司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

補欠監査役のお話

2009年06月22日 | 役員

何ヶ月か前、私にとっては大変な事件がありました。
「補欠監査役とは?」 についてです。

補欠というのは、取締役にもありますが、通常モンダイになるのは監査役の方です。なぜかというと、取締役の任期は補欠でも増員でも今(現任)の取締役と一緒に満了するので(定款に定めてあるのが普通)、“補欠” かどうかはさほど気にしなくても良いのです。監査役では“補欠”の場合しか前任者の任期が引き継げないので、任期を考える上では、“補欠” なのかそうでないのかで任期が変わってしまいますから、コチラの方はモンダイです。

この補欠の意味(意義?)というのが、その時期話題になっていました。
法務省のあるエライ方が、「補欠っていうのは、条文に規定されているとおり、法令または定款に定める員数を欠く場合をいうのであって、それ以外の場合は補欠にはなりません。」とおっしゃったんです。

ときどきは、そんなことをおっしゃる方もいたのですが、法務省の方の発言となるとムシするわけにもいきません。

というのも、実務上の“補欠”というのは、現在の員数が欠けた場合、つまり任期中に辞任する人がいるときに、その人の後任者として選任する場合も含んで運用されていたと(私は)理解していたからなんです。

それなのに、突然「それは違いますよ!」と言われても、「今までのことはどうすればいいの~?」 「あなたの会社の監査役は補欠じゃなかったみたいなので、任期が変わりますよ、とは言えないよ~!」 とかいろんなことが頭を駆け巡りました(笑)。

だいたい、法令や定款に定める員数が足りなくなったら、会社は大変なことになるんですから、ぎりぎりの人数しか役員がいない会社(上場会社)なんて、そうそうないですよ!
今回のようなことがまかり通ってしまったら、ほとんどは“補欠”にならなくなって、監査役の任期はバラバラになっちゃいます。

普通は、こういう情報を入手すると、関係ありそうな会社さんにお知らせしていますが、このときばかりは、うっかりしたことを言って混乱すると大変なので、しばらくの間は黙って様子を見ることにしました。

実務は大騒ぎになるのだろうな~と思っていましたが、それほどのこともなく、しばらく経った頃、「あの話は訂正します。今までの実務上の考え方でOKです。」 とオカミからの訂正がありました。

なんて人騒がせな人たちなんでしょう と思いましたが、やっぱり、実務慣行を優先されましたね。
私としてもホッと一安心いたしました。
それにしても、耳を疑うような出来事ってあるんですね。 

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