東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

中学入試問題H29(11)【灘中】

2017-01-29 12:44:05 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

前線を伴った低気圧が本州を横切って東に進むので雲の多い空模様になりました。明日も曇りがちの天気ですが、予想最高気温は20℃と暖かい日になるようで、楽しみなことです。

さて、今回は平成29年度灘中入試問題を取り上げます。

問題は、
「[1]、[2]、[3]、[4]と書かれた4枚のカードが横一列に並んでいます。この列に、次のA、B、Cのうちのいずれか1つだけを行うことを1回の操作として、この操作を繰り返し行います。

  A:左端にあるカードを、左から2番目にあるカードと左から3番目にあるカードの間に移動させる。
  B:左端にあるカードを、左から3番目にあるカードと左から4番目にあるカードの間に移動させる。
  C:左端にあるカードを、右端に移動させる。

[1][2][3][4]の順にカードを並べた状態から、この操作を始めます。
例えば、BACの順に操作を行うとカードの並びは
[1][2][3][4]→[2][3][1][4]→[3][2][1][4]→[2][1][4][3]
と変化します。

(1)この操作を3回繰り返し行うことにします。

 (ア)ACBの順に操作を行った後のカードの並びは[ ][ ][ ][ ]です。

 (イ)操作を3回行う方法は、各回ごとにA、B、Cのどれを選択するかで、全部で27通りあります。このうち、3回の操作後に左端のカードが、
    [4]であるような操作の方法は(  )通り、
    [3]であるような操作の方法は(  )通り
    [2]であるような操作の方法は(  )通り
    [1]であるような操作の方法は(  )通りあります。

 (ウ)27通りの操作方法のうち、例えばAAAのときも、BABのときも、操作後のカードの並びは[2][1][3][4]となります。このように2通り以上の操作方法で実現できるカードの並びで[2][1][3][4]以外のものは、[ ][ ][ ][ ]と[ ][ ][ ][ ]です。

(2)この操作を3回繰り返し行うと左端のカードが[2]になり、さらに3回繰り返し行うとカードの並びが[1][2][3][4]となるような計6回の操作方法は全部で何通りありますか。

(3)この操作を6回繰り返した後、カードの並びが[1][2][3][4]となるような6回の操作方法は全部で何通りありますか。」
です。

長い問題文です。早速、取り掛かりましょう。

(1)の(ア)については、実際に操作して答えを求めましょう。

[1][2][3][4]にAを施すと、[2][1][3][4]で、続いてCを施すと、[1][3][4][1]で、最後にBを施すと、[3][4][1][2]になります。

したがって、[3][4][1][2]が答えです。

次に(1)の(イ)です。

3回の操作後に[*]が左端になるためには、2回の操作後に[*]が左から2番目にある必要があり、3回目の操作はA、B、Cのいずれでも構いません。これを基にそれぞれの場合を調べていきましょう。

まず、[4]が左端になる場合です。

初めの状態([1][2][3][4])で、[4]は右端にあり、1回目の操作がAまたはBのとき、[4]の位置は変わらず、2回の操作後に左から2番目になることはありません。

つまり、1回目の操作はCでなければならず、2回目の操作でBまたはCを施せば、2回の操作後[4]は左から2番目になります。

したがって、[4]が3回の捜査後に左端になるのは、CBA、CBB、CBC、CCA、CCB、CCCの6通りで、これが答えです。

[3]が左端になる場合です。

1回目の操作がBまたはCのとき、[3]はその操作後に左から2番目になり、2回の操作後に左から2番目になることはありません。

つまり、1回目の操作はAでなければならず、2回目の操作でBまたはCを施せば、2回の操作後[3]は左から2番目になります。

したがって、[3]が3回の操作後に左端になるのは、ABA、ABB、ABC、ACA、ACB、ACCの6通りで、これが答えです。

[2]が左端になる場合です。

1回目の操作がA、B、Cのいずれの操作でも、その操作後[2]は左端になります。その状態から2回目の操作後に左から2番目になるためには、2回目の操作がAでなければなりません。

したがって、[2]が3回の操作後に左端になるのは、AAA、AAB、AAC、BAA、BAB、BAC、CAA、CAB、CACの9通りで、これが答えです。

[1]が左端になる場合です。

1回目の操作がAのとき、[1]は左から2番目になり、2回目の操作後に左から2番目になることはありません。また、1回目の操作がCのとき、[1]は右端になり、2回目の操作後に左から2番目になることはありません。

つまり、1回目の操作はBでなければならず、2回目の操作でBまたはCを施せば、2回目の操作後[1]は左から2番目になります。

したがって、[1]が3回の操作後に左端になるのは、BBA、BBB、BBC、BCA、BCB、BCCの6通りで、これが答えです。

続いて(1)の(ウ)です。

(1)の(イ)の結果から[2]が左端になる3回の操作は9通りであることが判りました。

ところが、[2]以外の[1]、[3]、[4]の3枚のカードの並べ方は、3×2×1=6通りですから、[2]が左端になる3回の操作後の4枚のカードの並び方のうち、3通りが重複していることが判ります。

つまり、2通り以上の操作方法で実現できるカードの並びでは、左端のカードは[2]になります。

そこで、(1)の(イ)で求めた左端が[2]になる9通りの操作を、[1][2][3][4]に施してみると、
AAA⇒[2][1][3][4]
AAB⇒[2][3][1][4]
AAC⇒[2][3][4][1]
BAA⇒[2][3][1][4]
BAB⇒[2][1][3][4]
BAC⇒[2][1][4][3]
CAA⇒[2][3][4][1]
CAB⇒[2][4][3][1]
CAC⇒[2][4][1][3]
になり、[2][1][3][4][2][3][1][4][2][3][4][1]が重複していることが判ります。

したがって、2通り以上の操作方法で実現できるカードの並びで[2][1][3][4]以外のものは、[2][3][1][4][2][3][4][1]で、これが答えです。


長くなったので、(2)と(3)は次回に調べていきます。