司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

外国会社株式の現物出資と減資 その6

2018年06月29日 | 株式・新株予約権

おはようございます♪

何かとりとめのないハナシになって来ましたので、分かり難いのではないかと思いますケド。。。(>_<)。。。書きながら自分のアタマを整理している感じです。すみませんっ m(__)m

募集株式を発行する際に考えるべきコトはいくつかあります。

1.払込金額を「円」で決議するか。。。それとも、「ドル」で決議するか
2.増加する資本金の額を「円」で決議するか。。。それとも、「ドル」で決議するか
3.実際に払い込まれるおカネが「円」か「ドル」か

また、ケースバイケースですけど、最初から決まっている事項があったりします。

4.払込金額が固定されている(例えば、1株5万円)
5.出資される金額が固定されている(例えば1000万円)
6.現物出資されるモノが決まっている
7.発行する株式数が決まっている

それから、非公開会社の場合には、通常ですと出資するヒトは最初から決まっていますよね~。。。

実際のオシゴトを受託する場合、すべての募集事項がキチンと決まっているコトはあんまりなくて、どういう手続きにするかも決まってないコトが多い。。。。ただ、効力発生日をいつ(又は「何日まで」)にするかは、ほぼ決まっています。

なので、ワタシ達は「決まっていないコト」を決めるためのアドバイスをしないといけません。
また、募集株式の発行って、どうしても税務が絡んできますので、そこは必ず専門家に確認していただきながら決めるようにもしています。

。。。。というワケで、抽象的なハナシだと分かり難いでしょうから、上記のコトを少しかみ砕いてオハナシしましょうかね。。。
(もはや、グダグダ。。。。(>_<)。。。。ですが)

まず、1~3について。
外資系の会社が親会社から出資を受ける場合、出資されるおカネは日本円ではありません。
なので、払込み金額をドルにすれば、「送金した額=払込金額の総額」となり、出資額を固定することができます。
ただ、受け入れる日本側の会社の都合で、払込金額を円で決議したいケースもあってね。。。。例えばですが、1株あたりの払込金額は常に5万円にしたい。。。というような場合です。

これ、4のハナシになるのですケド、株主が複数の場合、株主ごと(あるいは増資ごと)に払込金額を変えてしまったとしたら、1株あたりの出資額は株主ごとに異なる(例えばA株主は5万円×100株、B株主は10万円×100株)としても、そのおカネは混ざってしまいますから、1株当たりは75,000円になるってコトです。

。。。が、税務上は1株当たりの払込金額は固定した方が良いらしい。。。そのため、IPOのケースなどは除きますケド、出資額は固定されることが多いデス。
株式の価格を固定するために、種類株式を設定することもあるくらいです。

ただし、これは、あくまでも株主が複数の場合でしてね。。。株主が1人だったら、なんでもアリでございまして、必要に応じて払込金額を変えていらっしゃいます。

次回へ続く~♪

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外国会社株式の現物出資と減資 その5

2018年06月20日 | 株式・新株予約権

おはようございます♪

早速前回の続きデス!!

3.募集事項としては、「払込金額の総額」<=「増加する資本金及び資本準備金の額の合計額」となります。

ここはナカナカ分かり難いと思うんですが、実際には外貨が絡む場合に良く出てくるトコロです。

例えば、払込金額の総額を500万円とし、増加する資本金の額は500万円とするとします。
けれども、実際に払い込まれるのは「ドル」だとすると、払込み金額の総額を下回らないように多めの額を払い込むワケですよね。
この場合、「払込金額の総額を超える払込みがあった場合には、当該超過額は資本準備金にする」等と定めると、払込金額の総額よりも増加する資本金及び資本準備金の合計額が上回るコトになります。

。。。ま、ただ、実際に払い込まれる額の問題ではある。。。(~_~;)

それから、以前の記事にも書きましたケド、「超過額」について何も定めなければ、資本準備金にはなりません。
何のおカネかは分からないけど、少なくとも、払込みのあった金額には含まれない。。。ってコトでございます。

