黒猫のつぶやき

法科大学院問題やその他の法律問題,資格,時事問題などについて日々つぶやいています。かなりの辛口ブログです。

会計参与の行動指針に関する検討委員会

2005-11-09 17:01:27 | 司法(平成17年)
http://www.kaishahoua2z.com/news/news_view.php?view_type=new&news_id=110058

 日本公認会計士協会と日本税理士会連合会が,「会計参与の行動指針に関する検討委員会」を設置したそうです。
 最近,公認会計士試験の監査論の勉強をしていて思ったことですが,会計監査には「二重責任の原則」というのがあって,取締役は会計書類の作成について責任を負うが,会計監査人は会計書類の監査について責任を負うこととされています。
 言い換えると,会計監査人は監査をきちんと行ったかどうかについてのみ責任を負うので,仮に取締役がおかしな会計書類を作っており粉飾決算をしていたとしても,会計監査人が相当な方法で監査をしていたにもかかわらずそれを見破れなかったに過ぎない場合は,会計監査人は責任を負わないという,巧妙な責任逃れのための理屈付けをしています。
 しかし,会計参与は取締役と共同して会計書類を作成する(会社法374条)立場ですから,この理屈付けは使えず,もし会計参与になっている会社にこっそり粉飾決算をやられてそれを見抜けなかった場合には,取締役と同様の法的責任を負うことになってしまいます。
 それで,会計参与が責任逃れをするための理屈付けを,これから一生懸命考えるのでしょう(会計参与としての具体的な行動規範も,その「責任逃れの理屈」と一体のものとして形成されることになります)。
 まあ,黒猫のオリジナルは,仮に公認会計士試験に合格しても,監査は基本的にやらないと言っているので直接は関係ないですが。