赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

李克強の死、真相は

2023-11-10 00:00:00 | 政治見解



李克強の死、真相は :231110情報

10月27日、「中国の前首相である李克強が死去」という驚くべきニュースがありました。心臓発作で亡くなったとのことですが、日本では、習近平の側近にやられたのでは?という憶測が飛び交っています。

一体真相はどうなのでしょうか? 国際政治学者の見解を求めました。

なお、ここを読む前に、当ブログ『中国、三つの政治勢力』をお読みいただければ理解が早いかもしれません。

時間のない人のために、「三つの政治勢力」について簡単に解説しますと・・・。
・「第1の勢力」: 他の勢力を蹴落とし今の中国を牛耳る集団(習近平の派閥)
・「第2の勢力」: 現代の圧倒的な中国経済を作り上げた集団(故、江沢民の派閥)
・「第3の勢力」: 官僚として能力の高い若手エリート集団(故、胡錦涛の派閥、李克強はここに属する)


◼︎ 李克強の死

結論から言いますと、一般には李克強は習近平に殺されたのではないかという説が流れていますが、私は違うと思います。私は、同じ共産主義青年団派で、李克強に近い人間によって殺されたのだろうと推測しています。

共産主義青年団派の人間に殺されたか、あるいは習近平派ではない、旧江沢民派の人間に消された可能性もあると思います。いずれにしろ、これは習近平の手にかかったものではないというふうに判断します。

これは別に習近平のことを擁護するわけではありません。習近平は、今の段階で李克強を殺しても何の得することもない。むしろ損することの方が多いわけですね。


◼︎ 李克強という人物

李克強は、官僚政治家と呼ばれ、政治家というよりは官僚です。非常に勉強がよくできる秀才タイプですね。官僚として有能であるというので、この胡錦涛(こきんとう)の下で、引き上げられる形で出世してきた人です。

おとなしく官僚機構の中で自分の能力を着々と生かしていくようなそういうタイプの人です。そういった意味で政治的に覇気がないというか、山っけがないというか、そういう人ですね。ですから、おとなしくリタイアしてくれれば、これは習近平にとっては一番いいと言うわけです。

実際、彼が死んだので殺されたんじゃないかという噂が中国共産党の内部に広がることはトップの指導者としては最も望まないことなんです。ですから、これは習近平がやったのではないということは、私は確かだと思います。


◼︎ より一層固まる習近平の権力

さて、結論として言わなければならないことは、これによって習近平の権力が非常に固まってきたということです。第3期に突入して、共産党の方も表面的には権力は固まったんです。なぜなら今、李克強を殺しても習近平には得はなく、むしろ損をすることの方が多いからです。

習近平が殺害したという説が流れることで反習近平派が反乱の狼煙をあげる危険性があります。

また、李克強は「習近平を取り除いて俺がトップになる!」というような野心はない人でした。政治家というよりは官僚で、勉強がよくできる有能な秀才タイプです。政治的な覇気や勇気は無いので、わざわざ習近平が殺すほどのことはないのです。

習近平は第3期に入り、表面的には権力が固まったと言われていますが、まだまだ団派・江沢民派も暗躍しています。

彼らが国際派として、一番繋がっていたのは英国守旧派、あるいは米国にいる守旧派に近しい人たちです。しかし今回の事件で、彼らを排除するプロセスが完結しつつある、国内の地固めができて、習近平の集権体制が一層固まってきたと言えます。

習近平は、次々と粛清を続けてきました。

・秦剛外務大臣、国務委員解任
・李尚福国防大臣、国務委員解任
・ロケット軍トップ3失脚
・航空宇宙産業の大手国有企業トップを
 次々に逮捕
・中国恒大集団、碧桂園の破綻

そして、彼らがいわゆる国際派として金儲けした時に、つるんでいたのが英国の守旧派です。英国の守旧派、英国の守旧派と仲のいいアメリカの人たち。そういった者を排除するプロセスがついに最終的に完結しつつある。それによって習近平が国内体制をより一層地固めができた。彼の権力体制が一層固まってきたということです。

ですから、今度彼は11月にサンフランシスコで行われるAPECの首脳会談に出るということははっきり言ったわけですね。

これは日本としては、気をつけなければいけない。台湾侵略に向けても、党内の権力を完全に固めた。そして軍の方、政府の方の権力掌握もより確実になったということを意味しているんです。



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