tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

かぐや 18

2017-05-23 01:11:59 | かぐや < R >
『何でベッドが2つか(笑)やっと分かった』
シーツを張り替えるカグヤの姿に、レンが声をかける・・・

カグヤの居場所には必ず2つ揃ってある事が不思議だったのだ・・・ずっと一緒に生きてきたが、これについては・・・聞く事はなかった。

最初の頃に使っていた場所に来ていたのだ。
既に二人は泊まりの報せをすませ、今の状態に可笑しくて声にもしたくなかったのだ。

電源は落としてある・・・活きているのは仕事用の携帯だけだ。
それはヒロもハルトも知らされていない・・・

少し前に食べさせて薬も飲ませ眠らせていた。
身元を調べ仕事先にも連絡をしておいた・・・
『探されてんな(笑)』
笑って眺めるレンの呟きに、仕方ないかと放ったカグヤでもあった。

暫くしてセリを呼び出す・・・朝食を頼んだカグヤへ数人分は本当かと玄関で手渡しながら呟く。
笑みだけのカグヤに促されて部屋へ入り込んだ・・・

ワンルームのように一面に開け放たれていた室内・・・ローブ姿のレンに驚き足が止まる・・・その奥に見えた光景に戸惑った。

『 ・・・か、彼・・・』
『(笑)だな・・・セリは食べた?』
『まだ・・・一緒に・・・』
『じゃ食べよう(笑)』
テーブルに置きながら話すカグヤを見つめた・・・戸惑うセリに笑み座らせて食べさせる・・・
良い香りの珈琲に笑い、口へ運んだ。

声にならない視線が離れず、飲み込めないセリ・・・仕方ないと間仕切りのカーテンを引いた。
『カグヤ(笑)』
『(笑)寝ろよ・・・』
言い返すレンは声を消す・・・見たいと。

フッと笑うだけのカグヤ・・・そのままに端まで引いてテーブルへ戻った。

『店で話してた事は?』
慌て振り向いたセリに笑む・・・
『寝付けなくて薬を飲ませたから聞こえない(笑)』
気にするなという笑みに苦笑いをするセリだった。

『利用・・・されてただけみたい・・・』
『藤城に惚れて?』
『ない(笑)優しいから頼っただけ・・・好きになってみようかなって・・・』
『そっか・・・』

『彼は失恋したみたい・・・抱かれてショックだったって・・・拒否したのに勝手に済ませて別れを切り出されたんだって・・・』
『セリは寝た?』
『一度・・・物凄い葛藤だった・・・怖くて・・・でも彼もで・・・お酒に頼って・・・ローションを使って・・・してみた』

『 ・・・なんで無理に繋げる?』
『したかったから・・・肌恋しくて・・・』
『セリも利用したんだな(笑)』
『してない!』
『したろ・・・疼いた時に目の前にいた藤城に預けた。病んでたから藤城も利用した・・・互いを利用して寝たんだろ』

『 ・・・』
『また寝れるのか?』
『 ・・・』
迷うように口へ詰め込むセリを眺める・・・
『ハルナと終わった?』
バレたと項垂れたセリに、口を引いて笑むカグヤ・・・

『簡単に繋ぐから利用されんだろ・・・気持ちが追い付いてから許せ・・・』
『寂しいから・・・』
『なら頭を切り換えろよ・・・割り切れ・・・この街は、そういう場所だろ。
それを知るハルナが、お前を抱いてただけだ・・・誰もが恋しくて抱く。
そこに中は必要ないと知るだろ』

『 ・・・』
『気づけ・・・』
涙を溢して顔を被うセリの頭を優しく撫でた・・・


『お前・・・薬が残ってたか?』
奥でレンの声がした・・・
『あー!触んないで下さい!』
藤城が慌て叫んだ・・・驚いたセリはカグヤを見ると黙れと口を押さえて笑った。

