日弁連法務研究財団のHPで,適性試験出願者数の速報値が掲載されていました。
<参 照>
https://www.jlf.or.jp/jlsat/pdf/20130517_shigansha.pdf
この速報値によると,第1回試験の出願者数は4,387名(対前年比15.4%減),第2回試験の出願者数は4,965名(対前年比16.8%減)となっています。
適性試験は,日弁連法務研究財団のみが実施する現在の形態になってから,毎年5月下旬及び6月上旬の年2回実施され,法科大学院の受験時にはいずれか点数が良かった方の成績を提出すれば良いことになっているので,実際には2回とも受験する人が多く,実際の志願者総数はおそらく5千人を若干上回る程度にとどまるでしょう。
参考までに,過去(平成23年度及び平成24年度)の適性試験に関する数値データを挙げておきます。なお,法科大学院の入学者数は対応する適性試験に関するもので,平成23年度適性試験に関しては平成24年度の入学者数を,平成24年度適性試験に関しては平成25年度の入学者数をそれぞれ挙げています。
<平成23年度>
第1回試験出願者数 5,946名
第2回試験出願者数 7,386名
第1回試験受験者数 5,481名
第2回試験受験者数 6,692名
総受験者数 7,249名(うち入学有資格者7,211名)
法科大学院入学者数 3,150名
<平成24年度>
第1回試験出願者数 5,185名
第2回試験出願者数 5,967名
第1回試験受験者数 4,753名
第2回試験受験者数 5,391名
総受験者数 5,967名(うち入学有資格者5,801名)
法科大学院入学者数 2,698名
過去2年間の実績によると,第2回試験の出願者数と総受験者数は大体同程度の数字になっている(特に平成24年度はぴったり同数)ので,今年の総受験者数は5,000人前後となる可能性が極めて高いです。
気の早い話ですが,さらに上記の速報値から,来年の法科大学院入学者数を推計してみましょう。
第1回試験の出願者数は,平成23年度が入学者数の約1.88倍,平成24年度が約1.92倍です。両者の間を取って,平成25年度出願者数を入学者数の1,90倍として仮計算すると,平成26年度の入学者数は2,309名という数字が出て来ます。
第2回試験の出願者数は,平成23年度が入学者数の約2.34倍,平成24年度が約2.21倍です。これも両者の間を取って,仮に平成25年度出願者数を入学者数の2.27倍として仮計算すると,平成26年度の入学者数は2,187名という数字が出て来ます。ただし,法科大学院の実質競争倍率は今後さらなる低下が予想されることを考慮し,平成24年度と同じ2.21倍として仮計算すると,入学者数は2,247名という数字が出て来ます。
これらの数字から大雑把に予測すると,平成26年度の法科大学院入学者数は,概ね2,200名~2,300名前後になるのではないかと考えられます。
今年よりさらに15~20%くらい減る感じですが,それでも自ら望んで高額罰金付き牢獄の門を叩く人が2,200人以上もいるというのは驚きに値します。法科大学院というのは法曹を養成する機関ではなく,教授たちの腐った講義で廃人を養成する機関です。真に法曹を目指す人は法科大学院ではなく予備試験合格を目指す,それが今の常識です。
特に平成26年度に入学する人が司法試験の受験資格を得る頃には,予備試験の合格者数もある程度増えることが予想されますから,運良く司法試験に合格できてもおいしい仕事は全部予備試験合格者に持って行かれて,もはや法曹有資格者という名のワーキングプアまたはニートになる道しか残されていないでしょう。
大正時代から昭和の初めにかけても,政府の方針で人為的に弁護士の数が2倍以上に増員されたことがありますが(大正9年の弁護士数3,082名→昭和7年の弁護士数7,055名),その結果昭和初期には弁護士の約6割が弁護士収入で生活できない状態となり,弁護士は経済的基盤と人心を失い,社会の鼻つまみ者となって職業的意義を失い,「正業」と評価されなくなったと言われています(『司法改革の失敗』79頁を参照)。
今の弁護士業界は過去の失敗を忘れ,まさしく昭和初期と同様の失敗を繰り返そうとしています。昭和初期には,弁護士と文屋(新聞記者のこと)には家を貸すなと言われたそうですが,これから弁護士になる人も,その多くは信用がなくて家も借りられない,クレジットカードも作れないといった運命が待ち受けていることでしょう。
しかも,法科大学院入学者の大半に待ち受けている運命はそうした弁護士ですらなく,特に未修者の7~8割は,「中途退学者」または「三振法務博士」という不名誉な肩書きを一生背負って生きていくことになります。
将来の進路に不安を感じるなどして,つい適性試験の願書を出してしまった皆さん。今なら引き返しても,適性試験の受験料15,750円(2回受験する人は31,500円)を無駄にするだけで済みます。しかし,間違って法科大学院に入学してしまったら,数百万円単位のお金と若い青春時代の貴重な時間をみすみす無駄にするばかりか,下手をすれば将来に全く希望のない間違った進路で一生を棒に振ることになります。
法科大学院に入学することは,大金を払ってブレーキのない車に乗るようなものです。少しでも多くの人が,このような誤った進路から引き返すことを切に望みます。
