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「ヴァナ・ディール通信Fact Book2」

2011年01月30日 17時29分08秒 | FF11
ファイナルファンタジーXI ヴァナ・ディール通信 Fact Book 2 (エンターブレインムック)ファイナルファンタジーXI ヴァナ・ディール通信 Fact Book 2 (エンターブレインムック)
価格:¥ 998(税込)
発売日:2011-01-28


Fact Book1は64ページと薄かったが、本書は112ページと厚みは増した。とはいえ、電撃の旅団本に比べると薄く感じるのは否めないところ。

☆New ヴァナ・ディール ニュース(22P)
2010年12月7日のバージョンアップトピックスに6ページ。26項目のトピックスが掲載されているが、情報量はいまひとつ。
『アビセアの覇者』エリアガイドが6ページ。3エリアが地図1ページと取得アートマ一覧1ページずつとなっている。地図には幽門石、マーテローのほかドミニオンオプスNPCの位置も記載。通常モンスターの配置も描かれている。アートマ一覧では注目のアートマの説明もされている。
『アビセアの覇者』型紙クエストガイド1ページ。3エリアからそれぞれ2つのクエストを紹介しているだけでほとんど役に立たない感じ。
人工アートマガイドは『禁断』『覇者』ドミニオンオプス関連の人工アートマについて1ページでまとめてある。
『アビセアの覇者』ドミニオンオプスガイド2ページ。概要、交換可能アイテム、受領できるドミニオンオプス一覧が書かれている。ドミニオンオプス一覧は地図とセットで掲載してほしかった。
新要素ガイドは、ジョブエモーション取得(必要アイテムと入手方法付き)、新たに追加された魔法、新アビリティとジョブ特性から成り2ページ。Fact1がLv80までの内容だっただけに、それ以降のまとめが欲しかったが86~90のものとなっている。
開発チームQ&Aはアビセアなどについて29項目の質問とその回答となっている。公式でQ&Aが掲載されるようになったのでありがたみは薄れた感じ。
新青魔法ラーニングリポート1ページ。追加された9種類の青魔法のラーニングについて説明している。

☆Fact1 アートマとエンシェントジェイド(18P)
アートマ概要や『禁断』『死闘』エリアアートマ一覧表、主要アートマ入手方法、エンシェントジェイドなど。アートマの詳細な効果が書かれてなかったり、『覇者』の情報がないため利用価値は低め。アートマの組み合わせとして1ページ割かれているが、役割ごとに効果的なアートマのリストなどを書いてくれた方が良かった。

☆Fact2 エンピリアン装束(40P)
各ジョブ1ページで写真、性能、強化方法、説明などが掲載されている。『覇者』エリアで入手できる胴・両手も含めての掲載。その他、型紙入手クエスト、型紙を落とすトリガーNMと時間出現NMを地図付きで紹介している。

☆Fact3 アビセア装備品とメイジャン(24P)
1ジョブ1ページで、注目のアビセア装備品とメイジャン武器2種類を紹介している。メイジャンはルート内容とお奨めのエリアの紹介なども書かれている。アビセア装備品は4つずつ挙げられているが性能と入手先が記されているだけ。一応ガイドとして各ジョブごとに説明も書かれているがかなり少なめの記述となっている。

☆コネオン出張所(4P)
レベル90少人数でNM討伐と称して、Bennu、Jaculus、Refitted Chariot、Durinn、Nidhoggとのバトルの詳細が掲載されている。




全体の印象として、スカスカといった感が強く残った。前回のバージョンアップから次回のバージョンアップまでの間になんとか作成・販売しようという狙いは理解できるが、見栄えだけ整ったようなものとなってしまった。
電撃の旅団本でも感じられたが、アビセア関連は分けてしまうと非常に使いにくいものとなってしまう。『覇者』エリアと既存の2エリアを同じように扱えない事情はあっただろうが、もう少し工夫が必要だっただろう。
また新規アビリティなどまとめたものも欲しかったがそうした情報もなし。アビセア以外はほとんど書かれていないのにアビセア関連が物足りないというなんとも中途半端な出来だった。
ヴァナ・ディール通信は何度か当たりもあったが、今回のように攻略本として外れと感じるものが多い。もう買うのを控えることになるかもしれない。

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「笑い」の価値

2011年01月27日 21時25分47秒 | アニメ・コミック・ゲーム
日本人は歴史的に四面四角だったわけではない。大衆文化としては江戸期にはかなり「笑い」を受け入れる文化があった。明治期に入り、それらを低俗なものとして位置付けたことから「笑い」の価値を貶めるようになったと言えるだろう。

それでも戦後「笑い」の価値は徐々にではあるが確実に上昇した。「お笑いタレント」は憧れの存在になったし、「お笑い」文化は日常に密接なものとなった。
それでも、重々しく深いことをありがたがる風潮は消えてはいない。

『シアター!2』に、テアトルワルツという劇場の支配人が登場する。彼はこう語る。

「演劇というものは観客に対して表現者が直に伝えられる芸術であるからこそ、深いテーマやメッセージがなくてはならん。君らのようなただ楽しいだけ、面白いだけという演劇を喜ぶような層は演劇に詳しくないのじゃないかね? 初心者ならそういう底の浅い作品でも喜んでくれるんだろうが、本当の演劇はそんな薄っぺらなものではないよ。観客と表現者が豊かなメッセージをやり取りできてこそ演劇は芸術たり得るんだ。それは時に難解なものかもしれないがね」

演劇に限らず、様々な表現形態について敷衍できるだろう。私もそう信じていた時期もあった。若気の至りと言うしかないが。

人を笑わせたり、楽しませることはそんな容易なことではない。「笑い」が評価されるものとなった現在でも、それぞれの表現形態で高く評価されるのは重々しく深い作品だ。

例えば、小説において新人の登竜門となっている賞はともかく、プロの作家の作品に対する賞というものはほとんど全てこの傾向を有している。そしてそんな賞をありがたがっている多くの人がいる。箔付けとしての価値はあるだろうが、それが作家や作品の正当な評価だとは思わない。直木賞よりも本屋大賞や読書メーターの読んだ本ランキングの方が私にとっては遥かに価値がある。

もちろん、ライトなものだけが素晴らしいと言っているのではない。難解ゆえの面白さも理解しているつもりだ。テーマの深さやメッセージ性も大切だ。ジャンルを掘り下げていく試みも評価したい。それでもまずはエンターテイメントとして作品を捉えようというのが私のスタンスとなった。


今回、1年振りで発売された『シアター!2』を読むのに合わせて前作をざっと読み返した。作品の面白さに引き込まれる一方で、改めて著者のエンタメ論に心を動かされた。『シアター!』の感想を書いたときに引用したページには今もしおりを挟んでいる。

 どんなジャンルであっても、客層を広げる可能性を持っているのは玄人好みの商品ではない。素人がカジュアルに楽しめる商品だ。カジュアルな商品こそそのジャンルの間口であって、それを軽んじる業界は廃れる。新規の客を弾くからだ。
(中略)
 プロパーに評価される商品が悪いというわけではない。それは業界で確かに必要なものだろう。しかし、それとは別に新しい客を連れてくる商品を冷遇するような業界は、決して社会のメインストリームにはなれない。分かりやすいものを軽視する風潮には、商業的に成立するために不可欠な一般客への侮蔑がある。
 自分の気に入った商品がバカにされるような業界に一体誰が金を落としたいものか。


カジュアルな作品をどれだけ評価しているかがジャンルに対する私の見方につながる。ジャンルの入り口をどれほど意識しているか。最近、コメントにそうした思いを記していただけに読み返して改めて色々と気付かされた。


