駒師「日向」のブログ 本店

プレーヤー目線で作る
将棋駒作家のつぶやき

香落ち上手戦記 下手△3四銀拒否型 ~その2~

2020年01月23日 | 対局日誌
現在のA級で純粋な振飛車党は久保九段ただひとり。
かつて振り穴王子と呼ばれた広瀬前竜王は、完全に居飛車へ転向済。
そういう現状が「不利飛車」なんてダジャレを生むのだろう。

振り飛車を指して感じる事は、その感覚の難しさ。
多少駒損でも自玉が堅ければいいが、
相手玉の方が堅いケースは手損が響いて正直骨が折れる。
少なくとも自玉の堅さを保つために
穴熊を基本として指してみる。

【第2図までの指し手】

△9一玉 ▲7六歩 △8二銀 ▲9六歩 △7四歩 ▲9五歩
△6四歩 ▲7七角 △4二金 ▲8八銀 △5三金 ▲5九角
△1四歩 ▲8六歩 △6三金 ▲7七桂 △7二飛 ▲8七銀



下手は銀冠+引き角の構え。序盤に中央の位取りを許した関係で、▲4七銀型となったのを活かす構想だろう。
しかし、これでは1筋の弱点を突く展開にはなりにくく、上手作戦勝ちの様相。
穴熊は駒が偏り過ぎていて、正直落ち着かないが、
それをなんとかするのが上手の腕の見せ所。
駒を右辺(下手から見ると左辺)へ移動させながら捌く方針。
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初代書 Round7 ~その3~

2020年01月21日 | 一字書
初代光匠書の飛車と角行です。

漆が入っている角行1枚は、

相当昔に作ったものですので、



裏面も完成しています。

難あり木地ですので、

お客様には出せませんが、

自分で使うには何ら問題ありません。



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無剣書 Round2 ~その8~

2020年01月19日 | 隷書(無剣・六清・三田玉枝・阪田好等)
無剣の飛車です。

字母紙が剥がれていますが、

これは細部確認のために剥がしたもので、

問題ありません。

しかし、手が痛い。。。

杢木地はタダでさえ堅く、

しかも木口ですからねぇ。。。

印刀をまた研ぎ直します。


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香落ち上手戦記 下手△3四銀拒否型 ~その1~

2020年01月17日 | 対局日誌
最近のタイトル戦はほぼ相居飛車。
角交換のバランス型を好む一人としては、
甚だ良い傾向ながら、
同じような将棋ばかりが続くと飽きるのも事実。

密かに振り飛車への転向を図るべく、
香落ち上手で捌きの感覚を養う今日このごろ。

手合割:香落ち 
下手:某二段
上手:日向

【第1図までの指し手】
△3四歩 ▲2六歩 △4二銀 ▲4八銀 △4四歩 ▲3六歩
△5四歩 ▲2五歩 △3三角 ▲1六歩 △5二飛 ▲5八金右
△6二玉 ▲4六歩 △5五歩 ▲4七銀 △4三銀 ▲6八玉
△7二玉 ▲7八玉 △8二玉 ▲6六歩 △9二香 ▲6七金

上手の戦法は振り飛車穴熊、これは下手早めの▲3六歩に呼応したもの。
△3四銀型振り飛車を拒まれたら別の作戦を選択せざるを得ない。
普段飛車はほぼ振らないし、穴熊もしないので、こういう戦型はとても新鮮。
捌きを勉強させて頂くつもりで丁寧に読みを入れて指すことを心がける。
つづく

