奇想庵@goo

Sports, Games, News and Entertainments

他人に薦めたいゲーム 2007

2008年01月29日 18時33分45秒 | アニメ・コミック・ゲーム
GAMENEWS WATCHER」さんで、恒例の『他人に薦めたいゲーム 2007』のアンケートが行われている。
2005年分では、1位となった『ポンコツ浪漫大活劇 バンピートロット』に投票した。読み込み頻度の多さや時間が掛かるなど欠点も目立つゲームだけれど、他にない魅力に満ちた作品であり、こういう企画にまさにピッタリといった感じのゲームだった。
2006年分は『大神』がダントツのトップ。この企画ではないけれど、GNWさんの記事を読んで私も『大神』を購入した。

このアンケートで取り上げられる作品は、一般的な知名度はないものの、ゲーム好きがいかにも好きになるテイストを持ったものが多い。丁寧に作りこまれていたり、ゲーム性がしっかりしていたり。でも、一方でこういうゲームはなかなか売れにくいのが現状なのかも。シリーズものやキャラクターものばかりが溢れる今のゲーム市場、携帯ゲームの世界では違った風も吹いているみたいだけれど、それが”流れ”と呼べるほどのものとなるかは未知数な感じがするし。

ちなみに2007年分の投票は早速済ませた。もちろん『グリムグリモア』。まあ1票で終わるかもだけれどそれは関係ない。FFXIは別格として、このゲームに出会えたことがPS2の存在意義だったとまで言えるソフトだから。(ファミコンだとドラクエI~IVとFE、スーファミだとロマサガとTオウガ、PCエンジンだと天外魔境II、メガドラだとランドストーカー、PSだとガンパレ、DCはPSO)
まだ新世代ハードはひとつも持っていないけれど、そろそろ欲しい気もしないでもないけれど、さてこんな1本と出会えるのならって思うのだけれど、どうだろうね。

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2007年ゲーム回顧

2008年01月07日 21時18分15秒 | アニメ・コミック・ゲーム
2007年に購入したゲームは5本。うち2本はベスト版(三國志X、モンスターハンター2)で、1本は拡張ディスク(ファイナルファンタジーXI アルタナの神兵)なので、実質は2本のみ(グリムグリモア、オーディンスフィア)って感じだが。
携帯ゲーム機は性に合わないので手を出していないし、新世代機についてもプレイしたいと思うソフトがほとんどないので未だ購入していない。稼動しているのはPS2のみといった感じだけれど、そのPS2でも本当にプレイしたいと思わせるソフトが少なかった一年だった。
結局、値下げ待ちな感じとなった「ペルソナ3」と、XBox360・PS3で出て手が出せなかった「オブリビオン」くらいしか興味を持ちながら見送った作品がない。

それでも2007年は「グリムグリモア」と出会えただけで満足できる一年とも言える。自分にとってPS2ソフトとして過去ベストと言える作品だった。ここまで熱中したのはPSの「高機動幻想ガンパレード・マーチ」以来だと思う。ファンサイトまで作ってプッシュしたにも関わらず、全く地味に盛り上がることなく……ってことになったのは非常に残念だが。"Game News Watcher"さんが復活しているので、毎年恒例の『他人に薦めたいゲーム~』アンケートがあれば一票入れるのに(笑。

FFXIの方は、1~5月まで休養。6月から復帰したものの10月から2ヶ月近くインできなかったりとほとんどプレイできない一年となった。ほとんどレベルも上がらず進展のない一年だったけれど、年末に出た「アルタナの神兵」がかなり自分の中ではヒットだったので結構満足している。

最後に今年の展望と期待を。
ようやくPS3も軌道に乗りつつあるようだけど、WiiとXBox360を追い落とす力があるように見えない感じだ。ゲームらしいゲームが、ほとんど携帯機のみで展開される流れが出来上がり、据え置き型には昨年同様辛い年になりそうだ。今まで体験したことのないゲームをプレイしたいという思いは今年も満たされそうにないが、そろそろ何か変わった流れが起きそうな予感というか期待があるのだけれど。日本のゲーム業界にどれだけ危機感があるのか計る機会と言えるのかもしれない。