昔、ギャグとシリアスの融合に強く惹かれたことがあった。『こどものおもちゃ』(原作もだが主にTVアニメ版)、『ハーメルンのバイオリン弾き』(こちらは原作のみ)が挙げられる。
ベースとなるストーリーは非常に重く苦しいものだが、そんな展開の1コマ先にストーリーを吹き飛ばすようなギャグが描かれている。それは作り手にも受け手にもパワーを要求する。テンションの振れ幅が半端ではないからだ。
その後はここまで極端な共存は知らない。シリアスの中のギャグやギャグの中のシリアスはもっと昔からあったし、今も普通に存在しているが。ギャグの中のシリアスはともかく、シリアスの中のギャグはエンターテイメントとしては非常に価値あることだと思う。シリアスを単に重く深く描くだけではなく、「笑い」の効用を活用することでよりシリアスが生きるのは間違いないからだ。

重いものを重く描いてもありがたがるのはごく一部だ。更に言えば、その重さは社会的に意味があるのかどうか疑わしい。あらゆる表現形態で現在、束の間の満足以上の何かを受け手に与えられているものがあるかどうか。権威付けは作り手と受け手の自己満足の増幅に過ぎないのではないか。
娯楽以上の何かが存在するという幻想からもう目を覚ましてもいいのではないだろうか。

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シリーズの終わらせ方

2011年01月26日 22時49分18秒 | アニメ・コミック・ゲーム
ファンが飽きるか、著者が飽きるか。コミックの場合は雑誌連載が基本のため、終わることに重きが置かれていない作品が少なくない。
作品全体として一つの落とし所に向かって収束していく構造を持った作品であっても、過程である一話一話の連載が大切であり、広げた風呂敷をうまく畳めなくても仕方ない面は確実に存在している。著者やファンはそれで納得できないかもしれないが。

こうした作品を句点型の終わらせ方とすれば、緩やかな完結を読点型の終わらせ方と呼べるだろう。卒業や恋愛成就は一つの区切りではあるがそれで終わらせるかどうかは著者の意向に過ぎないとも言える。
『らき☆すた』のように主要メンバーが高校卒業しても何も変わらないかのごとく連載が続く作品もある(でも、ある意味例外的作品にあたるだろう)。

ストーリー性に乏しい作品が終わらせるために急展開を迎えることもよくあることだ。まさに終わらせるためだけにストーリー性を導入するというのも変な話だが、『GS美神 極楽大作戦』のように大団円を迎えたあとで再びストーリー性が希薄な通常モードに戻ってしまったケースもある。

コミックである程度のシリーズの長さを持ち、調和の取れたラストを描けた作品はほとんど思い浮かばない。『ぼくの地球を守って』がそんな稀有な例だろうか。『鋼の錬金術師』は途中までしか読んでいないので、終わらせ方を評価できないのが残念だ。

TVアニメは現状企画時点で話数が決まっている場合がほとんどだろう。
昔は4クールの放映が多かったため打ち切りの憂き目を見た作品が数多かった。作り手にとっては不本意だろうが、打ち切りによって優れた終わらせ方が出来た作品もある。『宇宙戦艦ヤマト』『機動戦士ガンダム』が挙げられる。

原作のあるTVアニメでは、原作が未完の場合、曖昧な終わらせ方をするかオリジナルの終わらせ方をするかに分かれる。しかし、後者を選ぶことは少ない。続編の可能性を残したり、ファンの声を尊重するためでもあるが、そこまで踏み込む勇気のある作り手が少ないという印象を持っている。『鋼の錬金術師』(2003年版)は原作とは異なる独自の路線を突き進んだ数少ない傑作と言えるだろう。

オリジナルのTVアニメでもほとんどの場合スタート時点で結末は用意されている。TVアニメではコミックの連載のように読み手の声をフィードバックしていくのは物理的に難しい。『新世紀エヴァンゲリオン』は例外的であり、物理的な困難があのエンディングを生み出してしまった。

スタート時から結末が想定されているというのは、シリーズものではなく、一本・一冊で完結する映画や小説に近い形である。しかし、一話一話で視聴者をしっかりと惹きつけなければ最後まで見てもらえない点では連載コミックに近いものがある。
一週間の間が空くため、複雑なストーリーは視聴者に受け入れられにくいのも特徴だ。誰もが録画して見直してくれるわけではない(コミックの連載も同様だが、まだ直近のバックナンバーくらいなら読み返してもらえる可能性は高いし、コミックス派の存在もある)。
そのため、句点型のエンディングであってもオーソドックスな展開が好まれる。意外な二転三転はそう多くない。

小説のシリーズものの最大の特徴は、完結しないシリーズの多さだろう。
探偵もののように完結を前提としないシリーズもある(ポアロのように例外もある)が、完結前提のシリーズでも完結しないまま放置されているシリーズが少なくない。もちろん、著者が生きている限り(死んでも継続するシリーズだってあるが)完結の可能性はないわけではない。だが、様々な理由で書けなくなってしまう。

シリーズものが大半を占めるライトノベルではまだ編集の圧力が強いためか比較的完結に至ることが多い。一般小説の場合短いシリーズはともかく、長いシリーズは完結する例の方が少ないのではないかと思えるほどだ。「読点型」ならいざ知らず「句点型」を投げっぱなしにされては読者としてはたまったものではないが。

完結しやすいライトノベルの場合、シリーズの位置づけがコミックの連載に近く、一冊一冊での人気が重要となるためそれほど完結に重きを置いているようには見えない。
2年半近くの間を空けて完結の上下巻を上梓した『フルメタル・パニック!』はライトノベルの中ではかなり完結への高い意欲を示した作品であり、エンターテイメントとしては非常に完成度の高いエンディングを迎えた。この作品の意図である、ボーイミーツガールとして主人公の成長を描く物語としてはこれ以上のエンディングはないだろう。

完結の素晴らしさという一点においてのみ特化したような作品、それが『戦う司書』シリーズだった。
ライトノベルのデビュー一作目は新人賞への応募作品であるケースがほとんどだ。ライトノベルの性質上シリーズ化が前提とはいえ、シリーズ全体を見据えたその一作目として書かれることは稀だろう。
そんなデビュー作だったこのシリーズだが序盤は面白いと感じることは少なかった。シリーズっぽさが希薄だったのだ。同じ世界観、同じキャラクターだが、主人公が作品ごとに違ったり、シリーズ全体として向かう方向性が描かれていなかった。
それが中盤以降描かれ出してから興味を惹きはじめ、終盤の急展開の連続に呆然となった。一作目が書かれたときに著者がどこまで見通していたかは分からない。ここまで二転三転しながら全てがちゃんと収束していく、それが凄まじかった。

『フルメタル・パニック!』はSF設定もきちんと描こうとした作品だった。その点でもきっちりと完結させてはいる。ただ『戦う司書』を知っているがゆえに物足りなく感じてしまった。
繰り返すが、『フルメタル・パニック!』のエンディングはこれ以上ない出来だ。作品のテーマとしてこれ以上のものを求めるのは間違っている。それが分かってなお、あと一ひねりを求めてしまっている。

エンターテイメントにおいて、「終わり良ければすべて良し」は間違いだろう。エンターテイメントはジェットコースターみたいなものであり、走っている過程こそが大切だ。もちろん、終わったときに面白かったと満足を得られればいいわけだが。

シリーズ全体を客観的に評価するならば、『戦う司書』は『フルメタル・パニック!』よりも明らかに劣る。エンターテイメントでは一つ突出した部分があればそれはそれで十分に評価足り得るので、『戦う司書』もまた優れた作品だとは言えるが。

『フルメタル・パニック!』には2種類の短編シリーズがある。サイドアームズは本編を補完するシリーズである。一方、ギャグ主体の短編シリーズが存在する。
本編の長編とギャグ主体の短編の構図は『スレイヤーズ』を起点とした仕掛けである。『フルメタル・パニック!』では本編がシリアスになっていった後、短編の執筆は止まってしまったが。
長編の持つストーリーの面白さ。短編の持つキャラクターの面白さ。近年のライトノベルは緩やかなストーリー性の上にキャラクターの面白さを際立たせる手法が一般化した。ライトノベルに限らない。空気系アニメや四コマ系コミックの隆盛もある。

