弁理士の日々

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川口マーン惠美「サービスできないドイツ人、主張できない日本人」(2)

2013-11-24 10:23:17 | 歴史・社会
先日、川口マーン惠美「サービスできないドイツ人、主張できない日本人」を記事にしました。そこでは、ポーランドで2009年9月にドイツのメルケル首相が行ったスピーチのみを紹介しました。

ここでは、同じ川口マーン惠美著「サービスできないドイツ人、主張できない日本人」について、その他の印象に残ったトピックスを挙げておくことにします。

○ 日本人は食べることが好きだが、ドイツ人はまず「住」次が「衣」、最後に「食」という順番になる。ドイツ人はのちのちまで残るものには贅沢にお金を使う。
○ ドイツの夕食は、伝統的に火を使わない。チーズやハムをパンに載せて、ちょっこっと食べておしまい。(20ページ)
○ ドイツ人の家では、ステンレス製のシンクも蛇口も鏡のようにピカピカで、顔が映るほどだ。洗い物をした後、彼らは最後にシンクをふきんで拭いて、完全に水気を取ってしまう。洗面所の陶器のシンクも同様だ。
○ 逆に、公共の場所については、日本の方が圧倒的に清潔だ。(28ページ)

○ ドイツでは、家庭の一般ゴミは、所定の容器を自治体から借り受け、2週に1回回収する。容器の大きさによって費用が異なり、120リットルなら年間34000円。ゴミを減らすほど費用が安くなるシステムになっている。
○ ドイツでは、包装ゴミは、所定の黄色い袋に入れておくと3週間に1回、無料で回収してくれる。回収費用はメーカーが負担しており、自社製品の包装材の量に応じて負担する。各メーカーは包装を軽減することとなった。

○ ドイツ人は後に残るもの、減価償却期間の長いものには高価であってもお金を出すが、サービスや、すぐに消えてなくなるものには、たとえ安価であっても出し渋る傾向がある。

○ ドイツ人の持ってくるプレゼントは、お金があってもなくても、日本人から見ると極端に安価なものが多い。
日本では、子どもでもないかぎり、詩を書いた紙切れ1枚で誕生日のプレゼントとすることは許されない。(50ページ)

「あえて言うなら、ドイツ人は、サービスにだけは根っから向かない民族なのだ。彼らは、店員が客に対して、おかしくもないのにニコニコするのは、欺瞞だと信じている。それどころか、夫婦喧嘩の鬱憤や偏頭痛のイライラを客にぶつけるのは、それは人間なのだから当然許されるとも思っている。しかし、気分が悪いのにニコニコするのは正直な人間のするべきことではないとなると、サービス業は成り立たない。客は店員の顔色をうかがうために買い物に来たわけではないのだ。」(69ページ)

「ドイツから日本に帰ってくると、日本人は本当に穏やかだと思う。東京の雑踏のなかでも、満員電車の中でも、人々は殺気立たず、罵り合うこともなく、常にそれなりの秩序と平安が保たれる。」
「日本では、たとえ何かトラブルが起こっても、相手が一方的に正当性を主張し、こちらに非難を浴びせかけてくるなどと言うことはない。だから私の日頃の警戒感は、日本の地を踏んだとたん、見事に消える。
そこで、警戒感をなくした私の身に何が起こるかというと、安心しすぎて、うっかり電車を乗り越したり、あちこちで物を置き忘れたりする」
このことを知人に話したところ、外国帰りの人はいずれも、日本で暮らす日本人から見てもぼんやりしている傾向があるそうです。
「日本人は穏やかで、普段から、他人と喧嘩腰の物言いになることが少ない。こういう国が珍しいことは、ちょっと海外へ足を延ばせば、すぐにわかる。」
「それなのに、ドイツには、日本人は残虐な国民であると思っている人間がかなりいる。」
『ドイツで、日本に対するこういうイメージがしばしば強調される一番の理由は、アメリカと中国が戦後一貫して行ってきた「南京虐殺」のプロパガンダのせいだ。』
「日本のことなど何も知らない人々が、日本人は卑怯で残酷なことをした国民だと、何となく漠然と信じているというのが、今のドイツの現実だ。」(97ページ)

「まじめで優秀で勤勉というのは、世界に知られた日本人のキャラクターであった。ところが、その日本人にいつ頃からか、猥褻、淫乱などという、ありがたくないイメージが付着している。」
「日本にいる日本人は、自分たちがドイツ人からそんな風に眺められているなどとは露も知らないと思うが、これは本当の話なのだ。」(107ページ)
『日本人のイメージが急速に悪化した直接のきっかけは、十年ほど前の「援助交際」についての報道だった。』
-----------以上--------

今までいろいろの本で読んで知っていたドイツと一致するところもあります。
一方、何回かドイツを旅しましたが、ドイツ国内で『雑踏のなかや満員電車の中で、人々が殺気立ったり、罵り合っている』光景に遭遇したことがありません。もうちょっと長く滞在していれば遭遇するのでしょうか。

先日川口マーン惠美著「国際結婚ナイショ話」で紹介した著書「国際結婚ナイショ話」は、1997年出版、ドイツに渡って15年後、川口さん41歳のときです。一方、今回紹介した「サービスできないドイツ人、主張できない日本人」は、2011年出版、ドイツに渡って約30年後、川口さん55歳のときです。「国際結婚ナイショ話」では、ご夫君との会話が多く登場していました。それに対して今回の「サービスできないドイツ人、主張できない日本人」では、ご夫君との対話が一切登場しません。一体どうしたことでしょうか。娘さんたちとの会話は多く登場するのにです。川口さんが離婚したという情報は一切ないのですが、気になるところです。
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