雪国の春は、雪の中に咲くマンサクに始まり、4月に雪が溶けるといっせいに山野草が咲き始める。その中でもコシノカンアオイは、常緑のまま雪の下から現れ、他の山野草に先駆けて、特徴ある花を咲かせる。
あたり一面にカタクリが咲き乱れ、日本特有種のギフチョウが優雅に舞い始める。ギフチョウはコシノカンアオイの葉の裏に産卵し、幼虫は葉を食べて成長するのだ。
日本海側の多雪地に生え、カンアオイに似ているが、葉は常緑で厚く、肉厚で黒ずんだ光沢のある花は直径3~4cmと大きい。
名前の由来:越の国に咲く寒葵からこの名が付いた。
花期2~5月。
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コシノカンアオイの種子はアリがはこびますが、アリは数メートルしか運ばないので、1万年で数キロしか分布が広がらない。
それでカンアオイは固有種ができるといわれます。ギフチョウも大変人気がありますが、国蝶のオオムラサキもカンアオイを食べて成長します。
藤野町では町ぐるみでカンアオイを護り、これがオオムラサキの保護につながっています。
多摩丘陵にあるのはタマノカンアオイです。
酒「越乃寒葵」はまだ聞いたことがありません。
コシノカンアオイは、中越地方の山にはたくさんありますが、ギフチョウの保護から業者の乱獲が心配されています。
昔は「雪割草」も、日本海側の丘陵(柏崎や西山)にはたくさん自生していましたが、やはり乱獲に遭ってしまいました。