弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

新型コロナ対策・推進責任箇所はどこか

2020-04-29 12:04:49 | 歴史・社会
コロナ対策・日本の惨状に書いたように、日本で一刻も早く経済活動を再開させるためには、以下の対応を可及的速やかに実施することが不可欠です。
(1)市中感染者比率を低減すること
 市中感染者比率を低減するためには、
 (A)PCR検査数を大幅に増大し、判明した陽性者を隔離すること。
 (B)隔離は自宅ではなく、ホテル等の宿泊施設とすること。
(2)医療崩壊を防ぐために
 (A)重症者受け入れ能力の増強
 (B)院内感染の防止

活動のプレイヤーは、厚生労働省、都道府県、東京であれば23区(特別区)、地域の医師会、などです。項目別に、誰がどのような活動を行う必要があるのか、調べて見ました。調べる手段としては、厚生労働省が都道府県等に発する「事務連絡」を用いました。「自治体・医療機関向けの情報一覧(新型コロナウイルス感染症)」に、厚労省からの事務連絡の一覧が掲載されています。調べた結果は先日、厚労省から各自治体への「事務連絡」にて紹介しました。

「事務連絡」の宛先は、ほとんどが「各{都道府県・保健所設置市・特別区}衛生主管部(局)」宛てです。{都道府県・保健所設置市・特別区}を「都道府県等」と呼んでいます。「保健所の主管箇所宛て」と考えられそうです。
例えば東京都では、23区は特別区であり、八王子市は保健所設置市であり、それぞれ、保健所はこれらの区、市が所管しています。東京都が所管している保健所は、これら以外の、例えば三鷹市や武蔵野市など、ということになります。埼玉県でいうと、さいたま市は保健所設置市です。
従って、都道府県知事の権限は、保健所設置市と特別区の保健所には及ばないようです。その点については、さいたま市の保健所長が「病院のベッド数が足らないのでPCR検査を抑制した」と発言したときに、埼玉県知事が「自分の職責ではない」旨の発言をしたことからも明らかです。また、小池都知事が、PCR検査数の増強についてはほとんど積極的に発言していないのも、自分に権限がないためかもしれません。
東京都の場合、23区の区長が非常に大きな役割を担っていることになります。

それでは、以上の調査結果を踏まえ、今後の日本がどのような努力をすべきか、検討してみます。
(1)市中感染者比率を低減するためには、
 (A)PCR検査数を大幅に増大し、判明した陽性者を隔離すること。
 (B)隔離は自宅ではなく、ホテル等の宿泊施設とすること。
(2)医療崩壊を防ぐために
 (A)重症者受け入れ能力の増強
 (B)院内感染の防止

(1-A)PCR検査数を大幅に増大し、判明した陽性者を隔離すること。
 3/1の段階で、帰国者・接触者外来と帰国者・接触者相談センターの能力不足が顕在化していたのですね。現在に至るまで、検査数が伸びない最大の要因が、保健所の人員不足で帰国者・接触者相談センターが機能していないことであることが明らかです。しかし、それぞれの保健所が十分に人員補充できそうな気がしません。最初に保健所に頼り、現時点まで保健所頼りを脱することができなかったことが、大きな失敗であったと思います。
 そしてこの点については、東京都で言えば23区の区長の所管ですので、小池都知事の権限が及ばないのですね。

 4/15、厚労省は「地域外来・検査センター」の設置を認めました。
4/15 4/15 『地域外来・検査センターの運営委託
(1)都道府県等は、地域の医師会に対し、PCR検査を集中的に実施する機関として「地域外来・検査センター」の運営を委託することができる。
(3)地域診療所等(事前連携先登録)から地域外来・検査センターに直接紹介が可能
 ○ 地域外来・医療センター運営にかかる人件費、備品費、消耗品等の費用(診療報酬による収入分は除く)を委託料に含み得る。委託料は国の補助対象となる。防護服整備費用も同様。』
ただし「地域外来・検査センター」はあくまで、都道府県等(東京都杉並区だったら杉並区長)が、地域の医師会との間で結ぶ運営委託です。決して、国が音頭をとって大々的に進める政策ではありません。単に、「地方自治体と地域医師会が勝手にやることを許可する。お金は国が出してあげる」のみです。その点で、韓国とは全く異なります。韓国は、ウォークスルーにしろドライブスルーにしろ、国がそのひな形を作り、全国展開したように見受けられます。
自治体ごとに、東京であれば23区の区ごとに、区の担当部門(多分保健所)が地域医師会と相談して、検査センターの場所を決めて設備を設計し、業者を決めて設備を構築し、問診と検体採取の人を集め、PCR検査機関(多分民間の検査会社)と契約し、検体を検査機関まで運搬する方法と人手を確保し、勝手にやりなさい。地域外来・検査センター運営にかかる人件費、備品費、消耗品等の費用(診療報酬による収入分は除く)、防護服の費用は国が出してあげる。
これでは、区及び地域医師会の実力によって達成度合いに大きな差が出そうです。実力のない区では、実行が伴わないでしょう。そもそも、区ごとに設計から始めるのでは効率が悪すぎます。
4/28 『地域外来・検査センター運営マニュアル』で、厚労省の考え方がある程度把握できます。
検査センターの建物(多分プレハブ的なもの)の設計・建築費用は、マニュアルによると、「簡易診察室及び附帯する備品」について、国と都道府県が折半で負担してくれます。
聞くところによると、いわゆる「イベント企画会社」が、このような検査センターの設計・建築のような仕事がお手の物だそうです。ぜひそのような民間会社を活用して、23区のいずれにおいても、PCR検査数を飛躍的に増大してほしいものです。
「地域外来・検査センター」が利用することのできるPCR検査機関について、マニュアルでは「民間検査機関等」とあります。「地域外来・検査センターに対して、都道府県等は、契約可能な民間検査機関等の一覧を提供する。」「検査予定件数に見合った民間検査機関等を、都道府県等に相談して選定し、検査の委託契約を締結する。」としています。「地域外来・検査センター」ができあがって多数の検体が採取されたとき、検査を行う検査機関は十分に確保されるのでしょうか。国(厚労省)が力を発揮して、検査能力の向上実現に邁進しない限り、いくら「地域外来・検査センター」設置で検体採取能力を増大しても、検査能力で糞詰まってしまいます。