こんな面倒くさいハナシじゃなくて、単に「出資金と貸付金の合計額を振り込んだ」なんてこともありますね。
振り込み手数料の節約ですかね?
事情を聞いていないと、ちょっとビックリします(~_~;)

4.増加する資本金の額は増加する資本準備金の額と同額以上でなければなりません。

外貨の場合は、資本金の額がピッタリにならないので、「払込みのあった金額のうち、資本金の額を1000万円、払込みのあった金額から資本金の額を減じた額を資本準備金とする」というように定めるのですけどね。。。。

このとき、資本金の額を実際に払込まれる額の2分の1に近づけすぎると、資本準備金の額の方が多くなる。。。ってコトが起こりマス。
なので、絶対に払い込まれた金額の2分の1以上になるように資本金の額を多めに設定する必要がございマス。

あ、モチロン、「資本金の額も資本準備金の額も具体的に1000万円」というように定めて超過額は払込みのあった金額に含めない。。。といすることもできます。
ただ、実務上は、「出資金のつもりで払うのに、便宜、出資金にしない」っていうのは難しいみたいデス。
大体、外為送金になりますから、目的のないおカネはちょっと困る。。。という事情もあるらしい。。。(@_@;)

。。。とこんな感じでしょうかね~???

分かったような???分かんないような???。。。。かしら。。。。(~_~;)
次回へ続く~♪

コメント (4)
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外国会社株式の現物出資と減資 その4

2018年06月18日 | 株式・新株予約権

おはようございます♪

本日は、前回のハナシで、外貨が絡んでいたらどうなるか???。。。。を考えてみたいと思います。

 

1.「実際に払い込まれる額」は、「(募集事項としての)払込金額の総額」以上でなければなりません。

(1)払込金額:円
  実際の払込み:(外貨預金口座への振り込み)ドル  の場合

振り込みをする時点では、払込金額の総額以上だったとしても、着金した日時点の為替レートで円に換算した額が払込金額を下回ってしまうとアウト!。。。となりますんで、通常は、少し多めの金額を送金することになりますよね。

(2)払込金額:ドル
  実際の払込み:(外貨預金口座への振り込み)ドル  の場合

為替レートを気にする必要がないんで、ピッタリの金額でOKです。

(3)払込金額:ドル
  実際の払込み:円  の場合

理屈としてはアリですけどね。。。。実際は意味がないので、この定め方はないと思います。
もし、こういうことをしたとしたら。。。。。(~_~;)。。。。払込金額を円に換算した額以上になるように日本円を払い込むことになるのだろうな。。。と思います。


2.「実際に払い込まれる額」は、「増加する資本金及び資本準備金の額の合計額」以上でなければなりません。

(1)実際の払込み:(外貨預金口座への振り込み)ドル
  増加する資本金及び資本準備金の額: 円(で決議)  の場合

上記1(1)と同じで、増加する資本金及び資本準備金の額の合計額以上になるように払い込まないといけません。
例えば払込金額の総額が500万円、増加する資本金及び資本準備金の額がそれぞれ500万円だとすると、実際に払い込まれる額は1000万円以上でなければならない。。。ということね。。。。
ま、実際にそういう募集事項を定めるコトはないと思いますが。。。(@_@;)

。。。で、上記1とも関係いたしますケドも。。。。払込金額を超えて払い込まれた額に関しては、「払込みのあった金額」とすることもできるし、しないこともできる。。。(~_~;)。。。というコトになっておりマス。

(2)実際の払込み:(外貨預金口座への振り込み)ドル
  増加する資本金及び資本準備金の額: ドル(で決議)  の場合

これも上記1(2)と同じで、ピッタリの額を払い込めば良いのですが、資本金の額が切りの良い額になりませんね。
今までのケースですと、「。。。それはちょっとね。。。(-"-)」 という会社サンばかりでございました。
キリの良い資本金の額って、実務上は結構重要ポイントのような気がしておりマス。


。。。3と4は、次回にさせていただきます。。。(~_~;)