「句点型」の物語は求められているのか。
作り手はストーリー性にこだわることが多い。だが、受け手は作り手ほどストーリー性を求めてはいない。キャラクターやシチュエーションなどを消費するだけの受け手ならば、ストーリー性はむしろ邪魔だろう。

ゼロ年代男性主人公が平穏を求めているように、受け手も平穏を求めているのかもしれない。ストーリーとは平穏を乱すものだ。ゼロ年代はストーリーなしでも作品が成立することを証明した。
そんな平穏での癒しは現実逃避に過ぎない。しかし、エンターテイメントとして現実逃避を責めることに意味があるのか。
それでもなおストーリー性にこだわるのであれば、その覚悟を作品を通して見せて欲しい。

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感想:『生還まで何マイル? 迷宮街クロニクル1』

2011年01月19日 21時29分04秒 | 本と雑誌
迷宮街クロニクル1 生還まで何マイル? (GA文庫)迷宮街クロニクル1 生還まで何マイル? (GA文庫)
価格:¥ 630(税込)
発売日:2008-11-15


現代の京都。地下洞窟から魔物が溢れ出し、それを食い止めるために冒険者を募って探索することに。
地下迷宮はエーテルと呼ばれる不思議な気に満ち、それを利用して魔法が扱える。攻撃魔法を扱う魔法使い、回復魔法を扱う薬師、エーテルの動きを読んで敵の動きを探知するソナー。この三名を守るために同数の戦士を加えた6人パーティが基本となっている。
もちろん魔物に襲われれば命を落とすこともある。死亡率は14%。倒した魔物の身体を剥ぎ取って得られる収入に見合う数字かどうか。

設定のベースとなっているのは明らかに「ウィザードリィ」だ。
当然、ウィザードリィの小説化であり傑作と評されるベニー松山『隣り合わせの灰と青春』を思い起こさせる。ファンタジー小説として冒険を描いた『隣り合わせの灰と青春』と比べ、本書は冒険のシーンが非常に少ない。

第二期募集によって迷宮街にやって来た真壁啓一が主人公ではあるが、数多くの冒険者やその関係者の視点から描かれた群像劇である。真壁の日記が軸にはなっているが、多くの人々の心理を丹念に描こうという姿勢が伝わってくる。
現代日本ではありえない死と隣り合わせの日常。どれほど優秀なパーティでもあっけなく全滅する世界。

そんな死が日常にある世界ではウェットではいられない。冷たいわけではないが乾いた空気が作品全体を覆っている。こうした空気は榊涼介版ガンパレード・マーチや川原礫『ソードアート・オンライン(1巻)』でも感じられたものだ。
迷宮街や京都の空気と東京の空気の違いなどもうまく表現されている。

ただいくつか深刻な欠点がある。
群像劇であるのはいいが、あまりにも登場人物が多くすぐに誰だか認識できないケースが多かった。巻頭に登場人物紹介として18名挙げられているが、この18名以外の多くのキャラクターの視点でも書かれている。
より問題だと思ったのが、1冊の本としての完成度である。元はWeb上で発表された作品であり、全4巻で刊行された。書籍化にあたって当然加筆修正はされているが、この巻だけ読むとあまりにも起伏が乏しすぎる。作品の性質上、あくまでも四分冊の中の1冊目だとは分かるが、それでももう少し工夫できなかったものかと思ってしまった。

従ってストーリー的には本書のみで評価できることはほとんどない。設定や構成、キャラクター、雰囲気は申し分ないが、この先に何が待つのかによって作品全体への評価は大きく変わるだろう。願わくば最後まで楽しませて欲しいものだ。

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ジャンルは誰のものか

2011年01月18日 21時04分47秒 | アニメ・コミック・ゲーム
小説に限らず、あまたある作品の中から一つを選ぶ上で重要な鍵となるのがジャンルである。
ジャンルと関わりなく手に取ってもらえるのは、ごく一部の作家や作品に限られる。たいていはジャンルという情報が頼りとされる。

ジャンル不詳の作品は売れにくい。単価が高いゲームにおいて特に顕著に感じられた。もちろん、優れた作品は口コミなどによって広まっていったりはするが、発売直後に売れないとすぐに過去のものとなってしまったりする。本も同様で、ごく少数の例外以外は埋没しがちだ。

近藤史恵『サクリファイス』は自転車ロードレースを扱った作品だがミステリである。その続編の『エデン』もミステリ色は残っているが随分薄まっている。
スポーツ小説というジャンルも存在しているが、日本ではマイナーな競技を取り上げても売りにはなりにくい。ミステリとして発表した方が受け入れられやすい。
ミステリ要素の強い『サクリフェイス』を『エデン』より高く評価する声もあるが、私自身は『サクリフェイス』のミステリ部分は取ってつけたように感じた。よりスポーツ小説に近づいた『エデン』の方が楽しめた。

ジャンル化は売るためだけのものではない。
読者の興味を引き止める役割も果たす。特にミステリにおいては。上田早夕里『ラ・パティスリー』はミステリ仕立ての柱によって、単なる洋菓子店の日常に留まらない作品となっている。

ジャンルは時代と共に移り変わる。
北村薫の登場により、ミステリの中に「日常の謎」という新たなジャンルを生み出した。エンターテイメントで日常を描くのは難しかったが、これにより職場の日常をミステリ仕立てで描く手法が確立した。大崎梢は書店や出版社の営業を舞台にシリーズ化した。
坂木司『和菓子のアン』はデパ地下の和菓子屋を舞台とした「日常の謎」ミステリ。ハートウォーミングだが感動の安売りはなく、恋愛要素も乏しい。「日常の謎」でなければエンターテイメントとして成立しなかった作品と言えるだろう。

一方で、サラリーマン小説といった衰退したジャンルもある。医療や警察などを除いて、働くことを正面からフィクションとして描くことが難しい時代なのだろう。SE(システムエンジニア)の苛酷な現場を描いた『なれる!SE』が萌え要素を追加してライトノベルとして世に出たことが驚きだった。

ジャンルによって作り手と受け手の意識や距離は異なる。
例えば、ホラーは非常に広く受け入れられているジャンルだが、その人気の割にはコアなファンは少なく感じる(B級ホラー映画など一部ジャンルにはいそうだけれど)。怖いかどうかという明確な基準が存在し、それが個人のバックグラウンドに拠るものだという理由からだろうか。
ミステリはコアなものからライトなものまで広く認められている感じがする。その懐の広さが周縁の様々な作品を生み出して活力に繋がっていると思う。

ジャンルに守られていることは作り手も受け手も安心はできる。だが、ごくまれにそんなジャンルの枠を吹き飛ばす作品が現れる。
ゼロ年代を代表するフィクション・サブカルチャーを一作だけ挙げるとするならば、今の私の中では『ひぐらしのなく頃に』となる。ミステリやホラーの枠を飛び越え、小説の枠さえ逸脱した作品であり、完成度が高いとは言えないが、それでもそれまでのフィクションの常識を壊したのは確かだろう。ネット時代でなければ成立しない作品であり、ある意味電子書籍の一つの完成形でもある。

ジャンルに守られているからこそ生まれる作品もある。ミステリも懐が広いが、ライトノベルもライトノベルだからこそ描ける作品がある。成功しているとは言い難いが、新木伸『GJ部』は四コママンガのノリを小説に持ち込もうという試みだ。成年マンガの中にも、エロくさえあれば他は自由なジャンルの特性によって、ごくごく稀ではあるが他ではできない実験が繰り広げられたりしている。

