店が全く売れないから、マネキンに服を着せて架空の宮崎あおいをでっちあげて、人格を作りあげて蒼井優の出待ちをするウソンコラジオ物語。
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「ヤバオ!はやく、こっち来なよ」
わけのわからないトンチキな重ね着をひたすら繰り返したチョロ子がヤバオを呼び付ける。
「そこで座って待ってるか、タワレコ行ってからメールして」
プイ顔でGapやら&Aやらで買い物をしたいチョロ子はバイト代をにぎりしめてせっかく日曜の新宿にやってきたのに、スネまくっている。今日は着回しのできるワンピースとボレロとレギンス、できれば夏まで使えそうなミュールも買いたいと思ってたのに、ヤバオがつれなくてむかつく。
今日もオシャレ勘違いで、薄紫色のスカート(1000円)に気が狂ったような蛍光ピンク色したチュチュ(800円)を重ねて着るトンチのきいたセンスにヤバオが気がついてない。何も言ってくれない。その事にキーキーしてながら洋服を見てるから何も見えてこない。それどころかガラスの向こうに見える駅に向かうエスカレーターの入口でキャバ嬢募集のティッシュを配ってるギャル男が着てるダサいネルシャツの上から着てる黒いベストがカッコイイなぁーと思う。
ヤバオは安室奈美恵のドクタードクターと医者が必要なのかなんなのかわからない新譜を試聴しながら、試聴機のヘッドフォンの使い方のイラストがいつ見ても怖いなあと思いながら、後ろで待ってる待ちきれない女が、もう一つのヘッドフォンを耳にあてたのをみて、動揺してないフリをする。今このタワレコで安室奈美恵を聞いているのは俺達二人だけだ。これは恋になりえる。心拍数が安室のBPMと重なり、ドキドキして堪らなくなる。チョロ子と一緒に来てる事すら忘れてしまい、どうにかヘッドフォンの女の顔を確認する方法を考えるが、真横過ぎて黒いコートだかワンピースだかを着てる事しかわからない。見ないように見ようとするが、ヘッドフォン子から武士道未経験のヤバオにもギンギンに伝わる隙のなさに怯えて横を向けない。仕方がねぇ、ヤバオは関心あるフリをして安室奈美恵のCDを手にしてセロファンの反射を利用してヘッドフォン子の顔をどうにか確認しようと角度をあちこち探すがなかなかヘッドフォン子の顔が見つからない。
チョロ子は気がついたら店を出て、ギャル男を眺めすぎて、いろんなルールに気がついた。ベストがイカしたギャル男は女にだけティッシュを配ってると見せ掛けて、おばさんや女の子には渡さないどころか、ある程度かわいい女の子にだけ渡している。しかも真横の横顔しか確認せずにナイスタイミングで渡しながら、拒否されてもすぐに次の女の子に渡すのではなく、きちんと横顔確認をして渡している。
「出来るなコイツ」
チョロ子はティッシュ男が次は誰に渡すかの予想を立てながら、チョロ子の予想とティッシュ男が渡す女と一致するのが重なるのを重ねていくうちにティッシュの好みがわかって来た。そして、
「あたしもティッシュ欲しい」
言わばオーディションの始まりだ。店に戻り1番最初に目についたワンピースを掴んで店員に試着することを告げて試着室に入り気が狂った蛍光チュチュ(800円)を脱いでワンピースとカーディガンがコラボしたような服のボタンを全て閉めて薄紫色のスカートを臍よりも上に上げてチラ見せ度と女を上げて薄緑の半袖パーカーをやや見せしながらさりげなく胸を強調して完璧なキメ顔をして鏡を見てパッチリお目目を作りあげてる最中に、
「どんな感じですか」
いけねぇ、試着室にいることを忘れてたのと、試着するワンピースを一切触ってなかったから、わざと少しだけハンガーからずらして着た後の雰囲気を出してみる。
「よし、オッケー」
思わず声に出してしまったせいでワンピースを買う羽目になりそうだったが、どうにか愛想笑いを二、三発入れてかわした。
店を出て階段を下りながら、すぐにエスカレーターに乗ったらあやしいからティッシュ男の視界から消えるところでしばし観察しながら、ティッシュを興味なさそうに受け取る練習を手先だけやってみる。
つづく
●●●●
何やってんだか、店が暇すぎて妄想ランド大爆発じゃねぇか!まだまだ楽しみたいので、読んだ方はまだこの物語が終わるまで買わないでくださいね。
いよっ!矛盾野郎!
