今回からの新しいシリーズ、スイーツ篇です。
これまでの旅ではお菓子を食べることなどはほとんど無かったのですが、それなりに体力消耗な自転車での史跡巡りをしたことで甘いものが食べたくなったことや、他では気がつかなかっただけかもしれませんが鹿児島や熊本ではおみやげ菓子の単品売りをしているところが多かったことで、最初は物珍しさで、途中からは手当たり次第になってしまいました。
そもそもが間食は大好きですし、和菓子系には目がなかったりもしますので、今後もシリーズが成り立つぐらいに食べ尽くしていこうと思います。
最初の一歩は石垣島でのマリーンズパフェですが、このときはまだスイーツへの意識はさほどはありませんでした。
マリーンズの名を冠している以上は食べないわけにはいかない、ただそれだけの理由で手を出した次第です。
キャンプ地の近くではなく公営市場があるアーケード街の一角で見つけたのですが、調べてみればキャンプ中だけではなく年がら年中のレギュラーメニューのようです。
なぜにこれがマリーンズパフェなのかということは考えずに、とにかくこういったものを作ってくれたことに感謝をして黙々と食すのが正しいファンの姿勢でしょう。
ブルーハワイなゼリーが中央と周りを占有しており、本来であればソフトクリームであるはずが欠品でバニラアイスの二段重ねにシークヮーサーのソースがたっぷりとかかっているという、またソフトクリームもバニラアイスもブルーシールですから沖縄色が満開な一品です。
ちょっとどぎついゼリーの色に怯えながら食べたのですが、シークヮーサーの酸味がいい感じでまずまず美味の部類に入ると思います。
次が南洲墓地に向かう途中で買った焼き芋で、なぜか布団屋さんの店先で売っていました。
じゃがいもと見まがう丸っこい形で、安納芋という鹿児島では名産の種類の芋だそうです。
焼き芋などは何年も買ったことがないので2個で310円という値段がぼったくりかどうかはよく分かりません。
すぐに食べずに南洲墓地まで持っていったので冷めてしまったのですが、それでも充分に甘くて美味しかったです。
やや粘り気があるのも特徴で、自分は焼き芋には塩を欠かさないのですが、これだけ甘ければ塩が無くても何の問題もありません。
昼食からさして時間が経っていなかったにも関わらず、あっという間の完食です。
この白熊を食べたあたりから、強くスイーツを意識し始めました。
白熊なるものの存在は千葉でもスーパーでカップアイスで売っているので知ってはいましたが食べたことはなく、観光案内所でもらったガイドに載っていたことで鹿児島が発祥地だと知り、その本家である天文館むじゃきの本店の場所を聞いて目指したものの店前にあるらしい白熊の人形は見つからず、仕方なく駅ビルの中の支店での初お目見えです。
チョコレートやストロベリー、プリンなどいろいろなバージョンがありましたが、やはりオーソドックスな白熊で勝負をしました。
かなり細かいかき氷に練乳がかかっていて、周りには白熊の顔を模してフルーツが乗っています。
さすがに冬場のかき氷で、さらにはかなりの量があったのでこめかみを押さえること片手では済まなかったのですが、舌の上でとろけるような甘さはスイーツと呼ぶに相応しく、これが夏に東京や千葉の喫茶店でメニューにあれば迷わずオーダーをしてしまうでしょう。
鹿児島と言えばかるかん、ぐらいの名前は知っていましたが、食べるのはこれまた初めてです。
山芋が入っているらしいのですがさっぱり分からず、ふわっとした軽い食感の蒸し饅頭と思っていただければよいかなと思います。
オーソドックスなものを選びましたが緑とか紫とかの色のものもあり、まさに鹿児島名物なのでしょう。
単品買いはデパートのように多くの店があるところではさほど恥ずかしくもないのですが、かるかんは青柳という町中の専門店で買ったのでさすがに1個だけというのも何でしたので、たいして変わりはありませんがもう1個、島津御紋なるものを買ってみました。
特に理由があるわけではなく鹿児島らしいもの、というだけのチョイスで、一口で食べられるかるかんとは違ってかなりのサイズです。
ややぱさぱさした外側の皮と中の白あんのもっちり感が絶妙で、またボリュームもありますので小腹を満たすにはピッタリでした。
こちらは鹿児島中央駅のモールで買ったもので、鹿児島ぽてとです。
あまりにベタなネーミングですが、さつまいもをすり潰したものをさつまいもの形にしてあるみたいなもので、ややしっとり感があります。
見た目からかなり甘いかなと思ったのですが意外に甘さは控えめで、ただちょっと歯に粘りつく感じは好き嫌いがあるかもしれません。
熊本城ではいきなり団子、なるものが売っていました。
熊本の名物らしく、さつまいもをすり潰したものの上にあんこを乗せて、餅のような生地で包んだものです。