ところで、私は杉並区に在住しています。世田谷区との区界に近く、かかりつけ医は世田谷区にあります。

『『モーニングショー』玉川徹がスクープ?翌日一転して謝罪(番組訂正を受けた追記あり)』によると、
『番組では東京23区の地図を色分けしたパネルで、東京都医師会の号令でつくられたPCRセンターの設置状況を説明した。
PCRセンターを「すでに設置」した区が10、「近く設置」の区が5、「設置するか検討中」の区が5、未回答の区が3である。』とあります。杉並区は「すでに設置」です。
一方、杉並区のホームページに『地域医療の崩壊を食い止めたい!(令和2年4月17日号)』が掲載されています。
『私(注:杉並区長)は、緊急事態宣言以前からこのような危機感を抱き、杉並区医師会および区内の基幹病院と協議を重ねてまいりました。その結果、第1に、病院の崩壊を食い止めるために必要な支援を早急に行うことといたしました。・・・
第2に、各基幹病院に「(仮称)発熱外来センター」を設置します。・・・この「(仮称)発熱外来センター」は、既に河北総合病院、荻窪病院、佼成病院内に設置されています(注)。
(注) 「(仮称)発熱外来センター」は、「杉並区帰国者・接触者電話相談センター(電話:03-3391-1299)」に電話のうえ、感染が疑われると判断された方を対象に診療します。予約なしでは受診できません。』
即ち、「かかりつけ医の紹介でPCR検査を受ける」というルートが存在せず、従来同様、保健所主管の「杉並区帰国者・接触者電話相談センター」を通さないとならないのです。これでは、急速な検査数の増大にはつながらないでしょう。
この前の週末も、家族が微熱を出したので、心配して上記「相談センター」に電話しましたが、何度かけてもお話中でした。

その他、厚労省の事務連絡を読んだ範囲内では、
○ PCR検査能力の目標設定を行う主管部署
○ PCR検査能力目標に到達するための対応を行う主管部署
(帰国者・接触者外来が行う分と、地域外来・検査センターが行う分のそれぞれについて)がわかりませんでした。

(1-B)軽症・陽性者の隔離は自宅ではなく、ホテル等の宿泊施設とすること。
 PCR検査数を急拡大したら、軽症の陽性者の日別人数も急拡大するでしょう。この人たちに宿泊療養してもらう宿泊施設の部屋数を確保しなければなりません。
 宿泊施設能力の目標設定及び目標に到達する対応を行う主管部署はどこでしょうか。
4/17 「事務連絡」によると、宿泊施設の選定・準備、宿泊施設の確保、宿泊施設の運用は、都道府県が主管することになっています。そして、厚労省と観光庁が協力し、観光庁が都道府県別の利用可能なホテルの把握、条件確認、協力の取り付けを行うことになっています。
西村康稔経済再生担当相は4月19日、新型コロナウイルスに感染した軽症者や無症状の人に入ってもらう宿泊施設について、全国で21万室を超えるホテルを確保したと明らかにしました。既に契約手続きが整っているのは6千室あるといいます。これは、上記4/17の事務連絡に記載の活動結果が反映されているのでしょうか。そして、各都道府県にすでにこの情報が伝達されているのであれば、次は都道府県の力量が問われます。
 宿泊療養施設の準備を特に急ぐのは、自宅療養の軽症者が2名死亡した埼玉県、そしてとにかく感染者数が多い東京都です。

(2-A)重症者受け入れ能力の増強
 重症者・中等症者の入院能力を増大する主管部署はどこでしょうか。
 病院がこの対策を講じるには、コロナ以外の診療能力を削減せざるを得ず、大きな財政的負担になるはずです。ドイツのように、国が篤い財政的支援をしない限り、急速な能力拡大は見込めないでしょう。

