『何でベッドが2つか(笑)やっと分かった』
シーツを張り替えるカグヤの姿に、レンが声をかける・・・
カグヤの居場所には必ず2つ揃ってある事が不思議だったのだ・・・ずっと一緒に生きてきたが、これについては・・・聞く事はなかった。
最初の頃に使っていた場所に来ていたのだ。
既に二人は泊まりの報せをすませ、今の状態に可笑しくて声にもしたくなかったのだ。
電源は落としてある・・・活きているのは仕事用の携帯だけだ。
それはヒロもハルトも知らされていない・・・
少し前に食べさせて薬も飲ませ眠らせていた。
身元を調べ仕事先にも連絡をしておいた・・・
『探されてんな(笑)』
笑って眺めるレンの呟きに、仕方ないかと放ったカグヤでもあった。
暫くしてセリを呼び出す・・・朝食を頼んだカグヤへ数人分は本当かと玄関で手渡しながら呟く。
笑みだけのカグヤに促されて部屋へ入り込んだ・・・
ワンルームのように一面に開け放たれていた室内・・・ローブ姿のレンに驚き足が止まる・・・その奥に見えた光景に戸惑った。
『 ・・・か、彼・・・』
『(笑)だな・・・セリは食べた?』
『まだ・・・一緒に・・・』
『じゃ食べよう(笑)』
テーブルに置きながら話すカグヤを見つめた・・・戸惑うセリに笑み座らせて食べさせる・・・
良い香りの珈琲に笑い、口へ運んだ。
声にならない視線が離れず、飲み込めないセリ・・・仕方ないと間仕切りのカーテンを引いた。
『カグヤ(笑)』
『(笑)寝ろよ・・・』
言い返すレンは声を消す・・・見たいと。
フッと笑うだけのカグヤ・・・そのままに端まで引いてテーブルへ戻った。
『店で話してた事は?』
慌て振り向いたセリに笑む・・・
『寝付けなくて薬を飲ませたから聞こえない(笑)』
気にするなという笑みに苦笑いをするセリだった。
『利用・・・されてただけみたい・・・』
『藤城に惚れて?』
『ない(笑)優しいから頼っただけ・・・好きになってみようかなって・・・』
『そっか・・・』
『彼は失恋したみたい・・・抱かれてショックだったって・・・拒否したのに勝手に済ませて別れを切り出されたんだって・・・』
『セリは寝た?』
『一度・・・物凄い葛藤だった・・・怖くて・・・でも彼もで・・・お酒に頼って・・・ローションを使って・・・してみた』
『 ・・・なんで無理に繋げる?』
『したかったから・・・肌恋しくて・・・』
『セリも利用したんだな(笑)』
『してない!』
『したろ・・・疼いた時に目の前にいた藤城に預けた。病んでたから藤城も利用した・・・互いを利用して寝たんだろ』
『 ・・・』
『また寝れるのか?』
『 ・・・』
迷うように口へ詰め込むセリを眺める・・・
『ハルナと終わった?』
バレたと項垂れたセリに、口を引いて笑むカグヤ・・・
『簡単に繋ぐから利用されんだろ・・・気持ちが追い付いてから許せ・・・』
『寂しいから・・・』
『なら頭を切り換えろよ・・・割り切れ・・・この街は、そういう場所だろ。
それを知るハルナが、お前を抱いてただけだ・・・誰もが恋しくて抱く。
そこに中は必要ないと知るだろ』
『 ・・・』
『気づけ・・・』
涙を溢して顔を被うセリの頭を優しく撫でた・・・
『お前・・・薬が残ってたか?』
奥でレンの声がした・・・
『あー!触んないで下さい!』
藤城が慌て叫んだ・・・驚いたセリはカグヤを見ると黙れと口を押さえて笑った。
『外して下さい・・・』
『誰かを襲いに行くのを止めてたんだぞ(笑)』
『うわっ!』
ハハハと笑うレンに苦笑いをして様子を伺っていた。
『誰に失恋した?』
『 ・・・先輩に・・・・
俺、言いました? あっ・・・酒に酔ったから・・・』