蒸し器で蒸したての熱々で美味しかったのですが、もう少し歯ごたえに近いものがあってもよいかなとは個人的な感想です。
旧細川刑部邸の敷地内には抹茶処がありましたので、ちょっと寄り道をしてみました。
よくよく考えてみれば学生のときからあちらこちらを旅しながらも食にはかなり疎く、若い頃はお金が無かったということもありますが、ちょっと損をした気分になっています。
ここにきてそれを取り戻すかのような乱獲ぶりですが、この抹茶も人生初体験です。
よくテレビなどで碗を回して、なんてシーンを見たものでしたが、中途半端なことをやっても仕方がないので我流で飲ませていただきました。
ただ和菓子は抹茶の苦みを引き出すためにも先に食べるものと聞いた記憶があり、それだけは実践をしてからの抹茶にGOです。
思ったよりも渋くもなく、喉も渇いていたのでぬるめのお茶が心地よく喉を潤してくれました。
久しぶりに正座をしたのですが、弓道部のときの正座トレーニングを思い出してしまったのはただの感慨です。
こちらの武者がえしも熊本の銘菓で、その名のとおり熊本城の武者返しが名の元になっています。
あんがパイ生地に包まれており、そのさくさく感は癖になりそうです。
ここまでボリュームのある菓子が多かったこともありちょっと物足りない感じもありましたので、箱で買ったら大変なことになったかもしれません。
晩酌の後にさっぱりとしたかったので食べたのが、こちらのデコポンシャーベットです。
デコポンはみかんのへたの部分がでべそのように盛り上がっている柑橘類で、熊本の名産の一つだそうです。
味はみかんと変わらずとは自分のつたない舌での感想で、利き柑橘類をやってもデコポンを見分ける自信はありません。
こちらは八代で食べたドーナツですが、もう何でもありといった感じです。
天草産のイチゴを使っているとの貼り紙があったので買ったのですが、もちろんこうなってしまえば天草だろうが船橋だろうが分かったものではありません。
もうとにかくそれっぽいものを食べることがこのあたりから目的となりつつあり、甘いものを探しての放浪です。
いろはにぽてとは熊本駅限定での販売らしく、熊本産の唐芋が使われています。
唐芋は呼び方が違うだけでさつまいものことのようですが、先の鹿児島ぽてとをもっと柔らかくしたような感じで、ぎとぎとしてつまむのも大変でした。
やはり歯に粘りつくような感じがありましたし、ちょっと甘さがしつこかったような気がします。
同じ熊本でも阿蘇には足を伸ばせなかったのですが、お菓子は熊本駅まで進出をしています。
このあそのご神火はこれまた先の島津御紋を小ぶりにしたような感じで、味も似たようなものでした。
いろいろな種類のあんがあるようでしたが、オーソドックスな白あん以外を選べばまた違った味わいを体験できたのかもしれません。
熊本城には加藤清正が有事の際に豊臣秀頼を迎え入れるために造ったとも言われている昭君の間なる部屋がありましたが、この昭君の月はそれをモチーフにしているのでしょう。
朝鮮飴をホワイトチョコで包んだもので、甘い+甘いでかなり甘いです。
しかもこのホワイトチョコが体温ですぐに溶けるという代物で、夏場にはどうやって売っているのだろうと心配になるぐらいの緩さぶりでした。
菊池では香梅という専門店で誉の陣太鼓を買ったのですが、この頃になると感覚が麻痺して1個だけ買うことに躊躇をしなくなっていました。
そんな自分を見透かしたかのように店の人は親切で、この1個を包んでくれる僅かな時間にお茶を出してくれただけではなく、外のベンチで食べようとしていたら店内の喫茶でどうぞと招き入れてくれて、さらにお茶を出していただくなど至れり尽くせりでさすがに恥ずかしかったです。
この誉の陣太鼓は羊羹の中に餅が入っている、みたいな感じで、付属のナイフで切って食べます。
上品な甘さはさすがに熊本の代表的な銘菓だけのことはありましたし、お茶とともに美味しくいただくことができました。
その菊池ではご飯を食べられるようなところが無かったため、空きっ腹をお菓子で埋めることとしました。
肥後太鼓は柿の種を水飴で固めたような煎餅で、その水飴の甘さと醤油の香ばしさが喧嘩をしてしまっていたのが残念ではありましたが、疲れていたので甘さが心地よかったです。
さりげなく全国菓子博覧会なるもので受賞をしたことがあるとの説明書きでした。
朝鮮飴は元は長生飴だったものが加藤清正が朝鮮の役に携帯をしたために朝鮮飴と呼ばれるようになったとは園田屋という老舗のHPでの説明ですが、水飴と餅などを練り合わせたものですので柔らかい食感からして朝鮮餅と言った方が正しいような気がします。
これといった味はしないのですが控えめな甘さは戦地では貴重だったと思われますし、日持ちもするようですので携帯食としても最適だったのでしょう。