『外して下さい・・・』
『誰かを襲いに行くのを止めてたんだぞ(笑)』
『うわっ!』
ハハハと笑うレンに苦笑いをして様子を伺っていた。

『誰に失恋した?』
『 ・・・先輩に・・・・
俺、言いました? あっ・・・酒に酔ったから・・・』
『(笑)だな。寝て終わりか・・・(笑)ま、お前も俺を抱いたしトントンだな』

『 ・・・っ!』
驚きながらも少しずつ漏れ出す吐息に、セリが真っ赤な顔になり うつ向いた。
その行為は長引く・・・凄いと呟き楽しむレンだった・・・シャーっと引かれた音に、間の仕切りもされた事にカグヤが笑った。

許しを乞う微かな声・・・朝の光りは微かに見える・・・柔らかに揺れるカーテンを眺めるセリもいた。

ごくりと喉を鳴らしたセリに、笑って水を飲ませたカグヤ・・・一気に飲み込んだセリに苦笑いをする。

カグヤが音楽を響かせた・・・それでもボリュームは高くなく、微かに聞こえる程度に絞った。
幾度も喘ぐ声さえ聞こえる程度に・・・

目を潤ませるセリ・・・微かな自分の変化に構わずに自分に触れていく・・・震え・・・耐えながら自分の肌へ触れていった。

キッチンで珈琲を飲みながら観察するように眺める視線を感じながらセリは自分に起きた蠢く何かと戦っていた。

溢れた涙・・・自分へ運んだ手を眺めながら止め・・・迷うように動かす・・・その繰り返される行為は空しいと泣いた。
静かにバスルームへ連れ出す・・・服を脱がしながら・・・


誰かの存在に顔を引きつらせた藤城に笑う・・・
『ここは(笑)そんな場所だった・・・構わずにイケよ(笑)』
震え弾く自分・・・漏れ出る声を抑えるが、止まらない張り付きに身を焦がしていく勢いに負けた。

別の場所から響く声さえ自分を引き出していく気がして可笑しくなりそうだった。


近場に女の存在を知る・・・少しずつ開くカーテンを眺めた・・・果てた身の休みだと笑ってレンが開けていたのだ。

寝かされた人にローブ姿が乗る・・・自分と似た枷がされていて同じように誰かに求めていたのだと思えた。

半分だけ開かれた隙間から身を捩り足が蠢く姿があった。
全部をマッサージされていた気がした・・・何かを体から引き出すのだと耳元で囁かれた・・・

昂る自分・・・見ているだけで静かに起き出す事に焦る・・・笑うレンが唇を這わせていくが届かなかった。


目隠しをされ身は拘束された・・・熱さが邪魔だった・・・痺れる触れに身が震える・・・疼き出す自分・・・手が伸びない事に焦らされる・・・
口さえタオルが食い込み、微かな唸りは抑えられた・・・イク寸前で離れる・・・自分が溢すモノが触れる・・・

ビクつきさえ止まらなくなった・・・指一本さえ震え、電気が駆け巡るように震えた。
訴える・・・解放して欲しくて・・・突き進めて欲しくて頼みたいのにカグヤの手が向かない・・・

余計に疼き出す・・・微かな響きで何かを知る・・・ホッとした・・・忍ばせ始めた場所に神経が向く。
全部を預け願う・・・蠢くが違うと首をふり訴えた・・・手が舞う・・・視線が合わない・・・仰け反ると隙間へ何かが挟まれた。

より動けなくなり昂りは強さを増していった。
唇で解かれ・・・入り込む・・・押さえられ、より昂った。

違和感が起き出した・・・無機質なソレは自分も使う・・・なのに違うと感じた・・・・
溢れた涙を拭くカグヤが目の前にいた・・・目隠しをずらされた隙間から覗く優しい笑みだった。