『(笑)だな。寝て終わりか・・・(笑)ま、お前も俺を抱いたしトントンだな』
『 ・・・っ!』
驚きながらも少しずつ漏れ出す吐息に、セリが真っ赤な顔になり うつ向いた。
その行為は長引く・・・凄いと呟き楽しむレンだった・・・シャーっと引かれた音に、間の仕切りもされた事にカグヤが笑った。
許しを乞う微かな声・・・朝の光りは微かに見える・・・柔らかに揺れるカーテンを眺めるセリもいた。
ごくりと喉を鳴らしたセリに、笑って水を飲ませたカグヤ・・・一気に飲み込んだセリに苦笑いをする。
カグヤが音楽を響かせた・・・それでもボリュームは高くなく、微かに聞こえる程度に絞った。
幾度も喘ぐ声さえ聞こえる程度に・・・
目を潤ませるセリ・・・微かな自分の変化に構わずに自分に触れていく・・・震え・・・耐えながら自分の肌へ触れていった。
キッチンで珈琲を飲みながら観察するように眺める視線を感じながらセリは自分に起きた蠢く何かと戦っていた。
溢れた涙・・・自分へ運んだ手を眺めながら止め・・・迷うように動かす・・・その繰り返される行為は空しいと泣いた。
静かにバスルームへ連れ出す・・・服を脱がしながら・・・
誰かの存在に顔を引きつらせた藤城に笑う・・・
『ここは(笑)そんな場所だった・・・構わずにイケよ(笑)』
震え弾く自分・・・漏れ出る声を抑えるが、止まらない張り付きに身を焦がしていく勢いに負けた。
別の場所から響く声さえ自分を引き出していく気がして可笑しくなりそうだった。
近場に女の存在を知る・・・少しずつ開くカーテンを眺めた・・・果てた身の休みだと笑ってレンが開けていたのだ。
寝かされた人にローブ姿が乗る・・・自分と似た枷がされていて同じように誰かに求めていたのだと思えた。
半分だけ開かれた隙間から身を捩り足が蠢く姿があった。
全部をマッサージされていた気がした・・・何かを体から引き出すのだと耳元で囁かれた・・・
昂る自分・・・見ているだけで静かに起き出す事に焦る・・・笑うレンが唇を這わせていくが届かなかった。
目隠しをされ身は拘束された・・・熱さが邪魔だった・・・痺れる触れに身が震える・・・疼き出す自分・・・手が伸びない事に焦らされる・・・
口さえタオルが食い込み、微かな唸りは抑えられた・・・イク寸前で離れる・・・自分が溢すモノが触れる・・・
ビクつきさえ止まらなくなった・・・指一本さえ震え、電気が駆け巡るように震えた。
訴える・・・解放して欲しくて・・・突き進めて欲しくて頼みたいのにカグヤの手が向かない・・・
余計に疼き出す・・・微かな響きで何かを知る・・・ホッとした・・・忍ばせ始めた場所に神経が向く。
全部を預け願う・・・蠢くが違うと首をふり訴えた・・・手が舞う・・・視線が合わない・・・仰け反ると隙間へ何かが挟まれた。
より動けなくなり昂りは強さを増していった。
唇で解かれ・・・入り込む・・・押さえられ、より昂った。
違和感が起き出した・・・無機質なソレは自分も使う・・・なのに違うと感じた・・・・
溢れた涙を拭くカグヤが目の前にいた・・・目隠しをずらされた隙間から覗く優しい笑みだった。
タオルが取られ優しく口付けを落とされた・・・泣きながら絡める・・・応えるように、より深く絡める。
意識が朦朧とする・・・唇で塞がれているのに下が蠢く・・・
ふらつき意識も消えそうな時に、やっと解放された気がした・・・優しく扱われる自分にホッとした・・・
熱さが甦った・・・吐き出す息さえ熱い・・・抱き込まれた腕に しがみつく・・・
息さえ億劫になり全部が吹き出す勢いに焦った。
飛び戻すように唇が重なる・・・跳ねた自分を優しく抱く人を眺めた・・・
