行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

世界に誇る成果を上げた節電運動

2011-08-21 18:45:51 | Weblog

8月の第3週に入ると関東地方は猛暑が続き、特に18日は36度をこえるこの夏一番の酷暑となった。しかし、日本人の節電協力は予想外のすばらしさで、心配された電力危機は起きなかった。東京電力管内の最大使用電力は18日午後2時台に4936万Kwで今夏最高を更新したが、供給力に対する電力使用率は90%で10%の余力を保った。節電目標は15%、2010年の最大使用電力6000万Kwに対し、5100万Kwだから最高点をもらっても良い成績だ。

週刊誌は春先には、15%の節電は不可能で大停電になるとか、操業できない企業が続出して倒産するとか危機をあおったが。見事に外れた。国が率先して夏時間を採用するとか手を打つことはしなかったが、民間企業は夏時間以上の時間シフトや操業日シフトを実行したことと、国民上げての節電協力の賜で、高校野球も試合時間をシフトしたのが良い例だ。

我が家への東京電力の請求書に「昨年より15%節電しました」という記載を見て、通信簿を見たような気がして、節電もまた楽しからずやという思いもある。しかし、国民の犠牲はかなりのものだ。熱中症患者の増加だけでなく、労働時間の度重なる変更で働く人にはかなり負担がかかり、知人の息子さんがどうしても夜勤になれず一流企業を辞めたという話も聞いた。共稼ぎ子育て家族もかなり苦労しただろう。

政府は大停電が起きなかったので、胸をなで下ろしているだろうが、節電の陰で犠牲者もいることを忘れてはいけない。今回の節電国民運動は電力供給が不安定な途上国だけでなく先進国でもすばらしいモデルとなるだろう。

注、近年の東京電力管内最大電力需要量は2008年6008万Kw、2009年5450万Kw、2010年5999万Kwでいずれも7月に記録している。2011年は8月18日14時4922万Kwで7月15日14時4627万Kwを上回った。これは民間企業の労働時間シフト効果と考えられる。

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