タオルが取られ優しく口付けを落とされた・・・泣きながら絡める・・・応えるように、より深く絡める。
意識が朦朧とする・・・唇で塞がれているのに下が蠢く・・・

ふらつき意識も消えそうな時に、やっと解放された気がした・・・優しく扱われる自分にホッとした・・・

熱さが甦った・・・吐き出す息さえ熱い・・・抱き込まれた腕に しがみつく・・・
息さえ億劫になり全部が吹き出す勢いに焦った。

飛び戻すように唇が重なる・・・跳ねた自分を優しく抱く人を眺めた・・・
驚きながらも見返すと、優しく笑みに変えた人に微笑んだ。

互いの震えに浸る・・・それでも緩やかな揺れの中で彼に腕を回した。
身を返されると、優しい触れが自分を包みだした気がした。


あー・・・と項垂れたレン・・・そっとカーテンを閉じていく。
諦めたレンがシャワーを浴びに行った事に笑いながら眺めた。


ようやく薬さえ消えたのだろう、力尽きた二人は余韻に浸りながら静かになった。
フッと笑うだけのカグヤに、楽しんだ余韻が消えないレンが張り付く。

笑って触れるカグヤに、仁王立ちして笑みを浮かべるレン・・・頼んだと言いたげな顔に呆れた。

客だ・・・音は消していたが、モニターに写された客の顔を覗く。
『藤城の方か?』
『あー携帯の(笑)』
『先輩なんだろうな・・・』
『何で・・・限定してる?』
『分からないなら最上階から(笑)順番に・・・』
数回の電話・・・丁寧に写真付きの画面に笑っていた二人だった。

「だれだ?」
静かに出たレンに笑う・・・可笑しくて触れた手を止めてレンは指を指した。
「藤城・・・は、そこに?」
「いるさ、俺が呼んだし(笑)。だからお前は誰だ?」
「仕事・・・休んだので・・・」

「で?」
「調べたらココで、部屋に連れて帰ろうかと・・・」
「無理だな(笑)今は爆睡中だし動けねーよ」
息がつまる顔に口を引いて眺めた。

「(笑)ほっとけ」
「会って話したいのですが・・・貴方・・・と・・・」
「俺と?」
「はい・・・出来れば藤城とも・・・謝りたくて・・・」
ふぅーんと笑って解除してやったレンに、笑って自分を指差した。

『寝てろ(笑)そっちの部屋を使う』
それは楽し気でローブを綺麗に戻し自分を撫でた・・・その行為に可笑しくて声にも出せずに笑うしかなかったカグヤだった。


シャワー室だけがある部屋へ迷わずに引き入れたレン・・・ドア越しに背を凭れ話を聞くカグヤだった。


『藤城を襲った先輩か?』
『試しに抱いただけで・・・』
襲ったわけじゃないと呟き うつ向いた男に口を引いた。

『薬を使ったろ(笑)、痛いから使えと言われたぞ?』
『使って?』
『使わなくても出来るだろ(笑)。気持ちよくしないとな』
『 ・・・』
『垂れまくってたぞ?』
『 ・・・』

『捨てたなら拾うな(笑)、藤城は拾ったから安心しとけ』
『男を?』
『ん?関係ねーだろ?』
『 ・・・』
『何だよ(笑)味をしめたのか? 惜しくなってか?』
『す・・・好きだっ』

『違うだろ(笑)、藤城で起きたsexが忘れられなくて探したんだろ』
『そっそれも ありますけど・・・』
『お前・・・遊びの区別はつけろよ(笑)。そういう相手を探せ』

呟きながら男を立たせ、素早く服を脱がすレンに戸惑った。
驚き過ぎて声も出ずだった・・・塞がれた唇に思わず酔いしれていく・・・少しずつボタンを外されて促される。
抵抗は無理と分かる・・・自分の体と出来の違う事を見て思えた。


ハァと笑うしかない・・・早々に落としたレンだった・・・
諦めてベッドに横たわる・・・起きた気配に笑むカグヤ。

『寝とけ(笑)』
『分かったよ?』
『セリ(笑)抱くか?』
『駄目です!』
違う声に笑う・・・

『一緒に生きてみる(笑)』
『それで十分か?』
『はい(笑)』
『来なくて良かったろ(笑)』
『ハルト君が居るのに行けないわ(笑)。皆もそう・・・取ったら生きないでしょ?』