驚きながらも見返すと、優しく笑みに変えた人に微笑んだ。
互いの震えに浸る・・・それでも緩やかな揺れの中で彼に腕を回した。
身を返されると、優しい触れが自分を包みだした気がした。
あー・・・と項垂れたレン・・・そっとカーテンを閉じていく。
諦めたレンがシャワーを浴びに行った事に笑いながら眺めた。
ようやく薬さえ消えたのだろう、力尽きた二人は余韻に浸りながら静かになった。
フッと笑うだけのカグヤに、楽しんだ余韻が消えないレンが張り付く。
笑って触れるカグヤに、仁王立ちして笑みを浮かべるレン・・・頼んだと言いたげな顔に呆れた。
客だ・・・音は消していたが、モニターに写された客の顔を覗く。
『藤城の方か?』
『あー携帯の(笑)』
『先輩なんだろうな・・・』
『何で・・・限定してる?』
『分からないなら最上階から(笑)順番に・・・』
数回の電話・・・丁寧に写真付きの画面に笑っていた二人だった。
「だれだ?」
静かに出たレンに笑う・・・可笑しくて触れた手を止めてレンは指を指した。
「藤城・・・は、そこに?」
「いるさ、俺が呼んだし(笑)。だからお前は誰だ?」
「仕事・・・休んだので・・・」
「で?」
「調べたらココで、部屋に連れて帰ろうかと・・・」
「無理だな(笑)今は爆睡中だし動けねーよ」
息がつまる顔に口を引いて眺めた。
「(笑)ほっとけ」
「会って話したいのですが・・・貴方・・・と・・・」
「俺と?」
「はい・・・出来れば藤城とも・・・謝りたくて・・・」
ふぅーんと笑って解除してやったレンに、笑って自分を指差した。
『寝てろ(笑)そっちの部屋を使う』
それは楽し気でローブを綺麗に戻し自分を撫でた・・・その行為に可笑しくて声にも出せずに笑うしかなかったカグヤだった。
シャワー室だけがある部屋へ迷わずに引き入れたレン・・・ドア越しに背を凭れ話を聞くカグヤだった。
『藤城を襲った先輩か?』
『試しに抱いただけで・・・』
襲ったわけじゃないと呟き うつ向いた男に口を引いた。
『薬を使ったろ(笑)、痛いから使えと言われたぞ?』
『使って?』
『使わなくても出来るだろ(笑)。気持ちよくしないとな』
『 ・・・』
『垂れまくってたぞ?』
『 ・・・』
『捨てたなら拾うな(笑)、藤城は拾ったから安心しとけ』
『男を?』
『ん?関係ねーだろ?』
『 ・・・』
『何だよ(笑)味をしめたのか? 惜しくなってか?』
『す・・・好きだっ』
『違うだろ(笑)、藤城で起きたsexが忘れられなくて探したんだろ』
『そっそれも ありますけど・・・』
『お前・・・遊びの区別はつけろよ(笑)。そういう相手を探せ』
呟きながら男を立たせ、素早く服を脱がすレンに戸惑った。
驚き過ぎて声も出ずだった・・・塞がれた唇に思わず酔いしれていく・・・少しずつボタンを外されて促される。
抵抗は無理と分かる・・・自分の体と出来の違う事を見て思えた。
ハァと笑うしかない・・・早々に落としたレンだった・・・
諦めてベッドに横たわる・・・起きた気配に笑むカグヤ。
『寝とけ(笑)』
『分かったよ?』
『セリ(笑)抱くか?』
『駄目です!』
違う声に笑う・・・
『一緒に生きてみる(笑)』
『それで十分か?』
『はい(笑)』
『来なくて良かったろ(笑)』
『ハルト君が居るのに行けないわ(笑)。皆もそう・・・取ったら生きないでしょ?』
『ハルが じゃないぞ(笑)』
『そっか(笑)。・・・レンさん・・・』
『先輩と遊んでる(笑)。藤城が狙われてるから出るなよ』
『なんで!』
『(笑)襲いにだろ。藤城の味が良かっただけだ。セリを連れて見せつけて弾けば離れるだろ』
『大丈夫かな・・・』
