こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
昨日、今日と厳しい寒さが続いていますが、明日は少し寒さが緩むようです。とは言っても、この週末が大寒で、しばらく日本の一番寒い時期が続きます。受験生の皆さんは、暖かくして勉強してください。
さて、今回は2003年ジュニア数学オリンピックに出題された立体図形の問題を取り上げます。
問題は、
「1辺の長さが1の正4面体ABCDがあり、4頂点を通る球の中心をOとする。この正4面体を次の3つの平面で切る。
●2直線BC、ADに平行で点Oを通る平面
●2直線CA、BDに平行で点Oを通る平面
●2直線AB、CDに平行で点Oを通る平面
このとき、正4面体はいくつかの立体にわかれる。点Aを含む立体の体積を求めなさい。」
です。
早速、取り掛かりましょう。
図1に、正4面体とその外接球の概略図を示します。
▲図1.正4面体とその外接球の概略図です
ここで図2のように、点Aから面BCDに垂線を下ろすと、その垂線上に点Oがあります。
▲図2.点Aから面BCDに垂線を下ろしました
このとき、垂線の足をGとすると、AB=AC=ADから、BG=CG=DGで、点Gは△BCDの外心になります。ところが、△BCDは正三角形なので、その外心と重心は一致するので、DG:GM=2:1になります。
続いて、正4面体を切る3つの面を調べましょう。(ここでは、「●2直線BC、ADに平行で点Oを通る平面」を調べます)
正4面体を、図2の点A、D、Mを通る平面で切った断面を図3に示します。
▲図3.正4面体を点A、D、Mを通る平面で切った断面です
ここで、辺ADに平行なOX(緑色)が、「●2直線BC、ADに平行で点Oを通る平面」になります。
他の2つの平面も同様で、3つの面はすべて点Oを通り、これらの3本の交線と、これらと面ABC、面ACD、面ADBとの交線で、正三角錐をつくります。
したがって、体積を求める点Aを含む立体は、図4の正三角錐を2つ合わせた図形(赤色線)になります。
▲図4.点Aを含む立体は正三角錐を2つ合わせた図形になります
あとは、図4の2つの正三角錐の底面積とそれぞれの高さを求めれば、体積を計算できます。
そこで、図3の断面に、BOの延長とADの交点をQ、DOの延長とAMの交点をPを追加して、図5のように、必要な線分の長さを計算しました。(DG:GM=2:1と三平方の定理(相似)を使います)
▲図5.必要な線分の長さを計算しました
ここで、△MAQ∽△MXOで、その相似比はMQ:MO=√2/2:√2/4=2:1から、MA:MX=2:1です。つまり、点XはAMの中点になり、求める体積をつくる2つの正三角錐の底面積Sは、△BCDの(1/2)^2=1/4になります。
一方、△BCDは1辺の長さが1の正三角形なので、その面積は、1×√3/2×1/2=√3/4です。
したがって、S=√3/4×(1/2)^2=√3/16になります。
次に、求める体積をつくる2つの正三角錐の高さの和はAOで、AO=AG-OG=√6/3-√6/12=√6/4です。
以上から、求める体積は、√3/16×√6/4×1/3=√2/64で、これが答えです。
途中の計算を大分省略しました。興味のある人は確認してみてください。
昨日、今日と厳しい寒さが続いていますが、明日は少し寒さが緩むようです。とは言っても、この週末が大寒で、しばらく日本の一番寒い時期が続きます。受験生の皆さんは、暖かくして勉強してください。
さて、今回は2003年ジュニア数学オリンピックに出題された立体図形の問題を取り上げます。
問題は、
「1辺の長さが1の正4面体ABCDがあり、4頂点を通る球の中心をOとする。この正4面体を次の3つの平面で切る。
●2直線BC、ADに平行で点Oを通る平面
●2直線CA、BDに平行で点Oを通る平面
●2直線AB、CDに平行で点Oを通る平面
このとき、正4面体はいくつかの立体にわかれる。点Aを含む立体の体積を求めなさい。」
です。
早速、取り掛かりましょう。
図1に、正4面体とその外接球の概略図を示します。
▲図1.正4面体とその外接球の概略図です
ここで図2のように、点Aから面BCDに垂線を下ろすと、その垂線上に点Oがあります。
▲図2.点Aから面BCDに垂線を下ろしました
このとき、垂線の足をGとすると、AB=AC=ADから、BG=CG=DGで、点Gは△BCDの外心になります。ところが、△BCDは正三角形なので、その外心と重心は一致するので、DG:GM=2:1になります。
続いて、正4面体を切る3つの面を調べましょう。(ここでは、「●2直線BC、ADに平行で点Oを通る平面」を調べます)
正4面体を、図2の点A、D、Mを通る平面で切った断面を図3に示します。
▲図3.正4面体を点A、D、Mを通る平面で切った断面です
ここで、辺ADに平行なOX(緑色)が、「●2直線BC、ADに平行で点Oを通る平面」になります。
他の2つの平面も同様で、3つの面はすべて点Oを通り、これらの3本の交線と、これらと面ABC、面ACD、面ADBとの交線で、正三角錐をつくります。
したがって、体積を求める点Aを含む立体は、図4の正三角錐を2つ合わせた図形(赤色線)になります。
▲図4.点Aを含む立体は正三角錐を2つ合わせた図形になります
あとは、図4の2つの正三角錐の底面積とそれぞれの高さを求めれば、体積を計算できます。
そこで、図3の断面に、BOの延長とADの交点をQ、DOの延長とAMの交点をPを追加して、図5のように、必要な線分の長さを計算しました。(DG:GM=2:1と三平方の定理(相似)を使います)
▲図5.必要な線分の長さを計算しました
ここで、△MAQ∽△MXOで、その相似比はMQ:MO=√2/2:√2/4=2:1から、MA:MX=2:1です。つまり、点XはAMの中点になり、求める体積をつくる2つの正三角錐の底面積Sは、△BCDの(1/2)^2=1/4になります。
一方、△BCDは1辺の長さが1の正三角形なので、その面積は、1×√3/2×1/2=√3/4です。
したがって、S=√3/4×(1/2)^2=√3/16になります。
次に、求める体積をつくる2つの正三角錐の高さの和はAOで、AO=AG-OG=√6/3-√6/12=√6/4です。
以上から、求める体積は、√3/16×√6/4×1/3=√2/64で、これが答えです。
途中の計算を大分省略しました。興味のある人は確認してみてください。