五輪スケートボード男子の試合、ライブ観戦はしませんでしたが、ネットで以下の話題がありました。
【東京五輪】スケボー珍解説が生んだ新採点「やばいっす→8・0、ハンパねえ→8・5」
7/25(日) 東スポ
『試合を中継したNHK「Eテレ」の解説を務めたプロスケートボーダー・瀬尻稜氏だ。「ハンパねえ」「やべえっす」「鬼ヤバいっす」などの若者言葉を畳みかけつつも、その後には丁寧で分かりやすい解説。』
このニュースを読んで、1998年長野オリンピックの女子モーグルの試合を思い出しました。私は、予選、決勝ともにテレビでライブ観戦していました。
予選で里谷多英(ウィキ)を含めて滑り終わりました。里谷は11位です。その予選を振り返って、テレビの若い解説者が
「里谷はメダルを取れますよ」
と発言します。11位なのに?
アナウンサーがそれを聞いて
「そこまで言いますか?」
と問い返したその声が裏返っていました。そりゃびっくりしますよね。予選11位から、何を根拠に「メダル」を予想するのか。
そして決勝です。
里谷は先頭(あるいはそのすぐ後)に滑りました。そして、ゴールした瞬間、あの解説者が叫んだのです。
「やったぁ! 多英、すっげぇ!」
見ているこちらは、どれだけすごいのか、あるいはすごくないのか、全くわかりません。とにかく点数が表示されます。
その後、有力選手が次々と滑りますが、里谷の点数を超える選手が現れません。つまり優勝、金メダルです。
里谷の滑りが終わった直後の解説者、予選のときに「メダルが取れる」と予言したのですから、「やったぁ!」は「これでメダル確実」との安堵を含んでいるでしょう。さらに金まで予測できたか、そこはわかりませが。
このときの解説者、調べたらすぐにわかりました。山崎修さんという方なのですね(ウィキ)。
長野オリンピックは、印象に残った場面がいつくかあります。
ジャンプの第一人者は船木和喜でした。彼が助走に入ったその直後、会場のスピーカーから女性アナウンサーの声で「フナキ! フナキ!」との声援が聞こえました。あの声援は何だったのだろうか。
ラージヒル団体の一人は原田雅彦でした。競技は、2本飛んで点数の合計で争われます。原田は結果のばらつきが大きく、2本飛ぶと1本はスーパージャンプ、もう1本は失敗ジャンプ、が多かったです。問題は、2本のうちのどちらで失敗するかです。
1本目がスーパージャンプだと、2本目原田の前で金メダルが見えています。そこで原田が失敗すると、「原田、またやっちゃったー」と日本中が失望することとなります。リレハンメルがそうでした。
そして長野です。長野のラージヒルでは、原田は1本目が失敗ジャンプだったのです。そして、天候悪化での競技中断をはさんでの2本目、原田の番です。原田が飛び出し、ぐんぐん距離が伸びます。スーパージャンプです。原田は団体で、2本のうち1本目を失敗、2本目を成功させることにより、忘れ得ないドラマを作り上げたのです。
p.s. 7/27 着地寸前、アナウンサーが「立て、立て、立ってくれー。立ったー!」と絶叫したのは、原田の個人種目でした。
アルペンスキー男子滑降で、最有力だったヘルマン・マイヤーが、コースの罠にひっかかって空中に吹っ飛んだのにはびっくりしました(動画)。動画の解説によると、八方尾根のコースにおいて、大会直前に要望を受けてスタート地点をより高い位置に変更した結果、コースの途中に難所ができてしまったということでした。私は今まで、コース設計者のベルンハルト・ルッシの意地悪だと思い込んでいました。
そのほか、印象に残ったのはカーリング男子のスキッパー、敦賀信人ですね。偶然、対アメリカ戦のライブ中継をテレビで見ました。カーリングの試合を見るのは初めてでした。第9,10エンドの敦賀の投球は、素人の私にベストショットと感じました。しかし、アメリカのスキッパーの投球がさらに上回り、最後の最後で日本はアメリカに負けました。その刹那に敦賀が見せた涙が忘れられません(動画)。
【東京五輪】スケボー珍解説が生んだ新採点「やばいっす→8・0、ハンパねえ→8・5」
7/25(日) 東スポ
『試合を中継したNHK「Eテレ」の解説を務めたプロスケートボーダー・瀬尻稜氏だ。「ハンパねえ」「やべえっす」「鬼ヤバいっす」などの若者言葉を畳みかけつつも、その後には丁寧で分かりやすい解説。』
このニュースを読んで、1998年長野オリンピックの女子モーグルの試合を思い出しました。私は、予選、決勝ともにテレビでライブ観戦していました。
予選で里谷多英(ウィキ)を含めて滑り終わりました。里谷は11位です。その予選を振り返って、テレビの若い解説者が
「里谷はメダルを取れますよ」
と発言します。11位なのに?
