行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

米国の干ばつで食肉危機の恐れ

2012-07-29 20:33:40 | Weblog

英エコノミスト誌によると「全米の農地が干上がり、トウモロコシが枯れている。貯水池の水位は下がり、川底が見える。ユタ州やコロラド州では山火事が発生している。深刻な干ばつが陸続きの48州にジワジワと広がっている。米国立気候データセンター(NCDC)の最新リポートによると、7月10日時点で、米本土の55%が「中程度」から「極度」、3分の1が「深刻」から「極度」の干ばつ状態にある」「今や干ばつは、ほぼすべてのトウモロコシ及び大豆の産地に広がっている」と報じた。

この状況は人ごとでなく、日本人の食生活にも大きな影響を及ぼす。 トウモロコシは家畜飼料に使用されるため、その価格上昇は牛肉や豚肉、鶏肉、乳製品の価格上昇につながる。日本では米国産の安い牛肉、豚肉、鶏肉がスーパーで売られているが、秋口には影響が出てくるのではないだろか。

米国産トウモロコシは、世界の輸出量の52.5%を占めている。大豆は42.9%だ。国際食糧政策研究所はこの1週間で、トウモロコシ価格は30%以上上昇したと発表した。国産牛や鶏の餌のトウモロコシは100%輸入品にたより、うち9割は米国に依存している。国産の牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵の生産自体に影響が出てくる。同じ量の肉を生産するのに牛は鶏に比べ6倍もの餌を食べるので値段はかなり高くなり、今冬はすき焼きが高値の花になるかもしれない。

米国ではトウモロコシはまた、エタノール生産でエネルギー資源となっている。この際、日本政府は食糧への転換を促すなど早急に働きかけが必要だ。

 

 

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