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NFL Wildcard Playoff 感想

2008年01月07日 20時04分22秒 | アメリカンフットボール
○Washington Redskins 14-35 Seattle Seahawks

この試合ほど、アメリカンフットボールがモメンタムのスポーツであることを表した試合はないのではないかと思える内容だった。ファイナルスコアから見えてこないものがこの試合の全てと言えるだろう。
第4クォーター突入時には13-0でシアトルがリード。しかし、ここから流れが一転する。1TDを返した後、ワシントンはDBランドリーのインターセプトで攻撃権を得るとそれをTDに結び付け一気に逆転した。更に直後のキックオフでシアトルのミスもありカバーに成功。ショーン・テイラーの死をバネにシーズン終盤波に乗った勢いをここに来て上手く摑んだかに見えた。だが、このチャンスを決められず、短いFGまで外してしまいモメンタムは手中からこぼれ落ちた。再逆転を許すと、キャッチアップを狙ったパスが2回インターセプトリターンタッチダウンとなり、ジ・エンド。
地力差はあっても辛抱強く戦ったワシントンだったが、ようやく呼び込んだモメンタムを失う時はあっけないものだ。インターセプトは仕方ないまでも、リターンを許さなければもう少しもつれたかもしれないだけに残念だった。

○Jacksonville Jaguars 31-29 Pittsburgh Steelers

前半はジャクソンヴィルが21-7とリード。だが、その内容はKORでゴール前1ヤードまで持ち込んだり、インターセプトリターンTDがあったりで攻撃の形としてはむしろピッツバーグが優位だった。それを得点に結び付けられなかったのは3つのインターセプトが原因だった。
後半になってその流れが変わり、第4クォーター中盤についにピッツバーグが逆転を果たす。しかし、残り二分を切って逆転FGを許して試合が決まった。
ピッツバーグは二度の2点コンバージョン失敗が響いた。また、リードして迎えた攻撃権をスリーアンドアウトで終わってしまったのが悔やまれる。
ジャクソンヴィルは最も苦しい局面でQBギャラードのスクランブルがチームを救った。パスが9/21の140ヤードと惨憺たる内容だったが、二枚看板のRBよりも多い58ヤードのランが光ったと言えるだろう。
ピッツバーグは十分に勝機があった。前半のもたつきが悔やまれるところだ。

○New York Giants 24-14 Tampa Bay Buccaneers

タンパベイが良かったのは第1クォーターだけ。WRギャロウェイが肩の負傷で本調子でなかったこともあり、攻撃は機能しなかった。頼みの守備もブリッツをあまり使わずジャイアンツQBイーライ・マニングに余裕を持ったプレイをさせてしまった。
ジャイアンツは攻守でライン戦に優位を持てたことが大きかった。RBジェイコブスは抑えられたが、RBブラッドショーが活躍してカバーした。TEショッキーを欠いて攻撃は破壊力は見られなかったが、ターンオーバーを許さなかったのが勝因だろう。
タンパベイにはもっとチャレンジフルな戦いを見せて欲しかったのだが……。

○Tennessee Titans 6-17 San Diego Chargers

前半はテネシーが6-0とリードしたが、後半はサンディエゴが攻めて完全に流れを摑んだ。テネシーディフェンスはRBトムリンソンをほぼ完璧に封じ込めたが、後半はQBリヴァースのパスにしてやられた形だ。前半見せたパスラッシュが最後まで持続できなかったことが敗因だろう。
テネシーオフェンスはRBホワイトのランを軸にうまく攻めたが、TDを取れなかったことが痛かった。また、RBブラウンが敵陣深くでファンブルロストしたことも、モメンタムの維持という点から勝敗を大きく左右することとなってしまった。
サンディエゴはディフェンスの健闘が光った。ある程度進まれてもTDを許さないしぶとさが勝利に結び付いた。中盤からはパスラッシュも効果的に機能していた。
攻撃はTEゲイツを中盤で失い心配されたが、相手のパスディフェンスのミスが後半目立ち、そこをうまくついた形での勝利だ。フィールドコンディションの悪さもあったのか、トムリンソンの出来は非常に悪かった。もっと早くRBターナーやRBスプロールズを使っても良かったのではないか。