エンターテイメントは面白ければそれでいい。手垢のついたものでも心地良く楽しませてくれれば十分だ。
しかし、同時に今まで出会ったことのない新しさに触れてみたいという欲求が常にある。ジャンルの規範に従った作品からは味わえない欲求である。
ゲームに対して散々言ったことだけれど、ゲームに限らず私が求めているのはそれなんだとこの記事を書いて改めて実感した。作品の評価が低くても読み続ける作家がいるのは、もしかしたらいつかそんな新しさを見せてくれると期待してのことなのかもしれない。そんな匂いを感じているのかも。




記事タイトルについて。
いいタイトルが思い浮かばず、ようやく浮かんだタイトルは記事の内容とはかけ離れたものだったけれど、これ以上考えても時間の無駄のような気がしたので、これでいくことにw

記事のタイトルと内容は無関係です。ご了承下さい(ぉぃ

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SF短編臭

2011年01月16日 18時08分24秒 | 本と雑誌
上田早夕里の長編SF『華竜の宮』を勧められたので、その前段階として他の作品から読み始めた。

『ラ・パティスリー』はSFではなくミステリに分類されるもの。殺人事件のようなハードなものではなく、「日常の謎」系でミステリ要素よりもキャラクターや舞台を前面に押し出した作品になっている。舞台は洋菓子店で主人公は新米のパティシエ。彼女の勤める店に、謎の青年が現れたことから起きた出来事を淡々と描いている。
この手のライトミステリは数多いが、理に偏った点が特徴的に感じた。登場人物たちもみな理性的で、会話も理詰めな雰囲気が漂っている。それはある種の清潔感を覚えさせるが、堅苦しさも同時に感じてしまうものだった。
SF作家が書いたと思えば納得できるものでもある。

次に読んだのがSF短編集である『魚舟・獣舟』だ。5編の短編と1編の中編が掲載されている。
表題作は『華竜の宮』と連なる世界観と聞いていたが、残念ながらこの短いストーリーの中に興味を惹かれる要素がなかった。海洋SFでは「老ヴォールの惑星」も期待外れに感じたが、感覚が合わないのだろうか。
核となるアイディアこそユニークだと思ったが、キャラクターの弱さ、生活感のなさ、世界観のつまらなさなどSFとしてはともかくエンターテイメントとして評価できるものが見当たらなかった。
最近読んだもので、SFでなくファンタジーだが、海洋ものとして圧倒的な魅力を感じたのは上橋菜穂子『虚空の旅人』。「守り人」シリーズの外伝的作品で、ジュヴナイルではあるが海で暮らす民の生活が生き生きと描かれている。

「くさびらの道」はパンデミックもの。この手の作品に接すると最初に頭に思い浮かぶのは諸星大二郎の『生物都市』だ。純粋なパンデミックものではなく、取り込まれた人々が死んでいるかどうか判然としないあたりに共通点がある。「幽霊」の設定など面白い部分もなくはなかったが、ストーリーの展開はよくあるもので驚きはどこにもなかった。もっと捻れば面白くなった気がする。

「饗応」はショートショート。残念ながらつまらないと言うしかない作品。

「真朱の街」は先端科学と妖怪が一つの街に共存する世界が描かれる。ただそういったアイディアはコミックなどではもはや常道のような世界観になってしまった。ラストの展開は嫌いじゃないが、そこまでの描写がダラダラしていて興醒め。

「ブルーグラス」は主人公の内面を淡々と描いたような作品。SFは小道具のような扱い。困ったことに主人公に全く感情移入できなかった。ほとんど読むのが苦痛といった感じ。他の短編でも感じるが、潔癖さやナイーヴさが登場人物に感じられてちょっとついていけないところがある。

「小鳥の墓」はデビュー作である『火星ダーク・バラード』の前日譚。本編は読んでいない。
SFとしてというよりもストーリーに重きが置かれている。描こうとしているものは伝わってくるが、それが面白さになっているようには思わなかった。簡単に言えば、薄っぺら。頭の中で作り上げただけで血肉が備わっていない感じ。
しかも、そうしたキャラクターや世界観がどこかで既に見たようなものばかりで、価値観を揺るがすような要素は微塵もなかった。

記事のタイトルに「SF短編臭」と付けたが、本書に限らずSFの短編特有の臭いがする作品が多い印象を受ける。まあ国内SF短編なんてほとんど読んではいないけれど。
先に挙げた小川一水『老ヴォールの惑星』でも感じた。SFプロパーが書くのだから、短い中に科学的説明を入れる必要があり、それによって雰囲気が似てしまうのは必然なのかもしれない。キャラクターやドラマにページを割くわけにもいかないだろうし。
理知的で、乾いていて、淡々としている。それが悪いわけではないが、そんな作品ばかりだと興趣が削がれる。昔が良かったなんて言いたくはないけれど、若い頃の筒井康隆や小松左京の短編にはそうした型に嵌ってはいなかった。
もちろん、今でもそうでないSF短編はあるはずだ。単に読んでいないだけのはずだ。そう信じたい。

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作品と作家と

2011年01月13日 21時57分54秒 | 本と雑誌
2009年夏以降、読書メーターに記録するようになって以来、5冊以上の作品を読んだ作家は20人(コミック除く)。そのうち、一つのシリーズのみ読んでいるケースを除くとわずか9人となる(大崎梢は厳密には二つのシリーズだが同一世界観なので一つと分類した)。
3冊以上とすると作家の数は33人となるが、一つのシリーズのみの作家を除外すると11人となり、二人増えただけである。

この10人を読んだ冊数順に並べると以下の通りとなる。

西尾維新 32冊 3.41
有川浩  18冊 5.78
東野圭吾 17冊 3.88
桜庭一樹 12冊 4.50
海堂尊  12冊 4.25
小川一水 11冊 5.18
北村薫  11冊 4.55
平坂読  10冊 4.70
米澤穂信  8冊 2.63
山本弘   3冊 6.00
宮部みゆき 3冊 3.67

右端の数字は★評価(若干修正済み)。今日までに読んだ本は417冊で平均評価は4.465。★4つを平均的な評価として考えているが、11人の作家のうち4名が4を下回っている。
もちろん一人の作家の中でも好きな作品嫌いな作品があって当たり前ではある。ただ作品と作家とはまた別の評価が存在しているのも確かである。

面白い作品を読んでも、その作家の別の作品を読みたいと思うかどうか。例えば、近藤史恵の『サクリファイス』のシリーズはとても好きな作品だが、シリーズ外の他の作品までは手を出していない。一方、常に批判している米澤穂信の作品は、二つのシリーズだけでなく単発の作品まで読んでいる。
この差はどこから生まれるのか。

コミックであればストーリーやキャラクターももちろんだが絵柄や演出の好悪が大事だったりする。小説でもやはり文体や語り口によって形成された雰囲気が大切なのだろう。
しかし、これは評論するのが難しい。東野圭吾の乾いた空気感といったところでどこまで伝わるか。東野圭吾ほどの作家ならばまだ語ることができても、他の作家であればそうした表現さえ出てこない場合もある。

西尾維新のように文体それ自体がエンターテイメント性に溢れているならばともかく、エンターテイメントの評価として文体をどこまで評価すればいいのかも難しいところだ。作品にとって文体は重要な役割を担っているが、それが必須なのかどうかは別の次元の問題にも思える。

文体は作家性の問題だ。作家と作品が分かち難いものもあるが、全てがそうというわけでもない。作品への評価を語る上でどこまで作家の名の影響を受けるべきか。海堂尊のように独立性は高いものの全ての作品がリンクするような場合はどうか。
今後の課題といったところだろうか。