(2-B)院内感染の防止
 入院患者全員のPCR検査実施、医療従事者の頻繁な(毎日?)PCR検査の実施が必須と思います。しかし厚労省は、医師が必要と判断した場合にはPCR検査の保険適用を可能とする一方、入院患者全員に一律に実施する場合は対象外とするそうです(無症状でも保険適用可 PCR検査、医師判断で 厚労省 4/24(金))。厚労省は院内感染の防止に積極的ではないですね。
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厚労省から各自治体への「事務連絡」

2020-04-27 16:40:59 | 歴史・社会
日本における新型コロナウイルス対策がどのような推移をたどっているのかについて、詳細に把握しようとしたとき、現在目にすることができる一つの有力な情報が、厚労省から各自治体に発出される「事務連絡」であるようです。コロナ関連の事務連絡については、「自治体・医療機関向けの情報一覧(新型コロナウイルス感染症)」に、一覧が掲載されています。そこでこの中から、重要と思われる内容をピックアップして読んでみました。

それでは、時系列で「事務連絡」を調べて見ます。
2/1 『都道府県は、各保健所等に帰国者・接触者相談センターを設ける。都道府県は、帰国者・接触者外来を設ける。2月上旬目途。』
 「PCR検査を受けるためには、保健所の関門を通過しなければならない」との政策がスタートしました。結果として、保健所が脆弱であることから、PCR検査数が抑制されるという日本の最大の問題が生じることとなりました。

3/1 『帰国者・接触者外来を増設し、帰国者・接触者相談センターの体制を強化
    ○○の場合、軽症者は、陽性でも、自宅での安静・療養を原則とする。』
 3/1の段階で、帰国者・接触者外来の増設と、帰国者・接触者相談センターの体制強化が喫緊の課題だったのでしょう。しかし厚労省は自治体の尻をたたくだけで積極的に改善策を講じず、それから約2ヶ月、事態は改善されずに現在に至りました。
 また3/1の段階で、「軽症者は、陽性でも、自宅での安静・療養を原則とする。」との方針が示されたのに、それが実際に稼働するのにさらに1ヶ月を要しました。この間、陽性者は軽症者も含めて入院させるので、「PCR検査を増やすと入院者が増え、医療崩壊する」との誤った考えで、PCR検査数の増加が抑制されてしまいました。

3/4 『保険適用:保険適用される検査は、都道府県等から行政検査を委託しているものとして取り扱う。』
3/17 『自宅での安静・療養を原則とする対策への移行は、厚生労働省に相談』
 せっかく、上記3/1で「軽症者は、陽性でも、自宅での安静・療養を原則」を打ち出しながら、この3/17で否定してしまいました。

4/2 『軽症者等の宿泊療養及び自宅療養
 宿泊療養:都道府県が用意する宿泊施設での安静・療養を行う。
 ①帰国者・接触者外来等でPCR検査実施。
 ③帰国者・接触者外来等において、確定患者かつ軽症者等と診断。
 ④都道府県等は、療養場所を確定(宿泊療養、自宅療養)
  宿泊療養の場合、調整窓口が都道府県の場合、宿泊療養の調整実施。』
 やっとのことで、軽症の陽性者について宿泊療養と自宅療養の方針が出ました。
 ここで「都道府県等」とは、{都道府県・保健所設置市・特別区}を意味します。埼玉県で言えば、さいたま市は「保健所設置市」なのでさいたま市長が所管し、埼玉県のさいたま市以外は埼玉県知事が所管します。東京都で言えば、23区は特別区ですから各区長が所管し、八王子市ともうひとつは「保健所設置市」なのでそれぞれの市長が所管し、東京都のそれ以外の市については東京都知事が所管する、という複雑な構造になっています。

4/15 4/15 『地域外来・検査センターの運営委託
(1)都道府県等は、地域の医師会に対し、PCR検査を集中的に実施する機関としての地域外来・検査センターの運営を委託することができる。
(3)地域診療所等(事前連携先登録)から地域外来・検査センターに直接紹介が可能
 ○ 地域外来・検査センター運営にかかる人件費、備品費、消耗品等の費用(診療報酬による収入分は除く)を委託料に含み得る。委託料は国の補助対象となる。防護服整備費用も同様。』
 PCR検査の舵取りを地域の保健所に設置する帰国者・接触者相談センターのみに頼った結果として、検査数は伸びないままに現在に至りました。4/15にやっとのことで、帰国者・接触者相談センター以外のルート開設に至りました。
 ただし、国や都道府県が主役になるのではなく、あくまで、東京23区であれば区長が一方の主役、そして他方の主役は地域の医師会です。その地域の区長と医師会の胆力次第で、うまく回るか否かに差が出てきそうです。
 国(厚労省)も、運営委託に許可を出しただけで、対応はすべて自治体に任せ、国が積極的にPCR検査数増大の活動を行う気配はありません。ここが最大の問題点です。

