行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

円高?ドル高?通貨の価値

2017-01-08 23:40:03 | Weblog

昨年来円高に振れた後、トランプ効果で一挙に円安に振れ、我が国ではもっぱら円ドルの交換レートに話題が集中した。株価がそれに連動しているから止む得ないことかもしれない。あまり注目されないニュースで通貨に関わるものがインドにおける高額紙幣の突然の廃止、中国におけるビットコインの急激な普及、そしてアフリカにおける電子マネーの普及がある。国際危機が勃発すると円が買われ、円高になる。

こうした通貨の現象は通貨を発行している又は価値を裏付けている国の信用が大きく関わっている。日本は又は日本人に対する信用が円の価値を今のところ世界で認められている証だ。インドのルピーの場合、富裕層が税金のがれで、高額紙幣を退蔵していることからモディ首相が強権を発動したわけだが、両替に長蛇の列が出来、両替の紙幣が不足したため、高額紙幣所有者が損して社会問題化している。経済成長にマイナスの影響が多少出ているが、もっと大きな影響は将来にわたりルピーへの信頼が毀損されたことだ。中国でのビットコインの普及は元の価値が昨年は下がり続け、国民が自国通貨に信頼を置けなかったことが原因だ。中国人は通貨に対し敏感で、インドと並んで金を所有することが好まれてきたが、金は通貨としては使い勝って悪く、使い勝手が最も良いビットコインに人気がでたのだろう。今年は世界一のビットコイン保有国になる可能性がある。

アフリカやアジアの途上国でカードによる電子マネーが普及しだしたのは、偽札防止でお店の方が電子マネーを選考し、消費者はおつりの心配もなく勘定が簡単だからだろう。この場合は通貨の価値や信用にはあまり問題ない。日本ではスマホ決済に見られるように電子マネーの普及は今年飛躍的に伸びるがあくまで円という通貨で決済される。一部の大手銀行では独自のネット上で決済できる通貨を考えているようで、通貨の価値を如何に保障できるかが鍵だろう。

日本の円も、1000兆円を超える国の借金がある以上何時価値が下がるか判らない。中国人のように、通貨を分散して持つことも考える時代がくるかもしれない。

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