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NFL Wildcard Playoff 直前予想

2008年01月06日 05時53分40秒 | アメリカンフットボール
間もなくプレイオフがスタートとなるNFL2007-08シーズン。
今シーズンも一試合一試合を追うのに手一杯でなかなか全体の流れみたいなものはつかめていない。スタッツもほとんどノーチェックなのだけれど、折角なので少しだけ予想を。

○Washington Redskins @ Seattle Seahawks

シアトルも決して強いわけではないが、現状では確実に戦力は上だろう。ワシントンにも勢いがあるものの、QBコリンズで勝てるほど甘くはないと思う。

○Jacksonville Jaguars @ Pittsburgh Steelers

ワイルドカードからの進出とはいえ、勝ち星ではジャクソンヴィルが上回る。RBテイラーが絶好調だけに十分に勝機はある。ピッツバーグも攻守のバランスがあり、よくまとまったチーム。地の利も込みで互角、となるとQBの差が勝敗を分けると見る。ビッグ・ベン優勢でピッツバーグの勝利と見ている。

○New York Giants @ Tampa Bay Buccaneers

地区内の弱さに助けられた感のあるタンパベイ。地の利があっても厳しい試合になるだろう。ジャイアンツもQBがイーライ・マニングである限り脆さがあると思う。期待も込めて、タンパベイ守備の健闘を予想してみる。

○Tennessee Titans @ San Diego Chargers

地力的にはサンディエゴで間違いなさそう。プレイオフに弱い点はヘッドコーチを変えたことが吉と出るかどうか注目だ。テネシーはQBヤング次第とも言えるが、豊富なRB陣がどれだけ活躍できるかどうかが鍵を握りそうだ。

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ライスボウル

2008年01月03日 23時30分37秒 | アメリカンフットボール
最近国内の試合は熱心に見ていない。甲子園ボウルやジャパンXボウルもTV観戦はしたものの、NFLを見るときほど集中していないし、最近の選手も覚えていないし。

松下電工と関西学院大の対戦となった今年のライスボウルは、ここ数年大学のトップレベルの力量が低下している懸念を抱いていたので、社会人の圧勝を予想していた。そして、前半は31-3とその予想通りの展開だった。関学のオフェンスは思ったほどは止められてはいなかったが、要所でミスが出ていたし、ディフェンスも大事なところで踏ん張りきれていなかった。
もうワンサイドで終わると思い、うとうとしながら副音声を聞いていたのだけれど。第3クォーターに14点差に追い上げ、一度は決定機でファンブルロストというミスがあったもののついには7点差まで追いつめた。社会人相手にこの健闘には正直びっくりした。
最後は無理がたたったインターセプトなどで差が開いてしまったが、それでも勝った松下より負けた関学の方が強く印象に残る試合だった。勝負という意味ではあれだけターンオーバーを喫して勝つのは難しいし、フィジカルの強さと経験で圧倒した松下の強さが目立った。特にMVPに選ばれたQB高田の存在感はやはり大きかった。

しかし、この試合で最も見る者の目を奪ったのは関学QB三原だったろう。ライスボウル史上最高の獲得パスヤードや驚異的なパス成功率といったスタッツ以上に、彼のプレイ振りは目を惹いた。無理せざるを得ない場面が続いて、その中で喫した3つのインターセプトや1つのファンブルロストは、仕方ないとはいえ、若さや経験不足の露呈といった感じだった。それでも最後まで恐れずにパスを投げ続けた。
国内のフットボールを見始めたきっかけは、京大の天才QB東海の出現からで、それ以後様々なQBを見てきた。スクランブル能力やクォーターバッキングで優れたQBは数々いたが、純粋にパサーとして見た場合日本史上最高のQBが生まれたのではないかと思った。パスの技術(投げる方も取る方も)に関しては年々進化しているのは事実だけれど、その集大成と言える試合だった。特に三原のパスはこれまでの日本人QBのパスとは違う何かを感じた。

