表面

2017年08月15日 13時39分31秒 | マーロックの日記

                                ブロロロロ   ・・・・

                                                     ガササ

          ジャリリ

体がゆれる・・・

車がゆれるから。

崖の下まで来た。

ポールさんの乗って来た6輪駆動車で、狩猟小屋を目指している。

水上も移動できるバギーは、あきらめて小屋に向かっている。

乗っていたのは、フェルトともう一人。

確認できなかったけど、ツイードの男かもしれない。

わざわざ大タープの裏から接近するのに、ずいぶん雑な行動だった印象である。

フェルトは急いでいると言っていた。

焦って、冷静さを失っているのかもしれない。

「・・・・」

前の席に座っているカールさんが、ドローンのバッテリーを交換している。

ドローンのバッテリーを充電するためのバッテリーも、たくさん持ってきた。

小型のソーラーパネルで充電していたみんなのを、借りて来た。

何度か飛ばして、フェルトたちのバギーが川をさかのぼっているのは確認している。

大タープのある辺りまで行けば、崖の上も確認する。

土壁を攻撃している25人が小屋に戻り始めたりするようなら、私たちは無理せず大タープに戻る。

このまま順調に走れたとしても、小屋のある辺りまでは4時間以上はかかると思う。

ドローンで確認して通れそうなら、わざわざ小屋の近くで森を出る必要もない。

このまま川を上って、携帯電話が通じる場所まで行ければそれが安全。

お弁当は持って来てる。

「少し寝ていれば?」

「・・・はい」

眠そうなプルームさんに、ノッポさんが声をかけた。

彼女も夜中の見張りを手伝ってくれた。

あと、運転しているポールさんが一緒に来てる。

左側に座っているから、窓から川がみえる。

「・・・・」

揺られながら見ていれば、そのうち眠るかも。

水位は上がっているのかな。

                      ブロロン

大きく右にゆれた。

舗装されていない場所を走るから。

タイヤの気圧は、少し下げている様。

運転席で、6つのタイヤをそれぞれの気圧を変えれる。

                                      ―――

前の席から、話す声。

空はよく晴れている様で、影がはっきりしてる。

川には、こちら側の木の影。

影と影の間、水面で光が反射してる。

窓はゆれて水も流れているから、それがゆらゆら。

「・・・・」

ここからは、空があまり見えない。

少し見えるけど。

白い雲も。

こっち側の木の影が引いて、川の影が少ない場所もある。

そこは、水面も明るい。

川にある大きな石で、流れが変化している場所もある。

エンジン音の間から、水の音もすこし聞こえる。

車をとめて外に出れば、もっとよくわかるだろう。

                 ジャリリ

影が増えると、まぶしいことがあまりない。

音もゆれも、心地いい。

影の方が、水面のゆれがよくわかる。

魚はみえそうもない・・・・

                         ―――

                                           ブロロォォォ  ン

           ガササ