あまりの頼りなさにセリが笑ってキスをした。
『抵抗はしてくれない?』
『 ・・・怖いから・・・さ・・・』
『先輩と寝る?』
『寝たくない・・・セリでいい・・・
これはセリとなら出来る(笑)こっちがいい』
『あー悪い(笑)寝たいから静かに頼むぞ・・・
レンに付き合ってて、まともに寝てないんだ(笑)』
『俺・・・』
『(笑)お前ともセリとも遊んだが、弄ってないぞ!』
唸る微かな響きに笑うカグヤは、疲れを癒すように眠るのだった。
これみよがしな音に笑うカグヤだった。
隣の二人が息を呑む音さえ笑う・・・レンがしでかす先輩の声・・・わざとに隙間を開けたろうドア越しに ため息も出た。
『何処まで病気なんだ(笑)。あーヤバい(笑)』
『カグヤさん?』
『(笑)三人でする?』
『しっ!』『しない!』
『二人でしとけ(笑)。手伝うか?』
慌て、いいと藤城は互いに布団をかけた事に笑って目を閉じた。
『大丈夫でしたか?』
『セリ(笑)それは、どーとる?哀れんで交ぜる?』
『(笑)ごめんなさい』
『大丈夫だ(笑)聞いて欲情はしない・・・レンじゃあるまいし(笑)』
『疼かない?』
『無い(笑)、抱きたいと思えない限り一度もない・・・
藤城が触れた事でしたくなるなら(笑)多少の気持ちは響く。
セリに触れて(笑)したいなら襲え、それだけでイケるだろ』
触れたろう漏れた声・・・照れた笑みの笑い声に微笑んだ。
『重ねれば情は出るが、互いに考えて事は進めよ・・・
新たな先に行くなら、しっかり言葉で別れを言え(笑)相手の為に・・・自分のいつかの為にな・・・』
『繋がりは・・・』
『だらだら続けるな・・・自分が苦しくなるだけだ。
出るなら今だぞ(笑)、残り二時間』
『そ、そんなにっ・・・』
『死ぬよな(笑)』
動きは早かった・・・
帰り際にレンへ伝言を頼むと、二人は静かに出て行ったのだった。
シーツを張り替えるカグヤの姿に、レンが声をかける・・・
カグヤの居場所には必ず2つ揃ってある事が不思議だったのだ・・・ずっと一緒に生きてきたが、これについては・・・聞く事はなかった。
最初の頃に使っていた場所に来ていたのだ。
既に二人は泊まりの報せをすませ、今の状態に可笑しくて声にもしたくなかったのだ。
電源は落としてある・・・活きているのは仕事用の携帯だけだ。
それはヒロもハルトも知らされていない・・・
少し前に食べさせて薬も飲ませ眠らせていた。
身元を調べ仕事先にも連絡をしておいた・・・
『探されてんな(笑)』
笑って眺めるレンの呟きに、仕方ないかと放ったカグヤでもあった。
暫くしてセリを呼び出す・・・朝食を頼んだカグヤへ数人分は本当かと玄関で手渡しながら呟く。
笑みだけのカグヤに促されて部屋へ入り込んだ・・・
ワンルームのように一面に開け放たれていた室内・・・ローブ姿のレンに驚き足が止まる・・・その奥に見えた光景に戸惑った。
『 ・・・か、彼・・・』
『(笑)だな・・・セリは食べた?』
『まだ・・・一緒に・・・』
『じゃ食べよう(笑)』
テーブルに置きながら話すカグヤを見つめた・・・戸惑うセリに笑み座らせて食べさせる・・・
良い香りの珈琲に笑い、口へ運んだ。
声にならない視線が離れず、飲み込めないセリ・・・仕方ないと間仕切りのカーテンを引いた。
『カグヤ(笑)』
『(笑)寝ろよ・・・』
言い返すレンは声を消す・・・見たいと。
フッと笑うだけのカグヤ・・・そのままに端まで引いてテーブルへ戻った。
『店で話してた事は?』
慌て振り向いたセリに笑む・・・
『寝付けなくて薬を飲ませたから聞こえない(笑)』
気にするなという笑みに苦笑いをするセリだった。
『利用・・・されてただけみたい・・・』