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外国会社株式の現物出資と減資 その3

2018年06月11日 | 株式・新株予約権

おはようございます♪

本日は、前回の補足説明をしたいと思います(~_~;)
とっちらかっていて、スミマセン m(__)m

1.「実際に払い込まれる額」は、「(募集事項としての)払込金額の総額」以上でなければなりません。

「実際に払い込まれる額」とは、会社法445条1項の額を指します。
「払込金額」は、会社法199条1項2号のことですね。つまり、募集株式1株と引き換えに払い込む額デス。

これらは関連性はあるのだケド、直接的な関係はない。。。というような説明がされていましてね。。。
でも、ここが重要ポイントのような気がするんで、覚えといてください!。。。。(@_@;)

具体的には。。。。。払込金額が1株5万円で、発行する株式が100株ならば、実際に払い込まれる額は500万円以上じゃないとダメ!!ってコトです。
ま。。。当たり前ですかね~。。。。^_^;

じゃあ、実際に払い込まれる額が1000万円だったらダメなのか??。。。というと、500万円以上ならOKです。

あ。。。それと、現物出資の場合はちょっと違うので、金銭出資の場合を想定しておいてください。


2.「実際に払い込まれる額」は、「増加する資本金及び資本準備金の額の合計額」以上でなければなりません。

例えば、増加する資本金の額と資本準備金の額がそれぞれ100万円だとしたら、実際に払い込まれる額は200万円以上になります。
そんなの当たり前じゃん!!と思うかも知れませんケドね。。。

しかし。。。
理屈としては、払込金額5万円×100株=500万円、増加する資本金の額1000万円、資本準備金の額500万円。。。というのもアリなんですよ!?
普通はさ。。。500万円を資本金と資本準備金に配分するじゃないですか???。。。払込金額の総額が500万円なのに、増加する資本金の額が1,000万円なんて、どう考えても変でしょ??!!

。。。けども、払込金額と実際に払い込まれる額が連動しないモノだから、こういうこともあり得るってコトですよね。
。。。で、このケースだと、実際に払い込まれる金額は1,500万円以上でなければなりません。

500万は何なんだっ!!!。。。って感じですケドね^_^;


3.募集事項としては、「払込金額の総額」<=「増加する資本金及び資本準備金の額の合計額」となります。

上の例ですね。
ま、現実的ではないケド。。。^_^;。。。払込金額の総額500万円でも増加する資本金、準備金の合計額は1500万円と決めても良い。。。でも、500万円未満はダメ。。。ってコトです。

しかし、やっぱり実際に決議するトキには絶対オカシイので、具体的な金額ではなく、「増加する資本金の額:会社法第445条第1項に定める額」などの表現にするんだろうな。。。と思います。
ぃや。。。でも。。。ふつう、こんな金額になるコトはないと思います。。。。。(@_@;)。。。極端な例をあげてみました。。。ふふ。。。^_^;

ただ、これも金銭出資の場合はそうなるケドも、現物出資だと、そうとも限らない。。。トホホ。。。(一応覚えといてください)


4.増加する資本金の額は増加する資本準備金の額と同額以上でなければなりません。

これは、特に説明する必要もないところだと思いますケド、払込みを受けた金額の2分の1以上を資本金の額、残りを資本準備金の額に計上しなければならない。。。ってコトデスね。

上の例をもう一度使いますと。。。払込み金額の総額が500万円でも、実際に払い込まれる額が1500万円ならば、増加する資本金の額は750万円以上でないといけないのですよね。

 

ムムム。。。。(@_@;)

普通はね。。。というか、日本円だとすると、こんな七面倒臭いコトを考える必要はないんです。
払込金額の総額が500万円ならば、資本金・資本準備金の増加額はそれぞれ250万円にすれば良いし、実際に払い込まれる金額だって、500万円なんですよね。

でも、外貨の場合だと、為替レートが日々変動するワケで。。。言ってみれば、払込期日にどうなるか分からない。。。ってコトなんです。
そのため、イロイロ考えないといけなくなるのよね~っ!!!( 一一)

では次回へ続く~♪

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外国会社株式の現物出資と減資 その2

2018年06月06日 | 株式・新株予約権

おはようございます♪

前回の続き。。。。ですケドも。。。。ううう。。。。どこから始めれば良いかなぁ~。。。(~_~;)。。。って悩んでおりますが、とりあえず、金銭出資について、おさらいをしてみましょう♪

では、まず募集事項から。

募集事項は会社法199条に定められているワケですけれども、そのうち、日本円・外貨(今回は米ドルということにしましょう)どちらかを選択する(できる)のは、「募集株式の払込金額」と「増加する資本金及び資本準備金に関する事項」になります。

いずれも、円・ドルどちらで決議してもOKです。円に統一しても構いませんし、どちらか一方を「円」他方を「ドル」としてもダイジョウブ!

