[耐震偽造]イーホームズ、再検査物件も偽造の判断できず 毎日新聞(2005年12月29日03時32分)
耐震データ偽造事件で、姉歯秀次元1級建築士の偽造を多数見逃していた国指定確認検査機関「イーホームズ」(東京都新宿区)が、事件発覚後に設計会社から提出を受けて再検査した「姉歯物件」の複数物件について、偽造の有無を判断できずに送り返していたことが分かった。「問題なし」と回答したものの、後に偽造と発覚した物件もある。国土交通省は28日、確認検査機関に対する立ち入り調査結果を公表し、ずさんな審査実態が明るみに出ており、民間や自治体の「検査能力そのもの」が問われている。
同事件は11月17日、国交省が、イー社が20件、東日本住宅評価センターが1件、それぞれ偽造を見逃していたと発表。これに対してイー社は、姉歯氏を使っていた元請けデザイン設計事務所に、他の民間機関や特定行政庁に申請していた物件のリストの公開を求めた。
これに応じて設計会社は、過去5年分のリストとともに、姉歯物件の構造計算書を提出。イー社は同月下旬、自社で確認検査したものも含め約20物件の再検査結果を返送した。
これによると、イー社自らが建築確認した都内と近畿地方のホテルについて「OK」と表記。さらに、日本ERI(東京都港区)や行政が確認審査を行った東海地方や関東地方の3ホテルについて「OK?」や「?」として送り返していた。これらのホテルはいずれも、後に国交省などの調べで耐震データに偽造があると判明している。
こうしたことについてイー社の藤田東吾社長は「早急な返答が必要と考え、問題発覚当時に分かっていた偽造パターンに当てはまるかどうかだけを調べた。再計算は現在行っている最中で、最初の返答だけで『検査機関としておかしい』と言われるのは心外だ」とコメント。設計会社側は「繰り返しやっても白黒の判断もつかないところが、なぜ検査機関として指定を受けているのか分からない」と話している。
国交省が28日現在で確認している偽造物件は88件。建築確認を通していた検査機関・自治体の内訳はイー社36件▽ERI12件▽他の4検査機関5件▽24自治体35件――となっている。
イーホームズ社について、姉歯元建築士が国会証言したことを裏づけしてしまうようなNEWS報道です。
結局のところ、検査機関としては何の役目も果たさずに、国民の税金を詐取していたということになってしまいます。
耐震偽装問題マンションを買わされてしまった被害者の方の更なる怒りの声が聞こえてくるようで、早急な国の被害者救済措置を期待するだけです。