4/17 『厚労省と観光庁が協力し、観光庁が都道府県別の利用可能なホテルの把握、条件確認、協力の取り付けを行う。
上記情報に基づき、宿泊施設の選定・準備、宿泊施設の確保、医療スタッフ・支援要員の確保、宿泊施設の運用は、都道府県が行う。
支援要請があった場合の人的支援を防衛省が行う(自衛隊の災害派遣要請)。』(4/28追記)

4/23 『軽症者等については、宿泊療養を基本とする』
 自宅療養の陽性患者が死亡する案件が出た結果として、やっとこの方針が出されました。4/2に軽症の陽性者について宿泊療養と自宅療養の方針が出された時点で、自宅療養の問題点は明らかとなっていましたから、最初から宿泊療養優先の方針で臨むべきでした。

4/28 『地域外来・検査センター運営マニュアル』(4/29追加)

以上の読み込みが終わりましたので、次回は、今後日本において新型コロナ対策を有効に進めていく上で、どのプレイヤーがどのような働きをなすべきか、検討していきます。
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コロナ対策・日本の惨状

2020-04-25 14:04:22 | 歴史・社会
現在、全国的な外出自粛と、特定業種の休業自粛を行っており、経済は大幅に減退しています。国民は皆、「5月6日までの辛抱」と信じて辛抱していますが、実はこの状態が1年から2年は継続することを覚悟しなければならないのです。
そうとしたら、1年も2年も、「接触8割減」を継続することになり、経済は崩壊し、国民生活は成り立たないでしょう。もうこの辺で、経済の再開を考えなければなりません。日々のテレビ報道を見ていると、上記見解を拡大して、「接触が8割減らせれば、1ヶ月後には外出自粛を解除して普通の生活に戻れる」ような雰囲気が出ています。しかし、この考え方は間違っています。
1ヶ月間接触を8割減らして、新規感染者数が大幅に低減して「収束」に至ったとしても、決して市中感染者数が大幅に減少したことを意味しません。
最近慶応病院で、コロナ原因以外の入院患者のPCR検査を行ったところ、6%が陽性であったとして話題になっています。東京での市中感染率が高いレベルであることを物語っています。
このように市中感染者率が高い状態で外出自粛を解除して接触が元に戻れば、あっという間に新規感染者数が爆発的に増大するでしょう。当然重症者数も増大し、重症者受け入れ可能ベッド数をオーバーして医療崩壊に至ります。

ではどうしたら、外出自粛を緩和して経済活動を再開できるのか。
以下に記すように、やるべきことは極めて明確だと思うのですが、日本ではそれが一向に進みません。日本の総理大臣、官邸、各省庁がかくも無能であったのか、そして国会はそれに対して文句を言うだけなのか、われわれ国民は、ただただ唖然として見つめるばかりです。

経済活動を再開すれば、「接触率」は当然上昇します。
先日、『外出自粛はいつまで続くか』で述べたように、新規重症者数は、接触率が高いほど多くなり、市中感染者比率が高いほど多くなるものと推定されます。
 [新規重症者数]∝[接触率]×[市中感染者比率]
従って、新規重症者の数を、医療崩壊が起こらない範囲内に維持するに際し、市中感染者比率が低いほど、接触率を上昇させる、即ち経済活動を再開することが可能になる、ということです。
従って、経済活動を再開するためには、
(1)市中感染者比率を低減すること
(2)重症者受け入れ可能数を増大し、医療崩壊を防ぐこと
が必須であることがわかります。そのために行うべきことは極めて明白です。

市中感染者比率を低減するためには、
(A)PCR検査数を大幅に増大し、判明した陽性者を隔離すること。
(B)隔離は自宅ではなく、ホテル等の宿泊施設とすること。
の2つです。

(A)PCR検査数を大幅に増大し、判明した陽性者を隔離すること。
PCR検査数の増大が遅々として進まない理由については、全く理解できません。
外出自粛はいつまで続くか』にも書いたように、日本でも対応は可能だと思うのですが、それができない理由の説明を聞くことができません。
そもそも、マスコミでは「目標検査能力:2万人/日」としていますが、根拠はどこにあるのでしょうか。ただ安倍総理が口走っただけで、根拠は示されていません。
そこで私が算出してみました。
「1ヶ月後ぐらいには、諸外国の実績である、人口の1%程度の検査を終わらせよう」
人口の1%は120万人。それを30日でこなすとすると4万人/日。検査最大能力に対して可能能力がせいぜい40%とすると、必要な検査最大能力は10万人/日。
こうして目標能力が明らかになったので、あとはそのために何が必要かです。
「検体採取能力:4万人/日」「検体運搬能力:4万人/日」「PCR検査能力:10万人/日」それぞれについて、何がネックで、どうしたらに到達できるのか、を定量的に検証していけば良いのです。
「検証をだれがやるのか」が問題です。本来は厚労省であり、それ以外には思いつきません。その厚労省が疲弊して使い物にならないのだとしたら、日本の悲劇です。厚労省は、アベノマスクの配達やクラスター対策班随行などの業務はやめて、政策の立案と、必要な予算の獲得に業務を集中すべきでしょう。