『ハルが じゃないぞ(笑)』
『そっか(笑)。・・・レンさん・・・』
『先輩と遊んでる(笑)。藤城が狙われてるから出るなよ』
『なんで!』
『(笑)襲いにだろ。藤城の味が良かっただけだ。セリを連れて見せつけて弾けば離れるだろ』

『大丈夫かな・・・』
あまりの頼りなさにセリが笑ってキスをした。
『抵抗はしてくれない?』
『 ・・・怖いから・・・さ・・・』
『先輩と寝る?』
『寝たくない・・・セリでいい・・・
これはセリとなら出来る(笑)こっちがいい』

『あー悪い(笑)寝たいから静かに頼むぞ・・・
レンに付き合ってて、まともに寝てないんだ(笑)』
『俺・・・』
『(笑)お前ともセリとも遊んだが、弄ってないぞ!』
唸る微かな響きに笑うカグヤは、疲れを癒すように眠るのだった。


これみよがしな音に笑うカグヤだった。
隣の二人が息を呑む音さえ笑う・・・レンがしでかす先輩の声・・・わざとに隙間を開けたろうドア越しに ため息も出た。

『何処まで病気なんだ(笑)。あーヤバい(笑)』
『カグヤさん?』
『(笑)三人でする?』
『しっ!』『しない!』
『二人でしとけ(笑)。手伝うか?』
慌て、いいと藤城は互いに布団をかけた事に笑って目を閉じた。


『大丈夫でしたか?』
『セリ(笑)それは、どーとる?哀れんで交ぜる?』
『(笑)ごめんなさい』
『大丈夫だ(笑)聞いて欲情はしない・・・レンじゃあるまいし(笑)』

『疼かない?』
『無い(笑)、抱きたいと思えない限り一度もない・・・
藤城が触れた事でしたくなるなら(笑)多少の気持ちは響く。

セリに触れて(笑)したいなら襲え、それだけでイケるだろ』
触れたろう漏れた声・・・照れた笑みの笑い声に微笑んだ。

『重ねれば情は出るが、互いに考えて事は進めよ・・・
新たな先に行くなら、しっかり言葉で別れを言え(笑)相手の為に・・・自分のいつかの為にな・・・』
『繋がりは・・・』

『だらだら続けるな・・・自分が苦しくなるだけだ。
出るなら今だぞ(笑)、残り二時間』
『そ、そんなにっ・・・』
『死ぬよな(笑)』
動きは早かった・・・

帰り際にレンへ伝言を頼むと、二人は静かに出て行ったのだった。


かぐや 17

2017-05-23 00:56:23 | かぐや < R >
虚ろな目にカグヤが眺める・・・どうにも違和感が取れず頬杖をしてカウンターの中から客を眺めた。

『どうしました?』
夏川が気になり声をかける。
『どん位前から来てる?』
『開店してからです。だいたい30分に一杯ってとこですかね・・・』
『濃く?』
『今は薄めにしてます。帰る事もしませんが・・・』

『(笑)言ったのか・・・』
『あーやって一人で長時間居座られても・・・
まぁ客の流れはあったんで、ほっときましたけど(笑)』
フッと笑うカグヤを眺めた。

『捨てに来てるっぽいんだよな』
『あんなに男前で?』
カグヤの呟きに驚いた・・・グッと飲み込んだグラスをおく・・・
次に来たグラスに戸惑うようにジッと見返して動かなくなった。

自分でオーダーしていたモノのはずなのにだ・・・何にと訝しげた。
何かに耐えるようにグラスから視線を外し項垂れた。
別の客が寄り添う・・・反応もない男に諦めて離れた。

