JR東日本06年カレンダー1月に「特急いなほ」 発行30万部…新年飾る皮肉 スポーツ報知(2005年12月30日08時15分)
JR東日本が作製、配布した2006年の壁掛けカレンダーの1月分に、脱線転覆事故の起きた羽越線「いなほ」が雪原を疾走する写真が使われていることが29日、分かった。同社は回収するかを各営業所などの自主性に任せる方針だが、今後、事故関係者などから苦情が寄せられる可能性もある。またこの日、秋田県在住の41歳の女性が、事故で行方不明とされていた母子について、「私たちのことではないか」と名乗り出た。
ヤフオクにも多数出品 定価以上で落札も問題の写真は、表紙をめくって1枚目、新年を飾る1月のカレンダーに使われていた。田畑を覆う白い雪、雲一つない青空、そびえ立つ雪山。
そんなのどかな景色の中を「羽越本線 485系いなほ」が走っていく。今回、事故を起こしたのと同じ形の車両だ。撮影地点は砂越―東酒田間。事故現場の、ちょうど北隣の区間に当たる場所だという。
JR東日本によると、2006年のカレンダーは例年通り12月初旬ごろ、完成した。発行部数は約30万部にものぼる。「約半分は社内用、もう半分は社外用」で使用され、関係各所に配布されたほか、一部はインターネットなどでも販売された(税込み450円)。その後、25日に脱線転覆事故が起き、同じ路線がカレンダーの新年を飾るという皮肉な偶然が重なってしまった。
一連の動きとは無関係と思われるが、インターネットのオークションサイト「ヤフーオークション」にも29日までに、JR東日本のカレンダーが多数、出品されている。まず、27日に300円で出品され、29日夜、定価より高い510円で落札されたものもあった。このカレンダーについて、「回収するかどうかは各部署の判断に任せるしかありません。何しろ、すでに30万部も出ているので」と同社広報部。今後、全社を挙げての回収の予定はないという。現時点で、カレンダーを受け取った人からの苦情などは本社広報には「まだ届いていない」という。だが、死者5人を出した痛ましい事故直後だけに、今後、事故関係者などから批判の声が上がる可能性もある。
皮肉な偶然が重なってしまったとはいえ、被害者の方の心情を察するとカレンダーの使用は差し控えるのが妥当かと思います。
しかし、インターネットのオークションサイト「ヤフーオークション」で定価よりも高い価格で落札されている現状には呆れてしまいました。
ドイツW杯の抽選に使用された各国の札の場合とは事を異にするもので、オークション運営サイドで中止をするべきではないでしょうか。