『藤城に惚れて?』
『ない(笑)優しいから頼っただけ・・・好きになってみようかなって・・・』
『そっか・・・』
『彼は失恋したみたい・・・抱かれてショックだったって・・・拒否したのに勝手に済ませて別れを切り出されたんだって・・・』
『セリは寝た?』
『一度・・・物凄い葛藤だった・・・怖くて・・・でも彼もで・・・お酒に頼って・・・ローションを使って・・・してみた』
『 ・・・なんで無理に繋げる?』
『したかったから・・・肌恋しくて・・・』
『セリも利用したんだな(笑)』
『してない!』
『したろ・・・疼いた時に目の前にいた藤城に預けた。病んでたから藤城も利用した・・・互いを利用して寝たんだろ』
『 ・・・』
『また寝れるのか?』
『 ・・・』
迷うように口へ詰め込むセリを眺める・・・
『ハルナと終わった?』
バレたと項垂れたセリに、口を引いて笑むカグヤ・・・
『簡単に繋ぐから利用されんだろ・・・気持ちが追い付いてから許せ・・・』
『寂しいから・・・』
『なら頭を切り換えろよ・・・割り切れ・・・この街は、そういう場所だろ。
それを知るハルナが、お前を抱いてただけだ・・・誰もが恋しくて抱く。
そこに中は必要ないと知るだろ』
『 ・・・』
『気づけ・・・』
涙を溢して顔を被うセリの頭を優しく撫でた・・・
『お前・・・薬が残ってたか?』
奥でレンの声がした・・・
『あー!触んないで下さい!』
藤城が慌て叫んだ・・・驚いたセリはカグヤを見ると黙れと口を押さえて笑った。
『外して下さい・・・』
『誰かを襲いに行くのを止めてたんだぞ(笑)』
『うわっ!』
ハハハと笑うレンに苦笑いをして様子を伺っていた。
『誰に失恋した?』
『 ・・・先輩に・・・・
俺、言いました? あっ・・・酒に酔ったから・・・』
『(笑)だな。寝て終わりか・・・(笑)ま、お前も俺を抱いたしトントンだな』
『 ・・・っ!』
驚きながらも少しずつ漏れ出す吐息に、セリが真っ赤な顔になり うつ向いた。
その行為は長引く・・・凄いと呟き楽しむレンだった・・・シャーっと引かれた音に、間の仕切りもされた事にカグヤが笑った。
許しを乞う微かな声・・・朝の光りは微かに見える・・・柔らかに揺れるカーテンを眺めるセリもいた。
ごくりと喉を鳴らしたセリに、笑って水を飲ませたカグヤ・・・一気に飲み込んだセリに苦笑いをする。
カグヤが音楽を響かせた・・・それでもボリュームは高くなく、微かに聞こえる程度に絞った。
幾度も喘ぐ声さえ聞こえる程度に・・・
目を潤ませるセリ・・・微かな自分の変化に構わずに自分に触れていく・・・震え・・・耐えながら自分の肌へ触れていった。
キッチンで珈琲を飲みながら観察するように眺める視線を感じながらセリは自分に起きた蠢く何かと戦っていた。
溢れた涙・・・自分へ運んだ手を眺めながら止め・・・迷うように動かす・・・その繰り返される行為は空しいと泣いた。
静かにバスルームへ連れ出す・・・服を脱がしながら・・・
誰かの存在に顔を引きつらせた藤城に笑う・・・
『ここは(笑)そんな場所だった・・・構わずにイケよ(笑)』
震え弾く自分・・・漏れ出る声を抑えるが、止まらない張り付きに身を焦がしていく勢いに負けた。
別の場所から響く声さえ自分を引き出していく気がして可笑しくなりそうだった。
近場に女の存在を知る・・・少しずつ開くカーテンを眺めた・・・果てた身の休みだと笑ってレンが開けていたのだ。
寝かされた人にローブ姿が乗る・・・自分と似た枷がされていて同じように誰かに求めていたのだと思えた。
半分だけ開かれた隙間から身を捩り足が蠢く姿があった。