パサーとしての能力はQBに要求される能力の数多くあるうちのひとつに過ぎないが、こんなQBが日本に現れたことが純粋に嬉しく思う。大舞台で強力な守備を相手にこれだけのパスを通したということが素晴らしい。パサータイプのQBは好みではないけれど、今日の彼のパフォーマンスには感動した。彼の今後にも期待だけれど、それ以上に今後彼を超えるようなパサーが現れてあれこれと比較できる日が来るときが楽しみだ(気の長い話だけれどね)。

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アニメ感想「ARIA The NATURAL」

2008年01月02日 20時56分38秒 | アニメ・コミック・ゲーム
この年末年始は『ARIA The NATURAL』三昧となった。
AT-Xの企画で大晦日はARIAシリーズの一挙放送があり、まだ見ていなかったこの作品をほぼリアルタイムに追いかけてみていた(実際には録画しながら再生して見るという形だったけれど)。さすがに日付が変わったあたりで力尽きて、数話は翌日に持ち越しとなった。

この作品はシリーズ第二期にあたり、第一期『ARIA The ANIMATION』全13話を受けて、全26話放送された。当然第一期との比較をしてしまう。そして、比較するといろんな欠点も目につく。中盤作画が乱れ、それを過去の回想シーンを増やすことで乗り越えた点などは仕方ないとしても、前半から中盤にかけては設定やキャラクターという前作で積み上げたものに寄りかかったような内容が目立ったのも否めない事実だ。
ARIAシリーズは、物語的な進展が非常に少なく、小さなエピソードを描いている話が多い。そのため一期に比べると密度が薄まってしまい、水増しとまでは言わないが物足りなさを覚えるような話もあった。もちろんそれでも凡百の作品に比べれは質は高いのだけれど。

人の善意で作られた世界という意味でこの作品はファンタジーと定義している。そんなファンタジー性とは別に、ちょっとした不思議もARIAでは随所に織り込まれている。この作品ではそれがケット・シーという妖精の姿をして表されている。このシークエンスについては、もうひとつピンと来なかった。原作を読んでいないのでそれがどう位置づけられているかは分からないが、日常と幻想の狭間をほんのわずか垣間見せる程度で良かったのにと思う。

18話以降、ちょっとした変化が訪れ、俄然世界がきらめき出す。特に24話「その 明日のウンディーネに…」が最も心に残るものとなった。
ある雨の日、灯里はアリスと藍華の部屋で勉強会を行う。そこで、先輩ウンディーネの晃の悪口が囁かれていることを知った藍華が憤り、それを晃が諭すというそれだけの話だ。ARIAでは珍しく人の悪意が表に現れる。しかし、それをプラスに転じるストーリーとなっている。
日々の何でもないようなところに「素敵」を見つけることがテーマとも言える作品であり、日常の何気ない場面を大切に描いているのがARIAらしさだ。それが最もよく表現された回だった。

『マリア様がみてる』シリーズを読んでいるときにふと連想したのが「ARIA」だった。そして、「ARIA」にどっぷり浸っている時に思い浮かんだのが「マリみて」だった。
いろいろと類似点は多いが、最も似通っているのが主人公の造型だろう。「マリみて」を読んで感じたのは、少女小説的主人公のあり方だった。対比する少女マンガに限らず、コミックでは主人公は強い個性が求められる。物語を動かす力が主人公(あるいはそのパートナーにあたる存在)に必要となる。内面描写が得意の少女マンガでもそのルールからはなかなか抜けられない。一方、小説ではそこまでのキャラクター性に頼らなくても成り立たせることができる。そんなに数多くの少女小説を読んでいるわけではないが、小説とコミックの差異をそこに強く感じた。
しかし、コミック原作ながらARIAは小説的だ。確かに最近の日常系の作品でもこのようなパターンはあるが、それらは日常を切り取るだけで物語性からは乖離していることが多い。物語性を残しながら尚且つこうした主人公で成立させる力がARIAの魅力だろう。日常を通して成長を描くというのは簡単なことではない。それをやり遂げているからこそ多くの人に支持されているのだ。

