としての経験はさほどありませんし、このあたりは他の中継ぎ陣との兼ね合いになると思います。
あるいは中後の先発もあってよいと考えますが、ロッテ化からの脱却とおそらくは故障中でしょうから、今はそれどころではないかもしれません。

中継ぎ陣はルーキー最多登板記録を更新した益田を筆頭に投手陣を支えてくれましたが、これまた一部の投手への過負荷は昨年までと変わりはありませんでした。
大谷と中郷は突然に先発を任されたり、あらゆるケースでの登板に一週間で先発投手を上回るイニングを投げさせられたりと、お疲れ様でしたとしか言いようがありません。
特に大谷は中1日、中3日での先発もありましたので、その数字以上に評価をしてあげなければやっていられないでしょう。
またようやくに一本立ちへのきっかけを掴んだ中郷には拍手を送りたいですし、弱気の虫を抑えることができた理由をチームメイトに伝授をしてもらいたいです。
そして一年で終わってしまった先人の轍を踏まないよう、しっかりとケアをしつつもう一段も二段も上を目指して頑張ってもらいたいです。
南昌も8月からの26試合と故障あがりとは思えない使われ方ながらも、プロ初勝利に防御率0.36と貢献をしてくれました。
ただかつての面影のない面白みに欠いたピッチングに思えましたし、後半はかなり肘が下がってボールがこなくなりましたので、かなり心配をしています。
まだリハビリ過程だと思えば来季以降への上積みはいくらでもあるでしょうが、今季の延長線上であれば多くは期待できません。
このあたりは来季のベンチがどう考えていくのか、その起用法も含めて注目をしていきたいと思います。
さらにはどうにも衰えが隠せない藪田に故障癖がついてしまった内と守護神問題も深刻で、故障や油断で今季はほとんど戦力にならなかった伊藤やロサ、荻野忠、使いこなすつもりが無かったとしか思えない木村など、中継ぎ陣と守護神の再編が来季への大きな課題となります。
頭数に比して全体的な層の薄さは否めませんが、それでも他球団に大きく引けを取るわけではありませんので、新投手コーチの手腕に期待をします。

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25 コメント

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投手陣 (けんぴん)
2012-10-13 22:06:43
個々の選手につきましては、それぞれの選手の通信簿にコメントしたく思っていますが…

今シーズン、前半戦の好成績は投手陣の頑張りによったものでしたよね。よってこの投手陣には「力がある」と認識しています。来季の新体制のスタッフの方には、シーズンを通して高いレベルのパフォーマンスが出来るように、起用方法などを含め、よろしくお願いしたいです。

そしてまずは、新ストッパーを誰にするか?
でしょうか。
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投手陣 (ジョゼット)
2012-10-13 22:27:50
先発ローテは離脱も多く厳しかったですね、今年こそは!とペンには期待していたのですが…


荻野忠、伊藤、内と復帰してきましたので来年はどうなるかと少し楽しみです


益田は先発でも二桁いく逸材と言われてましたがルーキーながら今年の中継ぎの柱的存在だっただけに先発転向した後が気になりますね、個人的には中後に先発でいってもらいたいです、イメージ的に阪神の能見みたいな感じになるのでは?と思ってます


リードは審判的に外角広く、内角狭くな風潮があるみたいな話を聞いた事あるのでリードにも外角が多いのかもしれませんね、読売の某投手も武器にしていたクロスファイヤーが内角はボールでとって貰えず…なんて事も聞いた事があるので

唐川には一年通す身体作りを、成瀬には身体をしぼってもらいエースとしてもう一つ上のランクにと思います
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Unknown (ペリッパー)
2012-10-13 23:26:34
春先を見ると圧倒的なQS率の高さや名前から見ても12球団でトップクラスの先発王国だと思っていましたが、やはり落とし穴があって、まずは1年間ローテを守れるかが全体的な課題ですね。
シーズン通して計算できると言われる先発Pが少なくともあと2人は出てきて欲しい。

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Unknown (くろべえ)
2012-10-13 23:54:38
ルーキーの藤岡は超目玉としてはやや期待ハズレだったかも知れませんが、それでも頑張ったと考えていますので誤算というのは酷でしょう。歴代の大学社会人のルーキー達と比較したらかなり上位ですし援護も不足でしたし。

俊介、ペン、唐川と誤算だらけの投手陣を救ったのはグライシンガー、大谷、中郷そして益田でした。柔軟性が足らないのはまさにその通りで、吉見や上野や阿部や木村を使わずに無理なスケジュールで大谷や中郷を使い倒し、ルーキーの益田が記録更新するまで使ったのは正直看過しがたいものがありました。


益田、中郷、大谷、南昌が故障せずにシーズンを乗り切った事は喜ばしいですか、明らかな故障はせずともに翌年球が走らなくなる(川崎や古谷)場合もありますからとにかく肩肘のケアをしてあげてもらいたいです。

中後はやはり故障ですかね…。ですがほとんどがスライダーみたいなピッチングはガッカリですからしっかりと直して剛腕として復活してもらいたい。
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Unknown ()
2012-10-13 23:55:36
ブルペンに一人は左が欲しいところです。個人的にはグライシンガー・ホワイトセルが残ってくれたら残りの枠は右の大砲と左の中継ぎに使ってもらいたい。理想としては西武のウィリアムスみたいな感じです。