全部をマッサージされていた気がした・・・何かを体から引き出すのだと耳元で囁かれた・・・
昂る自分・・・見ているだけで静かに起き出す事に焦る・・・笑うレンが唇を這わせていくが届かなかった。
目隠しをされ身は拘束された・・・熱さが邪魔だった・・・痺れる触れに身が震える・・・疼き出す自分・・・手が伸びない事に焦らされる・・・
口さえタオルが食い込み、微かな唸りは抑えられた・・・イク寸前で離れる・・・自分が溢すモノが触れる・・・
ビクつきさえ止まらなくなった・・・指一本さえ震え、電気が駆け巡るように震えた。
訴える・・・解放して欲しくて・・・突き進めて欲しくて頼みたいのにカグヤの手が向かない・・・
余計に疼き出す・・・微かな響きで何かを知る・・・ホッとした・・・忍ばせ始めた場所に神経が向く。
全部を預け願う・・・蠢くが違うと首をふり訴えた・・・手が舞う・・・視線が合わない・・・仰け反ると隙間へ何かが挟まれた。
より動けなくなり昂りは強さを増していった。
唇で解かれ・・・入り込む・・・押さえられ、より昂った。
違和感が起き出した・・・無機質なソレは自分も使う・・・なのに違うと感じた・・・・
溢れた涙を拭くカグヤが目の前にいた・・・目隠しをずらされた隙間から覗く優しい笑みだった。
タオルが取られ優しく口付けを落とされた・・・泣きながら絡める・・・応えるように、より深く絡める。
意識が朦朧とする・・・唇で塞がれているのに下が蠢く・・・
ふらつき意識も消えそうな時に、やっと解放された気がした・・・優しく扱われる自分にホッとした・・・
熱さが甦った・・・吐き出す息さえ熱い・・・抱き込まれた腕に しがみつく・・・
息さえ億劫になり全部が吹き出す勢いに焦った。
飛び戻すように唇が重なる・・・跳ねた自分を優しく抱く人を眺めた・・・
驚きながらも見返すと、優しく笑みに変えた人に微笑んだ。
互いの震えに浸る・・・それでも緩やかな揺れの中で彼に腕を回した。
身を返されると、優しい触れが自分を包みだした気がした。
あー・・・と項垂れたレン・・・そっとカーテンを閉じていく。
諦めたレンがシャワーを浴びに行った事に笑いながら眺めた。
ようやく薬さえ消えたのだろう、力尽きた二人は余韻に浸りながら静かになった。
フッと笑うだけのカグヤに、楽しんだ余韻が消えないレンが張り付く。
笑って触れるカグヤに、仁王立ちして笑みを浮かべるレン・・・頼んだと言いたげな顔に呆れた。
客だ・・・音は消していたが、モニターに写された客の顔を覗く。
『藤城の方か?』
『あー携帯の(笑)』
『先輩なんだろうな・・・』
『何で・・・限定してる?』
『分からないなら最上階から(笑)順番に・・・』
数回の電話・・・丁寧に写真付きの画面に笑っていた二人だった。
「だれだ?」
静かに出たレンに笑う・・・可笑しくて触れた手を止めてレンは指を指した。
「藤城・・・は、そこに?」
「いるさ、俺が呼んだし(笑)。だからお前は誰だ?」
「仕事・・・休んだので・・・」
「で?」
「調べたらココで、部屋に連れて帰ろうかと・・・」
「無理だな(笑)今は爆睡中だし動けねーよ」
息がつまる顔に口を引いて眺めた。
「(笑)ほっとけ」
「会って話したいのですが・・・貴方・・・と・・・」
「俺と?」
「はい・・・出来れば藤城とも・・・謝りたくて・・・」
ふぅーんと笑って解除してやったレンに、笑って自分を指差した。
『寝てろ(笑)そっちの部屋を使う』
それは楽し気でローブを綺麗に戻し自分を撫でた・・・その行為に可笑しくて声にも出せずに笑うしかなかったカグヤだった。
シャワー室だけがある部屋へ迷わずに引き入れたレン・・・ドア越しに背を凭れ話を聞くカグヤだった。