<参 照>
https://www.jlf.or.jp/jlsat/pdf/20130517_shigansha.pdf
この速報値によると,第1回試験の出願者数は4,387名(対前年比15.4%減),第2回試験の出願者数は4,965名(対前年比16.8%減)となっています。
適性試験は,日弁連法務研究財団のみが実施する現在の形態になってから,毎年5月下旬及び6月上旬の年2回実施され,法科大学院の受験時にはいずれか点数が良かった方の成績を提出すれば良いことになっているので,実際には2回とも受験する人が多く,実際の志願者総数はおそらく5千人を若干上回る程度にとどまるでしょう。
参考までに,過去(平成23年度及び平成24年度)の適性試験に関する数値データを挙げておきます。なお,法科大学院の入学者数は対応する適性試験に関するもので,平成23年度適性試験に関しては平成24年度の入学者数を,平成24年度適性試験に関しては平成25年度の入学者数をそれぞれ挙げています。
<平成23年度>
第1回試験出願者数 5,946名
第2回試験出願者数 7,386名
第1回試験受験者数 5,481名
第2回試験受験者数 6,692名
総受験者数 7,249名(うち入学有資格者7,211名)
法科大学院入学者数 3,150名
<平成24年度>
第1回試験出願者数 5,185名
第2回試験出願者数 5,967名
第1回試験受験者数 4,753名
第2回試験受験者数 5,391名
総受験者数 5,967名(うち入学有資格者5,801名)
法科大学院入学者数 2,698名
過去2年間の実績によると,第2回試験の出願者数と総受験者数は大体同程度の数字になっている(特に平成24年度はぴったり同数)ので,今年の総受験者数は5,000人前後となる可能性が極めて高いです。
気の早い話ですが,さらに上記の速報値から,来年の法科大学院入学者数を推計してみましょう。
第1回試験の出願者数は,平成23年度が入学者数の約1.88倍,平成24年度が約1.92倍です。両者の間を取って,平成25年度出願者数を入学者数の1,90倍として仮計算すると,平成26年度の入学者数は2,309名という数字が出て来ます。
第2回試験の出願者数は,平成23年度が入学者数の約2.34倍,平成24年度が約2.21倍です。これも両者の間を取って,仮に平成25年度出願者数を入学者数の2.27倍として仮計算すると,平成26年度の入学者数は2,187名という数字が出て来ます。ただし,法科大学院の実質競争倍率は今後さらなる低下が予想されることを考慮し,平成24年度と同じ2.21倍として仮計算すると,入学者数は2,247名という数字が出て来ます。
これらの数字から大雑把に予測すると,平成26年度の法科大学院入学者数は,概ね2,200名~2,300名前後になるのではないかと考えられます。
今年よりさらに15~20%くらい減る感じですが,それでも自ら望んで高額罰金付き牢獄の門を叩く人が2,200人以上もいるというのは驚きに値します。法科大学院というのは法曹を養成する機関ではなく,教授たちの腐った講義で廃人を養成する機関です。真に法曹を目指す人は法科大学院ではなく予備試験合格を目指す,それが今の常識です。
特に平成26年度に入学する人が司法試験の受験資格を得る頃には,予備試験の合格者数もある程度増えることが予想されますから,運良く司法試験に合格できてもおいしい仕事は全部予備試験合格者に持って行かれて,もはや法曹有資格者という名のワーキングプアまたはニートになる道しか残されていないでしょう。
大正時代から昭和の初めにかけても,政府の方針で人為的に弁護士の数が2倍以上に増員されたことがありますが(大正9年の弁護士数3,082名→昭和7年の弁護士数7,055名),その結果昭和初期には弁護士の約6割が弁護士収入で生活できない状態となり,弁護士は経済的基盤と人心を失い,社会の鼻つまみ者となって職業的意義を失い,「正業」と評価されなくなったと言われています(『司法改革の失敗』79頁を参照)。
今の弁護士業界は過去の失敗を忘れ,まさしく昭和初期と同様の失敗を繰り返そうとしています。昭和初期には,弁護士と文屋(新聞記者のこと)には家を貸すなと言われたそうですが,これから弁護士になる人も,その多くは信用がなくて家も借りられない,クレジットカードも作れないといった運命が待ち受けていることでしょう。
しかも,法科大学院入学者の大半に待ち受けている運命はそうした弁護士ですらなく,特に未修者の7~8割は,「中途退学者」または「三振法務博士」という不名誉な肩書きを一生背負って生きていくことになります。
将来の進路に不安を感じるなどして,つい適性試験の願書を出してしまった皆さん。今なら引き返しても,適性試験の受験料15,750円(2回受験する人は31,500円)を無駄にするだけで済みます。しかし,間違って法科大学院に入学してしまったら,数百万円単位のお金と若い青春時代の貴重な時間をみすみす無駄にするばかりか,下手をすれば将来に全く希望のない間違った進路で一生を棒に振ることになります。
法科大学院に入学することは,大金を払ってブレーキのない車に乗るようなものです。少しでも多くの人が,このような誤った進路から引き返すことを切に望みます。
マジでガチでしびれたぜ!