(B)隔離は自宅ではなく、ホテル等の宿泊施設とすること。
3月末まで、陽性者は軽症を含めて全員入院させていました。厚労省は4月初めになってやっと、軽症者を入院以外とする許可を出しましたが、原則は自宅療養、例外的にホテル等の宿泊施設、という扱いでした。
厚労省は最近になって、自宅療養の陽性者が死亡した事例が生じてやっと、宿泊施設を原則とすることに方針変更しました。
私が「軽度陽性者の扱い PCR件数が増えない 厚労省が機能不全」にて、家庭内感染、医師や看護師の感染を防止するためには、ホテルなどの宿泊施設の利用を原則とし、自宅隔離を例外とすべき、と記したのは4月4日です。それから20日もたって、やっと政策変更が実現しました。

一方、田村憲久・自民党「新型コロナ対策本部」本部長が最近テレビ出演中に「本人が自宅療養を希望したら、『ホテルへ行け』と強制することができない。」と発言していました。私は「今頃国会議員がそんなことを言うか」とびっくりしてしまいました。
私が「新型コロナ陽性者は軽症でも強制入院」(3/15)、「新型コロナ軽症の陽性者を自宅隔離できるか」(3/16)に書いたように、感染症法の19条には以下のように規定されています。
『(入院)
第十九条 都道府県知事は、新型コロナウイルス感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該感染症の患者に対し感染症指定医療機関(・・・ )に入院し、又はその保護者に対し当該患者を入院させるべきことを勧告することができる。・・・
3 都道府県知事は、第一項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、当該勧告に係る患者を感染症指定医療機関(・・・)に入院させることができる。』
即ち、入院には強制力があります。しかし、ホテル滞在、自宅隔離に関しては、強制力を担保する条文がありません。そこで3/16の私の上記記事では、「自宅隔離(現時点ではホテル滞在)を強制できるよう、法律改正が必要」と主張しました。それから1ヶ月が経過して、上記田村議員の発言です。国会議員、それも自民党のコロナ対策本部長なのですから、1ヶ月前に気づいてさっさと法律改正しとけよ、と叫びたくなります。

西村康稔経済再生担当相は4月19日、新型コロナウイルスに感染した軽症者や無症状の人に入ってもらう宿泊施設について、全国で21万室を超えるホテルを確保したと明らかにしました。既に契約手続きが整っているのは6千室あるといいます。しかしそれにしては、首都圏でのホテルの準備が後手に回っており、自宅療養者が多数おります。実態はどうなっているのでしょうか。
ホテルで仕事する医療従事者の確保に手間取っているのでしょうか。
聞くところでは、最近、医療機関は患者が減少して困っているとのことです。そうであれば、町の診療所で開院する診療所の数を減らし、一時的に閉院した診療所の医師、看護師に集まってもらって、ホテルでの業務に従事してもらってはいかがでしょうか。もちろん、相当の対価を支払ってです。

(3)医療崩壊を防ぐために
(A)重症者受け入れ能力の増強
テレビ報道を見ていると、病院はコロナ重症者の受け入れがオーバーフローしており、医療崩壊の寸前の模様です。ドイツなどは、先手を打って重症者用の病床を確保していたようです。ベッド当たりの対価を国が支払って。ここはドイツを習って、国が対価を支払う形で、コロナ重症者のための能力大幅増強を進めるべきでしょう。できない理由が分かりません。

(B)院内感染の防止
慶応大学病院で、コロナ以外の入院者の6%が陽性でした。これを野放しにしていたら、院内感染が発生するのは必定です。院内感染を防止するには、少なくとも入院者の全員についてPCR検査を行うべきです。
ところが、「無症状でも保険適用可 PCR検査、医師判断で 厚労省」(4/24(金)時事通信)によると、
『厚生労働省は24日・・、新型コロナウイルスの院内感染が増えていることに関連し、症状がない入院患者についても、医師が必要と判断した場合にはPCR検査の保険適用を可能とする方針を明らかにした。
ただ、入院患者全員に一律に実施する場合は対象外とし、』
だそうです。厚労省は「入院患者全員に一律に実施」することに反対しているのですね。センスを疑います。
病院の医療従事者は頻繁に検査することが必要です。私は「週1回」と思っていましたが、国によっては毎日検査しているようです。

以上述べましたが、いずれも、今すぐ実施すべきことは明らかで、これ以外に対策はなく、また諸外国ができているのですから日本でできない理由はないはずです。なぜ遅々として進まないのか、あきれるばかりです。
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外出自粛はいつまで続くか

2020-04-18 10:27:20 | 歴史・社会
新型コロナ感染拡大、接触6割減でも感染者数減らず
『北海道大学の西浦教授は、人と人との接触を6割減らしても感染者数は減らないとする試算をまとめました。
厚労省クラスター対策班の北海道大学・西浦教授は、人と人との接触を6割減らしても新たな感染者数は減らず、65%接触を減らした場合も感染の収束には70日以上かかり長期化。一方で、80%減らすことが出来れば1か月程度で感染を収束させることが出来ると試算しています。』