2011/1/13時点での作家別の評価ポイント(3冊以上)
川原 礫 [4冊] 6.75
結城 浩 [3冊] 6.67
山本 弘 [3冊] 6.00
アサウラ [6冊] 5.83
有川 浩 [18冊] 5.78
犬村 小六 [3冊] 5.67
誉田 哲也 [3冊] 5.67
榊 涼介 [29冊] 5.38
雪乃 紗衣 [18冊] 5.22
山形 石雄 [10冊] 5.20
小川 一水 [11冊] 5.18
あさの あつこ [6冊] 5.00
奥田 英朗 [3冊] 5.00
上橋 菜穂子 [6冊] 4.83
賀東 招二 [17冊] 4.71
平坂 読 [10冊] 4.70
山本 渚 [3冊] 4.67
北村 薫 [11冊] 4.55
桜庭 一樹 [12冊] 4.50
蒼山 サグ [4冊] 4.50
竹宮 ゆゆこ [4冊] 4.50
細音 啓 [3冊] 4.33
海堂 尊 [12冊] 4.25
入間 人間 [8冊] 4.25
支倉 凍砂 [14冊] 4.07
東野 圭吾 [17冊] 3.88
仁木 英之 [4冊] 3.75
宮部 みゆき [3冊] 3.67
西尾 維新 [32冊] 3.41
大崎 梢 [5冊] 3.40
新木 伸 [3冊] 3.00
米澤 穂信 [8冊] 2.63
野村 美月 [8冊] 1.38

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NFL2010-11シーズン回顧

2011年01月09日 11時37分24秒 | アメリカンフットボール
今シーズンも追いかけるのに忙しくてコメントしたりする暇が全くなかった。ざっとレギュラーシーズンを振り返っておこう。

■NFC West
1. Seattle 7-9
2. St.Louis 7-9
3. San Francisco 6-10
4. Arizona 5-11

下馬評は圧倒的にサンフランシスコだったけれど、シーズン序盤に接戦を立て続けに落として最後までモメンタムをつかむことができなかった。QBの安定感の無さやディフェンスに課題を残した。
17週の直接対決に勝利したシアトルが地区優勝。負け越しでの地区優勝という異例の結果に。この地区だから7勝出来たと言えるチーム力だが、プレイオフ初戦にニューオーリンズを破るのだから驚くばかりだ。
優勝予想に挙げたセントルイスはあと一歩まで迫った。ルーキーQBブラッドフォードを中心に攻撃は徐々に形作られてきたが、チームとしてはまだまだ再建中。でも明るい兆しはある。
ワーナー引退から激しく凋落したアリゾナは復活には時間がかかりそう。ただこの地区は強いチームがいないだけに、QBさえしっかりすれば優勝争いに加わることはできそうだが。

■NFC South
1. Atlanta 13-3
2. New Orleans 11-5
3. Tampa Bay 10-6
4. Carolina 2-14

ニューオーリンズは連覇が期待されたが11勝に留まった。昨シーズンほどの圧倒的な力強さは影を潜め、特に守備の凋落が目立つシーズンだった。
連覇が出来ないジンクス通り、優勝したのはアトランタ。QBライアンはリーグを代表するクラスまで成長した。好守にタレントを擁し、プレイオフのナンバーワンシードを獲得。
優勝予想に挙げたタンパベイは予想外の戦いぶりでプレイオフ進出あと一歩まで迫った。個々の選手は無名ながら二桁勝利は見事。QBフリーマンはNFL若手QBの中でも成長株だろう。
再建中のカロライナは2勝にとどまりリーグ最下位の成績。自慢の守備にも翳りが見えて、HCも解任し再建はリスタートとなりそうだ。

■NFC North
1. Chicago 11-5
2. Green Bay 10-6
3. Minnesota 6-10
4. Detroit 6-10

下馬評が高かったのはグリーンベイだったが、怪我人が多かったこともあり2位止まり。それでもプレイオフ進出は果たした。
優勝したのはシカゴ。DEペッパーズの加入で守備の建て直しに成功し、攻撃もパスはまだ狙い通りとはいかないがそれでもランを中心に安定した。STの強みを活かした戦いも見事。
期待されたミネソタは守備の不振や攻撃のミス多発などで沈んでしまった。昨シーズンはQBファーヴの加入が刺激となったが、今シーズンはチームのまとまりを乱す結果となってしまった。
長期低落中のデトロイトは昨シーズンの全敗からは改善されたがまだまだ上位進出は難しそう。QBスタッフォードは優れた能力の持ち主だが怪我が多すぎる。

■NFC East
1. Philadelphia 10-6
2. N.Y.Giants 10-6
3. Washington 6-10
4. Dallas 6-10

優勝候補に挙げたダラスはチームの規律の無さが改善されず、主力の怪我もあって凋落した。タレントは揃っているが、チームの再建がすんなりとなされるかは未知数。
期待されたワシントンも6勝止まり。HCの意図がチームに浸透するにはまだ時間が掛かる感じだろうか。ただHCが変わってもチームカラーは変わった感じがしないのが気になるところ。
再建に時間が掛かるかと思われたフィラデルフィアはQBヴィック主体の攻撃で地区優勝を飾った。ヴィック次第という攻撃は不安を残すが、今シーズンに関しては魅力的な攻撃だった。
ジャイアンツは10勝を上げながらプレイオフ進出を逃した。守備力の高さやOLの安定により大崩れしないのが強みだが、勢いという点で物足りなかった感じだろうか。

■AFC West
1. Kansas City 10-6
2. San Diego 9-7
3. Oakland 8-8
4. Denver 4-12

優勝候補に挙げたサンディエゴは勝つ試合は素晴らしいが、負けた試合はどうしようもないものでほとんど自滅といった感じだった。HC続投では今後も期待できそうにない。
地区優勝したカンサスシティはラン攻撃力と優秀なプレイコールで勝ちをしっかりと拾っていった。強さよりもしぶとさが目立つ戦いぶりだ。
オークランドは8勝を上げステップアップに成功した。攻守の形がようやく出来てきた感じだが、もっと上を目指すにはまだ足りないものがありそうだ。
エースQBとWRを放出して凋落していったデンバーは建て直しに相当の時間を必要としそう。この2年は何だったのかと言いたいほどだが……。

■AFC South
1. Indianapolia 10-6
2. Jacksonville 8-8
3. Houston 6-10
4. Tennessee 6-10

終わってみればインディアナポリスがいつものように優勝。怪我人も多く、決して好調ではなかったが勝つべき試合をきっちりと勝つあたりはさすが。
開幕戦でインディアナポリスを破り、勢いを得たかに見えたヒューストンは守備の弱さが改善されずに6勝に終わった。ラン攻撃が良くなったと思ったらパス攻撃が低調だったりとなかなか難しい。
優勝争いに加わったジャクソンヴィルはランを軸にいい攻撃を見せたが力不足は否めない。特に守備は建て直しが急務だろう。
QBヤングの怪我がチームを左右するテネシー。バックアップのQBコリンズも一昨年のような良さがなく、チームは勢いに乗ることなくシーズンを終えてしまった。

■AFC North
1. Pittsburgh 12-4
2. Baltimore 12-4
3. Cleveland 5-11
4. Cincinnati 4-12

下馬評の高かったボルチモア。QBフラッコは悪くはないが試合展開をブレイクする力まではない。そろそろ守備に翳りが見えてくるかと思われたが今シーズンも高い守備力は健在だった。
そのボルチモアを上回ったのがピッツバーグ。シーズン前はQBロスリスバーガーの出場停止などで不安視されたが、それが結束を固めた感じ。SSポラマルが怪我がちなのが不安材料。
5勝に終わったクリーヴランドだが、ニューオーリンズ、ニューイングランドを破り驚かせた。QBマッコイ、RBヒリスと若いタレントが出てきたのは明るい材料。ただ最後は5連敗で終わってしまい尻すぼみだったのが残念。
WRオーウェンスを獲得して話題を振りまいたシンシナティだが、シーズンは見せ場なく終わった。QBパーマーに全盛期のキレがなくなったのが心配だ。

