手のひら

2017年11月16日 14時23分04秒 | マーロックの日記

                     ガササ  ・・・

                                              ヮヮヮワワ  ―――

         ピピ

小鳥が来た・・・

          ツツン

草をクチバシでつついてる。

昨日見つけた板の家の近くまで来た。

ミニバスは無事に川を渡れた。

この近くにも川があるけど、小さいので問題なく渡れた。

平地の森だけど、多少の起伏はある。

道を選びながらここまで来たから、ミニバスに乗ってはいたけどお昼になった。

木と木の間隔は広めで、ミニバスならほぼ思った方向に進める。

トラックとトレーラーも来れたらと思って、道を探しながら進んだ。

たぶん、ここまで運べると思う。

昼食のお弁当の後、ガードさん達が戻ってここまで運転して来ることになった。

昨日の目印は残ったまま。

誰かがやって来て、外したりはしなかった様。

生分解性のテープで、回収できなくても自然に分解される。

先に到着していたマッチョさんたちが、他の家も見つけた。

昨日見つけた家の近くで、植物に隠れるように建ててある。

険しい地形の場所に逃げた先住民たちもいた様だけど、ここはそうでもない。

植物に隠れるように、見えにくくしてある程度。

昨日、リフが見たという人はまだ見つかってない。

近くに引っ越した先住民かもしれない。

でも、今日はこの辺りは探すけど遠くには行かない。

トラックとトレーラーをここまで移動させれそうだから、ここを拠点にできる。

スコップさんやハンスさんは、周囲の地形を確認してる。

クマなどがいないかも。

今夜も、たき火しながら見張りする事になると思う。

ほとんどの大型動物は、人を恐れる。

そのように進化する時間のなかったものは、ほぼ人が絶滅させてしまったと思われる――このため、アフリカ以外ではほとんど。

              パキ

地面に落ちていた枝を踏んだ。

ノロマさん達は、昨日私たちがお弁当を食べた場所に行ってる。

あそこは見晴らしがいい。

私は、コックさんにばれない様にこっそり持ってきたなしを取りに来た。

ミニバスの中に隠していたもので、もう私の手のひらの上。

「・・・」

黒猫とレトリバーがついて来た。

私がこっそり果物を食べようとしているのを、察したのかもしれない。

                ガササ  ・・・

         クゥ

                        待って

「!」

ノロマさんの声――

   バサ

「クゥ♪」

チワワが草から出て来た。

「ニャ~」

黒猫を追ってきたらしい。

           

「あ、マロックさん」

それを追ってきたらしいノロマさんも出て来た。

「・・・・」

私が持っているなしを見られた。

「りんご食べるんですか?」

「?」

私はなしを見る。

・・・なしじゃない。

「りんごなのか・・・」

黄色いりんごらしい。

「内緒にしといてあげるからね」

「クゥン♪」

ノロマさんが、レトリバーに話してる。

勝手にりんご食べて、レトリバーはよくエレガントさんに怒られている。

「戻ろう」

「クゥ♪」

ノロマさんがチワワを抱えて去る。

                         

                                 クゥ ♪

似た色だから、梨と間違えた。

ノロマさんに見つかってしまったけど、レトリバーのおかげで内緒にしてもらえる様である。

          パカ

りんごを割る。

半分レトリバーにあげる。

      パカ

もう半分は黒猫を私で分ける。

「♪」

            シャリ

シッポがゆれる。

「キキ」

フサフサの中に、リスもいた。

           シャリ

たべる。

「ニャ~」

黒猫にもあげる。

リスと一緒にたべるだろう・・・・

                 シャリ

                                       ザヮヮヮヮ  ・・・・・

         チチチ