静かに入り込んできた女性が、その男を見つけ前に座るとジッと見返していた。
視線で突き刺す勢いに笑って観察する。

『楽しそうだな(笑)』
休憩に入ってきた高坂達がカグヤの隣に座り水を頼んで声をかける。

『ん?フリージアのセリじゃね?』
『端から端に来たのか(笑)、彼女の男?』
『いーや(笑)、あのメンズは一昨日からこっち側・・・華でも見てねーってさ(笑)』

『売り買いはしてない(笑)ひたすら飲んでるらしいぞ・・・』
『ずっとだとさ(笑)閉店してタクシーに乗せられて帰るんだとさ』
少し会話してセリは出て行った。

『聞く?』
『(笑)頼んだ』
嬉しそうに出ていく高坂に可笑しくて笑うカグヤだった。

不意に動き出した・・・目で追うカグヤの目の前に座り見返して視線を外さずに見つめた。
夏川が声をかける・・・笑み返したカグヤにスッと腕を伸ばして首へ触れて近寄った・・・

『名は?』
先にカグヤが問う・・・そして男が呟く
『藤城』と・・・
暫く見つめていたが、黙ってカグヤに口付けた事に夏川が驚いた。

抵抗もなく戸惑いもないカグヤに驚きながら見返した藤城もいた。
『セリと話したらどうだ?』
『知るのか?』
『同じ街の住人だしな・・・』

未だ体勢も代えずに見返すカグヤに戸惑う・・・
『どーすればいい・・・』
突然呟き涙を溢した藤城に苦笑いをして、そっと拭いてやった。

『飲まずに考えろ・・・』
『・・・罪はない・・・だけど俺の・・・俺のじゃない・・・
俺はこんなに弱かったのか・・・』
それは独り言のように項垂れて呟く・・・

『酔ってるしな(笑)、普段の自分を知らなかったのか・・・』
言われて苦笑いをする藤城に微笑んだ。
『そろそろ離せよ(笑)首が疲れる・・・』

あっ・・・と呟き自分はまだ触れていた事に気づき苦笑いをした。
カグヤは藤城の首をグッと掴み直し口付けて絡ませた。
震える藤城に深く絡ませて塞いだ・・・力が抜けていく・・・

そっとカグヤの背を叩く夏川に、苦笑いをして藤城の唇から離した。
静かに息を吸い込む藤城に笑うカグヤだった。

『よーく考えてから声にしとけ(笑)。じゃないと後悔するぞ・・・』
フッと笑う藤城がふらつきながら帰って行った。


『弱った男から力は奪わずに頼みます(笑)。ちゃんと帰したいので』
『(笑)あれで、変な考えは止めんだろ・・・』
『ん?』
『(笑)無意識に死を選ぶタイプ・・・の気がしたんだ・・・』
『マジ?』

『目は死んでた・・・セリと話してたが焦点も合ってなかったろ・・・どんな話やら(笑)。
次に来たら、ナツは巻き込まれんなよ』
はいと頷く夏川が、店を出るカグヤに笑って見送るのだった。

高坂が小声で呟きながら隣を歩く・・・そうかと礼をして離れた・・・


華のラインを越したカグヤ・・・久しぶりだと誰もが声をかける・・・
慌て飛び出てきた女がカグヤに抱き付き、目を合わせると笑み返されて照れながら店へ戻っていく。

目の前に歩くセリの姿に、口を引いたカグヤが彼女の肩を抱いた。
誰かと分かり苦笑いをする・・・小さく謝るとカグヤに抱き着いて凭れた。

『(笑)間違えてないのか?』
『 ・・・ない。こーしたかった・・・』
『藤城は どーする?』
『 ・・・聞いたの?藤城サトル本人から?』
触れながら呟くセリに笑み返した。

『(笑)カタが ついたら考えてやる』
『 ・・・それが今? ずっと探してたのに・・・願ってたのに・・・』
『巻き込む前に来れば良かったろ・・・いいから、悩ませずに自分も悩んで決めろ』

『 ・・・出来たら抱いてくれるの?』
『考えるって言ったろ・・・、セリ・・・店についたぞ。じゃーな』
送ってくれたのだと知った・・・ならば彼と話をしたのだろうと気づいた。