■AFC East
1. New England 14-2
2. N.Y.Jets 11-5
3. Miami 7-9
4. Buffalo 4-12

積極的な補強が目立ったジェッツは11勝を上げてプレイオフ進出も果たした。QBサンチェスは昨シーズンよりは成長しているが、まだ物足りない状況。RBトムリンソンが予想外の復活でチームを牽引した。
プレイオフナンバーワンシードを獲得したのはニューイングランド。シーズン前は力の衰えを指摘されたりもしたが、それらを吹き飛ばす内容だった。
QBの故障に泣いたマイアミは、上位2チームに対抗するだけの力はなかった。QBヘニではこれ以上は難しいかもしれない。
長期低迷中のバッファローはいまだ再建の兆しが見えてきていない。チームの強みがまだ作れていないだけに、まだまだ時間が掛かりそうだ。




応援していたチームがことごとくプレイオフ進出を逃してしまったので、退屈なポストシーズンとなってしまった。ニューオーリンズが負けたこともあり、スーパーボウルはニューイングランド-アトランタというナンバーワンシード同士になりそうに思うがどうだろう。

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2010年に読んだ本【12月】

2011年01月05日 01時33分23秒 | 本と雑誌

背表紙は歌う (創元クライム・クラブ)背表紙は歌う (創元クライム・クラブ)
ミステリとしては、日常の謎系といっても弱い感じだけど、本にまつわるお仕事を描く姿はやはり魅力的。成風堂シリーズに比べるとキャラクターが弱いかなと思うが、前作に引き続き書き下ろし分に成風堂が関わっていてニヤリとしてしまう。
読了日:12月01日 著者:大崎 梢
★★★

これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学
久し振りに読んだ哲学関連書。講義を元にしている点や現実の問題を扱っている点で非常に読みやすい。10年前であればコミュニタリアンの思想には反発を覚えたと思うが、コミュニティの重要性は最近強く意識するようになった。それでもコミュニティを基にした道徳性・宗教性を信奉するのは怖すぎる。リベラルの限界を認識しつつ、それをコミュニタリアニズムによって乗り越えられるのかどうか。サンデルの話をもっと聞いてみたいね。
読了日:12月01日 著者:マイケル・サンデル,Michael J. Sandel
★★★★★★★感想の記事

鷺と雪鷺と雪
別宮と勝久とのやりとりはゾクリとするような感覚があった。北村薫らしい精緻な文体は素晴らしいが、それ以上の特別な何かがあるかと言えば微妙にも思う。主人公への感情移入が「円紫さん」シリーズほどできなかったせいもあるだろう。完成度は高いが、やや物足りなさも残る一冊だった。
読了日:12月04日 著者:北村 薫
★★★★

氷菓 (角川スニーカー文庫)氷菓 (角川スニーカー文庫)
小市民シリーズに比べるとマシかなあ。主人公との距離感は相変わらず好きになれないが、周りの面々が救いといえば救い。「日常の謎」の部分は悪くはなかったけど、この著者とは根幹のところで相容れないものがあるのかもしれないね。
読了日:12月06日 著者:米澤 穂信
★★

初恋ソムリエ初恋ソムリエ
地に足がついてない感じがラノベっぽく思わせる。特に「周波数は77.4MHz」の展開の端折り方は。吹奏楽部の様子は「放課後ウインド・オーケストラ」とイメージがダブるところも。一方、過去の罪を問うという意味では同時に読んでいた「氷菓」もそうだけど、正直納得はできない。
読了日:12月07日 著者:初野 晴
★★★★

このマンガがすごい! 2011このマンガがすごい! 2011
読了日:12月11日 著者:
感想の記事

ハレルヤオーバードライブ! 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)ハレルヤオーバードライブ! 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
キャラや音楽シーンは○。少年マンガの展開の速さについていきづらいのは年を取ったせいか・・・(´Д⊂
読了日:12月11日 著者:高田 康太郎

ハレルヤオーバードライブ! 2 (ゲッサン少年サンデーコミックス)ハレルヤオーバードライブ! 2 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
ストーリーはお約束だけれど、見せ方は本当にうまいと感じる。これでもう少しオリジナルな何かがあれば化けそうな気もするけど・・・。
読了日:12月11日 著者:高田 康太郎

アリアドネの弾丸アリアドネの弾丸
「このミス」の座談会で「ミステリーじゃない」と言われるのにムカついてコレを書いたんじゃないかと推測されているけど、やっぱりミステリー立ての方がいいねw なじみのキャラもオールキャストっぽい感じに活躍してるし、娯楽として非常によく出来た作品になってるね。
読了日:12月12日 著者:海堂 尊
★★★★★★

ゴーストハント①旧校舎怪談 (幽BOOKS)ゴーストハント①旧校舎怪談 (幽BOOKS)
小野不由美ファンでこのシリーズが一番好きと言うと白い目で見られるかもだけれど、好きなものはしょうがない。何度も読み返しているシリーズなのに初めて読むようなドキドキ感があった。好きだから欠点が見えないのかもだけど、しょうがないじゃないか!
読了日:12月13日 著者:小野不由美
★★★★★

のだめカンタービレ(25) <完> (講談社コミックスキス)のだめカンタービレ(25) <完> (講談社コミックスキス)
オペラ編のドタバタ感こそが本来ののだめカンタービレって感じがしないでもない。青春群像劇だったパリ編も良かったけどさ。破天荒でアクの強いキャラクターたちが暴れ回る様は、これぞのだめ!って思ってしまった。特に菅沼がいいねっ!
読了日:12月14日 著者:二ノ宮 知子

愚者のエンドロール (角川スニーカー文庫)愚者のエンドロール (角川スニーカー文庫)
率直な感想は、「それで?」。シチュや描写は嫌いじゃないが、主人公が好きになれないのは他の米澤作品と同様。「女帝」は珍しく良いキャラだったけれど。ただ文句ばかり言いながら、それでも読んでしまうのは西尾維新もそうだけれど、それなりに好きな要素があるからだとは思う。いや、単に「日常の謎」が好きなだけかもしれないが・・・。
読了日:12月15日 著者:米澤 穂信
★★★

喜嶋先生の静かな世界 (100周年書き下ろし)喜嶋先生の静かな世界 (100周年書き下ろし)
10年ぶりくらいに読んだ森博嗣。理知的というより理系的と呼ぶべき世界観は相変わらずユニーク。純粋な学問の世界は確かに素晴らしく感じるけれど、一方で社会との繋がりが軽んじられている印象も受ける。思考に沈んでいく様子は羽生名人の言葉を思い出した。若いうちしか没頭できないという面ではトップアスリートを思い起こさせる。理解したり共感したりできる部分もある一方で、遠い世界にも感じる。小説としての面白さというよりも、いろいろと深く考える材料がたくさん提示された作品だった。
読了日:12月20日 著者:森 博嗣
★★★★★

和菓子のアン和菓子のアン
「焼きたてのスフレを前にしたら、すべては後回しです」で何もかもオールOK!って感じになっちゃった。ジャンルとしては「日常の謎」系ミステリだけど、ミステリと呼べるかどうか微妙な感じ。「成風堂書店事件メモ」シリーズと同じくミステリは添え物で環境やキャラクターを楽しむストーリー。和菓子ものフィクションとしては『福家堂本舗』には及ばないものの気軽に楽しめるノリにはなっている。
読了日:12月25日 著者:坂木 司
★★★★

戦うボーイ・ミーツ・ガール―フルメタル・パニック! (富士見ファンタジア文庫)戦うボーイ・ミーツ・ガール―フルメタル・パニック! (富士見ファンタジア文庫)
一時代を築いたライトノベルの金字塔。なるほど、エンターテイメントとしては最近のラノベよりも完成度は遥かに高い。次は短編を読んでみたい。
読了日:12月25日 著者:賀東 招二
★★★★★★

