駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

フィンランド映画

2023年09月28日 | 映画

             

 

 映画館でなく自宅でだが、久しぶりに映画を見た。「浮き雲」というアキ・カウリスマキというフィンランド出身の監督の映画だ。この監督の映画は以前にも見たことがあり(過去のない男)、見たことのある俳優カティ・オウティネンも出ていた。おそらくロケ地もフィンランドだと思うが、何というか映像に北国の感じが溢れている。派手な動きや雄大な画面は一つもなく、不思議な静けさの中で起きる悲劇的な出来事が淡々と描かれてゆく。カティ・オウティネンという女優はこの監督の映画の常連のようだが、美人ではなくちょっと狐っぽい独特の容貌の持ち主で、まるで実話のように画面とストーリーに溶け込んでいた。他の俳優の演技表情も控えめで、静かでどこか寂しい北欧の雰囲気に包まれ、ハリウッド映画の対蹠と感じた。後味の悪い映画ではなくほっとするところもあり、面白くはないかもしれないが、一つの作品を見た感じがしてお勧めできる。色々な批評があると思うが、北欧フィンランドが陰の主役と感じた。

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