それから、実際に払い込まれるときに、「円」で入金されるか、「ドル」(外貨預金口座)で入金されるかも確認しておく必要がございます。
資本金の額に関しては登記する際は「円」になりますのでね。。。そこも注意が必要でございます。

さらに、気を付けなければならないこと。

1.「実際に払い込まれる額」は、「(募集事項としての)払込金額の総額」以上でなければなりません。
2.「実際に払い込まれる額」は、「増加する資本金及び資本準備金の額の合計額」以上でなければなりません。
3.募集事項としては、「払込金額の総額」<=「増加する資本金及び資本準備金の額の合計額」となります。(※)
4.増加する資本金の額は増加する資本準備金の額と同額以上でなければなりません。

結構難しいですかねぇ~。。。。(@_@;)

ちょっと具体的な事例に当てはめてみましょうか。。。。

先日の増資の際、まず決まっていたのは、株主の出資金額が10万ドル(仮)だったコトです。
株主割当で株主は1名のみでした。

さて、この場合。。。。

払込金額 1株当たり500ドル、発行する株式数 200株、増加する資本金の額と資本準備金の額をそれぞれ5万ドルとすれば、割と簡単ですよね!?
ただし、資本金の額は日本円に換算しなければなりませんから、通常は切りの悪い金額になってしまいます。
例えば、為替レートが1ドル109.5円だった場合、¥5,475,000が増加する資本金の額になっちゃうってコトです。

ま、そんなコトは気にならないのでしたら、全くモンダイないのですケド、実際は「切りの悪い資本金の額はヤダ!!」という会社は結構多いのでございマスね (~_~;)

じゃあ、資本金の額を切りの良い金額にするためにはどうするのか。。。
増加する資本金の額は、払込みのあった金額の2分の1以上でないといけないワケですが、払込があった日の為替レートが事前に分からない以上、資本金の額は少し多め(かつ、払込みのあった金額以下)に設定しておかないといけませんよね。

。。。とすると、上の例では、日本円に換算した場合に絶対に払込みを受けた額の2分の1以上となり、かつ、キリの良い額。。。ということだと、増加する資本金の額は、700万円か800万円ってことになるでしょうか。
で、残りの金額を資本準備金に。。。となるワケです。

つまり、増加する資本金の額は(例えば)700万円とし、払込みを受けた金額から増加する資本金の額を減じた額を資本準備金の増加額とする。。。というように募集事項を定めるのでございますね。

前者が払込金額、増加する資本金等の額ともに、ドルで決議する場合で、後者が払込金額をドル、増加する資本金の額等を円で決議する場合でございます。

今回の会社サンも、後者の方法を選択されました。

ただ、この場合はどうしても資本金の増加額を最低額(=払込みを受けた金額の2分の1)とすることはできませんからね。。。(~_~;)。。。結局、実際に払込みを受けた金額の9割以上を資本金に計上することになりました。

資本金の計上額が最低額だった場合と比べると、100万円以上多く登録免許税を支払うコトになっちゃってね。。。。(今回の例としてあげた金額とは違ってマス)、もったいなぁ~。。。なんて思っちゃいました(ヒトのおカネなのですケド(~_~;))。

次回へ続く~♪

※ 3.募集事項としては、「払込金額の総額」<=「増加する資本金及び資本準備金の額の合計額」となります。

の部分ですケド、こっそりと「分かり難いんじゃない?」とのご指摘をいただきましたので、ちょっと補足しておこうと思いましたが、長くなりそうなので、次回以降に補足することにいたします(~_~;)

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