『サトル・・・彼がカグヤを求めたら抱くの?』
『抱きたかったらな・・・』
『そっか・・・』
『(笑)じゃーな』
『はい・・・送ってくれて、ありがとう・・・』

悲し気な笑みのセリは、店を眺め深呼吸するとカグヤに微笑んだ。
優しい笑みで返してくれたカグヤにホッとしたセリは店の扉を開けたのだった。

少し前に自分を見ていた藤城に気づく・・・声をかけようとするのか歩き出した事に口を引いた。
不意に後ろから肩を抱く人・・・それはレンだった・・・

『あれは誰だ(笑)』
『フリージアのセリの男?』
『過去?』
『味見?されたか?(笑)』
『ん?』
『(笑)高坂からな・・・』
『ん?隠れたか?帰った?』
居たはずの場所から姿が見えなくなった。

『上手かったか?』
『んー慣れた気はしなかった・・・ヒロでも落とせる位?』
『(笑)やべーだろ』
『レンだけだろ(笑)』
『素人か・・・』
『両方あり?』
『マジ?(笑)』

スッと離れたレン・・・早々に笑って藤城を見つけ肩を組むと、有無もなく戻ってきた姿に笑うしか無かった。

『藤城(笑)、お前はどーしたい・・・終わらせる以外で考えろよ!』
『ん?無?』
『その無(笑)やべーだろ・・・』
『な、何の無ですか?』
『カクテルを浴びるほど飲んでも普通の藤城じゃな・・・』

『 ・・・強いですよ、普通です(笑)』
『抱いてい?』
レンの突然の呟きに驚く藤城・・・レンの笑みはカグヤにも向けていた。

『藤城(笑)聞いてるぞ』
『忘れられるかな・・・』
『(笑)今日だけだがな』
『 ・・・いい』
『(笑)いいんだ』
その呟きは背で聞く二人・・・素早く押しやり連れ出したレンだった。

肩から来いと人指し指で促すレンに笑う・・・お前まで悩むのかと笑うカグヤはポケットに手を入れて歩き出した。


場所に呆れた・・・
途中から強い酒を飲ませ歩かせるレンだった・・・酔いを深めて何をすると笑いながら見学していたのだ。
暗証番号は知る・・・居ないか確かめるレンの目に頷くカグヤ・・・

笑って連れ込んだレンに苦笑いしかなかった。
覚束ない足を支えバスルームへ連れ込むレン・・・有無はなく酒を飲ませては襲い、手を巡らせ洗いながら襲う姿に笑った。

朦朧とし始めた頃に名を呼ばれ・・・仕方なく入り込んだカグヤが互いを狙い昂らせた。
『つまんない(笑)』
カグヤに笑うレンが口付ける・・・それでも互いの間にいる藤城に触れて支えていた。

唸り漏れいく声は藤城だけ・・・連れ出したレンに慌て水気を取ってやるとベッドへ寝かせた。
既に昂りは止まらずに自分に手を運ぶ藤城を止める・・・震え始める全てに藤城だけが落ちていった。

身を捩り繰り返す波・・・解される違和感が起きない事に笑みカグヤが笑った。
『した事あんだな・・・』
『死にたい時に・・・』
『(笑)生けるよな』
『本当に死にそうだった・・・』
耐えながら話す藤城・・・

『薬を・・・飲まないと痛いから・・・』
『ねーよ(笑)、痛みは生きてる証拠だろ』
『嫌だ・・・い・・・っやだっ!』
狙われた場所さえ簡単に導かれ、それ以上は息をするのもやっとだった。

微かな呼び名に苦笑いをしながら襲う・・・その場以外に触れて張り付かせるカグヤもいた。
時々レンを助ける・・・互いに確認しあう・・・その感覚を味わう・・・。

カグヤは、シャワーを浴びローブを羽織るとヘッドホンをしてソファーへ身を預けて眠った・・・それは暫しの休憩のように。


叫びを止める・・・顎を捕まえて目を合わせ黙れと見返した。
落ち着けと意識を引き戻すレン・・・イケない状態の自分に力さえ出せず、声しか答えられない事を知る。

浮遊するように流されていく・・・やっと解放され激しく何かを突き抜けた気がした。
焼けつくような肌の触れに、全身にザワつきを覚えた・・・その微かな触れさえ昂らせた。