日々のテレビ報道を見ていると、上記見解を拡大して、「接触が8割減らせれば、1ヶ月後には外出自粛を解除して普通の生活に戻れる」ような雰囲気が出ています。しかし、この考え方は間違っています。

iPS研究所の山中教授「最低1年は我慢を」
『-感染者数の拡大が収まるにはどのようなケースがあり得るか。
 「三つしかない。一つは季節性インフルエンザのように気温などの理由でコロナウイルスが勢いをなくすこと。だが気温にかかわらず世界中でまん延していることからすれば、そうでない可能性は高い。そうなると後は二つ。ほとんどの人が感染して集団免疫という状態になるか、ワクチンや治療薬ができることだ。ワクチンや治療薬は1年ではできないのではないか。最低1年は覚悟しないといけない。ダッシュと思って全力疾走すると、まだ(ウイルスが社会に)残っているのに力尽きることになってしまう」』

「外出自粛、22年まで必要」 米ハーバード大が予測
『その結果、今回の流行が終わった後も、外出規制を1度だけで解除すればすぐに第2波が来ることなどが判明。感染者数のピークが救急医療態勢の能力を超えないように、断続的に外出規制を行うと、集団免疫を獲得するには22年までかかることが分かった。
 研究チームは「新たな治療法とワクチンがあれば外出規制の期間と厳しさを軽減できる」としている。しかし、制圧に成功したように見えても、24年までは再び感染が広まる可能性があり監視を続けることが必要だという。』

1ヶ月間接触を8割減らして、新規感染者数が大幅に低減して「収束」に至ったとしても、決して市中感染者数が大幅に減少したことを意味しません。少ない新規感染者数を維持するためには、接触8割減をその後も維持する必要があります。安心して外出自粛を解除して接触が元に戻れば、あっという間に新規感染者数が爆発的に増大するでしょう。

われわれが元の生活に戻れるためには、即ち接触を減らすことなく新規感染者数を低く抑えるためには、人口に占める免疫保持者の比率がある程度まで増大しなければなりません(集団免疫)。免疫を保持するためには感染しなければなりません。現時点で、接触を減らして新規感染者数を減らすと言うことは、集団免疫に到達するまでの期間が長くなることを意味します。

現在、全国的な外出自粛と、特定業種の休業自粛を行っており、経済は大幅に減退しています。国民は皆、「5月6日までの辛抱」と信じて辛抱していますが、実はこの状態が1年から2年は継続することを覚悟しなければならないのです。
そうとしたら、1年も2年も、「接触8割減」を継続することになり、経済は崩壊し、国民生活は成り立たないでしょう。もうこの辺で、経済の再開を考えなければなりません。

新規感染者数をある程度許容する中で、限界はどこに設けるべきか。
私は、「重症者数をある限界内に収め、医療崩壊が起きないように維持しつつ、その範囲内で接触減を緩和する」というクライテリアであろうと考えます。

日本は、PCR検査の数を抑制しています。その結果、市中感染者(隠れ陽性者)が高い比率で存在していることでしょう。対して韓国などは、PCR実施比率が高く、隠れ陽性者は発見されて隔離されているので、市中感染者比率は日本よりも低いものと推定されます。

新規重症者数は、接触率が高いほど多くなり、市中感染者比率が高いほど多くなるものと推定されます。
 [新規重症者数]∝[接触率]×[市中感染者比率]
従って、新規重症者の数を、医療崩壊が起こらない範囲内に維持するに際し、市中感染者比率が低いほど、接触率を上昇させることが可能になる、ということです。

そこで提言です。
PCR検査数を大幅に増大し、市中感染者(隠れ陽性者)を検出して隔離施設に入ってもらい、市中感染者比率の低減すべきです。そして、市中感染者比率の低減が確認できたら、その時点で、少しずつ外出自粛要請や休業要請の程度を減じて、経済の再開に向かうことができるでしょう。

多くの国民は、5月6日になっても外出自粛が解除されず、今後1年から2年続くと知ったら、大変なことになるでしょう。
一刻も早く、PCR検査の大幅増大を実現し、市中感染者比率の低減に努めるべきです。お手本は隣国韓国にあります。
[検体採取箇所]
今は、ドライブスルーだけに注目が集まっています。しかし韓国では、ドライブスルーよりも、ウォークスルー的な検体採取場所の数が10倍近くに上っています。日本において、車社会である地域はドライブスルーでいいでしょうが、東京のような大都市は、このウォークスルーを模範とすべきです。
[採取した検体の運搬]
多数配置した検体採取箇所から、採取した検体を検査基地に運ばなければなりません。ウーバーイーツに大量発注して運搬してもらう手があります。世の中には休業で職を失った人があふれています。この人たちに運転手をしてもらうのです。
[検査能力]
理由は分かりませんが、日本は検査能力を増大できない特殊事情があるのかもしれません。諸外国ができているのに日本だけできない理由は理解不能ではありますが。しかし、本当に検査能力増大が難しいのであれば、韓国との間に毎日多くの臨時便(航空機)を飛ばして、韓国にPCR検査を依頼する、という手が残っています。アベノマスクに466億円出せるのですから、この程度の支出は可能でしょう。
[日本の特殊事情(BCG)]
日本は、BCGが義務化され続けており、それもBCG株として日本株を使用してきた結果として、新型コロナに感染しづらく、また重症化しづらい体質を得ていた可能性があります。これは本当にラッキーでした。このような僥倖も加味され、PCR検査数を増大して市中感染者数を低減しさえすれば、欧米よりも早く、経済活動を元の状態に近くまで戻せるかもしれません。
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BCG接種を受けているか