GOSICK IV-ゴシック・愚者を代弁せよ- (角川文庫)GOSICK IV-ゴシック・愚者を代弁せよ- (角川文庫)
ついにヴィクトリカとアヴリルが邂逅し、久城を巡る三角関係がディープでハードに炸裂・・・ってわけではないけれど、ヒロイン二人のやりとりは楽しい感じ。さて、アニメの方はどんな感じになるのかしらね。
読了日:12月26日 著者:桜庭 一樹
★★★★

放っておけない一匹狼(ローン・ウルフ)? (富士見ファンタジア文庫―フルメタル・パニック!)放っておけない一匹狼(ローン・ウルフ)? (富士見ファンタジア文庫―フルメタル・パニック!)
長編よりもこちらの方が最近のライトノベルの主流に近い。ここにハーレムと優柔不断を加えれば完璧。でも、この二つの要素はラノベの「癌」でもある。それなのにそれらがないと物足りなくも感じてしまうわけで、毒されてしまったんだなあと思ってしまった。
読了日:12月27日 著者:賀東 招二
★★★★

疾るワン・ナイト・スタンド―フルメタル・パニック! (富士見ファンタジア文庫)疾るワン・ナイト・スタンド―フルメタル・パニック! (富士見ファンタジア文庫)
テンポの良さはさすが。ラブコメ展開は王道って感じだけれど、二者択一の判断をずるずると引っ張らないところが良かった。アニメは見てないけど、今回の山場は動いているシーンを見てみたいと思わせるものだった。
読了日:12月28日 著者:賀東 招二
★★★★★

本気になれない二死満塁?―フルメタル・パニック! (富士見ファンタジア文庫)本気になれない二死満塁?―フルメタル・パニック! (富士見ファンタジア文庫)
ギャグは王道で安定感がある。最近のラノベ読んでると疲れるけど、安心して読んでいられる。こういう力技が今は受け入れられにくいのかもしれないけど、書き手の力量不足も原因かもと思ってしまうね。
読了日:12月29日 著者:賀東 招二
★★★★

これはゾンビですか?1  はい、魔装少女です (富士見ファンタジア文庫)これはゾンビですか?1 はい、魔装少女です (富士見ファンタジア文庫)
バカ系。バカであることは悪くない。文章が下手とか下手とか下手とか、構成が下手とか気になるところは多かったけれど、巻を重ねれば改善されるのかどうか。『ベン・トー』のような熱いバカの方が好みだが、世界設定とかいろいろと考えてあるようなのでその辺りの奥行きがどれほどなのかちょっと気になる。アニメには向いてそうだね。
読了日:12月29日 著者:木村 心一
★★★

俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈2〉 (電撃文庫)俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈2〉 (電撃文庫)
麻奈美って必要?とは1巻から気になっていることだけど、ますますその気持ちが強くなった。あやせを安直に翻意させないで解決させた点は良かった。1巻と似た構図のストーリーなのでインパクトに欠けたが、今後に期待って感じ。
読了日:12月30日 著者:伏見 つかさ
★★★★★

自慢にならない三冠王?―フルメタル・パニック! (富士見ファンタジア文庫)自慢にならない三冠王?―フルメタル・パニック! (富士見ファンタジア文庫)
相変わらずどの話も安定した出来。もう少し膨らませてもと思う話もあるが、そう思うくらいが丁度いいのだろう。何気に瑞樹がレギュラー化してたりするのが面白い。
読了日:12月30日 著者:賀東 招二
★★★★★

ラ・パティスリー (ハルキ文庫)ラ・パティスリー (ハルキ文庫)
初上田早夕里。和菓子エンタメの最高峰が『福家堂本舗』なら、洋菓子エンタメの最高峰は『西洋骨董洋菓子店』。やっぱり絵がある方がおいしそうと思ってしまうのは避けがたい。それでも、パティシエ成長譚としては面白く仕上がってはいる。ただ謎解き絡みの部分が理屈っぽいのが万人向けと言い難い部分か。SFならそれでもいいんだけどね。
読了日:12月30日 著者:上田 早夕里
★★★★

揺れるイントゥ・ザ・ブルー―フルメタル・パニック! (富士見ファンタジア文庫)揺れるイントゥ・ザ・ブルー―フルメタル・パニック! (富士見ファンタジア文庫)
ストーリー展開にひねりがなくても、しっかりと見せ場を作ることで読む側を引き込む力は流石。スリリングなアクションシーンは三人称の方がやはり様になる。
読了日:12月31日 著者:賀東 招二
★★★★★

ロウきゅーぶ!〈4〉 (電撃文庫)ロウきゅーぶ!〈4〉 (電撃文庫)
ストーリー自体はパターン化してしまった感じだけれど、試合のシーンはさすがに引き込まれる。一人称の弱点をトークコーナーで今まで以上にうまく解消している点も良かった。ただそろそろ新展開がないとちょっと飽きてきそうな感じになってきた。
読了日:12月31日 著者:蒼山 サグ
★★★★

なれる!SE―2週間でわかる?SE入門 (電撃文庫)なれる!SE―2週間でわかる?SE入門 (電撃文庫)
『蟹工船』読むならコレ読めって感じ?ヒロインはもろ大河なわけだけど、これでラブコメ展開行くの?って気も。で、好きな仕事にワーカホリックにってのは理解できるけど、それだって頑張ればいい仕事ができるっていう一種の信仰のようなものだし、ましてや過労死寸前とかの話がリアルに描かれているわけで。日本はいつからこんな国になっちゃったんだろうね、ってのが正直な思いだねえ。
読了日:12月31日 著者:夏海 公司
★★★★

シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と黒の妖精 (角川ビーンズ文庫)シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と黒の妖精 (角川ビーンズ文庫)
銀砂糖師の名の通りに「甘い」お話ではあるけれど、その甘さはベタベタしたものではなくすっきりした甘さだった。男性向けラノベのベタ甘っぷりに胸焼け気味だったので、より好ましく感じられた。妖精の描き方が丁寧なのも好感が持てる。
読了日:12月31日 著者:三川 みり
★★★★★★

最後の1週間で駆け込みで14冊読んだ。ほとんどがライトノベルだったが。その中では「フルメタル・パニック!」シリーズがライトノベル史上でも指折りの名作の評判通り、エンターテイメントとしての完成度の高さが感じられた。一方、久し振りに手を出した少女向けライトノベルである『シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と黒の妖精』に清新さを感じて惹きつけられた。
遥か過去は妖精が世界を支配していたが、現在では人間が妖精を使役する世界。主人公の少女はそんな妖精との関係を不快に感じている。それはもちろん「甘さ」である。少女は自身の夢を叶えるために妖精を買う。自分に何かさせるのであれば命令せよと言う妖精にお願いしかできない少女。確かに「甘さ」はある。でも、ゼロ年代男性主人公の甘さと比べると大きな違いが感じられる。少女は自分の甘さを自覚しているし、綺麗事ばかり言って行動しないなんてことはない。主従の関係が良くないと思っていても目的を達するまでは仕方ないと割り切っている。そんなリアリズムが少年主人公には受け入れられない。
『彩雲国物語』もそうだが、苛酷な運命を前にしても敢然と立ち向かうのは女性ばかり。作家の性別よりも主人公の性別によってその色彩ははっきりと分けられている印象だ。フィクションの世界において、主人公の性差によってまるで決まっているようだ。男は女らしく、女は男らしく。もちろん「フルメタル・パニック!」やその流れを汲む『ソードアート・オンライン』などの作品もあるのだが……。

