LUNACY

cygnus' blog

『蟻の王』"Il signore delle formiche"

2023-12-04 08:02:42 | 映画_2013-
恵比寿ガーデンシネマ

イタリア映画。ブライバンティ事件を元にしたストーリー。
同性愛がまだ公的に迫害されていたころの同性愛者の愛の物語。師弟愛も絡んでいる。
そして、第2次大戦後のイタリア共産党と左翼運動。チラリとイタリアの南北問題。
タイトルは、意訳せずにそのままの訳みたいだね。

いまは、日本が人権問題的に遅れているよなぁと思いつつ。
それでも、いまの日本は、強制?矯正?入院や裁判(教唆罪)などにされなくて済む、気持ちに正直に生きられる度合いの高くなった社会でよかったとも思ったり。

ただ、ひとつ気になっているのが、このストーリー、上流階級のお話だよね?労働者階級のお話ではないよね?そこは見落とさないほうがいいかも。

それから、イタリアでの、映画(含めた)文化人×同性愛×事件となると、どうしても主人公とパゾリーニが重なってしまうかな。


映画のラストに「アイーダ」のラストを被せてきていたけれども、ラダメスとアイーダのように、せめて、あの世では一緒に幸せにということを準えたのかな。
というか、シェークスピアのロミジュリのように、イタリア人には「アイーダ」か愛の物語の手本ということかも。
他に、詩(と朗読)がよく出てくるのも(ヨーロッパの)文化的な背景かなと思う。

キャスト的には、教授の寵愛を受ける若者が新人なのかな。
スザンナ役のおばあさんの演技が好い!
あと、記者役のお兄さんも以前に別の映画で見かけた気がする。

街並みもロケだと思う(しかし、イタリアにはチネチッタもあるからな...)。美しい北イタリアのイメージを崩さない。
音楽もちと過剰気味にも思ったけれど、まぁいいかな。
とにかく、イタリアの映画監督の巨匠たちの影響をあちこちに(雰囲気も含めて)感じました。

Comment    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「サタデー・フィクション」/... | TOP | 「キリエのうた」 »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。