<3521> 写俳百句 (79) 蜻 蛉
居心地の蜻蛉が水面に映す影
七日は「秋日強し」の天候。日中は暑く、歩くと汗ばむほどだったが、日陰は涼しく、渡り来る風はひんやりと心地のよさがあり、季節は夏より秋に移ったという実感。道端の草叢も秋の花が目立って来た。五輪の祭りも終わり、コロナ禍はまだ収束には遠いが、第五波のピークは越えたという報。
今度は国政の政局が騒がしいが、何があれども時は移り行く。カメラを携えて池の周遊道を歩きながら思った。騒ごうが、騒ぐまいが、自然に属する時は頓着なく過ぎて行く。杭の先にとまるトンボも、池面にときおり姿を見せるカイツブリも、岸辺に咲き始めたアキノノゲシもみな移り行く時の中、時に統べられながら存在している。杭の先のトンボは居場所を得て、居心地よさそうに涼しい秋の風を受けてとまっている。 写真は水面に自らの影を映し杭の先にとまるウチワヤンマ。