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2010年に読んだ本【11月】

2011年01月05日 01時23分49秒 | 本と雑誌

蒼林堂古書店へようこそ (徳間文庫)蒼林堂古書店へようこそ (徳間文庫)
「日常の謎」系ってキャラクター性が重要なのかなとちょっと思ってみたり。その点で残念ながら弱い感じが。しかし、ミステリガイドとしては秀逸で、あれこれ読みたいと思わせる紹介があった。図書館に返却する前にメモっておかないと。
読了日:11月01日 著者:乾 くるみ
★★★

街の灯 (文春文庫)街の灯 (文春文庫)
円紫さんシリーズほどの魅力は感じないが、昭和7年の世界が丁寧に描かれていて流石と思わせる。解説に書かれた「暗い時代」は「あのような家に住む者に幸福はない」という言い様に聞こえる。本書を読んで、「分」という概念を強く感じた。確かに人を縛り付けるものだが、それぞれの「分」に応じた生き方や責任があり、現代から照射して劣ったもの、遅れたものと切って捨てるのは傲慢に感じる。ただそれを美徳とみなすのも違和感がある。70~80年前の日本が遠い世界に感じられて、もう戻れない寂しさが作品全体に漂っているように感じられた。
読了日:11月04日 著者:北村 薫
★★★★★

花と流れ星花と流れ星
初道尾秀介として読むには相応しくなかった作品だったかもしれない。キャラクターへの思い入れがないと、物語としては残念ながら物足りない感じがした。尖ったところがないのがかえって受けているのかもしれないが、私には中途半端な印象に。期待していただけに残念だが、作家への評価は長編を読んでからかな。
読了日:11月05日 著者:道尾 秀介
★★

読ませるブログ (ベスト新書)読ませるブログ (ベスト新書)
ブログ歴5年の身からすると、特段目新しい点は無し。とはいえ、自覚している欠点でも改めて指摘されると次からはもっと意識しようとは思う。この本自体がブログのように軽いものなのでわざわざ読む価値があるかは微妙だとも言えるけれど。
読了日:11月05日 著者:樋口 裕一
★★★

ある閉ざされた雪の山荘で (講談社文庫)ある閉ざされた雪の山荘で (講談社文庫)
東野圭吾は不要なものをそぎ落とした文体に魅力がある。それは乾いた空気感となって作品に現れる。しかし、叙述系でひねった作品にこそ著者らしさが最も感じられると本書を読んで思い知らされた。トリック自体よりも仕掛けの妙味を楽しむ作品。
読了日:11月13日 著者:東野 圭吾
★★★★

退出ゲーム退出ゲーム
ラノベだよねえ。エンターテイメントのお約束を前提として余計な部分を端折ってるところなんか特に。キャラが立ってきた表題作あたりから面白くなってきたところなんかも。小市民シリーズもそうだけど、境界がすっかり曖昧になっちゃったってことなんだろう。本書はラノベとして読めば楽しめるって感じかな。
読了日:11月13日 著者:初野 晴
★★★★

母親はなぜ生きづらいか (講談社現代新書)母親はなぜ生きづらいか (講談社現代新書)
目新しい点はそう多くはなかったが、歴史的変遷がうまくまとまっていて分かりやすい。現代の日本人の多くが感じている「日本人らしさ」の大半は明治期以降に作られたものだ。「親子関係」の本質は「自分と自分の親との関係」という著者の指摘はたいへん興味深い。海外では一般的で、日本でも戦前までは珍しくなかった「ベビーシッター」がなぜ廃れてしまったのか、そのあたりにも言及して欲しかったのが心残り。
読了日:11月14日 著者:香山 リカ
★★★★★★感想の記事

さよならドビュッシーさよならドビュッシー
ミステリとしては第1章を読んだ時点でネタが割れてしまっている。音楽は小説で描くには限界があるように感じられた。「のだめ」のイメージを思い浮かべて読み進めた。文章もちょっとこなれていない感じ。それでも、作品を通底する「青臭さ」は嫌いじゃない。まあところどころ鼻につき過ぎるところもあったけれど。最後まで一気に読ませる魅力はあった。
読了日:11月17日 著者:中山 七里
★★★★★

GJ部(グッジョぶ)3 (ガガガ文庫)GJ部(グッジョぶ)3 (ガガガ文庫)
著者の言うように「ストーリーなんていらんのですよ!」って姿勢には賛同。ただし、私的には「主人公なんて飾りですよ!」ってことでキョロいらないのだけれど(笑)。少しずつ登場人物が増えてる点は微妙かなあ。
読了日:11月17日 著者:新木 伸
★★★

玻璃の天 (文春文庫)玻璃の天 (文春文庫)
円紫さんシリーズの主人公の純粋さは日常という世界にあって受け入れやすいが、本シリーズでの主人公の純粋さには違和感を覚えてしまう。時代や立場からどうしても「綺麗事」に感じられる。『鷺と雪』がこうしたイメージを覆してくれることを期待したい。
読了日:11月19日 著者:北村 薫
★★★

忍びの国忍びの国
キャラの強さがマンガ的。その割にストーリーは歴史小説の体裁を保っている。そのせいでエンターテイメントとしては盛り上がりにやや欠ける印象だった。もっとケレンがあるとか、ストーリーも破天荒で良かった気がする。
読了日:11月19日 著者:和田 竜
★★★

ななつのこ (創元推理文庫)ななつのこ (創元推理文庫)
どうしても北村薫の円紫さんシリーズと比較してしまうため、全体的な評価はいま一つ。アイディアは面白いが、それが十分に成功しているとは言い難い。「感動的」なところは作られた感じがうかがえてしまい、興醒めだった。
読了日:11月21日 著者:加納 朋子
★★感想の記事

僕は友達が少ない (5) (MF文庫J)僕は友達が少ない (5) (MF文庫J)
5巻にしてまさかの幸村の○○判明!遊園地でのテンションの高さは凄まじい。ラブコメ部分は正直どーでもいいので、キャラの暴走だけ今後も期待w
読了日:11月23日 著者:平坂読
★★★★★

平台がおまちかね (創元クライム・クラブ)平台がおまちかね (創元クライム・クラブ)
「成風堂」シリーズかと思って「背表紙は歌う」を図書館で借りたら違ったので慌てて本書を借りて読んだ。「成風堂」シリーズに比べると、ストーリー、描写、キャラクターなど少しずつ落ちる感じ。ただ出版社の営業という目立たないところにスポットを当てたのは面白い。それにしても、最近全く書店で本を購入しなくなったなあと本書を読んでいて思ってしまった。本屋とは本を買いに行く場所ではなく、本と出逢いに行く場所である、なんて言ってたのに・・・。
読了日:11月24日 著者:大崎 梢
★★★

このライトノベルがすごい!2011このライトノベルがすごい!2011
積読中のシリーズも多いけれど、ランキングされているものはほとんどチェックしてる作品。目新しさはあまりないけれど、いくつか新規開拓できれば十分かな。それより先に禁書目録読まないと(汗
読了日:11月28日 著者:
感想の記事

「日常の謎」系ミステリに、多岐に渡って手を出している。北村薫『街の灯』『玻璃の天』、加納朋子『ななつのこ』はミステリらしい雰囲気が漂うが、乾くるみ『蒼林堂古書店へようこそ』、初野晴『退出ゲーム』、大崎梢『平台がおまちかね』は軽さが目に付く。とりわけ『退出ゲーム』は登場人物が高校生ということもあり、ほとんどライトノベルのようになっている。米澤穂信もそうだが学生を主人公に据えるとライトノベルっぽくなるし、『蒼林堂古書店へようこそ』、『平台がおまちかね』に大崎梢「成風堂書店事件メモ」シリーズや坂木司『和菓子のアン』などは職業系ウンチク(コミック)っぽくなっている。両者に共通するのはキャラクター重視であること。謎よりもキャラクターを活かすことが優先されている。ほとんどミステリと呼べない作品もある。もちろん、それが悪いわけではないが。

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