枝の端っこ

2017年07月06日 14時01分59秒 | マーロックの日記

                                   リ リ リ

                                              ゥゥゥウウ  ・・・・・

              ソョョ

葉の陰・・・

風で森から飛んできたのが、私と夜空の間を通った。

月もいて空は暗くない。

少しある雲は移動が速い。

あの辺は風が強い様。

雑音が多いラジオによると、朝頃から雨になるかもしれない。

町のある辺りの予報で、私たちのいる所は分からない。

「・・・」

私の座っている土壁の内側に置いた木箱の横に、黒猫がいる。

歩いたり止まったりしてる。

左をみると、灯り。

グリがいるはず。

プルームさんは、ハットさんとたき火の所にいた。

マッチョさんは荷台に戻っていて、シートを探してる。

あちこちに使っているけど、まだあると思う。

雨が降るなら、壁の内側にも雨よけをつくるつもりらしい。

強い雨なら、狩猟小屋の連中も去るかもしれない。

あいつらの壁のある辺りは、湖になる。

      ――

足元にあった、小枝をとる。

土袋を運んでいるときに、一緒に森から来たのかも。

「・・・」

黒猫がみてる。

                     ―――

枝の先を黒猫に近づける。

        

左前足をのせた。

「・・・・」

小枝の真ん中に持ち直して、反対側の端っこを黒猫に近づける。

          

もうひとつの前足をそっちにのせた。

「・・・」

左右の前足ののった小枝の真ん中を持っているから、黒猫の頭が近い。

                    ―――

持つのをやめて指で枝の下から支えたら、黒猫は左右に傾かない様にバランスをとった。

そのまま指で黒猫の首をなでる。

「・・・ニャ~」

鳴いた。

でも、枝にのせた前足はそのまま。

ゆっくり枝を動かすと、黒猫の前足も一緒に動く。

「・・・」

ランタンライトを反射して、黒猫の目は光っている。

「・・・・」

ゆっくり枝を下げて、地面に戻す。

       カサ

黒猫が枝を奪った。

「♪」

シッポが器用に動く。

どんな感じかな・・・・

                ソョョ

                                                ヒュルル  ・・・・

                                ポォ