薬も飲んでいないのに、自分じゃなくなる気がしてくる藤城・・・やはり同性の昂りなのかと思えた。
両手を解放されたが、新たに呼び覚まされていく自分に気づく・・・触れの優しさに覚えがあり誰かを眺めた。

足先から撫で上げられてくる手の触れに、耐えるように眺めた・・・
自分の下に挟まれてソレしか見えなかった・・・眺める自分に驚く・・・いつの間にか彼ではなく彼女だった事に驚いた。

手の触れだけで溢れ落ちる・・・熱さで訳も分からない・・・気付けは自分はレンに触れていた・・・。
目が合い笑う顔があった・・・照れながら見ていたがレンは彼女を見ていた。

包まれていく自分・・・唇が追い付く・・・滲みを撫で付け絡ませる・・・すると自分にも同じ事が起こる。
求めた事が起こる事に戸惑う・・・一気に昂り身が弾く・・・力なくだらけた自分・・・レンがカグヤへ触れていく・・・忍ばせ浸る眺めに焦った。

笑うレンに照れ視線を外した藤城だった・・・小さな唸り・・・深く沈む揺れに身が強張った。
不思議と息が荒くなり始めた自分がいた・・・うねりが自分を襲いこむ・・・それは一瞬で弾けた・・・

触れていた手に戸惑う・・・カグヤに触れていたのは自分だった・・・彼が居ない・・・
『誰を追いかけた?』
カグヤの声に戸惑う・・・辺りまで眺め、その存在を探した・・・。
それはカグヤではないと知る。

弾いた自分が戻される・・・震え確認するように触れた・・・手の震えが止まらない・・・
『可笑しいのか?俺が・・・俺自身が?』
『藤城!』
そう言って目線を合わせたカグヤを見つめた。

『男を愛してもいいが、それはレンじゃない・・・似てるが違うだろ・・・
なぜセリを利用した?』
『セリを抱いたから・・・復讐したかった・・・』
『セリは女を愛す・・・彼女は寝てない・・・』
『嘘だ!』

『何を叫ぶ?』
バスルームから出てきたレンに驚いた・・・本当に初めて会った人のように見返した藤城に驚いた・・・
『だ・・・れだ?』
その呟きにレンは驚いた・・・


高坂から聞いた事をレンに話すカグヤ・・・それは自分の事ではないと言いたげな藤城の顔もあった。

『じゃなに?セリは勘違いされたままに抱かれた?』
『男から好きだと言われたら(笑)迷うよな・・・連れて出してくれる存在が欲しかったんだから・・・』
『それで抱かれて違う人と気づいて、拒否されて?』

『こっちは想像だが・・・
自分の大事な人を取り戻したくて探してて、見付けたのにセリと一緒だったから寝て脅して離れさせる計画(笑)
だけどセリが好きなんだと錯覚して付き合った・・・我に返って一方的に別れを切り出した(笑)ってとこ?』

『病んでる?』
『半端なく(笑)、入院レベルかも』
『俺を見てる目が違うよな・・・』
『最初からな(笑) 藤城は自分が思う顔を想像して勝手に思い込んで身を預けて放るんだろうな・・・

しかも顔も見てるようで見てない・・・だから会っても気づかずに、同じ恋をする(笑)そんな所か・・・』

『さっき何で叫んだ?』
『セリに嫉妬して復讐したのに、間違いだと指摘したから・・・』
『マジ?』
『レンに抱かれた記憶がないと思うぞ(笑)』
『 ・・・』

『サトル(笑)・・・また抱いてい?』
『カグヤでいい・・・男は無理だ・・・出来ないよ・・・またって・・・誰と勘違いしてるの?』
『藤城サトルは何処にいた?』
聞かれて戸惑う藤城だった・・・