リ リ リ
ゥゥゥウウ ・・・・・
ソョョ
葉の陰・・・
風で森から飛んできたのが、私と夜空の間を通った。
月もいて空は暗くない。
少しある雲は移動が速い。
あの辺は風が強い様。
雑音が多いラジオによると、朝頃から雨になるかもしれない。
町のある辺りの予報で、私たちのいる所は分からない。
「・・・」
私の座っている土壁の内側に置いた木箱の横に、黒猫がいる。
歩いたり止まったりしてる。
左をみると、灯り。
グリがいるはず。
プルームさんは、ハットさんとたき火の所にいた。
マッチョさんは荷台に戻っていて、シートを探してる。
あちこちに使っているけど、まだあると思う。
雨が降るなら、壁の内側にも雨よけをつくるつもりらしい。
強い雨なら、狩猟小屋の連中も去るかもしれない。
あいつらの壁のある辺りは、湖になる。
――
足元にあった、小枝をとる。
土袋を運んでいるときに、一緒に森から来たのかも。
「・・・」
黒猫がみてる。
―――
枝の先を黒猫に近づける。
ト
左前足をのせた。
「・・・・」
小枝の真ん中に持ち直して、反対側の端っこを黒猫に近づける。
ト
もうひとつの前足をそっちにのせた。
「・・・」
左右の前足ののった小枝の真ん中を持っているから、黒猫の頭が近い。
―――
持つのをやめて指で枝の下から支えたら、黒猫は左右に傾かない様にバランスをとった。
そのまま指で黒猫の首をなでる。
「・・・ニャ~」
鳴いた。
でも、枝にのせた前足はそのまま。
ゆっくり枝を動かすと、黒猫の前足も一緒に動く。
「・・・」
ランタンライトを反射して、黒猫の目は光っている。
「・・・・」
ゆっくり枝を下げて、地面に戻す。
カサ
黒猫が枝を奪った。
「♪」
シッポが器用に動く。
どんな感じかな・・・・
ソョョ
ヒュルル ・・・・
ポォ