アナウンサーがそれを聞いて
「そこまで言いますか?」
と問い返したその声が裏返っていました。そりゃびっくりしますよね。予選11位から、何を根拠に「メダル」を予想するのか。
そして決勝です。
里谷は先頭(あるいはそのすぐ後)に滑りました。そして、ゴールした瞬間、あの解説者が叫んだのです。
「やったぁ! 多英、すっげぇ!」
見ているこちらは、どれだけすごいのか、あるいはすごくないのか、全くわかりません。とにかく点数が表示されます。
その後、有力選手が次々と滑りますが、里谷の点数を超える選手が現れません。つまり優勝、金メダルです。
里谷の滑りが終わった直後の解説者、予選のときに「メダルが取れる」と予言したのですから、「やったぁ!」は「これでメダル確実」との安堵を含んでいるでしょう。さらに金まで予測できたか、そこはわかりませが。
このときの解説者、調べたらすぐにわかりました。山崎修さんという方なのですね(ウィキ)。
長野オリンピックは、印象に残った場面がいつくかあります。
ジャンプの第一人者は船木和喜でした。彼が助走に入ったその直後、会場のスピーカーから女性アナウンサーの声で「フナキ! フナキ!」との声援が聞こえました。あの声援は何だったのだろうか。
ラージヒル団体の一人は原田雅彦でした。競技は、2本飛んで点数の合計で争われます。原田は結果のばらつきが大きく、2本飛ぶと1本はスーパージャンプ、もう1本は失敗ジャンプ、が多かったです。問題は、2本のうちのどちらで失敗するかです。
1本目がスーパージャンプだと、2本目原田の前で金メダルが見えています。そこで原田が失敗すると、「原田、またやっちゃったー」と日本中が失望することとなります。リレハンメルがそうでした。
そして長野です。長野のラージヒルでは、原田は1本目が失敗ジャンプだったのです。そして、天候悪化での競技中断をはさんでの2本目、原田の番です。原田が飛び出し、ぐんぐん距離が伸びます。スーパージャンプです。原田は団体で、2本のうち1本目を失敗、2本目を成功させることにより、忘れ得ないドラマを作り上げたのです。
p.s. 7/27 着地寸前、アナウンサーが「立て、立て、立ってくれー。立ったー!」と絶叫したのは、原田の個人種目でした。
アルペンスキー男子滑降で、最有力だったヘルマン・マイヤーが、コースの罠にひっかかって空中に吹っ飛んだのにはびっくりしました(動画)。動画の解説によると、八方尾根のコースにおいて、大会直前に要望を受けてスタート地点をより高い位置に変更した結果、コースの途中に難所ができてしまったということでした。私は今まで、コース設計者のベルンハルト・ルッシの意地悪だと思い込んでいました。
そのほか、印象に残ったのはカーリング男子のスキッパー、敦賀信人ですね。偶然、対アメリカ戦のライブ中継をテレビで見ました。カーリングの試合を見るのは初めてでした。第9,10エンドの敦賀の投球は、素人の私にベストショットと感じました。しかし、アメリカのスキッパーの投球がさらに上回り、最後の最後で日本はアメリカに負けました。その刹那に敦賀が見せた涙が忘れられません(動画)。