2020-04-05 12:03:49 | 歴史・社会
BCGと新型コロナの関係で記事にしたように、BCG接種を行った人は新型コロナにかかりにくい、あるいは重症化しにくい、と話題になっています。
日本型BCGで新型コロナの免疫ができる?
BCG接種で新型コロナの感染は防げるか

これらの記事で、「70歳以下の日本人はBCG接種を受けている」とされています。私は71歳です。さて、BCG接種を受けているのでしょうか。
ウィキには、
『1951年、結核予防法が施行となり、法律による経皮接種が開始された。ツベルクリン反応検査の皮内注射を行い、陽性以外の(陰性や疑陽性の)反応の場合、経皮接種が行われた。接種時期は、幼児期、小学生、中学生の3回であった。』
とあります。
私の小学校時代の記憶では、ツベルクリン反応検査は話題となっており、その検査で陰性であればBCG接種を受ける、陽性に転じた(陽転)ならば結核免疫を取得した、とされていることは記憶しています。陽転した年はプールには入れない、ということも。しかし、自分がBCG接種したかどうか、確かな記憶がありません。

上腕部にBCG接種すると、その痕跡がずっと残ります。そこで調べて見ました。左腕には見つからず、右腕に見つかりました。そこで安心していたのですが・・・。

腕の傷痕で年齢がわかる~予防接種に歴史あり 2017/09/20に、
種痘は恐ろしい感染症・天然痘を防ぐ予防接種です。明治42年以来種痘を義務化し、・・・昭和51年に種痘義務化は中止・・・。
1歳と6歳頃に接種しますから、昭和49年以前生まれは痕があり、昭和50年以降生まれの人にはないことになります。
ただ例外を除き右腕接種だった(1)ので、この場合左右が違います。』
『他に腕に痕を残す予防接種といえばBCGです(2)。調べてみると、昭和42年より前は皮内注射で左上腕に接種していたことがわかりました(3)。これは種痘に似た円形痕が残ります。そして昭和42年以後は現在と同じ管針法、9個の点状痕が残るいわゆるハンコ注射にとってかわったのです。』

ということは、私の右腕の痕跡は、BCGではなく、種痘の痕跡ということになります。そこで再度、左腕を確認したところ、ありました、左肩の部分に紛う方なき痕跡が。左下写真、ほぼ中央やや上でちょっと色が薄い円形部分です。
ついでに右腕の傷跡は右下写真です。これが種痘の跡になるのでしょうか。
   
 左腕(BCG接種痕)中央やや上   右腕(種痘接種痕)左2カ所

ということで、私もBCG接種をしていたことが明確となり、一安心しました。
それにしても、BCG日本株のおかげで、日本人が新型コロナウイルスに感染しにくい、あるいは重症化しにくいということだとしたら、日本および日本人(安倍政権も)は何とラッキーだったか、と驚愕せざるを得ません。
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軽度陽性者の扱い PCR件数が増えない 厚労省が機能不全

2020-04-04 14:30:47 | 歴史・社会
《軽症の陽性者 自宅・施設で療養》
やっと、厚労省は軽症の新型コロナ陽性者を自宅・施設など病院以外で療養する方針を打ち出しました。

1.すでに3月1日に厚労省から都道府県への事務連絡にて
『地域での感染拡大により、入院を要する患者が増大し、重症者や重症化するおそれが高い者に対する入院医療の提供に支障をきたすと判断される場合、次のような体制整備を図る。
・・・
② 高齢者や基礎疾患を有する方、免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方、妊産婦以外の者で、症状がない又は医学的に症状が軽い方には、PCR 等検査陽性であっても、自宅での安静・療養を原則とする。
とのスタンスを示していたのに、その後この方針を撤回し、やっとのことで4月になってから、実行に移すことになりました。
この1ヶ月間、厚労省は何をやっていたのでしょうか。

2.自宅かホテルか
4月4日付け新聞記事によると、イタリアは軽症者を自宅療養させ、地元のかかりつけ医が治療する方針をとっていたところ、家庭内感染、医師や看護師の感染が急増して地域医療が破綻したとあります。このような実情が明らかになっている現時点で、なぜ、自宅療養が原則なのでしょうか。ホテルなどの宿泊施設の利用を原則とし、自宅隔離を例外とすべきでしょう。本人が自宅を希望し、かつ家族に感染させにくい環境が実現できる人のみに、自宅での療養を許可すべきと考えます。