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「ヤバオ!はやく、こっち来なよ」
わけのわからないトンチキな重ね着をひたすら繰り返したチョロ子がヤバオを呼び付ける。
「そこで座って待ってるか、タワレコ行ってからメールして」
プイ顔でGapやら&Aやらで買い物をしたいチョロ子はバイト代をにぎりしめてせっかく日曜の新宿にやってきたのに、スネまくっている。今日は着回しのできるワンピースとボレロとレギンス、できれば夏まで使えそうなミュールも買いたいと思ってたのに、ヤバオがつれなくてむかつく。
今日もオシャレ勘違いで、薄紫色のスカート(1000円)に気が狂ったような蛍光ピンク色したチュチュ(800円)を重ねて着るトンチのきいたセンスにヤバオが気がついてない。何も言ってくれない。その事にキーキーしてながら洋服を見てるから何も見えてこない。それどころかガラスの向こうに見える駅に向かうエスカレーターの入口でキャバ嬢募集のティッシュを配ってるギャル男が着てるダサいネルシャツの上から着てる黒いベストがカッコイイなぁーと思う。
ヤバオは安室奈美恵のドクタードクターと医者が必要なのかなんなのかわからない新譜を試聴しながら、試聴機のヘッドフォンの使い方のイラストがいつ見ても怖いなあと思いながら、後ろで待ってる待ちきれない女が、もう一つのヘッドフォンを耳にあてたのをみて、動揺してないフリをする。今このタワレコで安室奈美恵を聞いているのは俺達二人だけだ。これは恋になりえる。心拍数が安室のBPMと重なり、ドキドキして堪らなくなる。チョロ子と一緒に来てる事すら忘れてしまい、どうにかヘッドフォンの女の顔を確認する方法を考えるが、真横過ぎて黒いコートだかワンピースだかを着てる事しかわからない。見ないように見ようとするが、ヘッドフォン子から武士道未経験のヤバオにもギンギンに伝わる隙のなさに怯えて横を向けない。仕方がねぇ、ヤバオは関心あるフリをして安室奈美恵のCDを手にしてセロファンの反射を利用してヘッドフォン子の顔をどうにか確認しようと角度をあちこち探すがなかなかヘッドフォン子の顔が見つからない。
チョロ子は気がついたら店を出て、ギャル男を眺めすぎて、いろんなルールに気がついた。ベストがイカしたギャル男は女にだけティッシュを配ってると見せ掛けて、おばさんや女の子には渡さないどころか、ある程度かわいい女の子にだけ渡している。しかも真横の横顔しか確認せずにナイスタイミングで渡しながら、拒否されてもすぐに次の女の子に渡すのではなく、きちんと横顔確認をして渡している。
「出来るなコイツ」
チョロ子はティッシュ男が次は誰に渡すかの予想を立てながら、チョロ子の予想とティッシュ男が渡す女と一致するのが重なるのを重ねていくうちにティッシュの好みがわかって来た。そして、
「あたしもティッシュ欲しい」
言わばオーディションの始まりだ。店に戻り1番最初に目についたワンピースを掴んで店員に試着することを告げて試着室に入り気が狂った蛍光チュチュ(800円)を脱いでワンピースとカーディガンがコラボしたような服のボタンを全て閉めて薄紫色のスカートを臍よりも上に上げてチラ見せ度と女を上げて薄緑の半袖パーカーをやや見せしながらさりげなく胸を強調して完璧なキメ顔をして鏡を見てパッチリお目目を作りあげてる最中に、
「どんな感じですか」
いけねぇ、試着室にいることを忘れてたのと、試着するワンピースを一切触ってなかったから、わざと少しだけハンガーからずらして着た後の雰囲気を出してみる。
「よし、オッケー」
思わず声に出してしまったせいでワンピースを買う羽目になりそうだったが、どうにか愛想笑いを二、三発入れてかわした。
店を出て階段を下りながら、すぐにエスカレーターに乗ったらあやしいからティッシュ男の視界から消えるところでしばし観察しながら、ティッシュを興味なさそうに受け取る練習を手先だけやってみる。
つづく
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何やってんだか、店が暇すぎて妄想ランド大爆発じゃねぇか!まだまだ楽しみたいので、読んだ方はまだこの物語が終わるまで買わないでくださいね。
いよっ!矛盾野郎!
または続きすっ飛ばして第2話。
岐阜の親戚の実家は快適なネット環境で、
1年ぶりくらいに優雅にインターネット出来て、
週に1度シランプリ行くより(不在も多いけど)
ネット出来るほうがヒカルさんの近況わかる。
最近、忙しいんですね!あんまりわかってなかった!
美術手帖あわてて買いに行ったら田舎の本屋にはなかった!!
早く東京に戻りたい!!