行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

10,000円札、5,000円札がなくなるという話

2017-11-23 22:02:40 | 生活
最近、インドで高額紙幣が廃止され話題になった。インドでは高所得者が高額紙幣を隠匿し、税逃れの目的で所得隠しをしているので、インド政府は高額紙幣を廃止するという挙に出た。マネーローダリングは国際的にも問題となって、EUは500(65000円)ユーロ札の廃止を決めた。米国の経済学者からも、日本の高額紙幣である10,000円札と5,000円札を廃止したらという提案が出てきている。その理由として、現金決済は非効率で、北欧のように日常決済をカードですれば、スーパーの行列もなくなるとか、現金には名前が書いてないので隠匿性が強いので税金のごまかしが可能といった点を挙げている。
 
確かに現金流通は日本はGDPの20%ぐらいで飛び抜けて高い。米国は6%、EUは11%、スエーデンは2%ぐらいだ。インドは12%だったのが高額紙幣廃止で8%台に落ちた。日本人はいつもニコニコ現金払いが長い習慣となっているからだろう。最近はカード会社が小口のコンビニでも決済するようにいろいろと仕掛けている。自分もおつりを間違えることが多いのでなるべくカード決済をと思っている。しかし、日本では八百屋とか魚屋、ラーメン屋など小規模商店でのカードは普及してない。また、同窓会、ボランティアなど各種会合の費用も現金を要求される。
 
つまりインフラの整備が日本は遅れているので、そう高額でもない、しかも日常使っている万札や5千円札を廃止したら混乱するし、ポケットが千円札でパンパンになる可能性もある。かつて東芝3億円強奪事件というのが起きてボーナス・給与は現金支給から振込に替わった。現金を持つ年寄りがひったくりに遭っているので現金からカード決済に移行することが安全性を高める。しかし、中国のように急激にQRコードによるスマホ決済が普及したり、デビットカードを年寄りが持つようにならないと現金決済は縮小しない。高額紙幣の廃止はインフラ整備も含め今後の大きな課題だ。
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