3.ホテルなどの宿泊施設でのスタッフ要員
この仕事をしようとの志を有し、かつこの仕事に専任できる時間を有している人で、適任者を幅広く集めるべきと思います。
その点で、航空会社のキャビンアテンダントは適任ではないでしょうか。救命救急の素養を身につけているというし、今は飛行機が飛んでいません。志のある人を募ってみては、と思います。

ps4月10日
航空会社の客室乗務員が防護服の縫製支援 新型コロナ対策 2020年04月08
これにはびっくりしました。縫製作業であれば、仕事が減っている縫製業者に出すべきでしょう。なぜCAなのか、理解に苦しみます。上記のように、ぜひコロナ陽性者のお世話の仕事に手を挙げてほしいです。感染の危険があるので本当に申し訳ありませんが。(ps終わり)

4.連絡手段
ホテルにしろ自宅にしろ、陽性で退院する人には、それぞれスマホを渡しておきます。担当医師からの定期的検診、容態急変時の連絡手段として好適でしょう。


《PCR検査の数が増えない》
経路不明の陽性者の数が急増しています。病院の院内感染も危機的状況です。現時点では、幅広くPCR検査を行い、野放しになっている陽性者を見つけ出して隔離することが最重要であることに異を唱える人は少なくなりました。例えば、風邪の症状を訴えて医院を訪れる人は全員検査を行う、病院に滞在する人は例外なく検査を行う、といった方策が考えられます。
しかし、検査の数は一向に増大しません。いろいろと理由が説明されます。

1.陽性者が急増すると医療崩壊するから検査を控えている。
→軽症の陽性者は入院させない方針が出たのですから、この理由は解決済みです。

2.かかりつけ医が検査したのでは、逆に感染を増大させる。
(1)軽くない風邪症状の人は、風邪か、インフルか、はたまた新型コロナか、の区別がつかないから医者へ行くのです。「新型コロナの疑いが濃厚」と断定できるような人はあまりいないはずです。現時点では、風邪症状で医院を訪れた人の全員にPCR検査をすべきでしょう。
(2)「かかりつけ医から別の発熱外来へ行って、あるいは最初から発熱外来へ行ってPCR検査を受ける」というルートしか用意できない場合には、発熱外来へのアクセスが容易であることが必要です。そのためには、東京都内に相当多数の発熱外来を設けることが必要になるでしょう。
(3)韓国が実現したような、電話ボックス型の検体採取装置を、かかりつけ医のレベルで設けるのがよろしいと思います。韓国から緊急かつ大量に輸入してはいかがでしょうか。
(4)風邪の症状でかかりつけ医を訪問した人に対しては、インフルか否かを急いで判定する必要があります。インフルは早期治療が必要だからです。ところが、新型コロナのPCR検体採取が危険として忌避することは、同時に、インフル検査も忌避することになります。これではかかりつけ医の機能が損なわれます。この点からも、各かかりつけ医が電話ボックス型検体採取装置を備え、インフル検査もこの装置で行う、ということの必要性が明らかです。

3.採取した検体を検査機関に輸送する能力がネックとなっている。
→韓国でできているのに、なぜ日本ではできないのか、そこを明らかにすれば問題は即座に解決するはずです。

4.別の検査方法(もっと早く結果を出す方法、抗体検査方法)を開発中である。
→別の方法の開発と並行して、現在可能な方法の実施数を増大すべきです。

5.PCR検査は精度が悪い。
→「新型コロナ 話題2つ」で書いたように、われわれが入手できるデータからでもPCR検査の精度が良好であることがわかります。感度(偽陰性にならない率)、特異度(偽陽性にならない率)ともに、90%を超えていることは明らかです。これだけの精度があれば、目的は十分に達せられます。

《厚生労働省は大丈夫か》
現在、日本の新型コロナ対策がこれだけ後手後手に回っている最大の理由は、厚生労働省が機能不全に陥っているからではないか、と強く危惧します。
ダイヤモンドプリンセス号の対応で疲弊し、国会議員からの質問攻勢への対応で疲弊し、新型コロナ感染者の急増対応で疲弊していることでしょう。その結果、緊急で対応すべて案件が持ち込まれても、反応できないような状況に陥っているのではないか。軽症者を病院以外で療養させる方策、PCR検査を増大させる方策のいずれもが遅々として進まない理由も、これで説明できます。
今の日本は、厚労省が機能不全に陥ったことに起因して、非常に不幸な状況を被る結果になっているようです。残念なことです。
このような危機的状況においては、上に立つ者は、実務者をいかに雑務から解放し、必要不可欠な業務に専念させるか、という気配りが最も大切です。おそらく、そのような気配りはなされていないのでしょう。
「布製マスク2枚を各世帯に郵送する」話、発端は経産省官僚だったはずですが、実務は厚労省が担うのでしょうか。少なくとも昨日の報道では厚労大臣が説明を行っていました。こんな仕事を厚労省の役人に命じるなど、現時点の役割分担としては最悪です。

ps 4月7日
国会も緊急事態対応しないと現場が死ぬ
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