あとは大嶺。浦和で後ろに回ってからそこそこ安定してるらしいので薮田コースになることを期待したいと思います。
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Unknown (JF)
2012-10-14 00:15:59
大谷の中1日特攻が物語っているように、決してスタッフが豊富にそろっているわけではありません。
ですが前半戦の快進撃を支えたのは間違いなく投手陣だったと見ていますので、現有戦力に+αの選手を加えてうまくやり繰りすれば、投手陣は十分Aクラスを狙えるだけの力が揃っているといえると思います。

【先発】
成瀬の復活。
唐川がいい加減ローテを守る。
藤岡は入団当初の状態にとにかく早く戻す。
セスが万が一来季コケても慌てないよう後釜を考えておく(慌てて中継ぎから先発に回すようなことはしない)

【中継ぎ】
左のワンポイントで出せる投手を最低限1枚は置く。(左手で投げるだけの投手ではなく、左打者を抑えられる投手)
負けているときに益田などの勝ちパターンをつぎ込まなくても試合が壊れないスタッフの整備。

【抑え】
薮田は中継ぎに配置転換するという前提のもと、キャンプインの時点までには候補者には通達してその前提で調整させ、必要ならばオープン戦で適性を見極めて最終決定する。
順当なら伊藤、場合によっては益田の昇格もあり得るかと。

課題は多いですが、各選手が自覚を持ってやってくれればある程度はクリアできるものだらけです。
最後はやはり、起用する側の能力によるところが大きいと思います。
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バランス (doushitakoushita)
2012-10-14 01:00:31
春先は先発もリリーフも万全でピッチャーが余っており、これは投手王国も近いかと期待したのですが、そうは甘くはありませんでした。以前キャッチャーがそろって離脱してしまったことがありましたが、どうもロッテはいい時はみんないいのに、悪くなるとみんないっぺんに悪くなって、みんなでカバーし合うことができない体質になりつつあります。今年の要因にはオリオンさん指摘の小さな輪があったことは明らかですが、新体制になってどれだけ改善されるか注目です。選手層自体はほかのチームに劣っているとは思えず、要はやりくりと体調管理でしょう。

ほかのチームを見ると、途中から先発に定着して貯金を作った若手ピッチャーが目立ちます。ソフトバンク武田の8勝1敗、西武の野上の8勝5敗、楽天は辛島が8勝5敗、釜田が7勝4敗など。ロッテは当初の先発が離脱したときの穴埋めが上手くいきませんでした。これまでの実績から言えば上野、大谷、阿部、香月あたりが候補だったはずですが、うまく結果に結びつきませんでした。阿部など、初先発も2試合目も勝ち投手の権利を持って早めに継投したのですが、中継ぎが疲れ切っていた時期でもあり、勝ちが付かなかったのが痛かったですね。

マシス1勝4敗、レデズマ防御率18.00などは末期症状でした。木村や、イースタンセーブ王の荻野忠など、人材を生かし切れなかった印象があります。
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育成ということ (ろびんそん)
2012-10-14 01:45:22
どうなんでしょう?

期待の若手が伸び悩んだ。
若手を育成できなかった。上野、阿部がさっぱりだった。
唐川は、どうした?しっかり走りこまなかったことが、
ケガにつながったのではないか?

中後の息切れは、どう説明したらいいのか?

投手陣専属で、トレーナー、フィジカルコーチ?が、必要なのではないか

練習場の次は、もっとケア施設、トレーナー、医療学博士、フードコーディネーターといった
ケアを充実させるべきであろう。

若手の食生活がどうだったのかが気になる。

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Unknown (Yasuharu)
2012-10-14 04:58:48
先日のコメントには、ご丁寧なお返事、ありがとうございました。
先発陣の離脱は、痛かったですね。シーズン中の補強も、失敗しましたし。
同時に、このチャンスを活かせなかった上野投手、阿部投手らは、自分にとってもチームにとってもよくない結果でした。こういう機会を逃さず、一軍に定着してほしいです。
中5日の戦略は、できるならベンチも避けたかったでしょうから、「仕方ない」と思いながらも、やはり、今は3連戦が多いので、カードの頭をとるためにも、シーズンの戦い方としては、一番いいものではないと思います。
管理人さんがおっしゃっていた「短期決戦の成功の弊害」を感じさせてしまう、ひとつの要素かも知れません。
大谷投手は、追い込むまではいいので、決め球がほしいところ。今後、「変な起用」はしないでほしいと願うとともに、更に活躍してほしいです。
こうシーズンを振り返ると、この成績に終わったのは必然的だったと、改めて思わされます。
速球派の先発は、ほしいですし、客としても、観たいです(笑)
まだ正式には発表されていませんけど、次の監督、コーチには、「土台」を築いてほしいです。
補強中心は無理でしょうし、やろうとすれば失敗するので、「ロッテらしさ」は残しつつ、その上で、ビジョンを、今までより明確に打ち出してほしいです。
ファンにも、きちんと説明していただきたいです。
課題は山積みですが、期待を持って次の監督を迎えたいと思います。
長々と失礼いたしました。
涼しくなりましたので、ご自愛下さいね。
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Unknown (N.S.ボウラー)
2012-10-14 05:08:45
全体として
ストレートのスピードアップ(もちろんキレも)と
メンタルの強化を図ってほしいですね。

ほかのチームの投手にあって
マリーンズの投手陣に不足しているものは
スピードと気迫だと思います。

根性論でなく、合理的な指導ができるコーチングスタッフが必要です。
みんな磨けば光ると思う。
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