間もなく第三期が放送スタートとなる。またこの世界に触れることができると思うと今からとても楽しみだ。

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『ウェブ社会をどう生きるか』『議論のルールブック』

2008年01月01日 19時15分13秒 | デジタル・インターネット
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図書館で借りてきた二冊の新書を読んだのでその感想を。

『ウェブ社会をどう生きるか』は、これまで『マルチメディア』『IT革命』とインターネット技術の進展に伴って著述してきた著者が「ウェブ2.0」という潮流に対して述べたもの。情報学の観点から「ウェブ2.0」の欠点を指摘している。
インターネットの進化として、「ウェブ2.0」には当然肯定的な側面がある。それを十分に踏まえた上で、その陥穽を説いており、その指摘には納得できる部分も多い。特に人工知能との関連での批判は興味深かった。
しかし、「ウェブ2.0」に代わるものを提示することはできていない。地方での試みなどもピンと来るものではない。確かに経済のグローバリゼーション同様にネット上での欧米的同一化の圧力はすさまじいものがある。「ウェブ2.0」がそれを後押ししている事実は否めない。だが、現実的にそれに抗する力もまた「ウェブ2.0」の中にあるのではないか。著者の指摘する問題点を脳裏に留めながら、「ウェブ2.0」を脱構築していくような方向性を指摘して欲しかった。

『議論のルールブック』は、ネット上で起こる「炎上」の仕組みや議論の方策について述べた本だ。私自身ネット歴が10年近くになるが、著者の指摘通りに以前に比べ掲示板でのやり取りが低レベル化している印象を持っている。
著者が繰り返し述べている「議論に勝ち負けを求めない」点は耳の痛い指摘だ。そんなに議論に参加することはないが、それでもつい熱くなることはある。自分の主張を伝えようという意欲が時に相手を説得させようという形に空回ってしまうことも。
この本に掲載されている「インチキ理論を振り回す人」や「冷笑主義者」にしても、ここまで極端な人は少ないけれど誰の内にもこうした面は存在している。そして、議論の際にそれらがチラリと顔を出す。本人は気づいていないことも多いだろうが。
ネット上での議論のあり方に対して参考になる部分は多い。けれども、手放しで礼讃できる内容でもない。ネット上で熱くなっても仕方ないと分かっていても、誰もが聖人君子ではない。相手からの攻撃にいかに対処するかといったノウハウを知っておくことが、余裕を持った議論を行うための前提になる気がする。また、掲示板運営者の立場から言うと、ここに書かれているようなことは甘すぎて参考にすらならないといった印象を受けた。「ルールだから守らなくてはならない」という考えが間違っているという指摘は正しいが、掲示板といったものは公共の場であると同時に管理人によって運営されている場でもあり、その視点が完全に欠落している。
日本人は議論下手と言われてきたが、ネット上で好むと好まざるとに関わらず議論する機会は増えた。議論を行う際の心構えとして一読する価値のある本だと思う。しかし、ネット上での議論がより建設的になるためにはもっと踏み込んだ内容が必要だろう。そのためには、これを契機に更なる議論が必要だろう。

この二冊はネットを対象にしているという点で共通なだけではなく、人と人との関係性を取り扱い、またその前提としてコミュニケーションの不完全性にも言及している。百万言を費やしても思いは伝わらない。伝わった気になるだけだ。まして言葉だけのウェブの世界では、幻想や錯覚が満ちあふれている。
その前提の上で、伝えようという努力、伝わろうという努力が必要だということ、そしてそれに適したウェブのあり方が問われている。インターネットは道具に過ぎない。それをどう使い、どう使いやすく変えていくのか。使う側は常にその視点を忘れずにいたい。

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