駒師「日向」のブログ 本店

プレーヤー目線で作る
将棋駒作家のつぶやき

対上手戦記1 ~その5~

2019年08月30日 | 対局日誌

●第9図までの指し手
△4六金
▲7八馬
△5七と
▲7二桂成
△同 銀
▲9二歩
△同 香
▲9三歩
△同 香
▲9四歩
△同 香
▲9三歩

美濃囲いの弱点は端、右側から攻めたら負ける。序盤につき捨てた▲9五歩がここに来て活きてきた。香車を吊り上げその裏側に手裏剣を差し込む。


●第10図までの指し手
△6五桂
▲9一銀
△8三玉
▲3三飛成
△4三歩
▲6五玉
△6四歩
▲7六玉
△6五桂
▲6六銀
△5六金

上手は脱出口を開ける△6五桂、振り飛車では頻出の手筋である。
随分前から双方1手30秒の秒読みに突入しており、これに対する応手がよく分からない。差が縮まる。
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一乕作 安清書 本黄楊 彫将棋駒

2019年08月29日 | リサイクル駒
一乕作 安清書 本黄楊 彫将棋駒です。

一乕(いちとら)は、故大竹治五郎師の別銘とのことです。

浅彫りの手本として長く所持していましたが、

遊具として活躍できないのは、

駒自身が望んでいないでしょう。

金将と余り歩が不足していましたので、

拙作ですが追加させて頂きました。

今週のヤフオクに出品致しました。

経過を見守って下されば幸いです。

⇒YAHOOオークション



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対上手戦記1 ~その4~

2019年08月28日 | 対局日誌

●第7図までの指し手
▲5六馬
△5八歩成
▲同 玉
△3八銀
▲6九飛
△4七銀不成
▲同 玉
△3六歩
▲同 玉
△2六金
▲4六玉
△3六歩

上手は歩を使って右桂の参戦を試みる。しかし、金と歩の持ち駒だけで下手の玉を捕まえることは出来ない。通常は厳しいことが多い△3八銀も手順に飛車が使え、ありがたい。
非勢を悟った上手は、とにかく切れない様にボチボチ攻めに切り替えた。玉形が大差なので間に合ってしまう可能性がある。
こういうところが五段のしぶとさ、今まで何度もやられているので、気を引き締めなおした。

●第8図までの指し手
▲3四金
△同 飛
▲同 歩
△3七歩成
▲3一飛
△3六金
▲5七玉
△4七と
▲6六玉
△6二金引
▲6四桂

▲3四金に上手は飛車で差し違え、下手が狙う入玉を防ぐ。
相変わらずのボチボチ攻めだが、それが故に切れる事はなく、勝つには攻め合いしか残されていない。▲6四桂で攻めのターンに入ったが、もう少し受けた(かわした)方が良かったか。。。
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対上手戦記1 ~その3~

2019年08月26日 | 対局日誌
●第5図までの指し手
△4三角
▲4四歩
△6一角
▲4五銀
△3五歩
▲3二馬
△4四銀
▲同 銀
△同 飛
▲4五銀
△2四飛
▲3五歩
△5六歩

少し良くなると油断するのが欠点、感覚指しで読みが入っていない。上手の△3三銀を捌かせてしまった。実戦では後悔しても始まらないので、気を取り直して手厚く指すことを心がける。
相手の攻め駒を、前からは金銀で、後ろからは馬で圧迫するのが先手の狙いである。
△5六歩は嫌な感じの歩だが、私にはチャンスボールに見えた。

●第6図までの指し手
▲6七金
△7八銀
▲5六金左
△6七銀成
▲7六馬
△3三桂
▲6七馬
△4五桂
▲同 金
△6五歩
▲同 歩
△5七歩

指がしなる▲6七金!上手が何もしなくてもそう指したいところなのに、1歩のオマケつきである。
△7八銀に更に▲5六金、△6七銀成に▲7六馬と気持ち良い手順が続き温泉気分、またしても悪い癖が首をもたげる。△3三桂に対する▲6七馬小ミス、かろうじて優勢は維持出来ている。
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対上手戦記1 ~その2~

2019年08月24日 | 対局日誌
●第3図までの指し手
△9四歩
▲9六歩
△8四歩
▲4八玉
△5四歩
▲2九飛
△5五歩
▲6七銀
△5四角
▲2六飛
△2二飛
▲5六歩
△同 歩
▲同 銀
△2四歩
▲同 歩
△2五歩
▲2九飛
△2四飛
▲5五歩
△3二角
▲9五歩

街の将棋道場や地方の将棋大会に必ず居るのが「筋違い角使い」のオジサン、私も昔は随分と苦しめられた。
しかし、プロ棋戦での筋違い角戦法の勝率は3割台であり、専門家の中では既に結論が出ている形である。相手は上手だがそんな戦法に負ける訳にはいかない。
▲9五歩で上手を揺さぶる。

