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感想:『刀語 第五話 賊刀・鎧』

2009年12月06日 21時51分07秒 | 本と雑誌
刀語 第五話 賊刀・鎧(ゾクトウ・ヨロイ) (講談社BOX)刀語 第五話 賊刀・鎧(ゾクトウ・ヨロイ) (講談社BOX)
価格:¥ 1,155(税込)
発売日:2007-05-08


新勢力に新キャラクターと仕切り直しを思わせる第5巻。それだけにラストの戦闘にピークを持っていくという構造が弱まり盛り上がりには欠けた。
前巻が奇想天外でインパクトがあっただけに、繋ぎの印象を受けるこの5巻は物足りなさが残る。質が劣るわけではないが、面白かったのは「ちぇりお」ネタくらい。あとは伏線の先行きに期待するのみ。(☆☆☆)




これまでに読んだ西尾維新の本の感想。(☆は評価/最大☆10個)

クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い』(☆☆☆☆☆)
新本格魔法少女りすか』(☆☆☆☆☆☆)
新本格魔法少女 りすか2』(☆☆☆☆)
クビシメロマンチスト―人間失格・零崎人識』(☆)
クビツリハイスクール―戯言遣いの弟子』(☆☆☆☆☆)
サイコロジカル〈上〉兎吊木垓輔の戯言殺し』(☆☆☆)
サイコロジカル〈下〉曳かれ者の小唄』(☆☆☆)
ヒトクイマジカル―殺戮奇術の匂宮兄妹』(☆☆)
ネコソギラジカル(上) 十三階段』(☆☆)
ネコソギラジカル(中) 赤き征裁VS.橙なる種』(☆☆)
ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い』(☆)
新本格魔法少女りすか3』(☆☆)
零崎双識の人間試験』(☆☆☆☆)
零崎軋識の人間ノック』(☆)
化物語(上)』(☆☆☆☆☆)
化物語(下)』(☆☆☆☆☆☆)
刀語 第一話 絶刀・鉋』(☆☆☆)
刀語 第二話 斬刀・鈍』(☆☆☆☆)
刀語 第三話 千刀・ツルギ』(☆☆)
刀語 第四話 薄刀・針』(☆☆☆☆☆)


感想:『ガンパレード・マーチ 5121小隊 熊本城決戦』

2009年12月06日 21時41分55秒 | ガンパレード・マーチ
ガンパレード・マーチ 5121小隊 熊本城決戦 (電撃文庫)ガンパレード・マーチ 5121小隊 熊本城決戦 (電撃文庫)
価格:¥ 599(税込)
発売日:2002-11


前作に引き続いて熊本城攻防戦が描かれている。”幻獣オリジナル”の発見を餌に幻獣をおびき寄せ包囲殲滅する作戦。5121小隊を始めとする多くの学兵部隊が囮として熊本城の防衛にあたる。彼らは捨石に過ぎず、生死の問われない存在だった。
一冊、ひたすら戦いが繰り返される。死者こそ出なかったものの、5121小隊も相次いで負傷者を出した。士魂号パイロットやスカウトだけでなく、整備兵たちまでもが銃を取り戦わねば生き残れない状況。自分たちが生き残るために、そして、「どこかの誰かの未来のために」戦う。もちろん、そんな死と隣り合わせであっても、死と隣り合わせだからこそ、若者たちの日常に賭ける思いも描かれている。

ゲームにおいて、熊本城攻防戦は、特に初心者への最初のトラップとなった。発生条件が舞との友好度のため、何も考えずひたすら舞と仲良くなると、いきなり発生してしまう。そして、それは舞の死亡フラグとほぼ同意義である。舞と共に戦ってゲームオーバーを繰り返すか、舞を見捨てて生き残るかしか選択肢がなくなってしまう。どの時点でセーブしたかにもよるが、ハマってしまうと小隊の戦力を整える暇さえ与えられない。
この戦いでの舞の戦死は俗に言う「史実」シナリオへの分岐点である。舞を失ったことで速水が「魔王」として覚醒する。第5世界のみならず、他の世界まで巻き込む恐怖の存在を生み出す起点。

本書を読みながら、そんなもう一つの If の物語を読みたくなった。プレイヤーが繰り広げた様々な5121小隊の軌跡。広崎悠意版『高機動幻想ガンパレード・マーチ』は小隊からも数々の死者が出るそんな物語。彼らの歴史は一つではない。榊涼介版もまたワンオブゼムである。(☆☆☆☆☆)




これまでに読んだ榊涼介の本の感想。(☆は評価/最大☆10個)

ガンパレード・マーチ 5121小隊の日常』(☆☆☆☆☆)
ガンパレード・マーチ 5121小隊決戦前夜』(☆☆☆☆)