本年9月、私は『菅次期政権による霞ヶ関支配』(2020-09-14)において以下のように論じました。
安倍政権時代、管官房長官による、内閣人事局を濫用した霞ヶ関に対する強権政治により、まずは官僚が官邸忖度となり、森友問題では「安倍案件」というだけで官邸からの指示もないのに森友側に優遇を図りました。そしてそれが公になると、今度は公文書改竄という恐ろしいことまで行いました。
片山善博氏(元総務大臣)曰く『かつての官僚組織には問題もありましたが、プロフェッショナルとして国民に奉仕するという気概を持った方もたくさんいました。内閣人事局が悪用されている現在よりも過去の方が相対的にマシです。
役所のいいところを潰してしまいました。今の霞が関の雰囲気はこうです。国民のためではなく政権に言われたことをやる。それで失敗したら官邸のせいにして留飲を下げる。国民のためにならないのであれば、直言する気骨が失われてしまいました。』
そしてその弊害は、コロナ対策において顕著な弊害として現れました。コロナにおいては、厚労省が一丸となって強力な政策を打ち出すべきところ、厚労省は何もなしえませんでした。
舛添要一氏(元厚労大臣)曰く、舛添氏が厚労大臣のとき、『優秀な官僚を抜擢して厚労省の大改革を断行した。2009年夏の総選挙で政権が民主党に移り、その後2012年12月の総選挙で自民党が政権に復帰した。民主党政権下でも、私が抜擢した優秀な幹部官僚は大活躍したが、その後を継いだ安倍政権は「民主党政権に協力した」という理由で、彼らを左遷してしまった。その結果、厚労省は幹部に人材が欠け、今回の新型コロナウイルス対策でまともな対応が取れないのである。』
以上のように、総務省と厚労省については、それぞれの元大臣の証言によって霞が関官僚の劣化が示されました。
今回、以下の記事で、農水省についても同様の惨状であることが示されました。
「Go To」が大失敗したのは、安倍・菅政権の「官僚イジメ」のせいだった
12/29(火) 現代ビジネス
『ある農水省OBはこう嘆く。
「菅総理が官房長官時代、農水次官に『壊し屋』とあだ名された奥原正明氏を送り込み、敵対する幹部を根こそぎ排除した結果、まともな人材がいなくなった。残っているのは官邸と大臣の顔色ばかり見て、国民や業界のことなど顧みないヒラメ官僚だけだ。能力的にも、今では農林族議員への根回しなどをまともにやれるような事務官も払底していて、先は暗いと言わざるを得ない」
菅氏は総理となっても、自らの意向にそぐわない官僚を異動させると公言し、霞が関全体を恐怖で支配している。「官僚というのは給料が半分になっても昇進したい生き物」(全国紙政治部記者)なだけに、各省幹部級職員の「ヒラメ化」が急速に進んでしまうのはやむを得ない。
昭和の時代のように、官僚が圧倒的な権力を持つのもおかしいとはいえ、近代国家という枠組みが続く限り、官僚のレベルが社会の質に直結することも事実だ。』
コロナ関連のニュースを毎日見ていると、菅総理については、危機管理におけるリーダーシップ能力が著しく欠けていることが明らかです。以前であれば、たとえ総理が無能であっても、霞が関官僚が力を発揮して最悪の事態を防ぐこともできたでしょう。しかし現在は、総理も無能、官僚機構も崩壊しており、日本はなすすべもなく右往左往するばかりです。
安倍政権時代、管官房長官による、内閣人事局を濫用した霞ヶ関に対する強権政治により、まずは官僚が官邸忖度となり、森友問題では「安倍案件」というだけで官邸からの指示もないのに森友側に優遇を図りました。そしてそれが公になると、今度は公文書改竄という恐ろしいことまで行いました。
片山善博氏(元総務大臣)曰く『かつての官僚組織には問題もありましたが、プロフェッショナルとして国民に奉仕するという気概を持った方もたくさんいました。内閣人事局が悪用されている現在よりも過去の方が相対的にマシです。
役所のいいところを潰してしまいました。今の霞が関の雰囲気はこうです。国民のためではなく政権に言われたことをやる。それで失敗したら官邸のせいにして留飲を下げる。国民のためにならないのであれば、直言する気骨が失われてしまいました。』
そしてその弊害は、コロナ対策において顕著な弊害として現れました。コロナにおいては、厚労省が一丸となって強力な政策を打ち出すべきところ、厚労省は何もなしえませんでした。
舛添要一氏(元厚労大臣)曰く、舛添氏が厚労大臣のとき、『優秀な官僚を抜擢して厚労省の大改革を断行した。2009年夏の総選挙で政権が民主党に移り、その後2012年12月の総選挙で自民党が政権に復帰した。民主党政権下でも、私が抜擢した優秀な幹部官僚は大活躍したが、その後を継いだ安倍政権は「民主党政権に協力した」という理由で、彼らを左遷してしまった。その結果、厚労省は幹部に人材が欠け、今回の新型コロナウイルス対策でまともな対応が取れないのである。』
以上のように、総務省と厚労省については、それぞれの元大臣の証言によって霞が関官僚の劣化が示されました。
今回、以下の記事で、農水省についても同様の惨状であることが示されました。
「Go To」が大失敗したのは、安倍・菅政権の「官僚イジメ」のせいだった
12/29(火) 現代ビジネス
『ある農水省OBはこう嘆く。
「菅総理が官房長官時代、農水次官に『壊し屋』とあだ名された奥原正明氏を送り込み、敵対する幹部を根こそぎ排除した結果、まともな人材がいなくなった。残っているのは官邸と大臣の顔色ばかり見て、国民や業界のことなど顧みないヒラメ官僚だけだ。能力的にも、今では農林族議員への根回しなどをまともにやれるような事務官も払底していて、先は暗いと言わざるを得ない」
菅氏は総理となっても、自らの意向にそぐわない官僚を異動させると公言し、霞が関全体を恐怖で支配している。「官僚というのは給料が半分になっても昇進したい生き物」(全国紙政治部記者)なだけに、各省幹部級職員の「ヒラメ化」が急速に進んでしまうのはやむを得ない。
昭和の時代のように、官僚が圧倒的な権力を持つのもおかしいとはいえ、近代国家という枠組みが続く限り、官僚のレベルが社会の質に直結することも事実だ。』
コロナ関連のニュースを毎日見ていると、菅総理については、危機管理におけるリーダーシップ能力が著しく欠けていることが明らかです。以前であれば、たとえ総理が無能であっても、霞が関官僚が力を発揮して最悪の事態を防ぐこともできたでしょう。しかし現在は、総理も無能、官僚機構も崩壊しており、日本はなすすべもなく右往左往するばかりです。