ピィィ
ヮヮヮヮ ・・・・・
チチチ ♪
鳥だ・・・
天然橋の向こうの空高く。
同じ方に、大型ドローンも飛んでる。
橋のこちら側から飛ばしたのだけど、風に流されてた。
カールさんが動かしてる。
「・・・」
いい天気。
昨日は温かく、雨で湖になった荒野の水はかなり蒸発していた様で、夜の間にかなり水位が下がっている。
最初に湖になった時よりも、水が引くのが早かった。
早めに起きたから、もう水汲みは終わった。
水位が下がっているから、狩猟小屋の連中は動くかもしれない。
帰ってくれればいいのだけど、目的がよく分からない。
「あちこち岩が見えますね」
「うん」
ハットさんが持っているタブレットを見る。
ドローンの撮影している映像が映ってる。
とても広い荒野が湖になっていたけど、ゴツゴツした石が水面から出てる。
カメラを拡大したり引いたりしてる。
「ミャ~ゥ」
ニャッティラがいる。
シッポがゆっくり大きくゆれていて、機嫌が良さそう。
今朝はいい天気だし、ヘテロやグリたちが、土袋をまたつくってる。
もう壁は十分な大きさに思えるけど、さらに頑丈にする様。
後で、私もすこし手伝おう。
そして、ホットケーキを焼く。
今日はみんなに焼いてあげるつもりだから、たくさんいる。
「――!」
「トラック?」
「こっちに来ているの?」
・・・タブレットを見る。
「・・・そうですね」
とても小さいけど、いくつも動いてるのが分かる。
カメラが拡大されて、動く。
「――そこ」
拡大したまま、車を見つけた。
「・・・こっちに来るの?」
「うん」
フルトレーラーが走ってる。
「バイクも・・・」
カメラが少し動くと、バイクがたくさん走ってる。
ジジ ・・・
「――小屋のやつらが動いたよ!」
ジジ ・・・
え?
「ドローンのカメラ見て!」
中継器があるから、大タープでも同じ映像が見れる。
ちなみに、チーフさんがつくった監視カメラの映像も。
ジジ
「こっちに向かってる」
―― ・・・
そっちに行く ―― ジジ
「うん」
トランシーバーから、マッチョさんの声がした。
わざわざあんなに準備する連中だし、帰ることはなかった様。
「・・・・」
壁を見る。
最初にここに来た時と違って、しっかりとした壁。
周りはビニール袋が見えるけど、中に土が入っていて、十分な厚みがある。
ライフルの弾なら、止めれるだろう。
それ以上の武器を持ってこられたら、どうか分からない。
小屋の連中もドローンを持っているかもしれず、私たちがしっかりした壁をつくっているのは知っているかもしれない。
「・・・・」
トレーラーの速度に合わせて、バイクが走ってる。
カメラが引いて周囲を撮影しているけど、先行しているバイクとかはいなさそう。
「・・・・」
もう太陽は出ているけど、朝ごはんはたべていない。
少しでも、先にたべていた方がいいかもしれない。
まだ、ここまで来るのに数時間はかかるだろう。
「ミャ~ゥ」
ニャッティラを手で呼んで、大タープに向かう。
ト
地面は水っぽい・・・・
ト
ヮヮヮヮ ・・・・・
チュチュン