●第4図までの指し手
△同 歩
▲8六銀
△8三銀
▲4五歩
△7二金
▲4四歩
△同 銀
▲4二角
△3三銀
▲3一角成

私流だが対筋違い角戦法の考え方を披露してみたい。
①△3二角が狙っている自陣の左辺に玉を近づけない。
②相手に陣形を伸ばさせ、角の打ち込みの隙を生じさせる。
③相手の角を攻めることで、角を手放したデメリットを拡大させる。
この方針に従った指し方が対振り飛車の右玉である。指す人が少ない分、慣れている方が勝ちやすいのは常識だが、専門家には通用しないので使用方法を誤らないで頂きたい。
先手だけ馬が出来て好調。
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鷹山作 錦旗書 本黄楊柾目 彫将棋駒

2019年08月22日 | リサイクル駒
骨とう品店経由で入手した鷹山作の彫駒です。

ここ数年で仲良くなったお店なのですが、

将棋駒が入った時はかならず連絡をくれます。

この場を借りまして感謝いたします。

ところで皆様、「山買い」って言葉をご存知ですか?

古物商業界用語で、

例えば蔵1つとか家の中にあるもの全部、

のようにまとめ買いすることをそう呼ぶそうです。

この駒はそんな山買いの遺品の中にあったそうです。

保存状態が良く、あまり使われた形跡がなかったのは良かったのですが、

歩兵が18枚でしたので余り歩は作って足しました。

更に勝手に玉将を加えて3玉仕様にして使用していました。

私は対局前の王将の譲り合い(時々、取り合い?)が好きではないので、

双玉仕様だと安心するのがその理由です。

1年ぐらいお世話になりましたので、

今一度クリーニングを施し、オークションへ出品致しました。

私よりもよく使って下さる方のところへ嫁げることを祈ります。

⇒YAHOOオークション




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対上手戦記1 ~その1~

2019年08月22日 | 対局日誌
先手: 日向
後手: 某五段

●第1図までの指し手
▲7六歩
△3四歩
▲2二角成
△同 銀
▲6八銀
△6五角(冒頭図)
▲4八銀
△7六角
▲7八金
△4四歩
▲7七銀
△3二角
▲4六歩
△4二飛
▲4七銀
△5二金左
▲5六銀
△3三銀

こんな場末のブログのアマチュアの将棋なんか誰も見ていないと思っていたが、意外と反応があり驚く。ただし、下手をイジメているだけだと悪友からの一言に反応し、上手に勝つ将棋も掲載するはめに。
相手は五段、将棋倶楽部24でも五段なので本物。
私の▲2二角成を挑戦的と捉えたのか、返す刀で筋違いの△6五角!早くも手将棋になった。
筋違い角戦法は居飛車、振飛車両方あるが、アマチュアの場合圧倒的に振飛車、しかも四間飛車が多い。
角交換の将棋を常とする私としては、第1図はいつもの見慣れた光景と言える。

●第2図までの指し手
▲5八金
△6二玉
▲2六歩
△7二玉
▲3六歩
△8二玉
▲4七金
△7二銀
▲2五歩
△6四歩
▲1六歩
△7四歩
▲1五歩
△6三金
▲6六歩
△7三桂
▲3七桂

少々手数を長く掲載したが、本局は150手を超える将棋ゆえご勘弁願う。
▲4七金+▲3七桂が私流の作戦。善悪は微妙だと思うが、事の他勝率が良い「ドル箱」戦法。変態将棋ゆえに真似はお控え願う。
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明朝 ~その13~

2019年08月20日 | 創作書体
明朝体一字書です。

久しぶりにヤフオクへ自作を出品致しました。

経過を見守って頂ければ幸いです。

⇒YAHOOオークション
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ごいた ~その9~

2019年08月20日 | その他の将棋
ごいたです。

目止めをしたところです。



特に変わったところの無い写真ですが、

記録も兼ねておりますので、

お許し下さい。

この後の作業が最難関です。

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ピンホール修理 ~その2~

2019年08月18日 | 駒修理
無数のピンホール修理をしている作者不明の芙蓉書です。

全面を目止めした後、

サビ漆ではなく漆を2度重ね塗りしました。

画像はそれを水研ぎで落としたところです。

実はピンホールだけでなく、

漆の「痩せ」も発生していましたので、

もう少し重ね塗りをすべきだったかと、

少々心配しています。

自作でこんなにピンホールが発生することはないので、

正直、加減が分かりません。



乾いたら細かいペーパーで研磨、

ピンホールが綺麗に埋まっていればよいのですが、

果たして結果は。。。。

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角落ち上手戦記 下手矢倉定跡~その6~

2019年08月17日 | 対局日誌
●第11図までの指し手
△6五金
▲同 金
△7六銀
▲5五桂
△8六飛
▲7九玉
△6五銀
▲4三桂成
△同 玉
▲5四歩

