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『弟子規』日本語解説(49)

2018年09月11日 | 『弟子規』日本語解説
凡出言 信為先 詐與妄 奚可焉
fán chū yán xìn wéi xiān zhà yǔ wàng xī kě yān
【解説】凡是說出的話,首要的是真實不虛、講求信用。說謊話騙人、胡言亂語都是不可以的。
【和訳】凡そ口から発する言葉は、信用を重んじるべきです。人を騙したり、嘘を言ったりするようなことは、決してしてはなりません。



●簡単解説:
★人偏(にんべん)に「言」を書いて、「信」という字ができています。つまり、発言はまことであるということです。人間の口から出た言葉は真実であって、信用を守らなければなりません。
 そのため、論語の中に「古者言之不出、恥躬之不逮也(古者(いにしえ)、言(げん)の出(い)ださざるは、躬(み)の逮(およ)ばざるを恥(は)ずればなり。〈古人が軽々しく物を言わなかったのです。それは実行が言葉に及ばぬことを恥ずるということからです〉)」との句がありました。
そのようにして、古代の人間は、自分が発する言葉をとても重視していて、話をする前に、まず、「この言葉を言っていいかどうか」、「言うべきであるかどうか」、「言った後に、私は言った通りに実行できるかどうか」などをよく考えていました。毎回、言葉を口から出すときに、言行一致であるかどうか、言葉通りに実行できるかどうかを案じていました。
この論語の句の「恥」というのは、自分が発した言葉通りにできていなければ、大きな恥であると認識していることです。
それだから、発言は信用を守るという土台の上に成り立てなければなりません。

★信のなかの「詐与妄 奚可焉」はとても重要です。「詐」は欺詐(ぎさ。うそをつくこと。あざむくこと)で、「妄」は人を騙すことです。決して、このようなことしてはいけません。そのようなことをした果報はとても恐ろしいです。
現在この詐欺を働くや妄語をする行為はどこが一番多いですか。商業に一番多いです。かつて会社経営の学友たちが「今は、人を騙さないと、どうやってお金を儲けられますか」と言ったことがありました。まるで、金儲けは、お金を多くせしめる計略を巡らす技次第で不正で騙し取ったものかのように思っているみたいです。
しかし、そのように人を欺き、不正に手に入れたお金であっても、自分たちの運命のなかにもともとある金運を使っていることになっています。自分にない金運であれば、いくら人を騙しても結局手に入れられません。
つまり、運命のなかに金運がなければ、詐欺の方法を使っても、一円も儲からないのです。もともとお金がない運命だからです。
逆に、運命のなかに金運がある人であっても、詐欺・不正の手段を使えば、自分の金運を大きく損ない、減らすことになります。たとえば、あなたの運命にもともと10億の金運があるとします。「詐」と「妄」を用いて入手できる財産はその半分になってしまうかもしれません。つまり、10億の金運が5億になってしまいます。それなのに、あなたは得意気になって、自分がこんなにも稼いだと自慢していて、実際のところは半分も損失したことを知らないのです。
さらに、もし、あなたはその金儲けのために、人のお金を騙しとるだけではなく、さらに人の命までも奪い取っていたら、あなたが得た財産は運命にある金運の10分の1となります。10億のお金を稼げる運命でしたが、1億だけ手にいれ、9億が無くなってしまいます。それだけではなく、来世は、あなたは地獄に堕ちます。地獄から出た後に、また、畜生として生まれ変わってきて、償います。
この損失は実に大きいです!
あなたはこのような因果応報を信じません。報いがあることを信じません。しかし、死んでから、自分の目でそれを見た時には、もう「後悔先に立たず」です。
 くれぐれも、このようなことをしないようにしてください。
 そのため、古代の人は、商売する際に、商道(しょうどう。商売をする者が当然守らなければならない道義)を、つまり、商業道徳をよく守っていました。私は安徽省の出身です。歴史上では、徽商(きしょう。新安商人(しんあんしょうにん)」と呼ばれる商人たちがとても栄えていました。徽商たちは安徽省南部に住んでいました。彼たちの姓氏(せいし)と家譜(かふ。その家の系譜。一家の系図)を見ればわかることですが、それぞれの家庭に決められている規定・ルールのなかに、皆「誠信を尽くして欺(あざむ)かない」との主旨の内容が設けられていました。それがゆえに、彼たちの家業には、長い間、立派な伝承がありました。どの業種の経営であっても、代々老舗で、代々受け継がれていき、先祖代々の教えを守り、従い、決して人を騙さず、誠実・忠実に商売し、確かな品質と良心的な価格でお客様に奉仕していました。
 しかし、現代では「詐」と「妄」が、日常茶飯事のようで、至るところに起きています。世界の多くの大銀行が倒産しました。倒産の理由はなんでしょうか?「詐」と「妄」はその原因です。もし、誠実・忠実にやっていれば、倒産するはずがないです。そのようなことは起こりません。他の保険会社や金融企業の倒産・破綻も、皆この「詐」と「妄」の問題があったからではないでしょうか。
 それだから、「詐」と「妄」は決して金儲けの秘訣ではありません。お金を儲かる秘訣はやはり仏法が説く布施、つまり貧苦・困難な人などに財を施すということです。施せば、はじめて、得ることができます。
中国語には、「捨得」という言葉があります。出し惜しまないという意味ですが、熟語の文字通りに、「捨ててから得る」とのように、まず「捨」です。つまり、惜しまずということです。財を惜しまずに施せば、財を得ることができます。得た財をさらに、施すべきです。多く施せば、多く得られ、多く得れば、また多く施します。その繰り返しです。これをできれば、あなたは菩薩となります。あなたは模範となって人々にこの金運アップの秘訣を教えながら、同時にあなたのその施しによって、多くの苦難の人々が救われます。

★歴史上にある有名な話がありました。周朝の時に、呉王の末子(ばっし)の季札(きさつ)という方がいました。彼は外交上の使命を帯(お)びて魯(ろ)国(こく)へ赴いた途中で、徐(じょ)という国を通りかかったときに、徐国の国王と会いしました。そのときに、徐の国王は季札が身につけていた宝剣(ほうけん)をとても気に入りました。それはとてもよい剣でした。
季札はそのことを察したものの、すぐには贈らなかったのです。公務の途中でその剣を使うことがまだあるかもしれないと考え、魯国から呉国へ帰国する途中に、またプレゼントとして徐の国王に差し上げようと、口には出さずが、心の中で決めていました。



しかし、後に、魯から帰ってきた季札が徐国を通過したときになると、残念なことに、徐王はすでにお亡くなりになりました。季札は「前回お会いした時に、自分がすでにこの剣をプレゼントしようと心に決めていたので、今国王さまがおられなくても、その生前の約束を果たしたいと思っています」と述べ、徐王の墓辺の樹の枝に剣を掛けて贈り、立ち去りました。
この話は有名な美談の「季札挂剣」(季札剣(けん)を挂(か)く)となりました。このように、古人は本当に信用をとてもよく守っていました。

 
簡単解説の内容は浄空法師の説法、楊淑芬(ようしゅくふん)居士先生の「弟子規」、成徳法師(蔡礼旭<さいれいきょく>先生)の「幸福人生講座」などの講義内容に参照してまとめたものです。
一部の内容は念仏人さんのブログによります、心から感謝いたします。
ブログをご覧になっている皆さんとご一緒に学ぶことができて、本当にうれしいです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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