さすがにこれだけの量を食べきれるわけもなく、しかし貧乏性ですので捨てることもできず、しっかりと持ち帰ってきました。
こちらは柚餅子で、売り切れていたのですが15分ぐらいで再入荷をするとのことでしたので、時間がなかったのですが菊池名産とありましたのでそれを待っての購入です。
帰ってきてから調べてみれば全国にいろいろな種類があるようですが、この菊池の柚餅子は柚を餅に練り込んだ竹皮柚餅子というもののようです。
これが空腹も手伝ったのでしょうがかなりの美味で、ほのかな柚の香りと味噌の風味が食欲をそそり、かなりの量がありましたがバスの待ち時間で完食をしてしまいました。
この日の昼ご飯がかなり遅い時間の、しかもおにぎり2個で足りたのは、この柚餅子のおかげです。
最後は熊本空港に向かう直前に熊本駅で買った、やはり香梅のまるきんつばです。
きんつばは名前は聞いたことがあるのですが見たことも食べたこともなく、齢四十半ばにしての初体験が多すぎます。
薄い皮に粒あんがぎっしりと詰まっており、しかしさっぱりとした甘さで、とにかくあんの美味しさが迫りくるとは言い過ぎかもしれませんが、最後ということもあって1個の試食では物足りずに、追加で8個入りを買って空港行きのバスに乗り込んだぐらいの締めくくりには最高の逸品でした。
【2012年2月 南九州、沖縄の旅】
南国放浪記
南国放浪記 旅情篇
南国放浪記 旅程篇
南国放浪記 キャンプ篇 石垣島の巻 下見の章
南国放浪記 キャンプ篇 石垣島の巻 初日の章
南国放浪記 キャンプ篇 石垣島の巻 二日目の章
南国放浪記 キャンプ篇 薩摩川内の巻
南国放浪記 史跡巡り篇 鹿児島の巻 鹿児島城の章
南国放浪記 史跡巡り篇 鹿児島の巻 福昌寺の章
南国放浪記 史跡巡り篇 鹿児島の巻 南洲墓地の章
南国放浪記 史跡巡り篇 熊本の巻 熊本城の章
南国放浪記 史跡巡り篇 熊本の巻 本妙寺の章
南国放浪記 史跡巡り篇 人吉の巻 人吉城の章
南国放浪記 史跡巡り篇 人吉の巻 願成寺の章
南国放浪記 史跡巡り篇 八代の巻
南国放浪記 史跡巡り篇 菊池の巻
南国放浪記 史跡巡り篇 宇土の巻
南国放浪記 グルメ篇
南国放浪記 おみやげ篇
いいですね♪新しいです(笑)
私も甘いもの好きなので、
見ていても(読んでいても?)楽しめました。
沖縄銘菓と言えば、
好き嫌い分かれますが、
やっぱ、ちんすこうなどオススメです♪
次回の旅のグルメ&スイーツも
楽しみに待たせていただきます(笑)
布団屋さんで焼き芋ですか…。以前当方の仕事先の豊中の商店街には、靴屋の軒先で卵のばら売りをしていました。今で言うコラボ販売ですかね。布団屋さんもきっとトレンドを呼び込む策での焼き芋販売と推察致します(笑)
商売というより観光サービスの一環のような感じがしました。お値段もリーズナブルだったような気がします。
古い建物でしたので火の取り扱いが気になりまして聞いてみると、やはり許可が下りないらしくポットで沸かされてるそうです。
でも、非日常を存分に味わうことができました。
いつも楽しく読ませて頂いていますが、初めて投稿します。
母の実家が牛深でして祖母が荷物を送ってくれる時に、「武者がえし」や「陣太鼓」が入ってる時がありました。両方ともあんこがおいしいんですよね。特に陣太鼓が好きでしたね。
久しぶりに食べたくなってきました。
1kgあたり600円する代物だから他の紅さつまと比べても300円は妥当な値段かなぁと思います。デパ地下で焼かれて割高な価格で得られてるイメージがありますねぇ。
しろくま、かるかん、スイートポテトなど特産を紹介して頂きありがとうございました。
5月に来るときはフェスティバロというスイートポテトを召し上がってみて下さいw
ごめんなさい、ちんすこうは苦手です・・・
おみやげとしては数が稼げますし、安いので助かるのですが(笑)
>なしもぎさん
飲み屋がランチをやったり、みたいなものなのかもしれません。
布団を見ている客よりも、焼き芋を買っている客の方が多かったような・・・
>はれたろうさん
300円ぐらいでしたか、シルバーサービスの一環なのだと思います。
自分のときは隣の部屋のふすまが閉まっていたので分からなかったのですが、そうですか、ポットですか。
ちょっとぬるいかな、とは思っていました(笑)
>ノブルさん
陣太鼓、美味しかったです。
人情というスパイスもありましたし、これは次に行っても間違いなく食べるでしょう。
最近は萩の月が普通に船橋で売っていたりもしますので、あるいは近場で手に入るかも。
>しんさん
フェスティバロ、調べました。
鹿児島中央駅の駅ビルに支店があるようで、5月に寄ってみることにします。
忘れないよう気をつけなければ(誓)
なんで鯨なんだろう、なんて思いながらでしたが、美味しかったです。