取られそうな金で相手の金を引っ張りあげる。その裏から銀を差し込み、下手の玉頭を抑える。善悪は分からないが、勝つとすればこういう展開しかないだろうと踏み込んだ。
下手も望んでいた上手の玉を左側から攻める展開となり、5五に桂を勇躍させ詰めろをかけた。
一直線の攻め合いでは下手勝ちなので、上手はどこかで手を戻す必要がある。
7六に銀が居る間なら△8六飛に合い駒が出来ないので、ここで飛車を走り、下手玉を下段に落としてから、金を入手しつつ自玉の詰めろを消す。
下手は▲5四歩で再び上手玉に詰めろをかける。

●投了図までの指し手
△6七桂
▲6八玉
△8八飛成
▲7八銀
△7七金
▲5八玉
△7八龍
まで157手で上手の勝ち

余しに行っても上手勝ちだと思うが、詰みがあるときは詰ませる。そういう姿勢が上達を促すと思う。下手からもらった桂馬を6七に置き一気に収束。下手の飛車と角の利きがあるので、少し詰み筋が見えにくかもしれない。
下手にも勝てる局面があり形勢は2転3転していたと思う、いい勝負だった。
手合い割が適正だと棋力に差があっても勝負形になり、上手下手双方が将棋の醍醐味を味わえる。
対戦相手に感謝。。


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明朝 ~その12~

2019年08月16日 | 創作書体
先ほど完成しました明朝体一字書です。

予想よりも制作に苦労しましたが、

新しい気づきが2つ、収穫がありました。

書体が楷書なので、

木地がおとなしい柾目や板目ではつまらない、

杢や虎斑なら面白いけどtoo muchかと。

中間の根柾あたりが適度かと思いましたが如何でしょうか。。





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角落ち上手戦記 下手矢倉定跡~その5~

2019年08月15日 | 対局日誌
●第9図までの指し手
△5六金
▲3九角
△5四歩
▲7七銀
△5五歩
▲7九桂
△6六歩
▲5九桂
△9五歩
▲5七歩
△6七歩成
▲同桂右
△9六歩
▲9八歩
△6七金
▲同 桂
△5四金右

筋は悪いが△5六金で下手の角の動きを抑える。下手からは▲2四歩△同歩▲1六桂が早いが、果たして下手は気付いているだろうか。
余計な事を考えていたら指し手を誤った。下手のなりふり構わないベタ受けに遭い、折角入手した金将を奪い返されてしまった。
今まで積み上げたものが一瞬の油断で水泡に帰す、これが将棋の怖いところ。水を飲んで気を静めた。

●第10図までの指し手
▲8六歩
△6四歩
▲7四金
△8一飛
▲6四歩
△同 銀
▲同 金
△同 金
▲6五歩
△5四金寄
▲5六歩
△8四桂
▲6六金
△7六歩
▲同 銀
△同 桂
▲同 金
△5六歩
▲4六桂

下手は受けに自信がある様で、上手の攻めを余しにきている。原因は私の攻めが上手くないためだ。
そう思うと上手のボチボチ攻めを必要以上に付合い、局面をリードできるチャンスを下手は逃していると私は思う。
下手はこのタイミングと見て▲4六桂、分かりやすい攻め筋に入った様に見えるが、、、
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ごいた ~その8~

2019年08月14日 | その他の将棋
全ての彫りが終わりました「ごいた」です。

一字書の難しいところは、

文字が大きいので、

ちょっとした線のゆがみや、

彫り跡、漆の擦(かす)れ等が、

普通の駒以上に目立つところでしょうか。

従いまして、

このあと仕上げ彫りをします。

一発で彫れないの?

とご指摘を受けそうですが、

技術が足りなくてすみません。



裏面を彫らなくて良い分作業は楽に見えますが、

実はこのあと初めての作業が待ち構えております。。



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角落ち上手戦記 下手矢倉定跡~その4~

2019年08月13日 | 対局日誌
●第7図までの指し手
▲1五歩
△同 歩
▲1四歩
△8六歩
▲同 歩
△8五歩
▲同 歩
△8一飛
▲1五香
△1二歩
▲7五歩

手を渡された時に、それを手渡しで返せたら初段の域は越えているだろう。
下手は上手陣の端を詰めポイントを上げたが、その間に上手は駒の効率を上げる。この交換、どちらが得しただろうか?

●第8図までの指し手
△8五飛
▲8六歩
△同 飛
▲8七歩
△8三飛
▲7六金
△7七歩
▲同 桂
△同桂成
▲同金上
△8四桂
▲6五歩
△7六桂
▲同 金
△6三金
▲5七角

右辺(上手左辺)からこれ以上の攻撃が見込めない下手は、戦場を自玉の近隣に移した。大局観としては正しくなかろうが、形勢を悲観しての勝負手に見える。
第8図の局面は、
①駒の損得 上手「右桂(4点)+歩3枚(3点)で合計7点」と下手「金(8点、守備の要)」で、上手+1点
②手番は上手
③玉は上手の方が少し堅い
④駒の効率は互角
ということで、上手が当初のハンディキャップを少し挽回した程度、形勢は互角の範疇だろう。
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