展示の進路 東京都写真美術館
ラグビーの撮影かたがた鑑賞した写真展の感想です。
10月24日東京都写真美術館、セバスチャン・サルガド「アフリカ」。
所属している日本写真協会から封書が届き、講演会のお知らせも
あったのですが、試合時間と重なるため作品鑑賞のみにしました。
2002年に渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催された時よりも
規模が小さくなっていましたが、楽しめました。(当時300点、今回100点)
1974年から2006年までの作品です。
アフリカが抱える難民、干ばつなどの問題に対し、群集、生活、親子、
動物、自然を構成して命を表現しようとしている展示でした。
モノクロームの奥行きを感じさせる絵画的な作品もあり、
インクジェットプリントとは思えない仕上がり。出展目録を見て驚きました。
たくさん並ぶ中、要所要所に出てくる水と光がある作品。私見ですが、
乾いて暗い大地に存在してほしいものを、サルガドさんは伝えたかったのかも。
日中シマウマが一直線に並び集団で水を飲む光景と
暗闇の中、チーターが一匹で飲む光景の対比については
力あるものが水辺を支配する「掟(おきて)」が感じられました。
難民の群集に木もれ日が差し込むような作品は「民に対する愛情」。
12月13日まで開催されていますので、皆さんも是非ご覧下さい。
前回見たのは7年前。東京JCIIクラブ25の個展を終えてからだったので
後片付け疲れもあり、流してみる部分もありました。
でも今回は場内を何度も歩いて、ゆっくり鑑賞できました。
会場作品は響き方が違います。1度見るだけで像が記憶に残るようです。
写真展の素晴らしさを再認識しました。