『藤城を襲った先輩か?』
『試しに抱いただけで・・・』
襲ったわけじゃないと呟き うつ向いた男に口を引いた。
『薬を使ったろ(笑)、痛いから使えと言われたぞ?』
『使って?』
『使わなくても出来るだろ(笑)。気持ちよくしないとな』
『 ・・・』
『垂れまくってたぞ?』
『 ・・・』
『捨てたなら拾うな(笑)、藤城は拾ったから安心しとけ』
『男を?』
『ん?関係ねーだろ?』
『 ・・・』
『何だよ(笑)味をしめたのか? 惜しくなってか?』
『す・・・好きだっ』
『違うだろ(笑)、藤城で起きたsexが忘れられなくて探したんだろ』
『そっそれも ありますけど・・・』
『お前・・・遊びの区別はつけろよ(笑)。そういう相手を探せ』
呟きながら男を立たせ、素早く服を脱がすレンに戸惑った。
驚き過ぎて声も出ずだった・・・塞がれた唇に思わず酔いしれていく・・・少しずつボタンを外されて促される。
抵抗は無理と分かる・・・自分の体と出来の違う事を見て思えた。
ハァと笑うしかない・・・早々に落としたレンだった・・・
諦めてベッドに横たわる・・・起きた気配に笑むカグヤ。
『寝とけ(笑)』
『分かったよ?』
『セリ(笑)抱くか?』
『駄目です!』
違う声に笑う・・・
『一緒に生きてみる(笑)』
『それで十分か?』
『はい(笑)』
『来なくて良かったろ(笑)』
『ハルト君が居るのに行けないわ(笑)。皆もそう・・・取ったら生きないでしょ?』
『ハルが じゃないぞ(笑)』
『そっか(笑)。・・・レンさん・・・』
『先輩と遊んでる(笑)。藤城が狙われてるから出るなよ』
『なんで!』
『(笑)襲いにだろ。藤城の味が良かっただけだ。セリを連れて見せつけて弾けば離れるだろ』
『大丈夫かな・・・』
あまりの頼りなさにセリが笑ってキスをした。
『抵抗はしてくれない?』
『 ・・・怖いから・・・さ・・・』
『先輩と寝る?』
『寝たくない・・・セリでいい・・・
これはセリとなら出来る(笑)こっちがいい』
『あー悪い(笑)寝たいから静かに頼むぞ・・・
レンに付き合ってて、まともに寝てないんだ(笑)』
『俺・・・』
『(笑)お前ともセリとも遊んだが、弄ってないぞ!』
唸る微かな響きに笑うカグヤは、疲れを癒すように眠るのだった。
これみよがしな音に笑うカグヤだった。
隣の二人が息を呑む音さえ笑う・・・レンがしでかす先輩の声・・・わざとに隙間を開けたろうドア越しに ため息も出た。
『何処まで病気なんだ(笑)。あーヤバい(笑)』
『カグヤさん?』
『(笑)三人でする?』
『しっ!』『しない!』
『二人でしとけ(笑)。手伝うか?』
慌て、いいと藤城は互いに布団をかけた事に笑って目を閉じた。
『大丈夫でしたか?』
『セリ(笑)それは、どーとる?哀れんで交ぜる?』
『(笑)ごめんなさい』
『大丈夫だ(笑)聞いて欲情はしない・・・レンじゃあるまいし(笑)』
『疼かない?』
『無い(笑)、抱きたいと思えない限り一度もない・・・
藤城が触れた事でしたくなるなら(笑)多少の気持ちは響く。
セリに触れて(笑)したいなら襲え、それだけでイケるだろ』
触れたろう漏れた声・・・照れた笑みの笑い声に微笑んだ。
『重ねれば情は出るが、互いに考えて事は進めよ・・・
新たな先に行くなら、しっかり言葉で別れを言え(笑)相手の為に・・・自分のいつかの為にな・・・』
『繋がりは・・・』
『だらだら続けるな・・・自分が苦しくなるだけだ。
出るなら今だぞ(笑)、残り二時間』
『そ、そんなにっ・・・』
『死ぬよな(笑)』
動きは早かった・・・
帰り際にレンへ伝言を頼むと、二人は静かに出て行ったのだった。