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初代書 Round7 ~その2~

2020年01月15日 | 一字書
初代光匠書の王将です。

駒は触覚でも楽しむものですので、

出来る限り深く艶々した彫面を心がけます。

これはある方から頂いたヒントで、

その方いわく

「王将の縦棒のところがツルツルしていて、

ずーっと触ってしまいます。。」

とのことです。

触って気持ちいい駒、ということですね。



王将の裏側です。

目節や滲みがある訳ではありませんが、

一般的な本組には向かなかった駒木地です。

根付にする方法もありますが、

音がいいので選びました。

駒は音でも楽しむものですからね。







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結城恵山作 水無瀬書 御蔵島黄楊柾目 彫駒

2020年01月12日 | 日向のひとりごと
結城恵山作の彫駒です。

2年前の丁度今頃、

結城恵山師の作品を代行出品しましたが、

またご縁がありお引き受けすることとなりました。

惠山師にはお会いした事はありませんが、

彫りの名手として私が尊敬申し上げる駒師の御一人です。

相当鋭角に研いだ印刀でシューっと彫ると、

この様な出来上がりになると思います。

天童の駒師さんですが作品は東京風だと思います。

素晴らしい作品ですが、

私とは作風が大きく異なりますので、

買い取ることなくそのままオークションへ出品致しました。

⇒YAHOOオークション









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無剣書 Round2 ~その7~

2020年01月11日 | 隷書(無剣・六清・三田玉枝・阪田好等)
無剣の王将です。

出来上がった感じは他の柾目や杢の木地と

なんら変わりありませんが、

彫る作業はとても大変です。

通常の4倍ぐらい時間を要します。



木口杢が好まれない理由はここ。

しかし、独特の趣がこの木地の良さです。

間違いなく普段とは違う感触です。




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阿里 Round 1 ~その6~

2020年01月09日 | 創作書体
久々ですね、阿里の桂馬です。

プリンターの調子が悪く、

字母紙の印刷が滲んでいて、

作りにくいです。

紙を変えようかな?

まあ、字母紙が鮮明に印刷されていても、

手がそのとおりには彫らないので、

結論は同じなんですけどね。

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玉刀作 天童楷書 彫将棋駒

2020年01月06日 | リサイクル駒
ご縁がありまして我が家に参りました、

玉刀作天童楷書の彫駒です。

作者の玉刀師について調べてみました。

⇒天童市の観光サイト

ご本名は小野幸市さんと言うのですね。

大正12年生まれとのことですので、

ご存命なら97歳ぐらいでしょうか。

木地は黄楊でしょうが、産地は不明です。

現代のものと比べて形成の精度がやや甘いのは、

当時のことですので仕方ないです。

手作業で大量の駒を生産していた頃の作品でしょうか、

さささーっと彫った印象です。

駒師にとって使い込まれた駒は、

最高の教材です。

多くの気づきを頂きましたので、

クリーニングを施し、再び現役へ復帰して頂きましょう。

⇒YAHOOオークション


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初代書 Round7 ~その1~

2020年01月05日 | 一字書
無剣と一緒に発掘された

初代書の作りかけです。

これは記憶があります。

なぜなら、自分用だからです。



私の初代光匠書好きはかなり昔からで、

その間、沢山の失敗作もあります。

失敗作は成長の糧になりますので、

全て捨てずに保存してあります。

しかし、その失敗作が増えてくると、

そのままにしておくのは駒が可哀そうなので、

訳あり木地を使って本組を完成させ、

自分用を作ります。

これも今年中には完成させたいところです。

ちなみに、NHK等のTV対局で使用されているものは、

二代目の光匠書を細字かつ上品にアレンジしたものですね。

初代光匠書は本当に飾らず無骨で、私は好きですが、

現代風ではないかも知れません。

自身の作としては、両者の中間ぐらいの字母紙を使用しています。



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無剣書 Round2 ~その6~

2020年01月03日 | 隷書(無剣・六清・三田玉枝・阪田好等)
無剣書の歩兵です。

休業の間に作業場内を整理整頓していましたら

駒木地の下の方から出てきました。



他の駒はなぜか彫られていないまま、そのまんま。

なぜだ?

過去のブログを検索したら、

スタートは2011年、

その間2回ほど再開していますが、

いずれも途中で挫折していました。

あまりにも進まないので、

最後は記憶からも消えかかっておりました。

理由は簡単で、木口杢が堅くて彫るのが嫌になっちゃうんですよね。

厳密に言うと、刃がすぐに切れなくなるので、

何度も印刀を研ぎなおさなきゃならない、

それが嫌ということです。

木地は個性的でとっても好きなんですが。。。

復活3度目の正直になるでしょうか?

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則壽書 書き駒

2020年01月02日 | 雑感
ヤフオクを何となく眺めていたら、

目に止まりました駒です。

「則壽書」は何て読むのか、

またなぜ木地がオレンジ色なのかも分かりません。

歴史に詳しい方にとっては、

垂涎の駒だったりして。。。

自宅にあります将棋駒の歴史に関する書籍を

読んだ限りの知識ですが、

厚盛りの漆手書き駒は江戸時代に多く作られていた様ですね。



経年変化で黄楊がオレンジに変色するってあるのかな?

普通に考えたら着色ですよね。。。

武家の嫁入り道具に将棋の盤駒が含まれていた、

なんて記載もありましたので、

お祝い用に朱色に染めましたか?

勝手な事ばかり書いていますが、

全てあてずっぽうですので、

信用しないで下さい。

ただ、そういう想像は楽しいものです。

⇒YAHOOオークション












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謹賀新年

2020年01月01日 | 日向のひとりごと
新年あけましておめでとうございます。

ブログ復活致しました。

気持ちも新たに、

皆様の将棋ライフの充実に資する発信を、

して参りたいと思います。

本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

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