如何せん予備の合格率は低く、それに比べればロー+新試の合格率は相対的に高いです。
さらに予備の存続すら不安定な状態では、在学中に予備に通らなければローに行くしかない(行かずに予備を目指すという選択肢もあるにはあるが。。。)のです。
今は三回生ですが、この辺りの選択に非常に難儀しているのが現状です。。。
お金と時間と合格率と就職など様々なリスクを考慮すると、本当に切実に行きたくないのですけどね。理不尽な制度を事実上強制されるというのは耐え難い苦痛です。
一歩間違うとロースクール新司法試験ルートはかつての旧司法試験以上の難関になります。
3時間前 U+B7 いいね! U+B7 2
伊藤 敬也 きわめて些末ながら,アメリカのJDは学位として修士相当ですらありませんよね。アメリカのロースクールを話題にするのになぜか誤解している人の多いことが不思議です。
2時間前 U+B7 いいね! U+B7 3
月曜日 9:39 U+B7 編集済み U+B7 いいね! U+B7 1
菅藤 浩三 >法科大学院を何としてもつぶしたいという動機は様々ですが
なんか被害妄想を感じます。
例えば東大LSとかあえて潰さないといけないとは思いませんもの。例えば私は旧試でしたが、受験時代の生活費は専らバイトで稼いでいたので(仕送り無し)、LS必須でしたらたぶん司法の道は選択してなかったはずです。
だから、「受験資格にはLS必須」という現行の原則枠は取っ払うべきという部分は私の堅持するところなのですが、別にLSを廃止せずとも、受験資格をめぐってLSが予備試験と競争しやすい状況を確保できるだけでよいのであって、中島章智さんと全く同意見です。予備試験を鬼子扱いする理由は全くLSのルサンチマンにしか見えません。
月曜日 22:41 U+B7 編集済み U+B7 いいね! U+B7 10
向原 栄大朗 >確かに、今までの法廷実務中心の弁護士事務所が食っていけないのは当然で、そういう古いタイプの弁護士を増やそうという話でもない。
具体的にどのような「需要」があるのでしょうか。
法科大学院推進論者から、具体的な「需要」が示された議事録等は一度も見たことがありません。不勉強なだけかもしれませんが。もしよろしければ先生のお考えの「需要」をお示しくださると幸いです。
ちなみに、法曹養成制度検討会議における中間とりまとめでは、アウトリーチ・福祉・更生・国際分野というのが挙げられていましたが、いずれも、そもそもが行政マタ-でありますから、弁護士資格は必ずしも必要ありません。まして、弁護士資格取得に余計な時間とカネ(コスト)をかけさせられる現行制度下で、これらの仕事をするために弁護士資格を得ようという人が、いるのでしょうか。
私は法科大学院にかよっていましたが、そのような仕事をしたいという人は一人も見たことがありません。
唯一、救いがあるとすれば「国際分野」ですが、これも、カリフォルニア・バーやニューヨーク・バーがないと無意味ですが、私が通っていた頃と違い、今のロースクールでは、カリフォルニア・バーなりニューヨーク・バーを得られるような超最先端な教育が施されているのでしょうか。そのような高度な教育が受けられるのであれば、私も今の仕事を見なおして、是非、ロースクールに再入学したいものです。
ところで、法廷実務ができない「弁護士」って、「弁護士」である必要があるのでしょうか。
6分前 U+B7 いいね!
ロースクール行く奴は救いようないが、予備試験受けるやつも見通し甘すぎで相当アホ。頑張ってね。企業の人は、最近司法試験受かった奴らを内心アホな奴と思ってバカにしております。見通しも甘いリスク管理できない人には、企業の命運をあずけられません。
早く受かったってエリートコースに乗り損ねた挙げ句、精神害してブログで鬱憤晴らしに精を出す実質休業弁護士もいますからねぇw
>教授たちの腐った講義で廃人を養成する機関です。
ここは、
「教授たちの腐った講義で前途有為な学生の人生に狂いを生じさせる機関です」
に改められるべきだと考えます。
文脈を見ればロー生をバカにしているとは思えないですが、そのように取る方もおられますので、つまらないところで揚げ足を取られないようにされたほうがよろしいかと思いました。