
コラム(77):河野太郎氏の改革力
親父は親父、自分は自分
第三次安倍改造内閣で河野太郎氏の入閣【※1】が決まると同時に「なぜ?」という声が聞かれました。なかでも、朝日新聞などのマスコミは「内閣に取り込まれた裏切りもの」と言うような評価をしていました。父親の河野洋平氏の中韓寄りのイメージで息子の太郎氏を見ていたからだと思います。
河野太郎氏自身、「親父は親父、自分は自分」と河野洋平氏と同一視されたくないようです。マスコミも最初から固定観念で見てはならないと思います。
【※1】国家公安委員長兼消費者及び食品安全担当大臣兼規制改革担当大臣兼防災担当大臣。
適材適所
安倍総理のこれまでの人材登用を観察すると、派閥の力関係や、党の都合とは関係なく、そのポジションにふさわしい人材を選んでいます。しかも、登用された人は総理の期待に応えるべく頑張っています。こうした傾向はこれまでのどの政権にも見られなかった現象です。
今回は、党内の異端児を抜擢したとの世評ですが、安倍総理としては当然の人事だったようです。
河野氏は直近まで自民党の行革推進本部長でした。そこで内閣府や内閣官房の組織見直し法案などに尽力した実績があります。実は行革は総理にとっては重要課題の一つです。河野氏は利権につらなる関係機関、団体、企業とのしがらみが無いため、改革推進力が強いので、高く評価されたのだと思います。
やる気十分
河野氏は「小さな政府と大きな年金」が持論で、徹底した行政改革論者です。就任早々、「五輪の便乗予算をしっかり取り上げたい」とし、教育やエネルギー、地方創生などの分野でも予算の無駄遣いに切り込むと宣言しています。すでに11月11日から13日まで、各府省の予算に無駄がないかを点検する「行政事業レビュー」の公開検証では河野氏自身が厳しい指摘を行っています。
この検証は民主党政権時の事業仕分けのように、必要な公共事業まで削減するのではなく、官僚によるお手盛り予算の削減を意図したものです。
河野氏自身はライフワークとして取り組みたかった行革と、消費者の立場を尊重しなければ務まらない大臣に任命されたことで、大いに張り切っています。同時に、安倍総理の行革に対する情熱に共鳴し、全力で取り組む覚悟を決め、内閣の一員としての責任を重く受け止めているようです。
突破力に期待
野党にとっては今まで政権攻撃の材料にしていた問題を、逆に政権そのものが積極的に問題視して解決を図ろうとしているので、批判しづらい状況になっています。特に河野氏は、民主党政権時の「事業仕分け」以上の突破力をもって改革に臨むので、野党は攻撃できないのではないかと思います。
また、安倍総理の強力なバックアップにより、省益を確保したがる官僚(特に厚生労働省)と自民党内に存在する利権派議員(族議員)たちの激しい抵抗を跳ね返していくと思われます。
異端児・河野太郎氏の活躍に注目したいと思います。
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