駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

言葉に錯覚

2020年09月30日 | 政治経済

               

 

 大阪都構想というものがある。ははあ大阪市を止め大阪府に吸収して都にするんだなと思われる方が多いだろう。大阪に住んでおられる方にもそう思われている方がおられるような気がする。

 大阪人でない人は多分ほとんどがこうした理解だと思う。ところが反対される人の話を聞くと、そんな単純で旨い話ではないようだ。勿論、賛成派と反対派にはそれぞれバイアスがあるから片方の話を聞いただけで沙汰はできないが、ネットで調べると大阪市が大阪府に吸収されて二重行政がなくなり経費節減になるというような単純な話ではないのがわかる。大阪府民はともかく大阪市民の行政サービスは低下するようだ、そういうことを言うと口が立つ橋下徹に阿保と怒鳴られる羽目になるらしい。

 どうしてこうした誤解が生ずるかというと、大阪都構想という言葉に大きな理由がありそうだ。名古屋市を止めて愛知県にしてしまおうと言えば名古屋市の人は賛成しないと思う。大阪府が豊臣府という名前だったらこうした錯覚は起きなかったと思われる。

 政治家の言葉には要注意だ、トランプは特別というわけではない。トランプほど派手にほらを吹く政治家は少ないかもしれないが、言葉でまやかす政治家は数多い。そういえば真摯に反省して責任を感じても、言葉だけだった政治家が長く頑張っておられた。事実は小説より奇なりと高橋圭三は言ったが、駅前糸脈は言葉は事実より虚なりと言おう。  

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なるほどそうかと思う本

2020年09月29日 | 

        

 

 いくつになっても新しく学ぶことがある。鴻上尚史さんと佐藤直樹さんの書かれた「同調圧力」講談社現代新書を読んで成程そうだと腑に落ちた。日本の社会はなぜ息苦しいのかという適切なキャプションが付いている。

 この本で新しく学んだことは腑に落ちたと書いたように、知らないことを学んだというよりは何となく感じていたもやもやした疑問が見事な切り口と分析で氷解したというものだ。日本人が生きている世間という空間の存在とその特性を具体例を挙げて考察し明らかにしてくれる本で、多くの方は読まれるとああそうだったのかと納得されるだろう。日本人が住む世間には良いところも悪いところもあって、世間に苦しめられた経験のある人が読まれればいくらか心が楽になると思う。

 佐藤さんは存じ上げないが鴻上さんはクールジャパンの司会をされているから知っていた。見た目と違ってというと失礼かもしれないが深く人間界のことを考えておられるのだと見直した。

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独身友楽?

2020年09月28日 | 小考

              

 

 週末街に出かけた。人出は八割ほど戻っており。飲食店も混んでいる様子だった。ちょっと贅沢とは思うが、いつまで元気で旨いものが食えるかわからない年になったからと、カウンターの割烹を予約しておいた。二年前からの年に三、四回程度のお客だが大将はよく覚えていて歓迎してくれた。先客にアラサーと思しき若い女性同士の客が二組居た。

 高々十席ほどの店で三十半ばと思われる大将と三十そこそこの女将の二人で切り盛りしている。お値段はお値打ちのものでも二人だと福沢さんが一人では足りない。お値段と女将が大人しく愛想がもう一つのせいもあるのか、繁盛とまではいかないようだ。前日で予約が取れなかったことはない。

 先客は若いし女性なので、我々老夫婦より話が弾み、隣の二人は上司や同僚の噂話をして笑いこけていた。斜め向こうの二人は話の内容はよくわからなかったが、相当アルコールが強そうで何杯もお代わりしていた。茄子の煮びたしから始まり天ぷらお刺身に牛の赤身の炙りそしてイクラご飯に梨のコンポートまでおいしくいただき、結局一合だけでほとんど飲まない我々の方が先に店を出た。大将と女将は道まで出て最敬礼で送ってくれた。

 家内が帰り道、あの子たち結婚してないのかしらと先客の女性たちに素朴な疑問を呈した。さあ、どんなもんだろう。彼女たちが富裕層の印象はないが我々とは感覚が違うようだ。余計な詮索と思うが、世の中は微妙にすれ違いながら回っている。

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インフルエンザワクチン余聞

2020年09月27日 | 医療

      

 

 あと十日ほどでインフルエンザのワクチンを打ち始める。新しい院長の方針で二週ほど前から受診した患者さんにインフルエンザワクチンを打つかどうか聞くようにしている。毎年打っているから打つ、打ったことがないインフルエンザに罹ったことがないから打たないが四割ずつくらいで拮抗している。残りは何年か前に一度打ったことがあるあるいは今まで打ったことはないが今年はどうしようと迷う人で、打った方が良いですかと聞かれる。だいたい七割の効果ですけど打った方が良いと思いますと六十五歳以上の人には特にお勧めている。いい年をして痛いのと聞く人、男性が多い、もいる。看護師がちょっとだけと答えている。どうも是非お打ちくださいと強く勧めるのが性に合わない、良くないと思うが今から直せない。

 ワクチン製造メーカーは厚労省の指導とインフルエンザワクチン必要量の予想に従い決まった量しか生産しない。製造に受精卵が必要で準備に一年掛かるので追加生産は出来ない。そのため予想より希望者が多いと品不足になる。卸業者からの各医院へのワクチン数の割り当てはだいたい前年通りで減らすことは出来ても増やせるのはせいぜい百人分程度だ、この辺りには医院と卸業者の日頃の関係が影響する。医院には購入した分全部使わないと損が発生する。そうしたこともあって予約制にしている医院が多い。中には三人ばかりでグループを作り、その場ですぐ打つ方式で車の渋滞が出来るほど打ちまくる医院もある。お互いに融通するので打ち残りがないらしい。そういう医師は医学以外の才能もあるようで、医院も住まいも豪華だ。別にやっかんでいるわけではないが自助力に秀でておられるようだ。

 ワクチンや薬には注意しても多少副作用が出ることがある。ワクチンを打った後微熱が出たり、少し腕が腫れることがある。それをどう感じるか微妙だが、毎年千人ほどの方が打たれる。今年はどうだろう。ただ、インフルエンザは流行しないと思われる。コロナ対策はインフルエンザにも有効だからだ。

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シモナ・ハレプの美しさ

2020年09月26日 | 小考

      シモナハレプ(テニス)は結婚してる?苦言やラケット大坂なおみとの関係についても | BANBI NEWS

 

 女子テニスには結構美人の選手が居る。映画スターにもなれそうな選手も居る。勿論、美人の基準は個人的な趣味感覚が大きいけれども時代や人種でも変化する。しかしながらある程度の共通項というか共通感覚はあるような気がする。例えばシモナ・ハレプという選手がいる。東欧系の顔立ちで日本人の私には美人には見えないが、ルーマニア男性には美人とまではいかなくても魅力的に見えるのだろうと首肯できる。

 何といえばよいのだろう。例えば陶器の備前焼は自分の好みではないが、その傑作銘品は成程と価値が理解できるのに似ている。美なんてなくて美しいものがあるだけというように言う人もいるが、優れているというか魅力あるというか広い意味の美しさを、自分はさほど美しいと思わないものにも認めることができる。

 たまたま見たシモナ・ハレプの写真から連想した。

                  写真はネットから拝借

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